そして、これから多数に原作と違う部分が出てきます。これはタグにオリジナル展開とでも載せておきますね。
それから、クリスマス編の話は消しています。
理由としては、ヒントとして出した話が答えになってしまう可能性が出てきたからです。
それでは、メカクシコード。スタートです!
***
キドは、ある夢を見る事が度々あった。
それは孤児院の夢。
まだもう一人の姉がいた頃の夢。
キドはカノ、セイヤ、まだ人見知りが激しかった頃のセト、サクラと共にヒーローごっこをしていた。
この時の悪役はいつも父親であり、孤児院に迎え入れてくれた人だ。
「見よ!ヒーロー達よ!此奴が見えるか〜!」
そう言いながら抱え上げたのは怖がるどころか楽しそうに笑っているーーーだった。
(……まて…………ーーーって、誰だ?)
シンタローが目を覚まし、見た光景は、あまりにも日常を普通とは言いがたくも謳歌してきたシンタローから見たら、どうにも常識からかけ離れている光景だった。
「な、なんでアカネがこんなヘンテコ軍団に……?いや、それ以上に何でモモが……」
そんな呆然とした状態で呟くシンタローだったが、しかしその呟きは突然のモモの抱き着き攻撃によって阻止されることとなった。
「お兄ちゃん!!」
「グヘェ!」
モモのその抱き着きは、シンタローからしてみればやはり攻撃でしかなく、もう一度意識を失いかけたが、しかしそれはアカネと同じ赤髪の男性に引き剥がされたお陰で阻止された。
「モモ、落ち着け。お前の兄がもう一度昇天しかけてたぞ?」
「はっ!!ご、ごめんね、お兄ちゃん!!」
「い、いや、気にすんな……」
シンタローが青い顔のまま、もう一度集団を見渡すが、やはり奇妙としか言えなかった。
「……で、モモ。お前、なんでこんな変な連中と一緒にいるんだ?てか、アカネは兎も角、他は誰だ?」
「よくぞ聞いてくれたね!シンタロー君!」
シンタローの疑問にテンション高く答えたのは、テロの時に出会った、あの猫目の少年。
「僕はメカクシ団No.4のカノでーす!よろしくね!僕たちはメカクシ団と言って、活動としては今のとこ、警察の目を『盗んで』やばい施設に入って、色々と拝借してるぐらいだね!」
「……『ぐらい』で済まないとツッコミを入れたら負けか?」
リュウのその呟きはあのテロ事件の時に会った釣り目の金髪少女と、同じく金髪で、しかし此方は優しい印象の少女が頷いていた。
「そして!僕らメカクシ団の団長であるNo.1がこの緑髪のキド!No.2はその隣にいるキドより背が高い女性で、キドのお姉さんである……」
「木戸桜だ。サクラと呼んでくれ」
「そして、俺がNo.3のセトっす!よろしくっす!」
「兄さんは良いから、次は僕だね。僕は鹿野聖矢。No.5だよ。よろしくね、モモさんのお兄さん」
「そして、今現在、セトの後ろに隠れてる白い子がNo.6であるマリーで」
「No.7が私。皆んなからはアカネって呼ばれてるから、今までと同じ呼び名だね」
「モモが来る前は俺が最後だったが、No.8。茜の兄の蓮だ」
此処まで一気に自己紹介をされたが、流石の情報処理速度が速いシンタローは、全員の名前を覚えてしまった。
「い、いや、メカクシ団ってなんだよ!?というか、あの後からどうしてこうなってんだ!?」
シンタローのその一言に、一度その場がシンッ……と静まる。
「……え?」
「……やはり、さすがに覚えていないか……」
キドがパーカーのポケットに手を突っ込んだまま呟く。
シンタローの疑問には、シンタローが横になっていた布団で寝ていた水色の髪の少女が答えた。
しかし、その言葉は、今のシンタローでは到底、現実味が帯びないものだった。
「貴方は知らあらへんだろうけど……貴方、銃で腹部を撃たれて死に掛けてたんおす?」
「……は?」
***
此処で時間を巻き戻し、メカクシ団一行がデパートに来ていた理由を話そう。
8月14日、13時前のこと。
「それで?キド。新入りさんは何処にいるのかな?」
黒いフードを頭に被り、路地裏をキドより前を歩いていたアカネが、その後ろにいたメカクシ団団長のキドに体ごと向けて聞いた。
「……彼奴じゃないか?」
キドさんが指差す方向にアカネは体を向けてみると、確かにその場に座り込むピンクのフードを被った人が一人いた。
だがしかし、その時点でアカネはその人に見覚えがあり、しかし思い出せずに首を傾げた。
「……行くぞ」
「あ、うん……」
キドの声により現実に思考を戻したアカネは、キドと共にその座り込む人に近付いた。勿論、キドの能力を使いながら。
そして、近くにくればその座り込んでいる人物の状態も分かることになる。
(……え?なんで泣いてるの?)
すると、その座り込んでいた人は気配を感じたのかは判断しかねるが、キド達の方に向き……。
「うっ……うああああッ!」
盛大に叫んだ。
しかし、その場には誰もいなかったのにも関わらず、突如として人が現れれば、誰でも驚くものだろう。
「あ、ごめんね?私達、驚かせようと思ったわけじゃないんだけど……」
アカネは尻餅をついてしまっている人に手を差し伸べながらそう言った。
「……へ?」
その人はアカネの言葉が聞こえたらしく、アカネ達の方に顔を向けた。
そのお陰で、その人の顔も確認する事ができた。
(やっぱりこの子、アイドルやってる子じゃん……)
アカネはモモの引っ張り起こしながらレンから伝え聞いたことを思い返す。
如月 桃。十五歳の少女で、アイドルをやってること。
アカネは勿論、レンから話を聞くまで『モモ』というアイドルの存在を知らなかったが、モモの事が宣伝されていた紙ぐらいならチラッと見ていた。しかしそれも、思い出すことが出来ない程だが。
「さっきのアレ……見させてもらった。ずいぶんとまた派手にやったもんだな」
アカネがそんな風に考えていると、キドはいつの間にかモモと目を合わせながら話していた。
そして、キドとモモが少し話すと……、
「わたつわ、私もうお仕事辞めたので……!も……もう追いかけるのは止めてください!!え、えぇっと、サインとかくらいならいいですけど……」
と、言った。
アカネはその言葉に素直に驚いた。
何故なら、兄であるレンからそんな話を聞いていないからだ。
アカネがそのことでまた考え事をしていると、キドが戻ると伝えてきた為、それに頷き、アジトへとモモを連れて帰っていく。
……一つの可能性を考えながら。