summer pockets reflection blue 前章[Asterlore] 作:八咫鏡光
前章のタイトルは「Asterlore」。後章は「reflection blue」です。
あまり文章力に自身のない私ですが、最後まで見届けて頂いたら幸いです。
夢を見ていた‥‥‥。
一面に広がる青い世界。私は一人‥‥‥海のような青い世界を歩いている。なぜここにいるのか、私は何者なのか分からない。
たぶん、この世界に来た時点でそれは私で無くなっている。どこか別の私。
「君はもう、決断したんだね‥‥‥」
ふと、どこからか声が聞こえる。
「うん。もう決めたんだ。けどね・・・・・・」
そっと、瞼を閉じる。瞼の向こうに広がる眩しい世界。そこにはかけがいのない思い出があった。
輝かしい風景があった。
たくさんの人との交流があった。
そして、心から愛する人に巡り合えた。
でも、その思い出はいつしか霞んでいく。そこにあったはずなのに、だんだんそれが抜けていく。今までの私が、別の誰かに変わっていく。
私は、何者なのだろう?
私は、何をしていただろう?
私の
記憶の中を、必死に探っても見つからない。もう私の中に、かつての記憶は存在しない。しなくなったのだ。
『お前はもう、■■■■ではない」
『今から、お前はこの■と運命を共にする』
『あの世界を■■する存在として‥‥‥』
運命?私がそれを全うしろと‥‥‥。わからない。どうしてそんなことを?
『お前は決断した。未来のため‥‥‥。そして、お前自身‥‥‥守りたいと思うものを守るために‥‥‥』
私が守るもの‥‥‥。私が守りたいもの‥‥‥。そうだ‥‥‥。
「私が、私が運命を変えてみせる‥‥‥」
もう一度だけ、あの懐かしい夏に返ることができたなら‥‥‥。
広い草原を駆け抜ける。羽を必死に羽ばたかせながら、どこかへ進んでいく。
どこまで進めばいいのか。俺にはよく分からない。闇雲に飛び続ける。
でも、その体力はいずれ限界がくる。やがて輝きを失い、蝶は地面へ落ちていく。
結局、俺は何をしていたんだ?
俺は確か、誰かのあとを追って‥‥‥。それで途中で迷ったんだっけ?
でも誰を追って?やばい、もう意識が薄れて‥‥‥。
だが、チャリンっと鈴のような聞こえて、俺は意識を取り戻した。目の前は、人の形をした影。
「あの、貴方は・・・・・・」
「少年。君は何のためにここへ来た?」
「俺は‥‥‥」
なぜか、自然に口が開いた。無意識にある言葉が浮かんできた。
「俺は、ある人たちを救いたい!ある人たちの運命を‥‥‥。夏を変えたい!」
「なるほど。少年、私はこの世界の主だ。君が望むのなら、この力を君のために使おう」
影はそう答える。
「なぜ?ですか?」
「聞こえただけだよ。君が『助けて』っとそう呟いたのを、私は聞いたから‥‥‥」
?覚えがなかった。俺には、そう口にした覚えがない。
「私も、君と同じだ」
「え?」
「私もかつて、大切な人がいた。大切な人たちを守るために、私は覚悟をもってこの役目を全うしようと思った」
「‥‥‥」
「でも、それではまだ足りなかった。今どういうわけか、この世界は不安定な状況になりつつある。下手をすれば、その世界は‥‥‥初めからなかったことにされる。それだけは避けたい」
「俺はどうしろと?」
「私が君に告げるのは一つ。‥‥‥私と■■になりなさい」
影が告げたことは、たった一言。でもそれはにわかに信じがたいものだった。
「そんな方法で、救えるんですか?運命を変えられるんですか?」
「運命を変えられるのは、私たちの行動に委ねられている。いずれにせよ失敗は許されない。だから、私からも君に助力を頼めるだろうか?」
影からの必死の懇願に、俺は一呼吸をおいてこう答えた。希望があるのなら、可能性があるのならば、
「俺にできるのなら‥‥‥」
「ありがとう‥‥‥」
影が短く、感謝の言葉を述べる。そして、世界が真っ白に包まれる。
『ここからは、長く、遠く、辛い旅路が始まる』
『それは君にどれほどの影響を及ぼすか、分からない』
『無論、私もどうなるのかさえ』
『でも、どんな時でもこれだけは忘れないでほしい』
『困った時は、誰かの力を頼りなさい』
『仲間との出会いを、交流を大切にしなさい』
『そして‥‥‥どんな時も夏を楽しんできなさい』
『そうだ‥‥‥君は今日からこう名乗るといい」
――――
目を開くとそこはどこかの向かう船の上。周りは青い海が広がり、空の上を2羽の鳥が飛んでいる。
ピンポンパンポーン。
船のアナウンスが聞こえてくる。
「まもなく、鳥白町漁港に到着します」
鳥白‥‥‥。そんなアナウンスの言葉に、ふと目の前に現れる島に視線を向ける。
俺は、私は、ようやくあの島に訪れることが出来た。静かにこの言葉を呟く。
「運命を変えてみせる。もう一度あの夏の運命を変えることが出来るのなら‥‥‥」
第1話 傷ついた渡り鳥へ続く‥‥‥。
以上、プロローグでした。
次回は「登場人物紹介」してから、第一話を投稿していきたいと思います。
※追記。すいません。プロローグの文章を全部書き直させていただきました。すでに読んでいる方々。ほんと今更で申し訳ありません。