ようこそ邪悪な教室へ   作:マトナカ

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前話で良い感想をいくつか頂いてしまいましたが……ルールは原作そのままです!w

横書きで読みやすいように細かい所は少しだけ変えてありますが、追加とかは無いですね。


辰グループ

ZODIAC EXAM

DAY 1

 

おはようございます。干支試験が始まる日、朝7時。学校からのメールをワクワクしながら待ってる俺は浅井虎徹です。

 

……って、それじゃダメなんだよ!

 

「おはよう龍園、しばらく俺のスマホ預かっててくれない?」

 

「……なぜだ。メールだけ見せろ。……何か偽装する方法に心当たりでもあんのか?」

 

昨日の夜にCクラスのグループチャット、別名『龍園チャット』にて『明日の優待生メールが来たら、選ばれたか選ばれてないか問わず、全員が俺に見せに来い。時間は以下の通りだ……』なんていうメッセが送られてたんだよね。

 

確かにルールで『メールの複製、削除、転送、改変』がされたら退学処分になるということだから、実際に自分から見せに来いって言うのはこの上なく正しい方法だと思う。なんか選ばれる法則が見つかるかもしれないし。それにしても、今更だけどメール削除しただけで退学って怖すぎるだろ……。とんでもない学校だ。

 

「えーっと、俺が『優待者』に選ばれたか、選ばれてないか。どっちだったとしても隠さなきゃダメでしょ?」

 

「当然だ」

 

「そんなの隠し続けられる自信なんて無いから、龍園が確認しといてよ。……お前が何を言っても誰も信じないから丁度いいでしょ」

 

「……うるせぇよ」

 

龍園が『俺が優待者だ』って言ってても信じる訳無いし、『俺は優待者じゃない』って言っても信じる訳がない。何を言っても信用出来ないもんね。もし送られてきたメールを見せてきても、コイツだったら退学覚悟でメールの改変、偽装とかしてるんじゃないの?とすら思える。良い意味で信用度ゼロだもんね。

 

「俺はさ、誰が優待者か見抜ける自信なんて無いし、どういう立場か隠せる自信も無いんだよね。どうせお前が色々やるだろうけど、それの足引っ張るのは流石に気が引けるから、最初から知らなきゃいいや……って感じ」

 

「フン……。まぁいい、貸せ」

 

「よろしく~。……勝手に女子に変態メッセージとか送らないでよ?」

 

知らない所でいきなり陰部の写真を送りつけたりされたら流石の俺でも困る。

 

「……死ね」

 

まぁ、龍園は俺ほど余計なことしない気がするから大丈夫かな。挑発して遊ぶやつも、他人のスマホからやることはなさそう。

 

スマホが無くなるのはちょっと寂しいけど、無人島でずっと持ってなかったから、そういう意味では今が一番無いのに慣れてるってのはあるし。

 

今日2回ある話し合いに参加してから返してもらうか決めよう。

 

 

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石崎と一緒に朝メシを食って帰ってくると、ちょうど8時頃になっていた。

 

ちなみに龍園は、アルベルトと一緒に朝早くにメシ食ってたり、部屋に持ってこさせたメシを食ってたりする。食事風景を見られたくないような動きしてるの謎すぎる。お前は変なアイドルなのか?意味が分からんわ。

 

「あの……龍園さん、自分のスマホも預かってもらっていいですか……?」

 

そうそう、メシ食ってる時にスマホ預ける話をしたら、石崎も不安になってきたとかなんとか。確かにコイツは隠し事とか出来そうにねぇわな。

 

「チッ……、仕方ねぇな」

 

「ありがとうございます!」

 

そうやってスマホを差し出して喜んだりしてるからマゾとか言われるんだぞ石崎。

 

「アールは……大丈夫そうだね」

 

「……。」

 

この無口で無表情のムキムキマッチョブラックマンから何かを読み取るとか無理過ぎるでしょ。人狼ゲームとかやったら最強かもしれない。あとポーカーでも読み取れないから強そう、今度機会があったら誘ってみたいな。

 

そんなことを考えていたら、色んな所でスマホが同時に鳴り響いた。多分、例の優待者かどうかの『告知メール』っぽい。

 

「フン……」

 

鼻を鳴らしながらスマホを確認した龍園は、なぜか俺の方を見て……何も言わなかった。

 

「は?なにさ」

 

「別になんでもねぇよ」

 

「なんでもないなら見るなよ」

 

もしかして、俺に表情読み取られないように警戒したとか?味方なのになんでやねん。

 

そんな失礼な男は、ついでのように俺と石崎のスマホも確認してから、なぜか部屋を出て行った。あれ?優待者かどうか報告しに来いって言ってたのに部屋空けるのかよ……。相変わらず勝手なヤツだな。

 

 

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時刻は12時過ぎ、部屋のベッドでゴロゴロしている。

 

午前中は、部屋に続々と龍園に報告しに来たクラスメイト達が多すぎてなんか邪魔だったので、最近のマイブームでもある筋トレをするためトレーニングルームに行ってた。メンバーは石崎&アルベルトという恒例のメンツ。

 

ついでに早めの昼メシまでもう済ませた。トレーニング直後の栄養摂取、肉、重要。

 

そして試験初回の集合が13時なので、その前に休憩して頭をスッキリさせておこうと、割と真面目な理由から寝ようとしてる訳だ。偉いぞ俺。

 

これはマジな話だけど、15分~20分くらいの仮眠というのは脳にめちゃくちゃ良いらしい。その後の脳の働き、作業効率が劇的に良くなるとかなんとか。

 

でもまぁ、それ知ってたけど使う機会は無かった。学校の授業でそこまでの集中力が欲しくなることないし、昼休みに寝るのは気分的にもったいないからやったこと無い。

 

龍園はベッドの上で色々書いたノートを切り取ったもの?を並べて、何か考えてる。優待者の法則を探してるっぽいかな?1人でやらないで誰かとやりゃいいのに。

 

「なぁ龍園、金田とか呼べば?あと……誰か、頭の良い人」

 

成績表で頭良いのが誰か名前を見たはずだけど全然覚えてねぇや。

 

「フン、優待者が漏れる確率が上がるだろ」

 

「そうかもしれないけどさ。少なくとも金田は漏らさないと思うけどね、多分ホモだし」

 

「……また勝手なこと言ってんのか」

 

「違うんだっけ?めっちゃ龍園のこと好きそうじゃん」

 

「知るか。……とりあえず、初回の話し合いでは先入観を持たせず、それぞれ怪しいヤツを決めさせる」

 

「あー、なるほどね」

 

確かに法則っぽいの探してたら、余計なことを考えちゃうのかもしれない。最初はその通り情報無しで探してもらった方が良さそう。

 

俺もなんとなく誰が優待者っぽいか観察してみるか……。考えてみると、そういう理由があったら女子をジロジロ見てても許されるなこれ。もしかしたら最高の試験なんじゃないの?

 

いつも試験めんどくさいとか、こんなのクソ試験とか思っててごめんね、坂上先生。

 

試験中、まさかの『水着姿にならないとダメ』とかならないかな?だって夏休み中だし、船にはプールあるし、ありえない話じゃないはずだ。『今日の試験はプールに浸かりながら交流しましょう』とかなってくれ。お願いします、頼む。

 

夢は大きく持とう。『少年よ大志を抱け』ってね。

 

 

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別に龍園と仲良しと思われたい訳でもないので、説明会の時と同じように1人だけ先に試験部屋に来た。

 

えーっと……『辰』の張り紙、ここか。

 

「よっす~」

 

なんとなくフレンドリーな挨拶をしながら入ってみたけれど、なぜかもう緊迫した雰囲気でこちらをチラリと見るだけで全員黙り込んでいた。なんでやねん……。

 

今もう居るのはAクラスとDクラスだけっぽいかな。それぞれ数人まだ来てないけど。

 

「こんにちは、虎徹くん。一緒に頑張ろうね!」

 

おぉ!?誰かと思ったら櫛田だった。うーん、優しい。これで告白拒否するんだから分からんよなぁ……。

 

「よろしく櫛田。また儲けようね」

 

「う、うん……」

 

なんだ?既に全員揃ってるっぽいAクラスから睨まれてるっぽいのが気になるのかな。別に気にしたって仕方ねぇって。

 

「Aクラスもよろしく!」

 

「……。」

 

誰も返事してくれないな。おいハゲ、無視すんなよなぁ。この中だったらかなり付き合いある間柄だろうに。

 

 

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みんななぜか黙り込んだままで部屋に人が増えてきた。そして意外にも時間寸前に来たBクラス3人と、当然のように最後の組として入ってきたCクラスの俺以外が3人が来てすぐ、船内スピーカーが鳴り響いた。

 

『ではこれより1回目のグループディスカッションを開始します』

 

ん?……それだけ?

 

とんでもない放り投げられ方をして思わず困惑してしまったが、そこは流石のリーダー集結グループだ。すぐさま誰が動くかの様子見っぽく視線を交わしてる。

 

やっぱ、俺ちょっと場違い感あるよね。

 

「じゃあ、このグループは有名な人ばかりだけど、学校からの指定もあるから、まずは自己紹介を始めよっか!私はBクラスの一之瀬帆波です、よろしくね!」

 

一之瀬がまずは声を上げた。無人島ではそこまで目立たなかったけど、場の空気を読み、怖がらず、ギリギリに来たのに気負わず、嫌な気分にさせずに場の空気を掴んだかのようなこの『善の支配力』みたいなのは良いねぇ。気持ちの良いコミュニケーション能力。

 

「神崎隆二、Bクラスだ」

 

「津辺仁美、同じくBクラスです」

 

一之瀬に賛同するように自己紹介を始めたBクラスの他2人。自己紹介ってよく分からんけど、名前だけ言えば良いのか。なんかちょっと寂しいね、全然交流にならない。

 

「では次はAクラスの紹介をさせてもらおうか。葛城康平だ」

 

「的場信二です」

 

「……西川亮子」

 

んー、ちょっとクールなタイプなのかな。

 

「矢野小春、です」

 

ちょっと大人しそうなタイプだ。

 

……ちょっと微妙な間が空いたけど、龍園が積極的に参加しそうにないのを確認した堀北が自己紹介を始めた。

 

「私は堀北鈴音。……Dクラスよ」

 

なんで不服そうに小声やねん。お前はどう見てもDクラスだろ。

 

「平田洋介、Dクラスです。よろしくお願いします」

 

「櫛田桔梗です」

 

うーん、相変わらずDクラスなのが謎の2人だ。意味不明だよな。

 

おっと……残すは俺らCクラスか。横目で龍園を見てみたけど、なんかニヤニヤして何も言わん。なにこれ?無視して自己紹介しちゃうか。

 

「Cクラス、浅井虎徹です!よろしく!」

 

意識して大きな明るい声を出して挨拶してみた。なんとなくお互い警戒し合ってたから、新鮮で良いでしょ。うんうん。

 

「うるせぇぞ浅井……。龍園翔だ」

 

カケル、そういえば下の名前そんなのだったっけ。

 

「よろしくね、カケルくん!」

 

「……殺すぞ」

 

重い空気を変えるべく試しにふざけてみたけど、龍園から本気で殺意を込めてるっぽい視線で見られてしまった。冗談が分からん不良は嫌ですねぇ……。

 

「あー……鈴木秀俊だ」

 

「Cクラス、園田正志」

 

なぜか龍園の配下っぽく待機してるクラスメイト2人の自己紹介も終わり、これで全員の自己紹介が終わったはずだ。

 

いやしかし、なんか合コンっぽくないね……。王様ゲームとかやってみたかったんだけどな。そういう雰囲気じゃないのな。

 

一応『犯人探しゲーム』っぽい今回の試験だし、似たような要素のある『人狼ゲーム』をホントにみんなでやってみたさもあるけど、ゲームアプリ入れられねぇからな……このスマホ。嫌になっちゃうね。

 

それでもまたポーカーでもやれたりするかな。話し合いとか言うほど話すことないでしょ、マジで。あと6時間くらい何を話すんだか……。

 

でもまぁ、このメンツだったら色々と話すことあるかもしれないか。

 

そういえば無人島でどういう考えだったのか聞きたいのも少しあったし。答え合わせ?みたいなのやりたいかも。

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