ようこそ邪悪な教室へ   作:マトナカ

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ちょっと遠回しな評価おねだりに応えていただいてありがとうございます。
お陰で評価平均が爆上げ、総合評価もマジで1000pt伸びました。
Thank you!!!


相談役

こんばんは、時刻は18時過ぎ。日も落ちて晩飯も食って、あとは夜20時の会議に行くだけの俺は浅井虎徹です。……こうやって言うと、なんか残業慣れしてるサラリーマンみたいだな。

 

客室でのんびり休んでいたら石崎が話しかけてきた。

 

「なぁ虎徹……お前が人と仲良くするのって、『敵になりたくないから』だったのか?」

 

少し元気無さそうかもとは思ってたけど、何を言ってるんだコイツ。龍園と話してたやつのことかね。

 

「ん?まぁ、そういう理由もあるよって事だよ」

 

「……じゃあ、俺と仲良くしてるのもそういう理由だったのか?」

 

なぜか残念そうに言う謎の石崎。何の心配してんだ、アホかこいつ。

 

「いやいや……。お前に対して、わざとらしい笑顔とか、明るい声とか、気を使ったりしてないでしょ。別に損得感情とか無いよ」

 

石崎には好かれたいとも思ってないし、嫌われたくないとも思ってない。良い意味で『どうでもいい』から、かなり自然体で接してる相手だな。……そう考えると気楽に相手できる良い友人なのかもね。

 

「そうか……。なんか良かったよ」

 

「あっそ」

 

もしかしたら、利害関係のために仲良くする、みたいな感覚が薄いからこそ少しショックだったりするのかもね。石崎は割と友人関係そんなに狭くない気もするし。友達作るのが上手いっていうより『気付いたらダチだぜ』みたいな雰囲気ある。

 

「え、じゃあなんか、わざと気を使ってる相手も居るのか?」

 

「まぁ……居るかな」

 

「例えば誰だ?」

 

こいつ軽々しく聞いてくるなぁ……。微妙に聞きにくい話題だと思うんだけど。まぁいいか、そういうヤツだし。

 

「あんまり言わないでよ?」

 

「ん、分かった」

 

なんか心配だ。……けどまぁ石崎ってそんなに他クラスと絡んでたりしないから大丈夫かね。

 

「……とりあえず、他クラスにそういう相手が多いかな。Bクラスの2人、一之瀬と神崎とかは優秀で性格良い2人だし、なんとなく仲良くなろうっていう気持ちは出るね。一之瀬に関してはめっちゃ可愛いっていう下心もあるし、普通に会話してるだけでもちょっと元気出るからね」

 

「へ~」

 

なんか気の抜けてる相槌だな。もう真面目に答えなくてもいいか。

 

「あとまぁAのハゲとか坂柳、Dの櫛田と平田とかの優秀なヤツかな。ちょっと気を使ってるのはあるね」

 

「なるほどなぁ」

 

「……石崎は裏表とか無さそうだね」

 

「そうか?……そうかもしれねぇや」

 

幸せなヤツだな。良いことだけど。

 

 

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「……居たか。浅井、話がある」

 

いつも通りアルベルトを引き連れてどこかに行ってた龍園が帰ってきた。

 

「なんぞい」

 

「確認だが、俺が『法則を見つけ出している』ってのは絶対に伏せとけよ。それ自体が相手へのヒントになる」

 

そういやそうだ。別に言うつもりは無いけど気をつけておかないとダメか。

 

「あー……分かった」

 

「後、お前だったら優待者を見つけ出すのにどうする?……教えてくれ」

 

龍園にしてはめっちゃ大人しい頼み方だな、俺がギャーギャー言ったからなのかな?ただ、でも……

 

「いや知らんけど……。俺には全然分からないよ。話し合いしてても怪しい人間も怪しくない人間も分からんかったし」

 

そこまで真面目に見てないってのもあるかもしれないけどさ。話し合いに割と参加してたし、どちらかといえば会話の内容にばっかり集中してたし。

 

「……聞き方が悪かったな。法則が分かった上で、かなり有力な候補は居る。優待者の疑いがあるヤツに対してカマをかけて挙動を見るのも考えてるが、お前だったらどうするか先に聞いておきたい」

 

「うーん……そうだなぁ……。っていうか、とりあえずハッタリかまして反応見るってだけじゃダメなの?」

 

「最大限注意するとしたら、優待者候補への接触も最低限にしておきたい。『優待者に気付いてるかもしれない』と思われるのすら出来れば回避したいってことだ」

 

「あ、なるほどね。……とりあえず全員に接触して、龍園が反応見たら?」

 

「それでもいいが、俺が相手だったら警戒されるだろ」

 

そりゃそうだ。

 

「自業自得ってやつだね。日頃の行いだ」

 

「うるせぇ。……で、お前ならどうする?」

 

「え、うーん……。今回はそんな過激なこと思いつかないけど、まぁ普通に他グループでCクラスのやつに『裏切り指名メール』を送信させて、その瞬間に優待者候補の反応見たら?それでも割と分かるでしょ」

 

「……1グループは犠牲にするってか」

 

「犠牲って、当てればいいじゃん。まぁ外してたっぽくても、1グループで成否が分かるなら早めにやっても良い気がするけどね。別にCP50減るくらい良いでしょ」

 

「他は?」

 

あれ?なんか気に食わないのかな。

 

「だったら……そういや買収工作もするの?」

 

「考えてはいるが、黙ってたら50万もらえるという状態のヤツに、さらにクラスを裏切らせるってなると金で落とすのに無駄なコストがかかるから難しい部分もある」

 

「じゃあ、買収できたって嘘ついて反応見てみたら?」

 

「どういうことだ」

 

「Aクラスは……ハゲが全部知ってるか分からないし、Bクラスは一之瀬が十中八九、優待者の把握してるだろうけど『私は信じてるから!』とか言って反応見せてくれないかもしれないか。そしてDクラスは堀北は多分そんな情報もらったりしてないだろうし、そう考えると平田か櫛田が把握してるだろうから対象としてちょうどいいかもね。あの2人に嘘つけば?」

 

「……リーダー格に対して『情報聞いた』とか言ってみるってことか」

 

「そうそう。『ねぇ平田、Dクラスの誰々が優待者情報を100万なら売ってくれるって言ってたんだけど、良い?』みたいなね。少なからず反応は見れるでしょ」

 

「まぁ……そうかもしれないが……」

 

「正直なんかめんどくさいけどね。よく考えてみると、相手が動揺した反応を見せたとしても、それが『本当に動揺してる』のか『動揺してるフリをしてる』のか分からんし」

 

「……。」

 

結局100%の確証はほぼ無理だよね、スマホ強奪とかで退学になっちゃうし。心を読めたら簡単なんだけどね~。

 

 

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そういやDクラスといえば聞きたいことあったんだ。

 

「ねぇ龍園、そういや今回の試験から堀北がなんか……良いやつになってない?性格良くなってるでしょ」

 

「……何の話だ」

 

「あのいけ好かないクソっぷりみたいなのが減っててビックリしたよ。謝罪なんて出来るような普通の人間じゃなかったでしょ。入れ替わったりしてんのかね?」

 

「あぁ?……どう考えても、お前に泣かされて、お前を警戒して態度を変えたって事だろ」

 

「えっ、俺?」

 

「……気付いてんのか知らねぇが、『結果1狙い』に賛同しつつ、アイツは優待者を見抜いて裏切り指名出来るように時間を稼いだ。ある意味で二兎を追ってる状態って事だな」

 

「あ、それは気付いた。ある意味で無人島で俺らに舐めた提案してきた時と一緒だよね」

 

「分かってんのかよ。……その時と同じような態度で、同じように要求したら、浅井、お前がまたブチ切れるだろうって警戒したってことだろ」

 

「なるほど?」

 

だから普通に話すときも舐めた態度取ってないってことなのか。

 

「後は、Aクラスでもないお前が、試験で連続して学年全体を動かすような提案をしてるってのもあるかもな。ただひたすら『自分はDクラスのはずがない』なんて考えてても無駄だし、現状で戦う覚悟を決めたって所だろうな」

 

「ふーん」

 

「鈴音はバカだが、無能なヤツじゃねぇ。同じ失敗を繰り返さないよう気をつけて、調教された女みたいになったってことだろ。ククク」

 

嬉しそうだね。

 

「龍園、なんか堀北のことに関してはやけに口が回るね。結構マジで好きなの?」

 

「チッ……そういうのじゃねぇよ」

 

「あ、そう……」

 

いやここは素直に『まぁ気に入ってる』とかで恋愛方面だった方がまだマシだろ。恋愛感情が無いのに、気に入ってて、ちょっかい出してんの?そっちの方がなんかヤバいじゃん。オモチャ扱いというか。

 

 

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さーって、そろそろ試験の時間か。今日終わったら明日は休みで、明後日の話し合い2回で試験は終了か。

 

もし龍園がクラスの奴らに指名させまくったら明日にでも終わるかもしれないけど。

 

とりあえず、今日の話し合いで気をつけなきゃいけないのは……なんだっけ?

 

「龍園!!!」

 

「……なんだ。うるせぇぞ」

 

「気をつけなきゃいけないの確認するから聞いといて。抜けてたら言って」

 

「フン……仕方ねぇ。言ってみろ」

 

「えーっと……まず絶対に隠さなきゃいけないのは『法則が分かったっぽい』ということ」

 

「そうだ」

 

「後は……あれ?無い?」

 

なんか色々あった気がしたんだけど。

 

「あえて言うなら、お前がスマホ持ってないってことだが、それは別に良い。お前はとにかく『結果1狙い』の案について進めておけ」

 

「了解。……やっぱり俺の思いついた作戦にする可能性ってあんの?」

 

「……まず無い。が、一応進めておけ」

 

「りょーかい」

 

見つけた法則ってやつも俺まだ聞いてないし、勘違いかもしれないもんね。

 

指名しまくるリスクがあまりに大きすぎて、リターンがいくら大きいからって全力で賭けてボロカスに負けたら困るもんね。リーダーだったらそりゃ考えて当然だ。

 

ウチでは、賭博で負けていった人間を見まくってきたからこそ『遊ぶ程度にしとけ』とか『負けて終わる賭けには乗るな』みたいなのも結構ちゃんと教わったし。まぁ当然のことだな。

 

龍園のことは所々気に食わないし、文句も言うけど、だからといってリーダーと認めてないって訳じゃないからね。しっかり才能あるやつだと思うし、行動力も実行力もあるし。

 

別にどっちでもいいし、リーダーの言うことちゃんと聞こうじゃないの。内部分裂なんかしたらろくでもない事になるし、そういう意味でカシラを立てるってのはちゃんとしておきたいからね。

 

ついでに言うと、負けても俺の責任にならない状態ってのは、ありえないくらい気楽で良いね……。

 

俺もしかしたらリーダー適性が無いのかもしれない。

 

別に『集団を率いたい』とか『尊敬されたい』とか無いし、適度にアドバイスして良かったらドヤ顔するだけ、悪かったらテキトーに謝るだけ、そういう現状がたまらなく楽しいのかもしれない。

 

まぁ、まだまともにリーダーやってないだけかもしれないし、やったら楽しいのかもしれないけど、とりあえずこの学校ではあんまりやらなくてもいいかな……。

 

『どうしても勝ちたい』『何が何でも勝ちたい』とかいう動機があったら、もしかしたらリーダーとして全部を管理したくなるのかもしれない。けど、この学校でそんなこと思うようになりそうもないかな……。まだ分かんないけどね。




すみません、牧場物語をやりたいので1週間くらい更新休みます。
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