カゲロウデイズ〜もしもの世界〜   作:ルミナス

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すみませんが、今回から此方も三人称にさせていただきます

一人称が良かったと言う方は言ってください。戻します

今回は途中から一人称になってる部分がありますので、ご注意下さい

それでは!どうぞ!


束縛レジスタンス(Ⅵ)

蓮は自室で頭を抱えていた。

 

そもそも、こんな状況に陥ったのは、彼からしたら団長であるキドの所為と言いたくなる事を彼女はしてきた。

 

その事で、蓮は頭を悩ませている。

 

「……はぁ、多分、彼奴が今までしてきた事は茜とかの助言もあるんだろうな」

 

蓮はそう言いながら、自室の天井を見た。

 

実はつい先日、蓮が仕事を終え、帰ろうとすると、雨が降っていたのだ。

 

その時はバイクに乗って来ていたために傘なんて持ってきていなかった。

 

濡れること覚悟でバイクに乗って帰ろうとしたが、ギターの事もありどうするべきかと考えていると、足音が聞こえた。

 

そちらの方に目を向けると、見慣れた緑髪が歩いて来ていた。

 

「……」

 

「そんなに睨むな。ほら、お前の傘だ」

 

そう言って、キドが渡したのは黒地の傘。確かに蓮の傘である。

 

「……お前、本当にストーカー化してないか?」

 

「違う。それを渡して来たのはアカネだ」

 

実際の所、買い物に行くついでに蓮に傘を届けようとしていたキドが、茜に頼った結果の傘なのだから、違うと言わざるおえない。

 

「……そうか、茜が」

 

「ああ。それじゃあ、俺はもう帰るぞ」

 

そう言って帰ろうとしたキドだが、それを蓮が腕を掴むことで制止させた。

 

「な⁉︎///」

 

「待て、買い物袋は俺が持つ。というか、バイクに載せる」

 

「だ、だがな……ギターはどうするんだ?」

 

「それは肩に担ぐから大丈夫だ。ちゃんとずり落ちない様に工夫もしているしな」

 

「しかし……」

 

「良いから、任せろ」

 

そう言って、キドから買い物袋を貰うと、バイクの籠へと載せた。

 

「すまない」

 

「謝られる事じゃない」

 

そんな会話をしていると、ふと、何でこんなに会話をしているのかと疑問を持った蓮。

 

そして、現在に至るのである。

 

「……はぁ、駄目だ。絶対に認めたら駄目だ。彼奴の気持ちは分かってる。が、俺がそれを認めたら終わりだ」

 

蓮はうわ言の様にそう呟く。すると、ドアをノックする音が聞こえてきた。

 

「誰だ?」

 

「俺だ」

 

蓮はその声で誰なのか判別でき、入るなと言おうとしたが、相手は許可無しに入ってきた。

 

「……俺は許可を出した覚えはないが?」

 

「ああ、お前はしてない。だが、お前はするつもりすらなかっただろ」

 

「チッ」

 

蓮は舌打ちすると、キドを睨んだ。

 

「で?俺に何の用だ?」

 

「もうそろそろ、お前の過去を聞かせてくれても良いんじゃないか?」

 

「お断りだ。お前らに俺の過去を話す理由がない」

 

「俺達は仲間だ。それじゃ駄目か?」

 

「俺は茜以外を仲間だと思っていない。赤の他人だ。俺達は強制的に此処に入らされただけだ」

 

「……」

 

そう言って頑固に話そうとしない蓮に、キドは困った顔をした。

 

その顔を見て少し揺らぎそうになるが、蓮はそれを何とか振り払った。

 

そして、数秒の沈黙の後、キドが蓮に近付き、隣に座った。

 

「……何の真似だ」

 

蓮はキドをまた睨むが、キドはそれに怯まず、答えた。

 

「お前が話してくれるまで此処を動くつもりがないという意思表示だ。あ、アカネの所に避難しようとしても無駄だ。今回はアカネも協力してくれている」

 

それを聞いて、本日二度目の舌打ちをした蓮。

 

そして、少しの間、黙りを決め込むが、キドの目を見ると、溜息を吐いた。

 

「……仕方ない。分かった、話してやるよ。それで気が済むならな」

 

そして、蓮は話し出した。

 

自分の過去を。

 

***

 

俺達の家族構成はもう既に聞いてるだろ?なら、その辺の話は省いて話す。

 

俺が中三の頃、この頃までは蓮菜もまだ居たんだ。けど、俺達の周りには友人が居なかった。

 

理由は茜と同じさ。で、避けられてた。

 

そして八月十五日、俺達は倒れた。

 

理由は過度の栄養不足だ。だから、倒れた。

 

そして、そんな時に運悪くトラックが通って、死んだ。

 

……だが、何故か俺は生きていて、病院側の人からも驚かれた。

 

けど、そこに蓮菜は居なかった。

 

だから、聞いたんだ。『蓮菜は何処だ⁉︎』ってな。

 

けど、医者の奴らも検討がつかないらしい。というか、そもそも俺一人しか発見されなかったらしい。

 

それを聞いて一消沈した俺だが、アカネがまだ居る。だから、帰ると決断して、病院側から強引に引退して、家に帰ったんだ。そして……お前の考えてる通りだ。

 

そして、此処からがお前達が知らない過去だ。

 

俺が高校に入って少しした頃、俺のこの能力の事も暴露て、虐められてた頃だ。

 

俺に彼女が出来た。名前は鈴。

 

俺は確かに彼女の事が好きだったが、直ぐに別れる結果となった。

 

理由は、あっちが俺を更に虐める為のネタを探しに俺に近付いただけだったからだ。

 

だから、俺は別れた。

 

その次にまた俺に告白してきた奴がいた。けど、俺はその告白を断った。

 

何故なら、そいつが鈴の仲間だったからだ。

 

俺はそれに直ぐに気付いて、だから断った。

 

そして、家のお金が危なくなってバイトを始めた頃の事。

 

また俺に彼女が出来た。……そいつが、俺にとって、もう二度と忘れる事が出来ない事をしたんだ。

 

そいつの名前は『岡田 菫』。本当に綺麗な奴だったんだ。

 

俺はその時は花屋でバイトをしててな、そいつも其処で一緒にバイトをしてたんだ。

 

俺が先輩で菫が後輩。最初はそんな関係だった。けど、それが続いた時にあっちから告白されたんだ。

 

俺も菫に好意を持ってたから、だからその告白を受け入れた。

 

……けど、それも直ぐに終わったんだ。

 

俺が彼奴の部屋に行った時、見たんだ。

 

彼奴が俺を隠し撮りした写真を。

 

それが怖くてな、俺はその日から日を明けてから別れた。

 

……けど、それで終わりじゃなかった。

 

その日から、俺は視線を感じる様になった。

 

家に帰っても、彼奴からの手紙が何枚も送られてくる毎日だった。

 

それは俺の部屋に入っても同じで、部屋を探してみれば盗聴器や盗撮カメラが何個も見つかった。

 

だから、俺は彼奴に真っ正面から言ったんだ。

 

『もう頼むからこんな事はしないでくれ‼︎』って。

 

……彼奴は、それを聞くと泣きながらどっか行った。けど、俺はその後を追うほどの心の余裕は、もう何処にも無かった。

 

それから、夏になって、蓮菜の墓参りに行った日の事だ。

 

菫からメールが届いた。

 

俺は恐る恐るだったがそのメールを読んで……直ぐに菫がいる場所へと走った。

 

其処は菫の家だった。

 

菫にはな、家族は居ないんだ。だから、一人暮らしだった。

 

だから、彼奴は二人を誘拐した。

 

その二人っていうのが、俺を虐める為に付き合おうとしていた鈴とその友人だ。

 

菫は俺が来たのを見たとき……とても歪んだ笑みを俺に見せたんだ。

 

「あぁ、漸く来てくれた。蓮」

 

「はぁ……はぁ……、菫……やめろ……」

 

「蓮、ああ、愛しの蓮。こいつらは貴方を傷付けた。もうちゃんと調査済み。貴方の事なら貴方の汚い妹よりも知ってる。だから、こいつらが貴方に何をしたか、何をしてきたかを知ってるわ。ねえ?私は貴方を愛してる。だから、こいつらが許せない。私の愛しの蓮を傷付けた塵を許せない。ただの塵が蓮を傷付けたのが許せない。許せない許せない許せない許せない許せないユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイ‼︎」

 

「⁉︎」

 

俺はその時の狂気に恐怖して、一歩下がってしまったんだ。

 

「あら?何で私から離れるの?蓮。ああ、そういうこと。この子達にまた虐められると思ってるのね?大丈夫よ。私がちゃんと、掃除シテアゲルカラ」

 

菫はそう言うと、手にずっと持ってたであろう包丁を、彼奴らに向けた。

 

「「⁉︎」」

 

「や、やめろ‼︎」

 

その時、俺は菫にやめるよう声を掛けた。だが、遅かった。

 

菫は容赦無く、鈴達の心臓を刺した。

 

……もう想像がつくだろうが、その場は血の海と化したんだ。

 

「うっ」

 

俺はそれに耐えきれず、戻してしまった。

 

「うわ、塵の血なんて汚いじゃない。はぁ、塵の分際で」

 

菫はそう言うと、今度は鈴の頭を刺した。

 

それも、何度も、何度も、何度も、続けてな。

 

「汚しやがって、塵の分際で汚しやがって、死ね、死ね、死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ねシネシネシネシネシネシネシネシネシネシネシネシネシネシネシネシネシネシネシネシネシネシネシネシネシネシネシネシネシネシネシネシネシネシネシネシネシネシネシネ」

 

「うっ、もう……やめてくれ……菫」

 

俺が菫の名前を呼ぶと、彼奴は花が咲いたかの様な笑みを俺に向けたんだ。

 

「蓮……私の名前を呼んでくれた?ああ、貴方から呼ばれる名前は何て美しい名前……そう、貴方の隣に立つ私に相応しい。ああ、お母さん、私は今日以上に貴女に感謝した覚えがないわ。ああ、何て良い名前」

 

菫はそう言葉にすると、俺に近寄って来た。

 

俺はそれが怖くて、後ろに下がったんだ。

 

すると、彼奴も歩みを止めた。

 

「……何で私から遠ざかるの?蓮」

 

「菫、頼む、近寄らないでくれ」

 

俺はその時、強く拒絶した。そしたら、彼奴の顔は悲しみにくれた。

 

「ねえ?何で遠ざかるの?蓮。私の事を愛してくれてるんじゃないの?愛してくれるって言ったじゃない。なのに、何で私から離れたの?この子達の所為なんじゃないの?この子達が虐めたからじゃないの?」

 

「確かに、そいつらは俺を虐めてたが、もうそれも終わってる。だから、お前がそんな事をしなくても良かったんだ」

 

「あら?そうだったの?まあ、蓮を虐めた時点で死に値するのだけど」

 

そう言いながら死んだ鈴達の死体を塵でも見るかの様な目で一慶してから、今度は狂気に満ちた目を俺に向けた。

 

「⁉︎」

 

「……ねえ?蓮。蓮は私の事、好き?」

 

「……前までは好きだったが、今は嫌いだ」

 

俺がまた拒絶すると、彼奴は笑みを浮かべて言ったんだ。

 

「そう、私は蓮の事が大好きよ。私は貴方を誰の目にも映させたくない。特に女性に。だから……私と一緒に、永遠に一緒になりましょう?」

 

菫はそう言うと、俺に包丁を向けながら近付いて来たんだ。

 

「なっ⁉︎や、やめろ‼︎」

 

俺は刺されない様に必死に抵抗して……菫を刺してしまった。

 

「ぁ……」

 

「ふ、ふふ……」

 

……菫は自分が死ぬと分かっていながら、笑って言った。

 

「コレで……貴方から……私が消えることはない。貴方の中を、私が独り占め出来る。ふふ、ふふふふふふ…………」

 

「す、菫……?」

 

俺は菫が本当に死んだのを見て、死んだ瞬間を見て、叫んだ。

 

其の後、菫の家の近所の人が騒ぎに気付いて、警察に連絡したが……俺以外の全員死亡。

 

俺が最初は疑われたが、俺の説明と証拠が俺の無実を語ってくれた。

 

俺は正当防衛と言うことで解放されたが……俺が殺したことに変わりはない。

 

……俺はその日以降から女を警戒する様になった。

 

もう、あんな目には合いたくないんだ……。

 

これで、俺の過去は終わりだ。




中途半端に終わってしまって申し訳ないです。

けど、コレで蓮君の過去は分かっていただけたと思います

それでは!さようなら〜!
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