ようこそ邪悪な教室へ   作:マトナカ

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月またぎの火曜日が分からなくなり投稿日ミスりました。ごめんなさい。


MADE IN KURUME

夏休み限定の占いの館。中は怪しげな薄暗い部屋には変なお香の匂いが充満してるけれど、そんな空間にも慣れつつある、今から占ってもらう俺の名前は、

 

「浅井虎徹です」

 

しかし、占いに名前って必要あんの?心を開くみたいな意味?呪ってきたりしないよな?

 

「それじゃあ、自分がどんな人間なのか。性格、長所、短所、自問自答して考えながら、ゆっくり深呼吸して……心を落ち着けて」

 

「うっす」

 

自分がどんな人間、ねぇ……。良く分かんないよ。ちょっと心配性だったり、逆に間違いなく楽観的だったりするし、自分でも性格よく分からん。

 

長所は『度胸がある』って自分では思いたいけど、プロというか、その筋のマジモンの人と比べたら、残念ながらそこまで無いし。殴る相手を探してるようなヤバい目をした人を相手にガン付けるとかは正直やりたくない。

 

短所は普通に『勉強も運動もそこまで好きでもない』って感じかな、ごく普通の高校生やね。面白くねーなぁ。

 

自分との比較のために、他の生徒を思い浮かべてみると……んー、龍園とか、葛城とか、堀北や一之瀬ですら持ってる『勝ちたい気持ち』というか『勝利への欲求』みたいな、『熱意』を持てないのが短所かもしれない。あれはちょっと憧れる。純粋な『頑張るぞ!』みたいな精神が俺には無い。まぁ、龍園だけは『勝ちたい』というより『潰したい』みたいな好戦的で迷惑な精神な気がするけど。

 

俺がそういう風に『熱意』を持てないのは、『Aクラス特権』とやらをカケラも信じられなくて、もし事実だったとしても必要ない俺自身のせいって気もする。俺まだ大学に行くかも分からんし……。

 

「さぁ、好きなのを1枚選びなさい」

 

いつの間にか、さっきと同じようにシャッフルされたカードが並べられていた。そこそこ集中して自分のこと考えてたみたいだ。なんもハッキリしてないけどええんかな。

 

「あー、じゃあこれで」

 

特に迷わず、自分に近い取りやすいカードを引いてみると『THE STAR』と書かれたカードだった。おっ?なんかアタリカードっぽい?描かれてるのも星と空、草原と水と、裸のねーちゃんだし。

 

【挿絵表示】

 

 

「『星』だね。ふーむ……ちょっと意外で、これまた難しいものが出たね」

 

は?分かりやすく輝いてる、良い感じのカードじゃないの?

 

「アタリじゃないんすか?」

 

「……別に、アルカナにアタリとかハズレとかは無いよ。その人の性質が出るだけだ」

 

なんだよ~、つまらん。

 

「『星』はどういう意味なんですか?」

 

伊吹が俺に代わって聞いてくれた。他人の占い結果も気になるのね。……まぁ、占い好きみたいだし、そりゃそうか。

 

「意味としては『吉兆、希望、恵みの雨、豊かな大地、瞑想』なんかを表すし、『洪水、喪失、放棄、頑固、物事の過剰、厭世観』といったものも示すね」

 

は~?訳分からん。色々ありすぎじゃね?っていうか、

 

「エンセイカン?ってなんすか?」

 

老人の言葉か?通じる言葉を使えよ魔女ババア。

 

「それは……『この世じゃ幸福を得られない』という価値観、悲観主義みたいなもんだ。かなり否定的で、絶望的な考え方だね」

 

「へぇ~。……どもです」

 

知らなかった。ってか、俺に無いだろそんなの。俺まぁまぁ楽観的だと思うし。

 

「そもそも、『星』というものは古来から良いもの、悪いものを教えてくれる存在と言われてるからね。吉星や凶星なんてやつがそれだ。そんな運命を示す存在だからこそ、『占星術』なんかもある訳だ」

 

なんか、分からない言い訳してない?

 

「……あれ?そういえば意外って言ったのはなんでっすか?」

 

分からないのに意外って意味不明だ。

 

「『星』のアルカナに描かれている、この水を汲んでる裸の女性は『精神性』を表すと言われてるんだ。水自体も『愛情と友情』を示すし、女性は言うまでもなく精神的な存在だからね。……意外って言ったのは、一見、アンタが物欲的な人間のように見えたからってことさね」

 

「あ、そっすか……」

 

うるせーな。物欲的な人間ってのに否定が出来ないのがこれまたムカつく。人生で一番大事なものは金だし。

 

「じゃあ、手相も見せてみな」

 

「うぃっす」

 

結局まだなんも分かってないもんな。カードだけで当たる訳ねーか。

 

 

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手をモミモミしながら見始めてすぐ、ババアの顔が暗くなった?

 

「ふーむ……」

 

なんだよ。不安にさせるんじゃないよもう。

 

「どしたんすか?」

 

聞いてみたけれど、何も答えず、しっかりと俺の手のひらを凝視したまま……1分くらい経ち、やっとババアは話し始めた。

 

「あたしが何を言っても、未来は変わらないかもしれない。下手したら逆効果になるかもしれない。……それでも聞くかい?」

 

なんだよそれ、こえーな……。ビビらせやがって、聞きたくねぇよ!

 

「いやー、うーん……。じゃあ助言だけ下さいよ」

 

「ふむ、そうさね。なら……アンタ、『適度に諦めなさい』」

 

「はぁ……?」

 

いきなり何を言ってんのババア。諦めろって、何をやねん。なんも目指してねーぞ。目標にしてる成績も大会とか、賞とか資格なんか無いし、将来なりたい職業も無い。意味不明だ。

 

「こんなこと、若者にあんまり言うもんじゃないだけどね……。アンタ、意外と思い詰めるタイプで、余計なことも考えすぎちゃうんだ。そして、意外と責任感もある」

 

意外が多いな。

 

「そうですかねぇ……?」

 

いやぁ、責任感なんて無いと思うけど。もしあったらクラス運営とか龍園に丸投げとかしないし、無人島で寝まくって食料調達サボったりしないと思うんだけど……。

 

「だから、何か許せない事、ムカついた事。そういうのがあった時、思わず行動に出ちゃうタイプだ。感情的にね、そこは『星』のアルカナ持ちでもあるから異常に強い」

 

「あー……、まぁ、それはそうかも?」

 

忘れかけてたけど、感情的と言えば、入学してすぐ龍園を闇討ちしちゃったのがあったね。そういう衝動的な部分はあるかな?アルカナだけに。

 

でもそれ、責任感か?完全に私怨だった気がする。

 

「将来は起業家だったり、ビジネスマンとして上手くいく可能性が高い。思い切りの良さが実行力になり、人の欲求を把握する能力もあるはずだ。失敗した時に切り捨てて諦める判断も出来そうだ」

 

「おぉ~」

 

なら良いじゃん。完璧。べた褒め。

 

「けれど、しなくていい事も、責任感からやってしまいかねない人間だ。我慢を覚えた方が……いや、覚えなきゃダメだ。取り返しのつかない所までいってしまうかもしれないよ」

 

「まぁ、そうかもですね」

 

バカみたいに衝動的な部分はあるからな。直した方がいいのは、まぁそうだ。

 

「過去には、人とは違う体験をしてきたんだろう……。それによって価値観が、普通の人と大きく違う部分もあるはずだ」

 

「んー、まぁ、どうですかね……」

 

横で伊吹も聞いてると思うとちょっと恥ずかしいな。中二病みたいなこと言うなよ。

 

「落ち着いて、ある程度は諦めて、受け入れなきゃいけないよ。生命線が妙に薄くて、感情線が強すぎる。……感情が暴走して、とんでもないことやらかすのかもしれない。本当に気をつけな」

 

もー、意味分からん。ひたすら脅しやがって。

 

「それより、恋愛関係はどうすか?」

 

何も得られない未来予測なんぞより、恋愛運を知りたいよ。

 

「……人をすぐ愛せる、感情の強い人間だろうね。惚れやすいとも言える。愛が深いタイプだ。けど、慌てず、ちゃんとじっくり関係を深めていく事を考えな」

 

「はぁ……」

 

「ガツガツ下心を出して攻め過ぎると引かれるよ。相手に好きになってもらえるよう、ゆっくりやりなさい。……隣の子には、既にちょっと引かれてるみたいだけどね」

 

「なっ!?」

 

このババア……やっぱクソだな!!!

 

 

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「そろそろ時間だけど……、このタロットカード、そこそこ当たるやつ、欲しいかい?売ってやろうか?」

 

なんだよ魔女ババア。怪しすぎだろ、本業は詐欺師か?高校生を相手に霊能商法すんじゃねーよバカ。

 

「……いくらですか?」

 

おいおい伊吹が乗り気みたいだ。心配になるよ。

 

「2万だ」

 

「たっか!えぇ!?」

 

アホか!?ただの紙だろうが!

 

「まぁ、特別に1万でいいよ。アンタ達の困難な運命に免じてね。それで……買うかい?」

 

買う訳ねーだろボケ、詐欺師みたいな値下げやりやがって。そんなに金持って……いや、あるけどさ。

 

「……買います」

 

えー!?……伊吹ちょっとアホすぎない?まぁ、だったら、

 

「伊吹、俺も半分出すから一緒に使おうよ」

 

止めて好感度を下げちゃうくらいなら、仲良くなる可能性を上げとこう。金の無駄だとは思うけど。

 

「別に……。まぁ、分かった」

 

よっしゃ。

 

「じゃあ、またこれで金を払っておくれ。……分割の方法とか良く知らないから、それはアンタらでやり取りしてくれ」

 

また机の下からカードリーダーを出してきた。本当に雰囲気ぶち壊しすぎる。

 

「じゃあこれでお願いします」

 

伊吹がパパっと払っちゃた。忘れないうちに送金しとくか。えーっと、友人登録してたヤツには送れたはずだよな……

 

「はいよ。じゃあこれ、新品未開封だよ。……それじゃあ、今日はこれで終わりだ。最後に一言、そうさね、2人とも、悩んだ時は、出来るだけ相談した方がいいよ。先輩や、先生、仲間でも良い。それを踏まえて、しっかり落ち着くよう気をつけて、頑張りなさい」

 

「分かりました。ありがとうございました」

 

伊吹、大人が相手だと普通に礼儀正しいじゃんか。

 

「あー、了解です。どもでした」

 

「はいよ。……頑張んなさいね」

 

そう言って見せてきたババアのシワクチャの笑顔は、妙に安心させる笑顔だった。こういう所がプロなのかもね。

 

所々ムカついたけど、また来ていいかもとは思えた。

 

 

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占いの部屋から解放され、暑苦しくジメジメした空気にゲンナリしていると……あれ?綾小路?めちゃくちゃ並んでる列から少し離れた所に、知ってる顔があった。

 

「綾小路じゃん。どしたの?」

 

「Bクラスの浅井か。……おっす」

 

そういや俺らBクラスになったんだ。適応はえーなコイツ、もうちゃんと把握して呼べてるとか。あんまり頭良くないとか言ってなかったっけ?

 

あと関係ないけど、なんか言い慣れてなさそうな「おっす」だったなぁ、変なヤツ。あんまり友達居ないのかも。

 

「よっす。何してんの?占い待ち?……あっ、そういえば1人じゃダメなのか」

 

先程まで綾小路が見てたポスターを見てみると、残酷な『お二人様一組としてご案内しております。あらかじめご了承下さい』の文字があった。かわいそう……。

 

「ちょっと残念だが、帰るしかなさそうだな」

 

そう言うボッチらしき綾小路。それにしては、そこまで残念そうな顔をしてないようにも見える。ん~、可哀想だけど、そこまで仲良くもないし、こんな炎天下でまた並ぶのは普通に嫌だな。悪いけどグッバイだ。

 

「ちょっと虎徹、今買ったタロットカードで占ってあげれば?」

 

なんだって?伊吹からめちゃくちゃ久しぶりに虎徹呼びしてもらっちゃったよ。やっぱ良いねぇ!

 

「お前達……、もしかして付き合ってるのか?」

 

「そうだよ」

 

「違う!」

 

即答したけど即否定されてしまった。残念。

 

「まぁいいや。怪しいタロットカード買ったし、綾小路ちょっと占ってあげようか?すぐ帰るくらいならやらせてよ。占いしてもらいに来たんでしょ?タダでいいよ」

 

伊吹も試してみたいみたいだし。訳分からない占い結果が出て、それを言って嫌われても、別にダメージ無いし。

 

「……じゃあ、頼んでもいいか?」

 

「オッケーイ。それじゃ、喫茶店にでも移動しよか」

 

 

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昼前だってのにもうそこそこ混んでるケヤキモールの喫茶店、相変わらず人気だねぇ。3人ともブレンドコーヒーだった。なんだよ、1人くらい宇治抹茶ラテとか、キャラメルマキアートとか頼めよ。

 

「じゃあ、私がシャッフルする。……虎徹、説明とかして」

 

説明?……あぁ、自分の事を考えて、とか言うやつか。

 

「えっと、綾小路、自分の性格とか、長所や短所、そういうのをじっくり考えながら、ゆっくり呼吸して、心を落ち着けてみて」

 

「……分かった」

 

そもそも無表情のヤツだから、集中してるみたいだけど全然顔が変わらんな。それにしても喫茶店のそこそこ騒がしい中でやってもいいのか?流石にもうちょい静かな所でやった方が良かった気がしてきた。もう遅いけど。

 

「シャッフル終わり。じゃあ、好きなの1枚選んで」

 

意外と慣れてるようにも見える伊吹のシャッフルが終わった。3つに分けて、1つにまとめる良く分からんやつまでちゃんとやってた。律儀だね。

 

「……じゃあ、これで」

 

そう言いながら綾小路が引いたのは、『THE MOON』と書かれたカードだった。月?それにしては太陽みたいな絵だ。変なの。ミスプリントか?

 

【挿絵表示】

 

 

「えーっと、『月』の意味は……『隠れた敵・幻想・欺瞞・失敗・転機・未知の世界・霊界・軽いスリルを味わう・過去の出来事に影響される』だとさ。これ、合ってる?」

 

カードケースに入っていた説明書を読んでみたけど、文字小さいなぁ。まだ色々と書いてあるけど、キリ無いな。これだけ書けば、なんか1つくらい当たるだろそりゃ。

 

「いや、分からないが……」

 

えぇ~。なんかタロット怪しく思えてきた。嘘くせぇ。当たらないんじゃないのこれ?やってるの素人だし。

 

「敵って、誰にとっての?虎徹にとっての敵?私にとっての敵?」

 

本気で結果を信じてそうな伊吹が、俺から説明書を奪い取り真面目に考察しようとしてる。ちょっと心配になるね、誰かに騙されそう。こんなもん、そんなに信じるもんじゃないだろ……。

 

「俺に敵なんて居ないよ。みんな仲良しだもん」

 

「……バカでしょ」

 

なんでだよ、ちょっとふざけたのはあるけど、別に誰とも敵対してないだろっちゅーの。こんな嘘くさいカードで『お前、敵だな!』なんて考える方がちょっと、アレでしょ。騙されやすいし、心配になるよ。自分の人生には自分で責任持たなきゃダメだぞ伊吹。

 

「ただの『敵』じゃなくて『隠れた敵』か……」

 

隠れた敵?なんか引っかかる……なんだっけ?

 

龍園がDクラスにまだ隠れてるヤツがどうこうって言ってたような……。あっ!無人島のやつか。デジカメ水没死事件。

 

「……。」

 

ちょっとだけ気まずそうな綾小路は黙ったままだ。そりゃまぁ、敵だ敵だって騒がれたらそうなるわな。

 

「もしかして、綾小路が無人島試験でデジカメ壊したの?」

 

「……いや、すまないが何の事か分からない」

 

「ふーむ……」

 

やっぱ当たらないタロットなんじゃねぇのこれ。あのクソババア……。1万だぞ1万、伊吹と割り勘してなかったら今から返品しに行ってたぞ。

 

それにしても、綾小路は妙に表情が変わらんやっちゃな。そこそこ整った顔してるからイケメンって言えなくもないだろうけど、なんか人間味が薄いから無機質で人形っぽい印象を受けて、イケメンと素直に言いにくい。良く分からんヤツすぎる。

 

「他には『幻想』とか『欺瞞』って。……もしかして、嘘ついてるのかも。心当たりがあるのに、無いって言ってるとか」

 

おいおい伊吹、どれだけタロット信じたいんだよ、アホか。素人がやって全部的中する訳がねーだろ。

 

「すまないが、本当に何を言ってるのか分からない。お前らのカメラが壊されたのか?」

 

困った顔になった綾小路、ちょっと面白いな。自然なんだけど、不自然に見えなくもない。

 

「もしかして、綾小路って暗殺者だったりすんの?ヒットマンってやつ。もしくは、忍者の末裔とか?」

 

俺も直接会ったことは無いけど、そういう職業だと感情が薄くなるって聞いたことある。

 

「いや、違うが……。そういうの、流行ってるのか?」

 

「アンタ、バカ?」

 

ぐぬぬ、ちょっとそうかも?って思っただけじゃい!そこまで否定することないだろ!

 

「綾小路、お前、なんか俺と相性悪い気がする。アルカナもなんか良くなさそうなのが出たし、説明書をこれ以上読み込んでもどうせ分かんないよ。何より、実は今はデート中なんだよ。悪いけど、もう消えてくれよ」

 

「あ、あぁ……」

 

「デートじゃないって言ってんでしょうが!」

 

照れ隠しだな伊吹、可愛い。これはデートだよ。

 

 

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綾小路と別れた(追い出したとも言う)後、伊吹とファミレスに移動して、早めのランチを一緒に食べてから雑談していた。口数は少なかったけど夏合宿やクラスメイトについて話したり、好きな映画について意見交換してたら1時間以上経っていた。

 

店も混んできたし、あんまり長時間になると「またデート行こう」って誘いにくくなるかもしれないから、そろそろお開きにしようかな。

 

「伊吹、今日はこの辺にしとこうか。……誘ってくれてありがとね。俺マジでこの学校に入って良かったと、初めて心から思えたよ。楽しかった」

 

「……あっそ」

 

しみじみと思う。この学校、別に悪い環境じゃないけど、別にそれほど良くもないだろって。みんなと違って入学の喜びとか俺ほぼ無かったし。

 

小遣いもらえるって言ったって、生活費で消えるから豪遊しにくいし、噂では学校のシステム的なのもppを使って何とか出来るとかいう話もあるから貯めておきたい気持ちもちょっとあるもんなぁ。いや俺は使ってる方だろうけど。

 

普段の寮が綺麗とか、豪華客船を体験できたとかあるっちゃあるけど、あのクソ面倒な試験でトントン、プラマイゼロって感じするし。

 

本当に、マジで今日のデートが一番楽しかったな。

 

「今度、また映画でも行こうよ!」

 

「……ん、まぁ、それくらいなら」

 

「いよっしゃ!」

 

「うるさい」

 

思わず大声出ちゃったけど、まぁいいや。夏休み中にもう1回くらいデート行けそうかな。

 




タイトル『MADE IN KURUME(久留米)』は靴ブランド『ムーンスター』のキャッチコピーです。月と星。絶対に分からないで欲しいネタバレでした。

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