ようこそ邪悪な教室へ   作:マトナカ

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鈴木くんは原作で干支試験の辰グループ(リーダー的な存在が集められたやつ)に名前だけ出てるCクラス生徒ですね。割と欠点の少ない優等生っぽいタイプとして登場してもらってます。


シーサイドビジネス

こんにちは、浅井虎徹です。櫛田にフラれた悲しみを忘れるために、白い砂浜で綺麗な貝殻を探してました。

 

意外とめちゃ楽しくて熱中してしまい、気付いたらもう綺麗な夕日になってた。うーん、いい景色だ……。ってか、3時間くらいやってたの?マジ?

 

収穫はめちゃくちゃある。ピンクの桜みたいな貝殻とかもあったし、貝殻っていうより貝殻の化石みたいな模様の入った石みたいなやつもあったし、巻き貝タイプは傷が少ないやつカッコ良くて良い感じだった。まさにホタテ貝!という感じの手を広げたくらいの大きな貝もあった、本当にホタテ貝なのかは知らないけど。

 

布の袋に貝殻を丁寧に入れたけど、落としたら割れちゃいそうだ。気をつけなきゃ。後でペットボトルを容器にでもしようかな。

 

意外と本気で結構楽しかった。無人島、悪くないじゃん。

 

なんでみんなは取りに来ないんだろうね?

 

 

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慎重に、丁寧に、あまり揺らさないように貝殻の入った袋を持ちつつ、Cクラスのキャンプ地に戻ってきた。

 

なんか人影が少ない。川にでも行ってんのかな。

 

「虎徹!どこ行ってたんだよ!?」

 

石崎がなぜか必死な感じで呼びかけてきた。どこでもええやんけ。

 

「海だよ。貝殻拾ってた」

 

「貝……?」

 

「ほら、えーっと……これとか。良いでしょ」

 

そこそこ自信のある、大きめの巻き貝を見せびらかす。フフフ、羨ましいか?

 

「あっ、ホントだ……。俺も後で拾っとこうかな」

 

割と良い反応するじゃん。

 

うーん、考えてみたら、Cクラス以外はまだ無人島生活のため、サバイバル的に食料集めたり頑張ってるのかね。忙しいのかもしれない。

 

だったら俺が代わりに拾いまくって、あとで1個500ppくらいで売るか?

 

……なんか、本気で良いアイデアに思えてきたぞ。

 

無人島からの持ち出し禁止ルールなんて無かったし、SPなんてほぼCPなんだから、それを消費してまで交換したものが奪われるっていうのも考えにくいから、無人島から持ち帰れるはずだよな。

 

SP10の品物だったとしても、CP10だとしたら100ppの40人分、毎月4000pp、1年48000ppに相当するんだよ?絶対に没収はされないと思うんだよな……。

 

俺の思い出はゴールドサングラスだけでいいし、マジで他のみんなのために貝殻拾っておこう。砂浜にある欠けてない貝殻は全部回収する勢いでやるか。

 

今日は4日目、あと2日と半日、めちゃくちゃ頑張っちゃおうかな。

 

 

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貝殻の値段設定を考えていたら龍園が近付いて来た。なぜか服に草木がちょっとくっついてる。何してたんだ?

 

「浅井、体調はどうだ」

 

体調?何の話?……なんて思ってしまったけど、そういやそう思われてたっけか。

 

「あー、大丈夫だよ」

 

「そうか。話がある、来い」

 

「俺も話があるんだよね」

 

別に俺1人でやってもいいけど、どうせCクラスみんな暇だし、みんなで集めても良いと思うんだよな。量があったら他学年にも売れるかもだし。

 

2,3年も無人島行ってんのかな?

 

いや、流石に2個も3個も管理してないか……。近所の運動場とかじゃないんだから。

 

「……分かった。まぁ来い」

 

「うぃうぃ」

 

しかしコイツはまた何やってんだ?まーた嫌がらせ?

 

……あっ、『Aクラス潰し』関係かな。あぶね、今思い出した。

 

櫛田の件で脳みそ10割使ってたし、それを紛らわせるために貝殻集めしてたら完璧に忘れちゃってた。試験とかマジでどうでもよくなってたわ。危ない危ない。

 

 

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なぜかテントの中に入っていく龍園、仕方ないので同じように入っていく。外でええやん……。

 

「んで、なにさ龍園」

 

「……Aクラスのリーダーに目星が付いた」

 

「は?マジで?嘘でしょ?」

 

本当ならすげーじゃん。あの崖にある洞窟にずっと亀みたいに引っ込まれてたら絶対分からんと思ったのに。

 

「あいつらは複数スポットの更新してるからな。それほど不可能でもない」

 

「はぇ~……」

 

あっさり言うけど、やっぱ有能なヤツだね。不可能じゃないだろうけど、そう簡単でもないだろうに。

 

「超保守的なハゲに従う人間は、現状ではリーダー1人だから少なくないが、無人島に来る前から完璧に下僕として使われてるヤツはそう多くない」

 

「下僕って……」

 

そんなのが居るのかよ。まぁ、ある意味でCクラスは龍園の下僕だらけな気もするけどさ……。

 

「葛城派と坂柳派。この対立構造において、ハゲは身内に坂柳派が居る可能性も当然考えてるはずだ。そして、自分を裏切りリーダー情報を漏らされるという可能性も当然考えてる。それくらいの頭はある」

 

あー、今回の試験でめっちゃ失敗したら、坂柳がリーダーになるってやつか。なんか坂柳との電話で話題に出たな。

 

「リーダー争いで坂柳の有利になるよう、わざとAクラスを負けさせようとする身内が居るかも、ってやつ?」

 

神室とかが本当にそうやって行動してくれるなら、本当に簡単にAクラス潰せるのにな。坂柳はそういうされると『葛城の失態』じゃなく『坂柳の邪魔』という扱いになっちゃうからダメ、みたいな話だったはずだ。

 

「そうだ。ハゲは徹底的に坂柳派を警戒している。偵察からもその様子は見れた」

 

「なるほどね」

 

大変というか、面倒そうというか、杞憂というか。もし仮に半々の勢力図だとしても、それだけでリーダー候補が半分くらいに減ってくれるのか。ついでに、自勢力にスパイっぽく敵対勢力が居る可能性もある。そりゃまぁ候補めっちゃ少なくなりそうだな……。

 

「葛城が信頼を置いてそうな人間は5,6人って所だ」

 

「すっくな!」

 

そりゃ候補を絞り過ぎなんじゃないの?

 

「リーダーになったヤツはその中の誰かだろう。スポット更新の時も必ず居るメンバーだった。……葛城本人という可能性もゼロじゃねぇが、まず無い」

 

「ふーん」

 

坂柳派がリーダーだったら、その証拠をBCDに教えられちゃうかも、ってか。それならAクラスの中でも、リーダー知ってるのは一部かもしれないね。

 

「その中でも1人、常に葛城と行動を一緒にしているヤツが居る。弥彦とかいう男だ」

 

「ヤヒコ?なんか昭和っぽい名前やんね」

 

ヒミコ、みたいな。昭和どころじゃねぇな、縄文時代?

 

「……あまりにも2人がホモみてぇに常に一緒に居るから、流石に罠かとも思った。だが、葛城が監視しておきたい対象を離れた所に置いておける度胸があるとも思えねぇ」

 

何を言っとるんだコイツ……。あと酷い言いようだな。

 

「えっと、ハゲは常に手元で確認しておかないと不安に思いそうだから、常に一緒に居る相手が怪しい、って?」

 

「あぁ」

 

「えぇ~……?」

 

怪しいとは思うけど、うーん……。

 

「フン……。後は、偵察のため木に登って隠れてたら、運良くハゲ共の会話を盗み聞き出来たんだよ」

 

それで服にめっちゃ葉っぱとか付いてたのか。

 

「何を言ってたの?」

 

「ハゲが弥彦を注意する声、『気をつけろ』ってな」

 

「えっ、そんだけ?」

 

いや別に、普通に注意してただけかもじゃん。

 

「……元から怪しい候補だが、現時点で確定は無理だ。証拠があるとも言ってねぇ。だから『目星が付いた』って言ってんだよ」

 

「そういやそうだっけ。……で?俺なんか関係ある?」

 

まるで関係無いと思うんだけど。俺は貝殻集めで忙しいんですけど。

 

「お前には、弥彦から情報を聞き出すのをやってもらいたい」

 

はい?

 

「なんでやねん」

 

「お前にやらせるのが1番……可能性が高いと判断した」

 

「えぇ……。うーん、鈴木とかで良いじゃん」

 

Cクラスの三馬鹿(石崎、小宮、近藤)と山脇はそういうの知能的に難しく、アルベルトは会話能力的に難しいとしても、鈴木なら普通にやってくれそうだろうに。

 

「カマをかけ、挑発してでも情報を吐かせる。場合によっては情報を諦めてでも、相手に殴らせて、それを証拠に残す。……そんな交渉を俺以外にやらせるとしたら、まぁお前にやらせるのが1番だろ。浅井」

 

それは『聞き出す』でも『交渉』でもない気がするぞ。

 

「龍園でいいじゃん」

 

「俺はハゲと弥彦を引き離すために交渉する役だ。……あのハゲが俺と弥彦を2人きりにするとは思えねぇしな」

 

確かに、死ぬほど警戒されてるだろうからなぁ龍園。

 

それに比べたら、俺のブチ切れ騒動もDクラスの一部生徒とCクラスの龍園、アルベルト、石崎くらいしか知らないもんね。俺の方が全然マシなのは同意。めっちゃ良い子だし。

 

「あー……まぁ、しゃーない。やったるよ」

 

けどAクラス生徒を相手に成功するかね?あそこなんだかんだ言って大人しい優等生ばっかりのクラスだと思うんだけど。無理じゃねーの。

 

「クク、心配すんじゃねぇ。前に言ったAクラスのキレやすそうなアホ、2,3人しか居ない候補ってやつの1人がその弥彦だ」

 

「なんじゃそりゃ」

 

そんなヤツがサマーリーダーの候補?ホントかよ……。

 

 

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「で、お前が言いたい事ってのは何だ」

 

何の話かと思ったけど、俺も話したいことある言うたねそういえば。

 

「あぁ、みんなで貝殻を拾おう!ってね」

 

「……は?」

 

面倒だけど説明するか。俺1人でやっても楽しかったけど、ちょっと寂しかったからね。後で何か文句言われるのも嫌だし、複数人でやった方が効率が良いのもマジだからちゃんと説明しておこう。

 

「ほら、……これとか。良いでしょ」

 

「……。」

 

なんで無言やねん。差し出した虹色に光る小さい貝を怪しんで見ている、芸術性の分からない不良め。

 

「俺らは食料確保してあるから暇だけど、他のクラスはそうでもないっぽいじゃん?」

 

「……暇じゃねぇよ」

 

暇だろ。

 

「だから、みんなの代わりに拾って、それを売ろうかなって。夏休み無人島の記念に綺麗な貝殻あったら欲しいでしょ。1個200pp、300pp、500pp、1000ppとかいう感じで」

 

「……勝手にしろ」

 

言われんでも勝手にするぞ。

 

「ただ、保存するための容器がペットボトルくらいしか無いんだよね……。切って入れ物にしようと思ったけど、考えてみたらハサミもナイフもねーな」

 

ダメじゃん。どうしよう……。

 

「……。」

 

「まぁ、丁寧に運ぶしかないか……」

 

「勝手にしろつってんだろ」

 

なんて面白くない反応なんだ。石崎を見習え。

 

「別に俺1人でやってもいいんだけど、せっかくだから複数人でやろうよ、っていう話」

 

「チッ……。とりあえず『A潰し』が先だ。それ以外の時間は好きにしろ」

 

「オッケー」

 

ちゃっちゃとヤヒコとやらに殴られて、貝殻を集めまくるとするか。

 

それにしても、なんか良い容器無いかなぁ……。

 




【祝!】50話到達!
【祝?】50%(25話)南国編。
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