ようこそ邪悪な教室へ   作:マトナカ

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初回の中間テストのクラス平均点がそのままCPに加算されるとばっかり思ってたんですが(原作DクラスのCPが0→87だったので)、確認してみると7月1日の決算前に全クラスにご祝儀的にCP100ずつ支給されて、その上で増加は全クラスCP100に満たなかったっぽいですね。なので初回テストまるで関係なかったです。

深読みすると、一律CP100増加処理の理由は、入学時点でのクラス分けで学力差が結構あるから最初からテスト結果でCP変動させちゃうと下のクラスのモチベーションを下げすぎてしまう……とかいう判断ですかね。

あとは、遅刻欠席などでの減点は4月が過ぎた後もあるっぽいというのも読み取れますね。もしかしたらジャッジの厳しさとかは5月以降少し緩くなってるかもですが。


嵐の前の騒がしさ
Please call me 虎徹


「やったぜ虎徹!ありがとな!!」

 

放課後、なぜか暴力系不良バカに絡まれ、勝手に下の名前で呼び捨てされ、なぜか勝手に肩を組まれている哀れな一般生徒である俺は浅井虎徹だ。……なんで最初に名前呼びするやつがお前なんじゃ!

 

「あ~、おめでとう?……石崎は何点だったん?」

 

「見ろよ!ほら、全部50点以上だ!しかも、これなんて70点だぜ!?」

 

「……良かったね」

 

「あぁ!」

 

ちなみにテストの内容としては、龍園が言っていた通り半分以上、7割くらい?が過去問からの出題だった。そういう意味では過去問以外の範囲もやったのは徒労だったかもだけど……、まぁええか。龍園だけを信じて痛い目に合うより、普通に授業中の教師の言う範囲もやって及第点の方が良いに決まってる。

 

俺はなんとか全科目70点以上で、平均だと74点だった。貼り出された成績表でもクラス内で半分よりは上だったから悪くないかな。

 

過去問あったんだしこれくらいはね……。そう考えると石崎もうちょい取れよと言いたいけど、過去問以外もやらせてしまったから仕方ないか。

 

でもまぁ、こんなヌルいテストも初回だけだろうな……。もし3年間ずっとこういう形式だったら、『過去問があれば直前まで勉強しなくて済む』なんて考えてるアホがまともに勉強せず高校3年間過ごして卒業していくことになる。そんな馬鹿な話があるかよ。最初の試験だったし、ちょっとサービスしてくれたって感じだろうね。「赤点は退学」っていうの言われたのも3週間前で突然だったし。

 

「一応言っておくけど、ほぼ全部が過去問からの出題なんて絶対に今回だけだと思うよ」

 

絶対ではないけど、ちょっと脅しておこう。

 

「まぁそりゃ……、でもなんでだ?」

 

「毎回過去問やるだけで点取れてたら、学校の授業受ける意味無いじゃん。卒業生がみんなカンニングみたいな勉強しかしてない人間だったら学校の評価どうなるよ?」

 

「まぁ、そうか……」

 

「ってことで、これからはせめて授業を理解出来るようにならないとだよ」

 

「分かった……」

 

クラス対抗戦みたいな話にばかり目が行って、至極当然でもある『高校は勉強する所』というのをほぼ無視してるバカ、龍園みたいなやつを見習ってはいけない。

 

逆を言えば勉強さえしておけばいいのに、その唯一の事をしない龍園はアホの極みだな。普通にバカ。クラスの代表が勉強しないって学校側からも結構嫌われると思うし、下手したらこのクラスがAクラスに上がっても落とすために勉学重視の試験ばっかりにされたりしそうだけどね。まぁアホだから分かんねぇんだろうな。

 

「てか、そういやなんで勝手に虎徹呼びしてんの?」

 

「ん?虎徹にはめっちゃ世話になったからな!」

 

……意味が分からん。でもまぁ、この馴れ馴れしさは確かに不良の良いとこかもね、なんか矛盾してる言葉だけど。一瞬腹立ったが、石崎が下の名前呼びに慣れてるせいか、言われてる俺もなんか自然と受け入れてしまえる。

 

「ところでテストの打ち上げでメシ行かねーか?金なら出すぜ!」

 

「……じゃあお願いしようかな」

 

ただ、それはそれとしてコイツが1人目ってのはちょっと複雑だし、他の人にも下の名前で呼んでもらおう。

 

 

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「アルベルト!……石崎、ちょっと待ってて」

 

ちょうど居た、なぜかまだ教室に残ってたアルベルトに声をかける。何してたんだ?

 

「えーっと、What do you call me?」

 

「……Azai」

 

アルベルトから名前呼ばれた覚えが無いから聞いてみたけど、アザイだったか。なんか「as I」っぽく聞こえる。

 

「Please call me Kotetsu! OK?」

 

「……OK, Kotetsu.」

 

「あ、テツでもいいよ」

 

「……Tetsu」

 

「Good!」

 

おぉ、めっちゃ仲良くなった感あるな。もうちょっとおねだりしてみるか。

 

「Can I call you R?」

 

「…………OK」

 

「サンキュー!」

 

しっかりと頷いて許可出してくれたアルベルト、もといアール。やったぜ、もうベストフレンド感あるぞ。しかもコードネーム感、たまらん。

 

「それにしても、Why are you here?」

 

「……Cuz, I appreciate your lesson. I want to say you thanks, Tetsu.」

 

アプリシ……なんだっけ?知らん。でもまぁレッスンをサンクス言うてるっぽいからテスト勉強のこと言ってるっぽいな。

 

「Your welcome, R.」

 

どういたしまして。けど過去問あったから大丈夫だったとは思うけどね。

 

 

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放課後、施設内のファミレス。初めて来た。1人ではちょっと入りにくかったし食堂制覇もまだしてないからね。

 

「すげーな、虎徹。お前英語しゃべれたのか」

 

アルベルトと会話してた時、ずっと黙って見ていた石崎が感心したように言ってきた。

 

「んな難しいこと言ってないっての。アルベルトなら日本語も割と理解してくれてるよ?お前も話しかけたら良いじゃん」

 

「……俺は無理だ」

 

「あ、そう」

 

このビビリ!

 

「けど、虎徹はアルベルトのこと怖くないのか?」

 

は?

 

「なんで怖がる必要あんのさ」

 

「いやだって、めっちゃデカイし、めっちゃ鍛えてあるし、黒人だぞ。俺も不良相手ならビビるつもりねーけど、あのガタイは正直ちょっと怖いって……。龍園さんの次に怖い」

 

確かに縦にも横にもデカイ、とても高1とは思えないくらいだけど……。身長190cmで体重100kgくらいかね?筋肉あるし。今度聞いてみよう。

 

「失礼なヤツだな。バカなん?」

 

「……なんで怖くないんだ?」

 

「いや龍園みたいな頭おかしいヤツならともかく、アルベルトは意味も無く人を殴るタイプじゃないじゃん。めっちゃ良いやつだよ」

 

「そうか?……てか、俺あんまりしゃべってるとこ見たことねぇや。英語も分かんねぇし」

 

俺も英語そこまで堪能じゃないけど、それでもなんとなく会話は出来てるから印象が違うのかね。

 

「近付きにくさで言ったら、お前も大して変わらんやろ。アホな不良っぽい奴の中でも相当上位の不良っぽさだし。見た目的にも」

 

「まぁ、そうかもな……。無駄に怖がられた事は結構ある」

 

「でしょうよ。だったらお前が無駄にアルベルト怖がるのも良くないんじゃないの」

 

「……そうだな。うん」

 

「反省してんなら俺のコーラ取ってこいよ」

 

「なんでだよ……」

 

そう言いつつも席を立ってドリンクバーコーナーに行ってくれる石崎、謎の良いやつ感あるな。舎弟感というか。まぁ実際に龍園の舎弟だしね。

 

「持ってきたぞ」

 

「ん、ありがと」

 

「……でも虎徹はなんで俺とか怖がらないんだ?」

 

「はぁ?」

 

なんかすげぇキモい質問だな。

 

「いや、だって俺なんかCクラスでも結構距離取られてるぞ。龍園さんの部下ってのもあるだろうけど、俺が不良だからってのもあると思うし」

 

あぁ……そうか不良っぽいのが多すぎて忘れてたけど、そりゃ一般生徒からしたらこういう奴らはちょっと怖いのか。まぁそりゃそうだ。

 

「ぼくも怖いよぉ~……」

 

「ウソつけ!」

 

まぁ嘘だ。わざとらしく怖がった顔は通用しなかった。

 

「んー、俺の中学もそこそこ不良が多かったからだろうね。見慣れてんだよ、普通に」

 

嘘だけど。どう考えても実家での触れ合いが原因だ。指が2,3本無い人、目がイッてる人、素手で殴り殺したことある巨漢、そんなヤバい人達も見慣れてるんだから……、不良のガキとか怖くもなんともねぇわな。

 

「あぁ、なるほどな。……虎徹も不良だったのか?」

 

「俺はめっちゃ普通の生徒だったよ」

 

「……そうか?」

 

「本当だよ!」

 

疑う目で見てくんじゃねぇ!

 

 

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夜、自室。

 

不良疑惑でムカついたから無意味にステーキを2枚も食うことで石崎に嫌がらせして、満腹になりすぎてやばいので寝転がっている。ぐぇぇ食いすぎた。

 

さて、虎徹呼びをさせたい相手を他に考えていたが……、伊吹と坂柳、ついでに神室かなぁ……。あと櫛田と一之瀬にも「虎徹くんっ!」って呼ばせたい。そして周りに「どんな関係なんだ……?」って思わせたい。うん。

 

なんか機会があったら「虎徹って呼んで~」と言いたいけど、うーん……やっぱ難しいかも。高校という環境でいきなり男女が名前呼びになってたら男女の関係だと思われること間違いないだろうし。俺がそう思われたくても、相手はそう思われたくないかもだし。

 

そう考えると櫛田くらいか?他の男子を名前呼びしてても違和感がない女子って。まぁ一之瀬も仲良い相手にはすぐ名前呼びしてそうかな。

 

後は、伊吹はめちゃくちゃ呼び捨てがしっくりくるな。今もう「虎徹!」呼びされても、前からそうだった気すらする。そういう意味では神室も。てかこの2人は誰に対しても「アンタ」言うてんじゃないの。

 

最難関は……やっぱり坂柳だな、うん。男子に対しては『名字+くん付け』を徹底してたような気がする。女子は『名前+さん付け』かな?神室に対してだけ?てか配下に対してだけかな?

 

男なんてどうでもいいけど、ただ龍園には、うーん……。最近思うのは、アイツの求心力というかカリスマ?リーダー性?暴君っぷり?が上がったせいで、クラス内で「龍園さん」呼びされてるのが困る。俺は絶対にそんな呼び方したくない。だからお互いに名前呼びしておけば、なぜか龍園と対等の関係だと見られて「龍園さん」なんてアホな呼び方をしなくて済むかもと思ったけど……、いや無意味に仲良しに見られちゃうのは俺に損しか無いな。アイツと仲良し、アイツの味方だと思われて良いことなんてマジで何も無いだろ。まぁ、アイツ呼びでいいか、伊吹みたいに。てか別に龍園そのまま呼び捨てでいいか。龍園から「俺のことはさん付けで呼べ!」なんてアホなこと言われてる訳でもないし。

 

 

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まずは、完全に聞き忘れてたDクラスの状況をちょっと教えてもらいたいのもあるし、櫛田に連絡してみよう。

 

 

[浅井虎徹>>><<<櫛田桔梗]

 

【浅井虎徹】:櫛田、おひさ~

【浅井虎徹】:Dクラスどんな感じだったのか聞きたいし、時間あったら電話しようよ

 

【櫛田桔梗】:いいよ!今電話してもいい?

 

【浅井虎徹】:オッケー

 

 

返信はっや。20秒くらいだったぞ。

 

「もしもーし、浅井くん。久しぶりだね!」

 

「んだね」

 

おぉ、耳元から美少女の声、ちょっとゾクゾクする。

 

「それで、Dクラスの様子が知りたいの?」

 

「そうそう。この前……って言っても1週間以上も前だけど、昼休みに櫛田達が図書館で勉強してるの見たんだよね。また騒ぎになってたけど……」

 

「あ~、あの時のことね……」

 

テスト範囲の変更問題に関してはもう良いかな。

 

「図書館で俺が堀北に死ね言いまくった時からそこまで時間空いてなかったと思うけど、仲直りそんなすぐ出来たの?正直、目を疑ったよ」

 

うん。なんであの女に勉強を教えてもらってるのか訳が分からなかった。DクラスはマジでドMの豚さんクラスなのかと疑いたくもなる。

 

「あはは……。実はね、あの後、次の日だったかな?堀北さんから須藤くん達に謝ってたんだ。まだちょっと偉そうではあったんだけどね」

 

「マジで?どんな感じだったの?」

 

「うーんとね、『アナタのことは嫌いだけど、バスケ選手の夢を追いかけて努力しているのを軽々しく否定したのはごめんなさい。私が悪かったわ。』ってちゃんと謝ってた。そして『バスケに対する努力の一部でもいいから勉強に回して、今回のテストを乗り切るために協力して』みたいに言って、素直に頼み込んでたよ」

 

「……それホントか?あの堀北が?」

 

なんだ?生まれ変わったのか?クスリでも盛られたんか?

 

「あはは、確かに疑いたくなる気持ちは分かるよ。……多分、浅井くんに怒られたのも影響してると思うな」

 

怒った?あぁそうだったっけ。キレまくって悪口言いまくっただけだし、怒ったという表現が正しいのか微妙じゃないか?……いやまぁ怒ったか。

 

「堀北さんの頼みだけだと、やっぱあれだけ言われた男子はすぐには受け入れられなくて……。けど、ちょっと恥ずかしいけど『一番点数が良かった人と私がデートする』って事になって、みんなやる気になってくれたって感じかな」

 

「マジ?櫛田とデート?」

 

「うん。……あはは、恥ずかしいね」

 

「それ俺にも挑戦権ある?」

 

「いや、浅井くんはCクラスだから……ダメだよ」

 

ダメか。ちくしょうめ……。てか俺達もご褒美で女の子とデートあったらもうちょい高得点狙えたな。間違いなく。

 

「ちくしょう……。じゃあ代わりに櫛田は俺のこと『虎徹くん』呼びしてくれない?」

 

「ええっ!?……なんで?」

 

なんで?そこ聞くか?

 

「なぜなら……可愛い子に名前で呼ばれたいと思ったからだ!」

 

「……うーん」

 

「交換条件として、なんか俺に出来ることならするよ」

 

「えっ、そんなこと言われても……」

 

「なんでもいいよ」

 

「えーっと、じゃあ……もしもだけど、誰かを退学させて欲しいって言ったらどうする?」

 

What!?

 

「んはは!要求がヘビー過ぎるでしょ!びっくりした~……。いや流石に誰かを退学させる方法は考えたこと無かったな……。うーん……」

 

「あはは。……冗談だよっ!」

 

でも考えるのは面白いな。誰かを退学させる方法か……。

 

「あ、普通に暴行されましたとか、強姦されましたで一発じゃない?」

 

「……相手が女の子だったら?」

 

「女?ひぇ~!」

 

女のコミュニティは殺伐としてるとは聞いた気がするけど、退学させ合おうってレベルなのかよ……。怖すぎる。

 

「てか退学させたい相手って誰?それが無いとイマイチ考えられない」

 

「……ううん、冗談だから気にしないで」

 

「いや絶対本心でしょ……。あぁ、誰かを嫌いって思われたくない的な?」

 

「…………。」

 

正直分からん感情だけど、他の人からどう思われるかがめちゃくちゃ大事な女子コミュニティでは致命傷になる、とか?

 

「あー、じゃあ俺の秘密を言うから、それよりはマシかなって思ったら教えてよ。……退学させたいとかじゃなくて、ただ単に『一番苦手な相手が誰か』ってだけでいいから」

 

「…………うん」

 

「あ、誰にも言わないでよ?」

 

「うん。それは約束する」

 

「オーケー。俺の秘密は、ヤクザの家系ってこと。ついでに母親は殺されてるし、父親は自殺してる。……どう?これよりはマシなんじゃね?」

 

「その……、ごめんなさい……」

 

「は?なんで謝んの?」

 

「だって、その……ごめんなさい、そんなこと言わせちゃって……。ごめんなさい」

 

えぇ……。もしかして泣いてる?いやいや、はぁ?

 

「いや俺が勝手に言っただけじゃん……。気にしなくていいよ」

 

っていうか気にする意味が分からん。

 

「ぐすっ、ごめ、ごめんなさい」

 

「いやいやいやいや……。大丈夫って言うのも変だけど、いや別に悲しんでもないし。人間慣れるよそりゃ、親が死んだってね。すげぇ昔だもん、ほぼ覚えてないし。意外なのかもしんないけど、普通に気にしてないって。大丈夫だっての」

 

「ごめんなさい……」

 

まるで想像してた反応と違うな。「うわヤクザ~?マジで~?小指切り落としたことある?」くらいだと思ってた……。いやはや、こういう反応されるのか。

 

「まぁ嘘かもしれないんだし、そんな反応しなくていいって」

 

「え……嘘なの?」

 

「いや嘘じゃないけどさ」

 

なんだろう、意外と嘘に慣れてないのかね。何聞いても「これ嘘なんちゃう?」って疑いながら聞くのは当然だと思ってたんだけど……、俺が菅原レッスンで教育されまくったからなのか?いやその前から結構疑ってた気がするんだけども。これがシャバの住人ってやつか……。

 

「言っておいてなんだけど、櫛田がいくら頑張って俺のこの過去を広めたって、『だから何?』って話じゃない?それこそ俺が『いや嘘だよ。両親とも元気なサラリーマン』って言えばそれだけで死ぬ情報なんだし。別に気にしなくてええやろ。この学校で生徒の過去なんか大した価値無いでしょ」

 

「う、うん……」

 

外部との連絡が取れないこの環境でなら、過去話なんていくら嘘付いたって証明出来ない無価値な情報でしょうよ。学校側が本当の事を把握してたとしても、そういう個人情報は流石にしっかり保護してるだろうし。

 

「それはともかく、櫛田の嫌いなやつ教えてよ!」

 

意識して明るい声を出す。だってマジで気にしてないし、櫛田も気にする必要無いし。

 

「うん……。誰にも言わないでね……?」

 

「もちろん」

 

「その……、堀北さんがちょっと苦手なの……」

 

「はぁ?堀北ぁ?……そんなの、全人類が嫌いだろ」

 

「……ふふっ」

 

うん、笑ってくれたみたいだ。なぜかちょっと安心。考えてみると女を泣かせたの初めてなんじゃないかな……、いや幼稚園とかであったかもしれないけど覚えてる訳ないし。

 

「じゃあ、堀北を退学させられそうな方法を考えついたら、櫛田は俺のこと『虎徹くん』呼びしてくれる?」

 

「……ううん、もう今からそう呼ぶね。……虎徹くん」

 

「うぉぉ……。良いねー!!!」

 

テンションぶち上げだぜ。キャバクラの姉さん達じゃなく、普通に知り合った子にこう呼んでもらえるのは、こう、なんか、めちゃくちゃ良いな……。今までの「浅井くん」呼びも結構好きだったけど、異次元に嬉しい。

 

「ふふ、……じゃあ今日はこの辺でね。おやすみ、虎徹くん」

 

「おやすみ~!」

 

あかん、テンション上がりすぎて寝れる気がしないや。

 

 


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