「あけましておめでとうございます!」
「あけましておめでとう、ロゼさん」
「それで……この服は……?」
まだ日も昇らない早朝に、二人は普段とは違う装いで向かい合っていた。
前日にマリエールにこれを着て来なさいと押し付けられた、高級そうな異国の衣装である。
「東のほうの民族衣装だと、出入りの商人の方からは聞いていますわ。お祝いの時に着る縁起の良いものだとか」
「すごく綺麗な色ですもんね……」
「丁度良いので貴女にも着せようと思って購入しましたの」
「思い切りが良い……ありがとうございます……」
最高級のものをしれっと贈られることに色々思うところはあったがロゼは飲み込むことにした。
マリエールは白地に銀で花の刺繍が入った着物に、その薄金色の髪を飾るリボンと同じ深い赤色の帯、金の帯止め。
ロゼは黒地に赤い花の模様で、銀色の帯に赤い帯止め。リボンはマリエールと揃いのちりめんの赤。
事前に着方を教わっていなかったら絶対に着られなかったし、なんなら出会ってから即座に直されたが、なんとか格好になっている。
「似合ってますわよ」
「マリエールさんも、普段とはまた違った雰囲気ですがとても似合ってますよ!」
顔を見合わせて笑ったあと唐突にマリエールは言った。
「ということで、行きますわよ!」
「どこにですか!」
「日の出を見にですわ!」
「なんでですか!」
「そういうものなのですわ!」
年明け早々にぎやかな二人であった。
街の外まで一望できる時計台へとやってきた。
「へっぷしっ」
「流石にこの高さだと冷えますわね」
マリエールが魔法による空気の層を作り出す前に、くしゃみをしていたロゼがマリエールの手を取った。
「これで少しは暖かいです!」
ロゼの温かい手のひらと、マリエールのひんやりした手のひらの温度が次第に同じになっていくのが分かる。
「そう、ですわね」
にこにこと機嫌よさげなロゼに、マリエールもきゅ、と手のひらに力をこめるのだった。
段々と空が赤く染まる。
「まるで、貴女の瞳のようですわ」
燃えるような空が、明るい夜明けが、まるでロゼの瞳のように見えてマリエールはぽつりとこぼした。
ロゼが反対側の空を指差して言う。
「それじゃあ、あっちの空はマリエールさんの瞳ですね!」
そこには未だ朝日に染められきっていない蒼い青い空があった。
「それで、朝焼けが真っ赤な今は……この辺です!」
動いた指は中天を指した。赤と青が入り混じったような複雑な色合い。
「それを言うなら、青空を見ている時の貴女の瞳も、この辺りかしら」
「それぞれ反対方向向いてたら同じ色になるんですね……」
それはそれで寂しいようなとうなっているロゼの向かいにマリエールは立った。
「向かい合わせに立っても、同じ色ですわ」
何故か少し顔を赤らめるマリエールの目の中に映る赤はまさしく。
「ホントですね!」
きゃっきゃとはしゃぐロゼの、離すのが惜しくて離さなかったその手を引いて、マリエールは朝日の方を向かせた。
「せっかくの日の出が済んでしまいますわ!……瞳の色は違っても、今は隣で同じ物を見ていましょう」
「はい!」
SSR振袖ロゼ&マリエール
絵柄は羽根つきで負けて顔に○×描かれるロゼ
「魔法はずるいです!ずるいですよ!!」
「ぐぬぬぬこの顔に墨は・・・」
「あ゛ーーー!負けた!!!」