書きたかったんです。
ポケットモンスター。
現代の日本においてこの名を知らない者はいないだろう。
1996年に初代となる赤・緑が発売されて以降、老若男女を問わず多くの人々を虜にしてきた育成型ロールプレイングゲームである。
人気を得た理由は様々だろう。ポケモンの造形、綿密に考えられたストーリー、対戦の奥深さ……。
そしてここにも一人、ポケモンに魅了された人間がいた。
「よっしゃ陽気C抜5V夢♀リオル生まれたぁぁぁぁぁ!」
「本当お前飽きないな……牛に乗って柵の中を延々回り続けるのの何が楽しいんだ?」
「わかってないな……ポケモンってのはな、構成練って理想個体出るまで孵化厳選粘って努力値振って……。そういう地味な積み重ねこそが本領、そして何よりの楽しみなんだぞ?」
「王冠」
「…………………………あれはまあ、固定シンボルとめざパの厳選が楽になるからギリ許す。」
「うん、取り敢えずお前はあれが気に食わないってのは分かった。」
彼は小学生の頃初めてポケモンを知り、ものの数か月で虜になり、そして今や廃人一歩手前にまで至っていた。
「その様子だと……もう買ったのか?」
「ん?買ったって何を?」
「ほら、最新作の……剣盾だっけ?」
「ああ。忙しいのと金がないのとで今まで買えてなかったんだが、今日は時間が取れたしバイトで大分貯まったからな、勿論秋葉でも行って買ってくるぞ!」
「……いつも何時間もやってる
「馬鹿野郎俺からポケモン取ったら何が残るってんだよ!」
「水と蛋白質」
「迷いないな……」
「まあな。それより……良いのか?」
「良いって、何が?」
「ただでさえ講義中にDS使って目付けられてんのに、新しいハードなんか始めたら……」
「………………まあ、何とかなるだろ。」
「その間はなんだ」
「それじゃあ秋葉行ってくる!じゃあな!」
「あ、おい逃げんな!……はあ。」
そうして走り去っていった
―――――――――
「よし、何とか買えたな……」
自宅に帰った彼は満足そうに手元のビニール袋を見る。
その中には人気が高く中々買えないことで有名な某ゲームハードと、剣をモチーフとした紅白のパッケージが入っていた。
「勢いで飛び出した手前買えませんじゃ格好がつかなかったけど、在庫残ってたのはホント運がよかったな。」
誰にともなく頷き、気が済むまでパッケージを眺める。
「さて……」
それぞれの箱を開封し、ソフトを入れて電源をつける。
「おお!」
前作とは一線を画すグラフィックに驚き、御三家単騎で8つのジムを突破し。
ここまで本当に楽しそうにゲームを進めていた彼だが、ついに。
「さあストーリーも終わったし、そろそろ我らが
「は?図鑑載ってないと過去作から送れないってマジ? カグヤは?ジャロは?……出禁?許さん……」
「あれ?メガリングどこで貰えんの? は?メガ禁止?嘘だろ!?
「待ってガルドの実数値下がってない? え……弱体化……?冗談キツイって……」
「畜生ゲ〇フリふっざけんなぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!」
――――――――――――――
『……で、君は普段の不摂生も祟って、ストレスによる高血圧からの心臓発作のコンボ決まって死んだわけなんだけども。』
「……………………。」
『……うん、言いたいこともわかるよ?僕だって信じられないさ、こんな若い子が心臓発作で死亡、しかもたかがゲームごときで』
「そこは撤回を要求します」
『あっはい』
……そしてどうやら俺は、間違っても両親に顔向けできそうにない理由で死んだらしい。
『うん、ここまでくると僕も笑えないね……。もうだいぶ長い期間転生業やってきたけど、ここまで酷いのは本当に初めてだよ。』
なんか目の前にいる神っぽい人?にもガチトーンで哀れまれてる。シテ……コロシテ……
『いや、死んだからここにいるんだけどね……。』
「……………………。」
『……………………うん、僕が悪かったから。取り敢えずそろそろ話進めたいんだけどいいかな?』
「………………はい。」
そして説明を受けた。
どうやら彼は予想していた通り俗に神と呼ばれるアレの一員で、なんか上の偉い神様の目に留まった死に方をした人間をここに連れてきて、自分の来世をある程度好きに決めさせるのが仕事らしい。
因みに俺の死に様は最高位の主神たちに揃って大受けしたため、次の人生はほとんど好きにしていいらしい。なんだろう、素直に喜べねえ……
『……で、そろそろ決まったかい?』
「もうちょい待ってください……」
でももらえるんだったら可能な限り最上のものが欲しい。というわけで絶賛思案中の俺です。
『まあ、明日までには決めといてね。僕はほかの人の応対してくるから……』
―――――――――――――――
『まだ決まらない感じかな……?』
「はい、すみません……」
そして3日が経った。あれもこれもと考えているうちに考えがまとまらなくなってきたのである。
「あ、でもあとちょいで決まるんでもう少しだけお待ちいただけると……」
『それなんだけどね……』
「……はい?」
『主神の中でも特に快楽主義者のやつがね、〈こいつポケトレにしてガラル放り込んだらめっちゃ面白そうじゃね?〉って言いだして……他のみんなもそれに賛成しちゃって。』
「…………え、マジすか?」
『うん、マジ。それで君の転生先、ガラルに決まっちゃったの。』
「嘘だぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」
ガッデム!畜生、この世に神はいないのか!
『本当にごめん!僕はアレ止められるほどの権力ないんだ……』
「……いや、貴方……貴神?は悪くないですよ……どこの世だって縦社会は世知辛いものですから……」
『で、でも!君の立場もあるし、何とか譲歩させられたところもあるから!』
「……譲歩?」
『ウルトラ、ムーンだっけ?君の転生体をあれの主人公にしたから、今まで君が育てたポケモンは向こうでも使えるよ!』
「ありがとうございまぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁす!!!!!!」
おお神よ!神はここにいた!
『そりゃあ僕も神様だからね。それじゃあそこの……ほら、なんかそれっぽく光ってるところ。あそこの上に乗ってくれない?』
「わかりました!すみません、この御恩は一生忘れません!」
『そういってもらえると嬉しいよ。それじゃあお別れかな?』
「はい、お世話になりました!」
『うん。――それじゃあ、善き人生を。』
視界が暗転する。
――――――――――――――
『いや~、今回の子はやけに元気な子だったなぁ……』
『全くだな、来世が今から楽しみだ。』
『うわ■■■■様!?いつからそこに!?』
『ついさっき。それよりも■■、いいのか?』
『良いって、何がです?』
『なんかあいつお前にめっちゃ感謝してたけどさ……』
『はい。』
『あいつのアバター、確か女の子じゃなかったか?』
『ゑ”』
「あ、あ~……」
「声、高いな……」
「うわ、めっちゃ肌白くて綺麗じゃん……」
「鏡……うわ、可愛い」
「いや~、こんな色白美少女に転生とかちやほやされちゃって困っちゃうな~……」
「はは…………。」
「…………………………。」
「……………………………………。」
「畜生謀ったな神様ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」
『本ッ当に申し訳ございませんでしたぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!』
『草生える』
日々のストレスと疲労をこれにぶつけてます。結構久々の投稿なので文法死んでるかも……
というかさっさとシナリオの方入りたい。