ようこそ邪悪な教室へ   作:マトナカ

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長め


【最終回】ようこそ邪悪な世界へ

「それじゃあ……どうしようかな。もうちょい拷問するか」

 

「人の片目を潰しといて、まだやんのか!?ふざけんじゃねぇ!!」

 

ハイ無視無視。リュックから取り出すのは、

 

「じゃーん!噴射系殺虫剤とライター!」

 

「ま、まさか、やめろ!!」

 

人間ってどれくらいヤケドしたら死ぬんだっけ?忘れちゃったよ。

 

「ねぇ坂柳、これくらい燃えたら人が死ぬってやつ知ってる?」

 

困った時の坂柳。

 

「……火傷の症状は、I度、II度、III度と分類され、表皮、真皮、皮下までの深さによって分類されます」

 

「へぇ~……。あ、いや、そういうのじゃなくて、『何秒燃やしたら死にます』みたいなのって知らん?」

 

いやそれを知ってるのもすごいんだけどさ。

 

「……すみません、分かりません」

 

「あ、そう」

 

残念。

 

「それと、浅井くん。南雲さんの止血をしないと、命に関わるかもしれませんが……」

 

「え~、いいじゃん。死んでも」

 

ねぇ?と同意を求めるように坂柳を見たら、いつもと全然違う顔だ。緊張してんの?

 

「そ、そうですか……」

 

もしかして、怯えてんの?……まさか俺に?

 

「あ~、一応聞かせてよ。失血の致死量みたいなやつ」

 

「その……南雲さんほどの体格ですと、体重は70kgほどでしょうか。その場合、血液の総量は約8%にあたる、5.6kgほど。うち30%にあたる1.68リットルの出血でかなり危険、40%の2.24リットルほどの出血で、間違いなく死に至るかと思います」

 

「ふーん……。意外と少ないんだね」

 

見た感じ、潰した片目、顔の切り傷、殴って出た鼻血、肩と腰からの出血、服でちょっと分かりにくいけど……缶コーヒー1杯くらいの出血はしてるのかな?これ以上刺しまくったら出血死するかもしれないとはいうのは覚えておこう。意外と死ににくいと思うけどね。

 

「ひっ、うぁああああ!!!!」

 

それはそれとして、ライターの火と殺虫剤のスプレーで拡散させる簡易型の火炎放射器を使って南雲の頭を燃やそうとしてみたけど、物凄い力で転げ回って抵抗してきやがった。上に座ってたのに揺れてまくって危ないから火もすぐ止めるしかなかった。

 

「動くんじゃねぇよ!」

 

「ぐぁっ」

 

「やべ」

 

ムカついて頬をナイフで突き刺しちゃった。……って、舌まで切れてしゃべれなくなられたら困るんだった。今のうちに聞き出しておかないと。

 

「おま、お前!正真正銘の犯罪だからな!!」

 

はぁ?

 

「だから?なに?関係ないじゃん」

 

「ひ、開き直ってんじゃねぇ!」

 

うぜぇな。

 

「そもそもだけどさぁ……なんで法律を守ってたら良くて、法律を破ったら悪いんだよ?」

 

「あ、当たり前だろうが!」

 

誤解なんだよなぁこれ。並んでる全校生徒に向き直して、しっかりマイクで話しかける。

 

「言っておくけど、法律に書かれてるのは『善悪』じゃないよ」

 

「なっ、……は?」

 

南雲と会話してるとついつい殺しちゃいそうになるから他の人に聞いてみよう。坂柳、堀北の兄貴とかだと分かっちゃいそうだし、ハゲでも意外と知ってそうかな……。一之瀬にしよう、善人代表。壇上に居て怯えてるけど、近くでマイク渡しやすくて良いし。

 

「じゃあ一之瀬、質問です」

 

「ひっ、う、うぅ……」

 

なんでそこまで怯える?俺ほぼ味方なんだけど……。

 

「法律とは、なんでしょう?」

 

「え、えっと……。こういう事をしたらダメだよ、みたいな、善悪?」

 

おぉ、嬉しい模範回答してくれるね。

 

「ブッブー!違います!」

 

「ひっ」

 

ビビりすぎじゃない?驚かせたつもりないんだけど……。

 

「……正解は、『どういう罰が与えられるか』だけだよ」

 

めちゃくちゃシンプルに考えたらね。書いてあることは、あまりにも複雑で面倒だけど、結局はそれしか書いてない。

 

「善悪、じゃない、の?」

 

「そうだよ。いやまぁ『罰を食らうのが悪』って常識からしたら、そりゃ善悪かもしれない。けど、そういう余計な常識を捨てたら、ただペナルティの大きさが書かれてるだけだよ」

 

バレた時のね。

 

「そんな……」

 

「時代が違えば、場所が違えば、法律なんて違うからねぇ。ユダヤ人から財産没収して、みーんな殺しまくっても合法だった時代だって、まだ100年も経ってないんだよ?人類なんてそれほど賢くないんだし、今ある法律が正しい、書いてあることが善悪ってのは、無理がありすぎるでしょ」

 

「それが、なんだってんだよ!?お前は間違いなく傷害罪で逮捕されるはずだ!言い訳してんじゃねぇ!!」

 

ん?言い訳?

 

「俺がいつ言い訳したんだよ?」

 

「……は?」

 

「俺が逮捕されるのは確定で良いし、有罪判決も間違いないでしょ。……だから?それが、何?お前に言われるまでもなく知ってんだけど」

 

「く、クソ……」

 

クソはテメェだろ。

 

 

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さて、衝動的に殺してしまう前に、やらなきゃいけないことを済ませよう。

 

「おいカス、一之瀬の撮影動画、……他の脅迫するための動画とか、全部どこにあるか言え」

 

「そ、それは……、学生証端末の中にある」

 

「他は?」

 

「……無い」

 

「あるだろ」

 

「がぁっ!いてぇ!やめ、やめろ!」

 

顔の横に出来た新しい口に指を突っ込んでグリグリしたけど、白い軍手が赤くなっちゃったよ。汚い。

 

「すべて言え。漏れてたら殺す」

 

「あかっ、わかった!い、言うから!あめてくれ!!」

 

頬を刺したせいか、少し呂律が悪くなってる。なんかムカつくな。

 

「それで?ちゃんと言えよ」

 

「……う、USBに入れて、カバンの中に。布を縫い付けて、見えにくくしてある。あとは、マイクロSDカードに入れて、俺のベルトに差し込んである。それで全部、だ」

 

小声で言ってきた情報も、龍園は聞き取ってスマホでメモしてくれてる。ベルトを外して確認してみたけど、確かにカードあった。けど、まだ嘘も混じってるだろうな。

 

「お前が動けない時のために、映像ごと渡してる仲間が居るはずだ。いや奴隷か?なんにせよ協力者が居るだろ。それも言え」

 

「いてぇ!やめろ!言うから!!」

 

ノリで殴りまくってるけど、意外とまだ元気だな。

 

「なんで偉そうにしてんの?反対側も穴開けて欲しいんか?首でもいいぞ」

 

殺したくてたまらないのに、変に挑発してこないでくれよ。ほら、つんつーん。血管いっぱい切っちゃうぞ~。

 

「ひっ……やめてく、ください。言い、ます……」

 

「それで良いんだよ」

 

やっと少しは従順になってきたな。演技かもしれないけど。

 

 

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南雲が吐いた名前は2人だけだった。まぁ、リスクも考えるとそれくらいの人数かも?

 

俺はこの後もう消えるから、龍園だけが把握して使える情報ってことになる。けど、それだけでは足りない。龍園の事を信用してないとかじゃなく、1人が知ってるだけじゃ意味無い。

 

そもそも、聞き出した情報が正しいかも確認出来ないけどね。他にも居るのを隠してるかもしれないし、そもそも2人の名前も、南雲が個人的に消して欲しい人間を言ったかもしれない。

 

今こうやって拷問した上で吐かせた情報ではあるけど、俺には信じられない。コイツを信じて騙されてアホを見るのは御免だ。

 

ここまでやってんだから、万が一にも失敗したくない。

 

ゆえに、脅迫で補おう。

 

「あーあー、マイクテス、マイクテス。あんぱん、しょくぱん、カレーパン」

 

ん、音は大丈夫そう。大声を出すの疲れるし、マイクありがたいね。

 

「今、南雲を拷問して、協力者"3人"の名前を聞き出した!」

 

そう言いながら観察してみるけど、2年の方で周りを探るように見渡す生徒が結構居て分からんな。怯えてるっぽいのも居るには居るけど、分からないな。

 

「聞き出した名前は龍園にも伝えてある。このカスがやった事の映像が、もし漏れたりしたら、その3人全員の名前を公表する。さらに、共犯者として社会的に抹殺してやるからな。今すぐ消せ。無理でも今日中に必ず消せ」

 

南雲は2人の名前を出したけど、本当は3人4人と居るかもしれないからね。そして、お互いの存在を知らせてるとも思えないから、恐らく南雲以外に真偽は分からないはず。

 

「……。」

 

うん、良いね。全生徒、教師も含め全員が動かず、何も言わずに聞いてくれてる。

 

「もし、この警告を無視して、拡散された場合、……この学校で上手く逃げ切れたとしても、卒業後、外で絶対に殺してやるからな。覚えとけよ」

 

一之瀬を保護するために、俺に出来るのはここまでかな。これ以上は、俺にはもう思いつかなかったよ……。

 

関係者は、南雲と繋がってるんだから、この脅迫で『自分かもしれない』という自覚はあるはずだし、動かない……はず。

 

同じ立場の他メンバーも潰すために自爆する可能性とかも考えたけど、やっぱり『何もしない』という選択をする可能性が1番高いと思う。……これはもう、変な話だけど、南雲が選んだメンバーが口が堅くて、ある程度ちゃんと思考出来る人間であることを願うしかないな。考える脳が無い、クソアホが居ない事を願うしかない。

 

「浅井、なぜ、こんな事を?」

 

ん?兄北に質問されちゃったよ。

 

「それを答えるのは、俺じゃないかな……。あ、そして全員に言っておくけど、ちゃんと挙手して、指されるまで何もしゃべっちゃダメって事で。あと、そうだ、座っていいよ。その場で、勝手に他のとこ行かずに座ってて下さい」

 

一瞬だけ間があったけど、素直に全員が座ってくれた。よしよし。

 

 

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さて、まずは南雲の悪行をバラす、ってか、全員に知らせなきゃね。

 

「一之瀬、苦しいかもしれないけど、何をされたのか、この場で言ってくれる?」

 

「えっ!?そ、それは……」

 

「大丈夫。証拠はすべて消させるし、誰にも公開させない。おいクズ、そうだよな?」

 

「あ、あぁ。絶対に、約束する」

 

「ふん」

 

信じられないけど、まぁ殺すから良いか。一之瀬が安心すれば良い。

 

「浅井くん、その、私に同情したから動いてくれた、の?」

 

「そんな感じかな」

 

「でも、私、ここまでやって欲しいなんて、思ってない……。もう、やめよう?ねっ?」

 

「……はい?」

 

なんで?

 

「ホントは、浅井くん。そんなに悪い人じゃ、ないでしょう?」

 

いやいやいや……。これ、俺を心配してくれてるの?それとも、南雲にすら同情してるのか分からないけど、それはダメだよ。

 

「ねぇ、一之瀬。問題です、マイナス100かけるマイナス1って何?」

 

「えっ?な、なんで?」

 

「いいから答えて」

 

「その……、プラス100、です」

 

「はい正解。その計算の通り、100人の一般人、もしくはそれ以上の人に対して有害なクズを、1人消せば、世界にとって大幅にプラスなんだよ。分かる?被害者が減るからね。世界が良くなるよ」

 

「そんな、……消せばいいなんて」

 

まだ納得しないの?

 

「一之瀬、こう考えてくれ。『自分と同じ目にあう女子が居て欲しいか?』って。これからも、南雲に同じことされる女子がいっぱい居て欲しい?同じ境遇の女子が居て欲しい?」

 

「えっ、そ、それは……嫌だけれど、でも!こんな方法は間違ってるはずだよ!も、もうやめてよ!!」

 

真っ直ぐだねぇ……。ただ、今それ言われるのはちょっとウザいな。

 

「ハァ……。あのねぇ、一之瀬。悪いけど、世界中の人間すべてが、お前みたいに優しい人じゃないんだよ。南雲に好き放題されてさぁ、まだそれ言うんか?なぁ?オイ」

 

「その……」

 

「他のヤツにも、同じようにさ、『人を信じよう!』『騙されても、同じように食い物にされましょう!』って言うの?お前それ、クラスメイトにも言える?言う?」

 

「それ、は、」

 

「数ヶ月後に入ってくる後輩にも言える?もしくは、将来、自分に娘が出来て、その娘にも言えんのか?『騙されてもいいから人を信じてね』って、そう教育すんの?それでレイプされて、誰にも言わないで我慢して、奴隷として生きなさいって言うんか?なぁ?そうやって教育するんですかねぇ!?」

 

「……いえっ、言えま、せん」

 

「うん。そうだよな」

 

少しだけ不安だったよ。ギリギリ人間で良かった。

 

「で、でも……、それでも、こんな方法は違う、と思うよ。……浅井くん、本当はこんなに悪い人じゃないでしょう?」

 

んん~~~、ここまでやってる俺ですら信じてくれてるのか、そう言ったら辞めさせられると思ってるのか。なんか前者っぽいからこそ申し訳無さあるけど、だからこそ心を鬼にしよう。あんまり人を信じすぎるなっての。

 

「俺の善悪はどうでもいいんだよ。クラスメイトをかばうために、脅迫されるがままに体を差し出した。同意したという証拠も映像で撮られた。そうだろ!?」

 

「それ、は……」

 

「なんで言わねぇんだよ。平和ボケのアホが!お前みたいな犠牲者を出さないために、ハッキリ言えや!また同じ犠牲者を出したいんか!?信じるべきじゃない相手を信じて、同じように脅迫され、心を潰して生き続ける人間を増やしたいんか!?違うだろ!?なぁ!?言えよ!!!」

 

「ひっ……」

 

「泣いてんじゃねぇ女!言えッ!!!」

 

そもそも、お前がアホ過ぎたのも悪いんだからな。言いたくないけど、このクズを信じた自己責任はあるんだぞ。

 

「……わ、わたっ、私、は、南雲先輩に、かっ、体を、要求され、映像を、撮られて、性的に、……ご、強姦、され、ました」

 

号泣しながら、うつむきながらも俺の持ってるマイクに向かってちゃんと話してくれた。

 

「なんで?理由は?」

 

「それは、友達、クラスメイトの、その、映像があって、」

 

「どんな映像?」

 

「せ、性的なものを、それを公開されたくなければ、と、脅迫、されました……」

 

マイクに向かって絞り出すように告白した一之瀬の言葉を聞いて、静まり返る体育館。悲壮な空気というか、『マジかよ』みたいな顔してるヤツも少なくない。

 

「良く言ってくれた。……ごめんね」

 

映像は流出しないはず。けど、この事実は公表してもらう必要があった。

 

「うぅ……」

 

怒鳴りつけてでも、ここで本人から言ってもらわないと正しく伝わらないからね……。泣かれまくってるのは申し訳なく思うけど、この美少女の涙で、みんなにも少しは現実を分かって欲しいもんだよ。

 

「さて、南雲。なんか言い訳ある?」

 

静まり返った体育館に、マイクを通した俺の声がめちゃくちゃ良く響く。

 

「俺は、……俺は、1年の女、複数人と、性交しただけ、だ」

 

は?

 

「自分がやったのは、悪いことじゃないって?」

 

「あ、あぁ……。合意だったという証拠なら、ある。他の、プライベート用の映像部分は、すぐに全部消してもいい」

 

この、クソが!

 

「そんな証拠を残そうとしてんのが!脅迫して言いなりにして、映像撮ってんのが!レイプの証拠だろうがよ!!同意を偽装して、責任逃れしやがって!!このゴミが!!死ねッ!」

 

「がっ!やめ、ぐぁっ!うっ!」

 

南雲の顔面、頭を上から殴り、殴り、さらに殴る。

 

「相手を脅迫して、同意に見えるようにして、ルールを守ってると言い張れるよう偽装した証拠を残して、バレなきゃ何しても良いってか!?法律を守れば何をしても良いってか!?!?ふざけんじゃねぇクズが!!!」

 

殴る。殴る。殴る。頭蓋骨を割るつもりでやってるけど、流石に固すぎるな。軍手をしてても手の骨が痛い。いや、これ手でやる必要は無いのか。近くに置いてたハンマーを拾って、殴る、殴る、

 

「オイ、浅井。それ以上やったら死ぬぞ」

 

は?殺すためにやってんだけど。今度こそ止める必要無いだろ龍園、なんで邪魔す……いや、まだ殺しちゃダメなんだっけ?頭に血が上ってイマイチ思考が回らない。

 

「う、あ……」

 

キモいうめき声しか出てない南雲、頭も割れてないっぽいのに痛がってんじゃねぇよカス。それにしても、なぜか工具コーナーに金属製ハンマーが売ってなくてゴムハンマーだけだったの、逆に殺しにくくて丁度良かったかもしれない。拷問用かな?

 

「ふ~、ふぅ~~……」

 

「息が切れるまでやるなよ」

 

うるせぇわい。

 

「まぁ……先に、やること終わらせないとね」

 

「あぁ」

 

俺からこの学校への置き土産でもあり、俺から伝えられる最後の機会。そして、色々と教えられる最高の機会でもある。

 

「では、ようこそ邪悪な教室へ」

 

さぁ心に刻んでもらえるよう頑張るか。

 

 

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「……。」

 

っと、いつの間にか手を高く挙げてた前生徒会長、堀北学。そういやしゃべるなら挙手してから、って俺が言ったのか。

 

「はい、兄北。どうぞ」

 

「浅井虎徹、なぜ、こんな……ここまでの事をするんだ?復讐か?」

 

ちゃうわい、俺がレイプされたみたいな言い方すんなよ。

 

「復讐じゃないし、こんな事って言われても、まだ全然終わってないよ」

 

「なに……?」

 

「それじゃあ、テロリストらしく要求させてもらおうか。えーっと、1年全員、学生証端末で、所持金すべてを龍園に送金してね。終わったら残高0ppの画面をこっちに向けて見せて」

 

戸惑って、困ってる様子だけど、さっさとしてくれよ……。

 

「ほらほら!早くしろ!坂柳と一之瀬の目も潰すぞ!」

 

考えてみるとDクラスの代表者だけ居ないのか……。

 

「お、おいっ!浅井!」

 

神崎が焦ってる。でも、ちょうどいいか。

 

「神崎、一之瀬の目をえぐられたくなかったら、堀北鈴音を拘束して運んできて。はいこれ。取りに来ていいよ」

 

今日も大活躍中の結束バンド、長め太めのやつを数本、残りを壇上からみんなの居る方に落とした。

 

「そ、それは……」

 

あれ?迷う?それなら、

 

「いっ、いたいっ!」

 

「おいやめろ!!」

 

うぉっ、一之瀬のまつ毛を軽くちぎっただけなのにめちゃくちゃ怒られてしまった。

 

「ほら、指突っ込んじゃうぞ~。素手でも、指突っ込めば多分失明させられるぞ~」

 

親指の腹で一之瀬の眼球を軽く触り、まぶたを引っ張ってアピールする。

 

「いっ、いた……」

 

「分かったから!やめてくれ!」

 

お、行ってくれた。めちゃくちゃ有効な人質だね。

 

「じゃあ龍園クラスの男子は、みんな1年全員の学生証端末の確認してね。残高ゼロにしてるかどうか、出来てないなら龍園への送金を手伝って。あと画面を触って、ただのスクショを見せてないかの確認もしてね」

 

「……言われた通りにしろ」

 

俺の指示だけでは戸惑ってたけど、龍園に促されて全員が動いてくれた。まぁ仕方ないね、俺が龍園を従えてるのは違和感あるだろうし。

 

「浅井、連れてきた」

 

「離しなさい!神崎くん、アナタも犯罪に加担してるって分かってるんでしょうね!?」

 

うるせーな。あとなんで歩けてるんだよ。

 

「神崎、ちゃんと足も拘束して。足首と、フトモモ。両足を繋いで」

 

「……分かった」

 

「ちょっと!」

 

「それで、頑張って壇上に運んでね。あんまりこっちに近付いてきちゃダメだよ」

 

「あぁ」

 

「神崎くん!龍園くんアナタもよ!共犯者になるの分かってるの!?やめなさいよ!」

 

うるせぇな。ってか、言い忘れてたか。

 

「龍園、堀北にリュックに入ってるハンカチで口封じしといて」

 

「あぁ」

 

「あと、龍園が従ってるのは、俺がスイッチ1つで爆破出来るようにしてあるからだよ。ほら、あの首飾り」

 

「なっ!?……ホントなの?」

 

もちろん嘘だけど。もうちょい、あと1ヶ月くらいあったら、ラズベリーパイ使って簡単に動作する装置、薬剤カプセルをスマホからの通信で割るような機械を作れたかもしれないけど、あまりにも時間が無かったんだよなぁ……。

 

「フン」

 

ってか、現状では龍園も南雲と殴り合いしただけなんじゃないの?

 

俺の言うこと聞かされてるだけで、ちょっと縛ったりしてるだけじゃん。直接の犯行してる扱いになんのかね?停学とかにはなるかもしれないけど、退学にはならない気がするんだけど……。

 

あとまぁ、無駄遣いになるかもしれないけど、さっきもらったばっかりの退学回避権、プロテクトポイントもあるからねぇ。大丈夫なんじゃねぇの?

 

 

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さて、気付けば5分とかからず1年全員が画面をこっちに見せた状態になってた。生徒間の送金なんて全員が1度はやったことあるから早くていいね。

 

「さて龍園、どう?もう全員から送金されたっぽい?」

 

「あぁ。1年全体から、3000万を超えるくらいだ。Aから1600万、Cから1200万、Dから300万弱ってとこだな」

 

「へ~、……すげーじゃん」

 

全員分を合わせたらそんなにあるんだ。Aからは龍園が毎月徴収してたりするけど、それでも結構あったな。Dは、頑張って貯めてたんだろうなぁ……。

 

「次は……もう2年3年同時でいいや。全員、全所持金を龍園に送金してね。1年と同じように、自分の残高がゼロになった画面をこっち向けて」

 

うん、今度はあまり困惑もせず全員が動いてくれてる。それでも確認は必要だろうけど。

 

「じゃあ同じように、龍園クラスの男子は2,3年の画面も確認しに行って」

 

なんか、送金しないやつが居たら南雲を拷問して催促する予定だったんだけど、全員すぐに言うこと聞いてくれちゃってるじゃん……。つまらん。

 

「……うぁっ!いてぇ!やめ、やめろ!いてぇ!」

 

カバンからステーキナイフ、ギザギザしたやつを出して、気絶してたっぽい静かだった南雲の耳を削って切断した。まぁ意外とそこまで痛くないだろ。見た目はかなり変わるけど。

 

「あー!あー!聞こえますか~?みんな早くしてね~!」

 

「ひぅ……」

 

切り取った南雲の耳をぶら下げて、その耳に向かって大声を出すという、おとぼけパフォーマンスしてみたら、横で見てた一之瀬にドン引きされてしまった。いやまぁ、怖がらせるのが目的なんだけど、ちょっとだけショック。捨てちゃおう。

 

「うわっ!」

 

「い、いやっ!!」

 

ポイッとみんなが座ってる方に切り取った南雲の片耳を放り投げたけど、気付いた奴らがすげぇ避けてた。なんか面白いな、ウンコ投げつけたような気分。

 

「お、俺は!俺は南雲に恩義なんて無い!あんなヤツのために、せっかく貯めた金を渡す義理も無い!!」

 

おっ!?送金を渋る3年が居てくれた。やったぜ。

 

「良し!よく言ってくれた!偉い!」

 

「……な、なに?は?」

 

せっかく褒めたのに困惑するなよ。

 

「けど、例外は許さない!お前が払うまで、南雲を拷問する!」

 

うつ伏せだった南雲をひっくり返して、ベルトの無いズボンをパンツごと引きずり下ろして、狙いにくいな……。ここだ!

 

「ぎゃぁあああああ!!!!!!」

 

「おぉ~、良い声で鳴くねぇ。まだ刺しただけだぞ。金玉どっちも摘出するからな、動くなって」

 

「やめろ!やめ、やめてくれ!やめて下さい!!痛い!頼む!やめろ!!」

 

「ん~、……ダメー!」

 

「ぐぁああああ!!!!!痛い痛い痛い!!やめ!あああああ!!!!」

 

何度か刺せた感触はあったけど、体を折り曲げて少しでも隠そうするからちゃんと両方の玉を刺せたか分からん。ウザいなぁ、天井から吊り下げるとか、キリスト教の十字架ポーズみたいなのしないと体の内側を狙うの難しいな。体を丸めて精一杯の抵抗をされちゃってる。椅子に縛り付けたりすれば良かったのか。

 

「しゃーない。フトモモさよなら~」

 

体を丸められてても狙えるフトモモを、背後からザクッと、グリグリ~。しっかり深さ5cmくらいで、神経をズタズタに切れるように裂いた。腱とか切れたかな?

 

「うぁっ、うあああああ!!痛い!!やめてくれ!!!!」

 

「これで自慢のサッカーも出来なくなったねぇ。どんな気持ち?念のため、両足やっとく?歩けるなんて贅沢だもんね」

 

もう片足も、ザクッとな。

 

「ぎゃああああああああ!!!!!!!」

 

うるせぇな!

 

「は、払う!俺も払うから!もう辞めてくれ!!」

 

さっき拒否しようとした男子の必死な声が聞こえてしまった。いや聞こえんなぁ……ってやりたかったけど、これ無視したら約束を守らないってことで全員逃げ出しちゃうかな?それは困るな。

 

「あー、はいはい、やめます。終わりです。他には?他にも金を払いたくない人いませんか~?誰でも良いよ!南雲のこと嫌いなやつ、まだまだ居るでしょ?チャンスですよ~!!」

 

え?……あれ?居ないの?もう1人か2人くらい居てくれよ。なんで?それなら、

 

「今ちょっと拒否した生徒!偉い!100万pp返します!ほら、他にも居ない!?南雲のために金を使いたくないって人は居ませんかー!?」

 

ほぼ全員、下を向いたり、怯えた顔でこっちを見てたりして、誰も手を挙げてくれない。女子の中には泣きまくってる子すら居る。そこまでのことか?マジでもう1人くらい拒否してくれよ。100万だよ?バカなん?

 

「浅井、全員終わったようだ。2年からは1500万、3年からは2400万程度だ」

 

ちくしょうタイムアップかよ。なんで1人しか拒否するヤツ居ないんだよ!?

 

「んも~!……あれ?なんか少なくね?」

 

1年は全体で3000万だったんだよね?

 

「フン、……合宿試験で退学回避に使いまくってたからな。1人あたり2000万に使ったならこんなもんだろ。……それと、南雲がある程度持ってんじゃねぇのか?」

 

「あ、なるほど」

 

忘れてたよ。南雲のポケットから端末を取り出し、顔認証……片目が潰れて目が開いてないし、ボコボコに殴って腫れてたり血まみれのせいか顔認証は出来なかったけど、聞き出したパスワードで解除して開いて確認してみると、なんと1人で900万も持ってた。すげー集めてんな。これを、送金っと。

 

「受け取った」

 

「うぃ。あと映像も見るから、邪魔されないように龍園ちょっと警戒しといて」

 

「あぁ」

 

「あと2000万を神崎、いや一之瀬の方が良いのかな?えーっと、一之瀬に送っといて」

 

「フン、仕方ねぇ」

 

「おいおいおい、ちゃんと送れよ?」

 

そこの約束は破るつもりないんだけど!?

 

「分かってる」

 

そして南雲の端末、中身を見てみると、あぁ……。予想通りだったね。

 

「えーっと、全削除。……よし。これで一件落着かな」

 

他にも残してあるであろうバックアップも潰さなきゃいけないけど、それは龍園に託そう。

 

「それ、消しても良かったのか?」

 

「え?……なんだよ龍園、お前も脅迫に使いたかったって?」

 

それはやめてくれよマジで。有効なのは認めるけど、ふざけんなよ……。

 

「ちげぇよ。南雲の有罪証明に使える証拠なんじゃねぇのか」

 

あ、なるほどね。

 

「残念ながら、無理だと思うよ。結局『これは合意』って主張するための、脅迫した上で撮った映像だったよ。無理した笑顔の、ね……。あと、まぁ、弱みになるやつもあったけどさ」

 

「なるほどな」

 

「映像検証したら、もしかしたら『本当は嫌がってる』とか分かるのかもしれないけど、あ~、こんな映像、あまり人に見せるものじゃないし、広めるべきじゃないからね」

 

「……あぁ」

 

「なんか、また悲しくなってきたよ……」

 

なんでこんな怪しい金髪カスを信じちゃうかね……。いや、今はもう金髪じゃなくて、赤というか、茶色くなってきてるけど。ウンコ髪。

 

「浅井、校則変更の件はどうすんだ。忘れてんのか?」

 

あっ、忘れてた。

 

「……覚えてるよ?」

 

「早くしないと死ぬぞ」

 

「分かってるよ!オイ南雲!全校生徒の投票宣言しろ」

 

「うぅ、いっ……、な、なにを……?」

 

ちょっと拷問し過ぎちゃったのか気絶しかけてる?急ぐか。

 

「俺が今から言うこと言え。『生徒会長権限で、決議を取ります』」

 

「……生徒会長、権限、で、決議お、取ります」

 

おぉ、素直。いいじゃん。

 

「えーっと、『退学回避のコストに関してです』」

 

「たいが、く、回避、コストです」

 

ちゃんと言えよ……。

 

「『2000万プライベートポイントから、200万プライベートポイントにしようと思います』」

 

「にせんまん、ポイントから、にひゃく、まん、にします」

 

大丈夫かこれ?

 

「『賛成の方は、挙手して下さい』」

 

「さんせいのかたは、きょしゅしてください」

 

「はいオッケー。賛成の人は挙手してくださーい」

 

「……。」

 

あっ、反対の人は挙手の方が良かったかな?見た感じ全員が挙手してるように見えるけど、分かりにくいな……。

 

「えーっと、真嶋先生、了承します?」

 

「こんな形で採決を取った所で、」

 

「あ、ダメだったら殺します。コイツ」

 

「うぁ……」

 

「くっ!……了承した。ここに居る教員が承認し、実際に変更されるよう全力を尽くす」

 

俺が消えた後、この投票も、pp移動に関しても、すべてがリセットされる可能性は大いにある。けどまぁ、曲がりなりにも体験したことなんだから、無意味ではないはず。そもそも妥当な提案だと思うしね。

 

「はいどうも。みんな分かった?これが『議会制民主主義』の怖さだよ」

 

「何……?」

 

「あ、真嶋先生はもう黙ってて下さい。えーっと、坂柳にしようか。なんでか分かる?」

 

「それは、……暴力による脅迫、その対象が少なくて済むから、ですか?」

 

話が早いね。流石だ。

 

「その通り!今この場では全員が対象だったけど、国政にもなると、日本だったら1億人強に対して、国会議員が1000人くらいでしょ?そのうち半分を操作出来たら好きな事できるんだから、非常にコスパが良いよね。買収するにしても、脅迫するにしても。数百人を言いなりにすればいいだけ」

 

「そうかも、しれませんね」

 

「この場では、ただ『南雲を殺さないであげた方が良さそう』とか『殺人の原因にされたくない』って理由だろうけど、実際には家族の命を狙われたから、とんでもない大金を持ちかけられたから、とかもっと恐ろしい提案や、魅力的な提案をされるだろうからね。覚えといてね」

 

野党とか、買収されてない議員って居るんすかねぇ?そうでもなきゃ発言がキチガイすぎる事が多すぎるから、むしろ買収されてて欲しいとか思うけど。

 

「気をつけろ、と私達に教えてくれてるのですか?」

 

「ん~、なんていうか、せめて『知っててくれ』という気分かな。俺まだ日本を導く人材みたいなの100%は信じられないけど、本当にそういう立場になるなら、知ってた方が良いでしょ?買収、脅迫。その存在を」

 

「それは、……そうかもしれません」

 

「あと、これは個人的な感想だけど、国会議員なんて、金持ちボンボンとか、世襲制の政治家一家とかの方が良いと思うんだよな。買収に対する耐性とか、前提知識の差とかがケタ違いだと思うし。庶民意識とか言うけど、庶民上がりの議員ほど簡単に買収されると思うからねぇ……」

 

まぁ、全員がそうなるのも良くないとは思うけどね。とにかく庶民の方が良いって事も無いとは思うんだよな。

 

「もしや国が、……いえ、なんでもありません」

 

え?なに?

 

「気になるよ坂柳、なにさ?」

 

「いえ、その……、ふと思っただけですが、こうして全員から資金を徴収して、その資金で買収も出来るとハッキリ断言し、体現している浅井くんを見ていると、現実にも酷似してると気付いてしまいまして」

 

「え?……ごめん、全然分からん」

 

何に気付いたって?

 

「全体から徴収して、それを再分配する。それによって求心力を高める。この構図ですが、税金の流れ、税率を上げる理由と、バラマキ政策にも見えてしまいまして……」

 

「んはっ、……んはははは!」

 

いやそれは、すごい視点だなもう。全く否定出来ないんだけど。よく気付いたねそれ……。

 

 

---------------------------------------

 

 

「ところで、その、浅井くん。見たところ、本当に、南雲さん死んでしまいますよ……?」

 

坂柳がマジで心配してるけど、そこまで出血してるか?あっ、両足のフトモモ切り裂いたせいでドバドバ血が出てる。血の水たまりくらいが出来てて結構ヤバそう。でも、

 

「死んでもいいんだよ、こんなヤツ。おい南雲、寝たフリすんな。永眠させるぞ」

 

「うっ……、あ……」

 

蹴り飛ばしてみたけど、反応が薄い。なんか結構弱ってんなぁ、顔面を蹴った程度じゃ騒がなくなってる。……演技かもしれないけど。

 

「……殺人罪になってしまいます、よ?」

 

「いいよ」

 

「なっ!?……最大で、無期懲役だけでなく、死刑になる可能性もあるんですよ!?」

 

警告してくれて悪いけど、そんな事、

 

「知ってるよ~ん。えーっと、3人以上の殺害ならかなり高確率、2人なら総合的に判断、1人でも計画性があって動機に情状酌量の余地が無い場合ありうる、でしょ?」

 

ちゃんと調べたからね。つまり、計画性が超あって、ただのテロ行為としての俺の殺人は、殺害人数が1人だったとしても『死刑』になる確率が結構高い。うん、覚悟の上だよ。

 

「……。」

 

「え?……んはは!どういう感情それ?」

 

怯えてるような、驚いてるような、それでいてなぜか怒ってるような、変な顔してる。

 

「なぜ、そんな……」

 

これはちゃんと言っておかないとね。マイクをしっかり持って、整列して座ってる全校生徒に顔を向けて、伝える。

 

「お前らさぁ……相手の思考を決めつけすぎだよ。『ルールを守るはずだ』『退学になるような事はしないはずだ』『法律は守るはずだ』ってね。もっと言うと、『逮捕はされたくないはずだ』『死にたくはないはずだ』って。……なんで全人類が100%ちゃんとルールを守ると思って生きてんの?いや過半数がそういう普通の人なのは認めるけど、100%全員がそんな訳が無いじゃん。意味不明だよ。バカなの?マジで」

 

「……。」

 

なんか……、全員が沈黙してるせいで俺がスベったみたいになってるけど、誰も勝手にしゃべるなって言ったから仕方ないか。俺がスベってる訳じゃないし!

 

「ルールなんて知らないシンプルなバカも居るし、日本で人を殺してバレる前に海外に逃げるパターンも普通にあるっての。『警察が絶対に捕まえてくれる!』『日本で犯罪は許されない!』『殺人なんてありえない!』みたいな、ボンヤリした平和意識で思考停止してるの頭が悪すぎるぞ」

 

「……。」

 

ちゃんと聞いてんのかな?みんな怯えてるのかソワソワしたりしてるせいでイマイチ確信出来ない。ちゃんと聞いて欲しいんすけど……。

 

「俺みたいに死刑覚悟でやれる人間も居るし、結局のところ『1人が犠牲になるだけ』っていうコストで、何人でも殺せる訳だよ。法律上ね。そして、物理的には、この300円くらいのナイフでも簡単に人は殺せる。この現実、ちょっとは考えたことあった?……自覚して生きろよ。常に法律に保護されてるから、法律を盾にしたら守られたままとか、キモい勘違いしてんじゃねぇよ。わきまえて生きろ」

 

ただまぁ、『関係ない人間ごと有罪になる』という、人権を無視したような抑止力最大の法律もあるんだけどね。連座制って言うのかな?俺が知る限り唯一の、道連れにする法律。

 

それは『暴対法』という、暴力団構成員1人がやった犯罪を、組長の責任にもされてしまうというもの。……これだけは、どうしても可能性を潰しきれなかった。俺は構成員として登録されてないはずだけど、親族ということで無理やり関係者扱いされてしまうかもしれない。

 

そのために名字を変更する手続きが出来ないか、この1ヶ月で坂上先生に相談したりもしてたけど、間に合わなかった。

 

限りなく低い、1%以下くらいの可能性。だけど、消し切れなかった可能性。南雲の親族に警察関係者や代議士とかが居たら、もっと酷い事になる可能性すらある。

 

けど、それでも、俺は今回の事をやるべきだと思った。もし迷惑をかけてしまったら……頭を下げて、何をしてでもケジメを付けるしかない。だからもう、今日どういう結末になろうが、もう覚悟は決めてある。

 

「…………。」

 

あっ、1人で黙って考え込んでたら、知らんうちに兄北が手を挙げてくれてた。会話相手として最適かもしれない、助かるね。

 

「はい堀北兄貴、どうぞ」

 

「浅井。お前は、ルールを破る存在、その危険性を知って欲しい。だから、自分自身でルールを破って見せ、危機感を持たるため、この犯行に及んだ……というのか?」

 

「それもある」

 

「……他の理由、というのは?」

 

「ここまでやってる理由、もちろん1つじゃない。いくつかあるよ。ただ単に『もっと危機感を持て』っていうのを伝えるのだけが目的だったら、ここまでやらなかった」

 

「どういうことだ?」

 

「普通に学校生活で、特別試験とかを通して『相手を信じすぎちゃダメだ』とか『堂々とルールを破ればここまでやられてしまうんだ』とか思わせる機会はそれなりにあったと思う。実際、既に何度かやってたからね」

 

「そんな動機が……」

 

坂柳がちょっと驚いてくれたみたい。つまり、ただ頭おかしい人だと思われてた?失礼ですねぇ。

 

「あと2年もそういう事してたら、ちゃんとした最低限の危機管理能力というか、警戒心を持たせられたと思うよ」

 

いやまぁ、俺がやり過ぎて、卒業前に退学になるような可能性っていうのも、そこそこ高い気がするけど……。

 

「なるほど……。だが、現時点で南雲の行為を知ってしまい、許せなかったと?」

 

「まぁそうだね。人として許せなかった。このカスを認めて、許して、放置したら、自分で自分を許せなくなるよ。俺の……価値観じゃ無理だね」

 

仁義に反する、って表現が1番しっくりくるけど、一応この場では言わないでおこう。

 

「そう、か……」

 

「あとは、コイツが理想像になるってのも認められなかったね」

 

「理想像?」

 

「だって、そうでしょ?ルールさえ守っていれば何をしても良い。ルールさえ誤魔化せれば、何をしても構わない。バレなければ、口を封じていれば、どれだけ弱者を食い物にしても、どれだけ好きに生きても良い。『勝つためならば何をしても良い』って動いて、それで既に2年を掌握して、3年のトップ、アンタにも勝っちゃってるじゃん。すべてに勝った最高の優等生と見れなくもないでしょ?」

 

「……残念ながら、そうかもしれない」

 

「それを、現2年、そして俺達1年の代が見て、南雲がトップで卒業して行くのを見たら、どう思うよ?卒業間際の3年も含まれるかもしれないけど」

 

「南雲が……理想的な優等生、理想像だと思われてしまう。それを目指す価値観が生まれてしまいかねない、ということか」

 

「その通り。もちろん、そんなの認められねぇよ。日本のトップがみんな南雲みたいな事するって考えてみ?ルールさえ守れば何をしても良い、ついでにルールは自分のために作り変えるって。そんな自己中まみれの世界、最悪すぎるだろ」

 

地獄だよ地獄。いや、もしかしたら今もう既に、そういう世界なのかもしれないけどさぁ……。

 

「だから、痛い目に合わせたのか?」

 

「そんな感じ。ルールを守ってるように見えてたとしても、『人に恨まれたら簡単に殺される』ということ。だから、『調子に乗るな、人間は簡単に殺せる』『わきまえて生きろ』って事だよ。……聞こえてるか!?2年のクズ仲間!!南雲に賛同してるテメェら全員殺したいくらいだけどなぁ!!ボケがッ!死ね!!!」

 

我ながら大きすぎる声での恐喝、マイク要らなかったかも。生物的に大きな音にはビビるからね、それなりに効果あったと思いたい。

 

「浅井、その心情は理解出来るが……。」

 

流石だなメガネエリート、平然としてる。

 

「あっ、そうだ、坂柳も気をつけてよ。あんまり調子乗ってると痛い目に合いかねないよ?もしかしたら他者を犠牲しなくちゃいけない時もあるかもしれないけど、ルール守ってたとしても、ちゃんと納得してもらえるようにしなよ。危ないよ?マジで」

 

ストレス貯まるのかもしれないけど、なんか過剰に発散してるようにも見えるからねぇ。

 

「わ、分かり、ました」

 

「そんな、他者を潰す事だけが強さの証明でもないでしょうに」

 

「はい……」

 

ちょっと顔色が青白くなってる。大丈夫かな?大声に驚いた?

 

「だが……浅井。だからといってこんな手段を取ったとしても、どう思わせたいというんだ?ルールを破る人間だって居る、そして、いざとなったら犯罪行為に手を染めろとでも言いたいのか?そんな世界、まともではないだろう?」

 

おぉ、結構言うね兄北。

 

「それはそうだね、認めるよ。ルールを破ろうとする人だらけより、ルールをちゃんと守ろうとする人が大半な方が良い世界なのは間違いない。日本は良い国だよ、世界一でしょ」

 

「なら、なぜ、」

 

「そんな、世界で1番モラルが高い国で育った、世界で1番優しい子供達同士で競争ごっこして、それの何が『世界に通用する人材』なの?」

 

「……。」

 

「俺は今でも信じられないよ。ホントにそういう人間が生まれると思ってんの?日本育ちの平和ボケしてるキッズ同士で遊んでて、生まれる訳が無くないか?」

 

「う、む……」

 

これに関しては兄北に言った所でなんの意味も無いか。

 

「ねぇ真嶋先生、本気で言ってんの?日本を導くどうたらこうたらって。教えてよ」

 

「それは、……我々は、可能な限り現実に起こりうる状況を再現し、思考を巡らせ、訓練してもらっている。少しでも優秀な生徒、人材が生まれるようにと願いながら」

 

ふーん、ご立派で。

 

「それは良いけど、だからって『Aクラスで卒業した』という結果が、イコール『世界に通用する優秀な人間』とも限らんでしょ。ただ『その年の卒業生では最上位クラス』ってだけじゃん。違う?」

 

「それは……。そう、なる」

 

認めんのかい。

 

「みんな聞こえた?……先生も、多分やる気を出させるために『Aクラスになったら優等生だ!』って煽ってるんだろうけど、別にそういう訳でもないでしょ。マジで。勘違いし過ぎだよ」

 

「だが、この学校においては優秀なのは事実だろう」

 

「ハァ……。ただしっかり監視された、ルールを破らせず、完全に保護した環境下で『競争ごっこ』した結果の『優秀』だよ?ゲームちょっと上手いのと変わんないでしょ。どうやったって現実の模倣でしかなく、現実じゃない環境での『練習』なんだからさ。少し勝ったくらいで『自分は優秀で世界に通用する』とか、調子に乗んなよ。マジで、バカだろ」

 

何か言いたそうにこちらを睨む生徒も居るけど、何も言ってはこない。手も上げない。フン、ちっぽけで価値の無いプライドを馬鹿にされてムカつくって?こんな価値の無い事のために、他者を犠牲して必要コストかのように振る舞えってるお前ら全員に俺は腹立ってるよ。

 

「だから、殺し合いや暴行を許容した環境にしろとでも言うのか!?」

 

あぁ?真嶋もちょっと怒ってるっぽい。なんなの?俺の方がキレてるよ。

 

「そうは言わねぇよ。せっかく集めて育ててる生徒なんだから、保護すんのは当たり前だし賛成だよ。……それにしては保護体制がゴミだった気もするけど」

 

「ならば!何が言いたいんだお前は!?こんな事をして!!」

 

「だから、結局こんな『オママゴト』では疑似体験に過ぎないし、ここで勝ち抜いたりしたとこで、『全員がルールを守る』『ルール破りが許されない』っていうクソ甘い温室育ちでしかないんだから、社会で、世界で通用するかは別だって言ってんの。無駄に持ち上げすぎるのもやめろよって言ってんの。……なんていうか、教員すら『優秀な人材を育ててる』って思っちゃってたのかよ。うーん、ガッカリだね」

 

「そう努力して、何が悪いと言うんだ!」

 

「俺はね、現代史とかを中心にして『こういう裏切りがあった』とか『こういう工作が行われた』とか、『法律をこうやって悪用する人間が居た』『契約の悪用方法』とか、そういうのをさっさと教えて、それでやっとスタートラインくらいだと思ってるよ。なーんも教えてないじゃん」

 

確かに俺は世界の悪意について多く教えてもらってた自覚はあるけど、それにしたって一般人がここまで何も教えてもらってないとは思わなかったよ。

 

「それは、カリキュラムが、」

 

「こんなに邪悪な世界だったのか!っていう事実を全員が知ってから、そこから擬似的に模倣するなり警戒するなり、少し模擬体験すりゃいいじゃん。そもそも、すべて体験出来る訳が無いんだからね。『特別試験で現実で起こりうる全ての競争体験が出来る』みたいな刷り込みしてんの、キモすぎるんだけど。『このツボを買ったら幸せになれます』くらい無理があるだろ」

 

「軽々しく好き放題に!」

 

「それが、お前の考える理想の教育環境ということか?」

 

人の話を聞くの、真嶋より兄北の方が上手いじゃん。

 

「少なくとも、今のただ公立高校として教科書通りの事を教えるだけの勉強させるよりは意味あると思うけどね。ほぼみんな、なーんにも知らず、すぐ人を信じちゃう、赤ん坊みたいな思考じゃん。……本当に『未来を支える人材を育成』っていうのがマジなら、それくらい知っておかなきゃダメでしょ。相手は世界なんでしょ?」

 

「くっ……。テロリストの発言かもしれないが、覚えておく」

 

なんだ真嶋、喧嘩売ってんのか?

 

「俺もさ、色んな可能性を考えたよ。どうしても公立高校だから教育内容を変えられないのかな?とか、システムを全国の高校にも真似して、教育のレベルを上げるためにやってんのかな?とか。だって、どう考えたって世界に通用する人間を育ててると思えねーんだもん」

 

「……。」

 

「そうやって考え続けて、思いついた1つの可能性、個人的に1番納得感があったのは『他国から敵対視されたくないから』っていう理由。日本を代表して育てた人間が、この程度のザコだったら、敵対視されるはずが無いもんね!ザコすぎて、絶対に脅威とも思われない。だから、敵対されず、相手にもされず、絶対に無事。生徒みんなを守るために、あえて手を抜いてるって。……でも、違うんだね?本気で育てようとしてこれなんだよね?なんか、そっちの方が絶望感あるよ」

 

「俺達が、日々どんな気持ちで教育に!」

 

「知るかよ、ザコ育成教師。金と時間をかけて、プライドだけ肥大化した勘違いゴミ野郎を生産するのってどういう気分なんだ?楽しいの?ちょっとした暴力を見逃すだけで『世界は甘くない』って教えてるつもりになって、その程度で社会でも勝っていける人材になってると思っちゃって、どういう気持ちなの?卒業して去っていった生徒達が、社会の食い物にされていくのを見るのはどんな気持ち?サメにエサ撒いてるような気分?」

 

工作、懐柔、脅迫、陰謀。世界の悪意にほとんど対応出来ないだろ。

 

「こ、この!」

 

「『Aクラス』になった所で大した価値は無いのに、競争意識を煽りまくるために誇大広告して、そのために南雲みたいなの生み出しちゃってさ。こんな学校無い方が良いのかもしんないよね。教師もバカだし」

 

「なんだと!?」

 

「それくらいにしてくれ浅井。真嶋先生も、落ち着いて下さい。今優先すべきは議論ではありません」

 

「教師としては頑張ってんのかもしれないけどさぁ、結局同じように平和ボケした日本人が教師だったら、同じレベルにしかならないんじゃない?」

 

だからこそ俺が入学させられたのかもしれないけどさ。

 

 

---------------------------------------

 

 

「浅井、言いたいことは分かった。だが、一旦、もう南雲を解放して、救護させてくれないか?」

 

え?

 

「もちろん嫌です。殺します」

 

「……それだけは許してやってくれないか?やった行為に対して殺意を持つのも理解できるが、それだけはやめてやってくれ」

 

「こうやって『人はすぐ死ぬ』『すぐ殺せる』って伝えて、だからこそ『調子に乗りすぎず、マトモに生きろよ?』っていうメッセージは、このゴミクズを殺して初めて成り立つじゃん」

 

「いや、もう……これで十分だ。ここまで暴行を加え、傷害を残し、恐怖を植え付けたんだ。もう十分だ。お前の思いは分かったし、ここに居る全員に伝わっている」

 

「ホントか~?」

 

理解出来たの、兄北だけかもしれないぞ。南雲に負けた奴らと、南雲に付き従っちゃう奴らなんだから、信じられないよ。『アイツでも南雲さんは殺せなかった!』とか思われるのすげぇ嫌なんだけど。

 

「覚悟も理解したし、既に二度と忘れられないほどの記憶と感情が刻まれている。正しい手段ではないかもしれないが、この場に居る全員が『自分も殺されるかもしれない』という恐怖を体験した。十分だ。もう、南雲を手当てさせてくれ。これ以上やる必要は無い」

 

「うーん。……ヤダ」

 

「な、なぜだ?」

 

「この程度の拷問で、コイツの心を折れたとも思わないし、この程度でコイツが改心するとも期待してないですよ。そんで、ここまでやった殺人未遂罪なら殺人罪とも大差無いでしょ。あと、みんなが『結局誰もが死刑は嫌なんだね~』ってカスみたいな価値観を持っちゃうのも認められない」

 

「そんなことは……」

 

「どうせ無期懲役を食らうくらいなら、死刑でいいやってのもあるので」

 

別に刑務所で死ぬまで生きててもつまらなそうだし。

 

「フン……」

 

は?龍園なんだそれ?『言ってること分かるぜ~!』って意味なの?ちゃんと人間の言葉を使えよコミュ障。

 

「あとは……目を失おうが、耳を切り取られようが、チンコ潰されようが、歩けなくなろうが、これだけ行動力と才能のある人間だったら、いつか俺に復讐するでしょ。例え今ちょっと心が折れてたとしても、生きてたら、復活したら、めちゃくちゃ俺を憎んで動き出すでしょ。クソほどムカつく嫌いなヤツだけど、有能だというのは認めるしかないもん」

 

「しかし、」

 

「そんな人間を生かしておいて、俺だけじゃなく、俺の家族とかに復讐されて迷惑かけるのも嫌だから、スッキリ殺しておきたいね。コイツを生かしておくほど俺バカじゃないよ。……いやまぁ、単純に殺したいってのもあるけど」

 

コイツを生かしておいたって、メリット特に無いだろ。俺にも、世界にも。

 

「だ、だが!それは思い込みも」

 

「ハイハイハイ!話し合いは終わり!それ以上しゃべったらコイツ殺す!こっちの堀北もついでに殺しちゃうぞ!?」

 

「そ、くっ……」

 

これで十分、俺の動機は分かってもらえたんじゃないかな……。もうちょいキチガイ度を上げて『意味が分からない』『頭おかしいヤツも居る』的な恐怖を植え付けたい気持ちもあったけど、ついつい話し合っちゃったね。う~ん。こういう感じで良かったのかな?……分かんねぇや。俺なりにベストは尽くしたから、もういいか。

 

「さて、クズ、南雲。死ぬ前に何か言い残したことある?最後まで聞いてあげるよ。マイクにしゃべってみ」

 

多分。ムカついたら途中で首を切るかもしれないけど。

 

「うぅ……あ……、イヤ、だ、死にたく、ない………」

 

ん~、つまらんヤツだなぁ……。結局、ただ自分勝手に生きて、他者に何をしても反省してこなかった人間なら、こんなもんか。今更こうやって泣きながら命乞いされても、なんとも思わん。

 

「あっそ、ダメです。それじゃ、終わらせてやるよ」

 

さよならだね。変に苦しませないよう終わらせてあげるよ。今日、色々とやったけど、それなりのメッセージは伝わった……と思いたいね。伝わってると良いねぇ。せめてこの学校では、こういう経緯で『調子に乗りすぎたクズが殺された』って言い伝えてもらえたら良いな……。

 

おっと、達成感で放心してないで、終わらせないと。突き刺しやすいようにナイフを逆手に持って、確実に刺し殺

 

「なぁオイ、"虎徹"」

 

「ん?……えっ?あれ?」

 

なに?なんで"浅井"呼びじゃないんだ?龍園にそう言われたの、多分はじめ

 

「オラッ!」

 

「何を、ぐぇっ……」

 

こ、この野郎!俺が手に持ってたナイフを蹴り飛ばして、即座に背後から首を締めてきた。な、なんで!?

 

「フン。……俺だけは、最初から確信していた。お前が手加減せず、南雲を実際に殺すだろうとな。お前なら本当にやるだろうし、犠牲者が1人で済むかも分からねぇと」

 

「ぐ、うぎ、」

 

ちくしょう、まったく動けないし外せない。あまりにも見事にキマってる。俺が前に南雲にやられた時より容赦なく、完全に絞め落とすつもりだこれ。ふざけんな!

 

「お前の殺人を止めるには、ここまで徹底して、協力して、味方だと思わせるしかなかった」

 

「この、クソ、悪魔……!」

 

「阻止するにも、確実に決めねぇと、逆に殺されかねない」

 

「そ、そん、」

 

んなことしねーわ!

 

「加えて、中途半端な段階で止めたら、俺が復讐されかねない。これ以外の方法は無かった。……間違いなく、俺の人生で最も手強い相手だったぜ。浅井」

 

敵じゃねぇんだから、んなことしねーわ!!ってか、なんで、止めるんだよ!?く、くそ、い、息が……

 

「ぐっ、かっ……!」

 

いくら暴れても、まったく解けない。

 

結局、俺も人を信じすぎてた?

 

いや、だって、そんなの、

 

時間的にも1人じゃ、

 

「じゃあな」

 

せめて、南雲を殺し、

 

ち、ちくしょう、

 

もう、意識が……

 

…………

 

……

 

 

 

 

 

 




本作品はこれにて完結です。

最後まで読んで頂き、ありがとうございました。

あとがき

https://funyofunyo.hatenablog.com/entry/2023/05/24/221442?_gl=1*1ngfjyh*_gcl_au*NjQxMDc2NzA4LjE2Nzc2NTA5NjM.&_ga=2.250281026.57955934.1684933872-310141143.1524199042

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