ようこそ邪悪な教室へ   作:マトナカ

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高評価を付けてくれている方々、本当にありがとうございます。めちゃ嬉しいです。昨日は人生最高に嬉しい誕生日だったかもしれません。

1度は赤ゲージ見れたので、これで思い残すことなく好きな展開が書けます……(不穏)
もう評価低く修正したり、消してくれても大丈夫っす。どうせ下がるし(オイ
イチローも確か「打率じゃなくて安打数を気にするべき」って言ってましたし、これからは評価値じゃなく文字数&UA数&感想の数とかをモチベーションにしようと思います。

引き続き、出来る限り面白いものを積み上げていきたいです。
応援感謝です!

あとアンチさんが感想にBad付けてたんですけど、そういうのすげぇ申し訳なくなるからやめちくり~。
クラス対抗戦に触発されたのか知らんけど感想欄でそんなGood/Badの対抗戦しないで下さいよw


Imagine ConditionRed

DAY 3

 

おはようございます、時刻は10時過ぎ。無人島試験、3日目の朝、てか昼、二度寝していた俺は浅井虎徹です。

 

昨夜、龍園と行った深夜偵察は森があまりにも暗すぎるせいで懐中電灯を使っても全然見えなかった。普通に道が分からず遭難しそうになって怖かったし、他クラスのリーダー情報とかの収穫はないし、懐中電灯の充電レバー回しまくって疲れたし……最悪だった。途中1時間くらい迷った時は結構本気で焦ったし、腕時計の緊急連絡のやつ押しちゃおうか本気で悩んだ。暗視スコープも持って行ってたけど、森しか見えないから現在地の確認にはまるで役に立たなかった。方位磁石とかあれば良かったのかも。

 

ただまぁ、Dクラスのキャンプ位置の確認は出来たし、軽く山登りした所で双眼鏡を使えばBクラスのキャンプ地がなんとなく見れたとかは収穫かな。

 

別に2人だから帰ってこれたという訳じゃないけど、1人でアレを行くつもりだったらしい龍園はちょっと頭のネジ足りないと思う。イケイケのヤンキーなのも別に良いけど、ちょっとは色々考えて冷静にリスクマネジメントしろよな。

 

ちなみに、俺らにはマジで馴染みが無いけど、他のクラスは『8時間ごとにスポット更新』とかいう作業をやってるはずだ、それでチマチマ小さいポイントを1ずつ稼ぐと。ご苦労なこった。

 

この島は赤道に近いのか、ただ夏のタイミングなのか分からないけど、『日の出6時前後&日の入り18時前後』という感じの分かりやすい太陽周期だ。なので、どう頑張っても12時間ある夜のタイミングでスポット更新をしなくちゃいけないということになる。そこでは必ずキーカードを持つリーダーが必要だと。そして、それが覗き見るチャンスだと。

 

暗視スコープあるから意外と上手くいくかも?

 

そう考えるとスポット更新しないCクラスは優位性が半端じゃないな……。しかもリーダー知ってるのは龍園だけだし、無敵じゃん無敵。他クラスに見抜かれる訳が無い。もし言い当てられたら、それはもう……超能力者が居て心を読んだとしか思えないね。もしくは龍園がミスってた場合だから、龍園をボコボコにするしかないね。

 

ついでに内心期待してたのは、夜中に隠れてセックスしてる生徒が居ないかどうかだ。今回は見つけられなかった……。いやけど諦めない!あと今日入れて4日間もあるんだから1回くらい見つけられるはずだ。頑張るぞ!

 

そういう訳でほぼ徹夜した俺は、昨日みたいに早朝ちゃんと起きれる訳もなく今まで寝まくっていた。朝方に龍園が集合かけて食料調達に行かせたっぽい声は聞こえたけど、目をつぶったまま行くのサボってたらまたガッツリ寝ていた。

 

昨日の破壊活動をサボってた上に、夜遊びして、今日の食料調達にも行かず、昼まで寝てるだけのカスだとCクラスのみんなから思われてたらすげぇアレだな……。その通りなんだけど。後で弁明しておこう。

 

そして龍園はなぜかテントにもう居ない、起きてるっぽいかな。謎の体力あるなアイツ。

 

 

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三度寝しちゃおうか悩んでたけど、テントの中が暑くなってきたので外に出た。うっわ日差しがやべぇ、帽子被らなきゃ……。サングラスは、今は良いかな。

 

今日なんかやることあったっけ?深夜の交尾ウォッチングのことしか頭にねぇや。あ、でも他のみんなにばっか作業させて申し訳ないから俺も急いで行こうかな。作業すんのも確か今日までくらいで十分のはずだし急がないとダメかも。だって契約結んだらもう……

 

「って、あ!」

 

そうだそうだ、Dクラスとの契約するんだった。忘れてた。

 

「よぉ、起きたか浅井」

 

龍園に声をかけられた。だからなんでコイツは炎天下で帽子もサングラスもしてないんだよ。実はサドに見せかけてマゾなのか?

 

「おはよう龍園。Dクラスとの契約もう終わった?」

 

「いや、まだ来てねぇ」

 

「は?マジ?」

 

朝イチで来ててもおかしくないと思ったけど……。

 

「Dクラスはカスの集まりだ、ギャーギャー騒ぐだけで決まってない可能性が高い。場合によっては今日こちらから出向くぞ」

 

カスの集まりて。消しカスみたいだな。

 

「りょーかい。それにしても、誰にでもカスカス言うから分かりづらいぞ」

 

「……。」

 

「もうちょい分かりやすい悪口を言えよ、カッコつけロン毛カス不良アホバカヤンキー」

 

「うるせぇよボケ」

 

 

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朝メシのバナナ、美味しい。バナナ食べ放題って意外に楽しいのな。

 

「んで、何時くらいになったらDクラスのとこ行くの?」

 

「今日は石崎達に午前中で戻るよう言ってある。行くならその後だな」

 

「オッケー。また付いて行って良いでしょ?」

 

「あぁ」

 

しかしDクラスと話すことあるかね?『AもBも契約してくれたよ。早くしろよ』でもう交渉終わりだと思うんだけど。

 

「そういや伊吹はDクラスに潜入できたのかな。戻ってきてないってことは追い出されてないのかもだけど……」

 

「フン。間違っても探したりするなよ、もし見かけても驚くフリしろ」

 

「そういや会っちゃいけない設定だったね。了解了解」

 

うーん、けど心配だ……。なんか無理やり襲われてたりしそうで怖い。『追い出されたくなかったら言う通りにしろ!』とか言われて。伊吹なんか責任感強そうだし、可能性ゼロでは無さそう……。いや、なんかマジで心配になってきた。思わず表情が固くなってしまう。

 

「てめぇ、何考えてやがる」

 

「その、伊吹がさ、なんか酷い目に合わされてないかなって……」

 

「……勝手な思い込みで勝手なことすんなよ」

 

「心配だ、マジで……」

 

潜入スパイなんて素性がバレたらどうなるか分かったもんじゃないのに、最初から他クラスってバレてんだもんな。やべぇよ、マジでやべぇよ。やりたい放題されちゃうかもじゃん。

 

「チッ……。暴行がバレたらクラスが失格になるってんだから、伊吹が泣き寝入りするとは思えねぇよ。大声出したり、腕時計の緊急連絡、あと腕時計を外すだけでも運営側が介入してくるんだ。まず平気だろが」

 

「でも可能性はあるよね?声を出させない、腕時計を触らせないって、口と腕を抑えるだけで済むじゃん。男3人も居たら余裕だよ。それでいて他クラスだから女子同士の繋がりは無いだろうし、泣き寝入りするしかないほど痛めつけて陵辱すれば口封じ出来ちゃうじゃん……」

 

こんな島で監視カメラと盗聴器が全地域をカバーしてる訳も無い。

 

「考え過ぎだ……」

 

なんで呆れた目で見てくんだよロン毛、最高の配下がレイプされて泣き寝入りしてるかもしれないんだぞ。心配しろよカス。

 

「腕時計に盗聴器って入ってると思う?」

 

「は?まぁ、ありえなくも無いだろうが……」

 

「こんにちはー!聞こえてますかー!?龍園が殴ってきましたー!助けてー!!」

 

「てめ、何してんだ!」

 

腕時計に向かってしゃべりかけたけど……でもまぁ龍園に殴られてたとしても運営が介入する理由は無いな、自クラス同士なんだし。意味が無いな。

 

「じゃあ……もしもーし、運営側に警告する。そっちからのコンタクトが無かったら、全クラスのSPをゼロにするため今から行動するぞ。山をぜーんぶ燃やしてやる。1クラスで10人ずつリタイヤすりゃあいいんだから、山火事で島から避難させて、強制的に排除してやる。下手したら何人か死ぬぞ。されたくなかったら連絡しろ。……10分以内だ」

 

再び腕時計に口を近付けて、小声で囁くようにしゃべった。……すぐには反応無いな。

 

「てめぇ……」

 

「なんだよ、別にこれですぐ連絡来るなら流石に伊吹も襲われてないってことでしょ」

 

いや、でも腕時計に盗聴機能があると決めつけてタオルで包むとか対処してたら伝わらないか……。これも簡単に対処出来ちゃうな。

 

「チッ、……腕時計で脈拍も計ってるとか言ってただろ。GPS上で動きが無く、それでいて脈拍が異常値だったら緊急事態の可能性もありえるだろ」

 

「あぁ、そういやそうだったっけ。……でも、運営が見逃すかもしれないじゃん」

 

あと、別に場所変わらず心拍数上がってるだけじゃ緊急だと判断されないでしょ。自慰タイムなのかもしれないんだし。

 

「お前……マジでそこまで言ってんのか?」

 

は?

 

「当たり前じゃん。むしろ『学校がしっかり見張っててくれる!安心!』とでも思ってんの?その方がやべぇぞ。この世に完璧に大丈夫な状態なんて存在する訳ないじゃん……。バカ?」

 

「……。」

 

「とりあえず、坂上先生に注意して伊吹の状況をなるべく常に把握をしてもらうようには言う。んでもって、Dクラスとの交渉にはDのキャンプ地に行く。それで俺が交渉の後に龍園と離れて『なんか伊吹がお世話になってるって噂聞いたんだけど……』で話を聞くよ」

 

「あぁ?」

 

なんだその不満顔。死ねよ。

 

「それで安否確認した上で、『申し訳無いけど龍園が女子にも容赦しないで暴力振るうから、保護してあげて欲しい。船だと龍園もリタイアして一緒になるかもしれないから、せめてあと数日だけ面倒見てあげて欲しい。その代わり20人分くらいの食料持ってくる。頼む』とか言って俺が食料持って行くよ。そして『Dクラスの男子にも襲われないように見ててあげて欲しい、ごめん頼む』って言っておく。これでまぁ、相当に襲われる確率は減らせるはず……」

 

ゼロにはならないけど……まぁ、うん。せめてこれくらいはやっておかないと。

 

「食料をわざわざ渡すってのか」

 

「龍園も分かってるでしょ、今日の午前も食料調達に行ったなら普通に最終日まで余裕ありそうだって」

 

「……だからといって、それと他クラスに渡すのは話が違うだろうがよ」

 

「別に環境破壊ダメって言われたって、自分達の食料確保くらいは出来るだろうし、途中リタイアして人数減らしても平気なんだし、なんだったら『リーダーが最終日まで生き延びるための食料が無いからメシくれ』って他クラスに要求出来る立場でしょ、俺ら」

 

「食料の要求、相手もリタイアされたくないはずだからってか」

 

「そうそう」

 

「で、俺は食料が減ってることに気付かずって設定か?」

 

「そういうことだね。よろしく」

 

「……フン。まぁ良い」

 

ならいいけどさ、

 

「なぁ龍園、お前ちょっとは真面目に考えろって」

 

「……テメェはどう見たって考え過ぎだ」

 

はぁ?

 

「いんや、お前が考えが足りなさすぎだよ。アホ」

 

「あァ?」

 

うわ出た、ヤンキーの威嚇声。うざいんじゃ!

 

「これだけの森、これだけの監視カメラの少なさ、それで『腕時計で居場所と脈拍を計ってるから大丈夫!』とか、頭逝ってんの?」

 

なんか、ちょっとヒートアップしてきちゃった。

 

「なんだと……?」

 

「これだけの好条件……ほら、運営からの連絡も無いまま10分経ったし。腕時計に盗聴器が仕込まれてる訳でもないっぽい。カメラも全然足りない。そんな環境で女1人を襲って、拉致って、暴行して、痛めつけて、心を折って、恐怖を与えて、従わせるのなんて余裕も余裕だよ。クソほど簡単だろが」

 

「ハァ……。考え過ぎだ、浅井」

 

「いんや、集団生活で、なおかつ管理下ではあるけど、不可能ではない。絶対に」

 

「……。」

 

「これ俺が伊吹が好きだからってのもあるけど、利害的な意味でも伊吹を奪われるかもしれないんだぞ。伊吹の心を折られて脅迫されて言いなりにされてたら、ひたすらお前の害にもなるんだぞ。排除するしかなくなる、あの可愛くて有能な手駒をね。競争ゲームだったとしても、慢心から1つの良いコマ無くしたら無能も良いとこだろうがよ」

 

「伊吹が寝返るってか?……ありえねぇだろ」

 

「真面目に考えろっつってんだろアホめ。物理的に可能なことは、すべて想定して考えろよ。『相手はこんなこと思い付く訳がない~』とか決めつけて調子に乗るな。自分以外の人間は自分以下と決めつけるなよ。俺もお前も世界から見たらカスに過ぎないんだよ。全部知ったような気になってんなよ、アホ」

 

「チッ……」

 

これ前々から言いたかったんだよね。なんで相手が自分以下だと決めつけられるんだよと。

 

「お前はそこまで偉くもないし、世界を全部知ってる訳でもない。俺もお前もただのガキだよ。こんなの当たり前じゃん。俺が心配性なんじゃなくて、お前が世界を舐めすぎてんだよ」

 

「……フン。まぁ、覚えといてやるよ」

 

「あっそ」

 

「だが流石にDクラスのあいつらアホ共がそこまでやるとは思えねぇよ」

 

龍園でもそういう感じなのかよ。

 

「はぁ……バーカ。アホほど何するか分からず怖いんだろうが」

 

「お前は、考え過ぎだ……」

 

何度言ったら分かんだよ、このカス。

 

「考え過ぎだろうがなんだろうが、『相手はそれで利益を得られる』っていう場合はなんでも想定しておくべきなんだよ。この平和ボケのアホめ。……バーカ!死ね!」

 

「……。」

 

ロン毛が睨みつけきているが、アホな不良の強がりなんて怖くもなんともねぇよ。

 

とにもかくにも、Dクラスとの契約をパパっとまとめて、伊吹の保護をしっかりやりたい。少なくとも絶対に今日中には。

 

まだ襲われてないとは信じたいね……。

 

2回も夜があったのにまるで考えが及ばなかった。なんだかんだ忙しかったから余裕が無かったのかもしれないけど、いやもう反省だ。




「浅井虎徹」
【心配性 】:A-

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