???side
森の奥深く
カァン!カァン!
鎚を振るう音が静かな森へと響き渡る
それはある森の小屋、真っ暗な部屋の中
赤髪の青年が鉄を打っている
額に滴る汗と気にせず、炉の前でひたすらに鉄を叩く
鉄の音に心を研ぎ澄ませ、ここだと言う場所に鎚を当てる
「ふぅ、究極にはまだ遠いが良い出来だな」
そう言って額の汗をぬぐう青年
彼の名は
この世界に生まれ落ち、今までの時間をほぼ全て刀鍛冶に捧げてきた
全ては村正の様に、究極の一刀を作るため
近くには乱雑に置いてある刀の山の他にも様々な武器が適当に置かれている
対魔刀、神殺し、逆刃刀、懐刀、七支刀、ナイフ、クナイ、両刃の刀や双刀に薙刀、槍
その時だ、小屋に近付く人間では無い何かの気配
すると、戸の前に手紙らしき紙を咥えた黒い犬
「あん?確かにお前、サーゼクスんとこの使い魔じゃねぇか。そいつは?」
そう言って膝を付いて黒犬が咥えている手紙を取って広げた
~エミヤ・ムラマサへ~
やぁ、久しぶりだねムラマサ。
突然の手紙、どうか許して欲しい。
この前に僕が天使と堕天使と戦争をしたことは話したよね?
実は今、その戦闘中に二天龍と呼ばれる赤龍帝ドライグと白龍皇アルビオンが乱入してきて大変な事になってるんだ。
これから二天龍を封印するために天使、堕天使と協力して戦うことになる
流石に僕でもこの戦いを無事に切り抜けることは難しいと思う、最悪の場合は犠牲が出てしまうかも知れない
でも、後世の悪魔や皆のために僕は言ってくるよ
最後に人間の初めての友人であるムラマサに言っておきたいことがある
今までありがとう
─────────────────────
「何がありがとうだ、バカ野郎が」
そう言ってオレは小屋の中に入り赤い射籠手を左腕につけ、ズボンから袴に履き替え白いマントを羽織る
これでもこの容姿だからか、こう言ったことは見逃せない
「おいそこの犬、サーゼクスんとこに案内しろ」
サーゼクスside
ドライグとアルビオンに挑むため、僕らは作戦通りに動いていた
ふと頭によぎったのは、人間の友人
彼と初めて会ったのは、たまたまオフの日に人間界で散歩していると
近くに悪魔の気配を感じた僕はその場に向かった
そして見たのはあり得ない光景だった
赤髪の青年が見るからに業物だと言える刀ではぐれ悪魔を吹き飛ばしたのだ
だがそれと同時にその刀は折れて消える
「こんな駄作じゃこんなもんか……ん?」
「君は一体」
「別に、ただのしがない刀鍛冶さ」
これが彼と出会った時の記憶
先程、使い魔に頼んで彼に手紙渡してもらっている
彼はあの手紙を見てどう思うだろうか
許さないだろうか、笑って許してくれるだろうか?
そんなことを考えてしまう
するといつの間にか、作戦の場所についた
さて、絶対に生きて帰るために
「行くぞみんな!!」
「「「ォオオオオオオオオオオ!!!」」」
こんなことになるなんて思いもしなかった
3大陣営がドライグとアルビオンに押されてきている
僕とセラフォルーは最前線で頑張っているけど、正直勝てる気がしなくなってきていた
そんな中、ドライグの火球が目の前まで迫る
「サーゼクスちゃんッ!!」
「サーゼクス!!」
走馬灯の様に今までの事が過ぎていく
グレイフィア、ごめん
どうやら僕はここまでみたいだ
すまない
ムラマサ、君とはまた酒を飲みたかった
…………………さよなら
─「諦めるのはまだ早いぞ、サーゼクス」─
聞き覚えのある声が聞こえた瞬間、目の前に迫っていた火球が斬り開かれる
そこには赤髪の青年の姿が
「ムラ、マサ?」
刀鍛冶の彼ではなく、赤い射籠手を身に付け、白いマントを羽織り一振の刀を持ったムラマサの姿があった
衛宮 村正side
「ムラ、マサ?」
そう
「おう。所でサーゼクス、俺とおメェはなんだ?」
サーゼクスに手を貸して起こしながらそう聞いた
「それは、友人だ」
「なら、一人で背負い込むな。オレを友人を頼れ!」
そう言うとサーゼクスは驚き、真剣な顔になって聞いた
「
「あぁ、出来る」
すると、少し悩んだのちサーゼクスは口を開いた
「頼むムラマサ、あいつらを倒して……僕たちに力を貸してくれ」
「あぁ、任せろ」
そう言って俺は目を瞑り体に魔力を流し魔術回路を開く
「サーゼクスちゃん!大丈夫?それにその人は人間じゃない!?一体どこから!」
「落ち着いてくれセラフォルー、彼なら大丈夫だ」
「おいサーゼクス!無事なのか!?」
「あぁ、問題ないよアザゼル」
すると魔術回路を魔力が通り、魔術回路が発行し始める
「なら良いが、あの人間に任せちまって良いのか?」
「ちぃと黙ってろ、ここから先は
目を開いてそう言った瞬間、その場にいる悪魔や堕天使はその場にいる人間に釘付けになった
「アイツらを倒す手はあるのかって?
─────阿呆が、あるに決まってンだろ」
その場にまるで鉄に鎚を振り下ろした化のような音が鳴り響く
「かつて求めた究極の一刀
其は、肉を断ち骨を断ち
命を絶つ鋼の
「我が
縁を切り、定めを切り、業を切る
――――即ち、宿業からの解放なり」
そう言って腰に下げた赤い刀身の刀を引き抜く
すると向こうで暴れている赤と白の龍が此方を向いた
『なんだ貴様、我らの戦いを邪魔するか!』
『下等生物如きが、戦いの邪魔するなら殺す!』
「遅かったな、二天龍貴様らが技や炎を出すよりも、刀を持ったオレの方が一歩先にいく」
そう言って引き抜いた刀を構えて、詠唱を再開する
「…其に至るは数多の研鑽
千の刀、万の刀の
築きに築いた
「此処に辿るはあらゆる
此処に示すはあらゆる宿願
此処に積もるはあらゆる非業
我が人生の全ては、この一振りに至るために」
そして、最後の詠唱をする
「剣の鼓動、此処にあり!
受けやがれ!これがオレの!!
そう叫びながら、此方へと飛んでくる二天龍に向けてムラマサを振るう
すると振るった刀から、大きな斬撃が放たれ二天龍を見事切り裂いた
サーゼクスside
そして二天龍が地に倒れ付した瞬間、各陣営から歓喜の声が響き渡るがすぐに封印する作業に入る
「凄いよムラマサ、あれが君の求めていた究極の一刀なんだね!」
思わず彼にそう言うが彼は二天龍の方を向いたまま動かない
みると僕の他に、セラフォルーやアザゼルも来ていた
「凄いよ!何さっきの技!?」
「おい赤髪の人間!さっき
その時だ、彼が突如として口を開いた
「頼まれた事はやったぜサーゼクス、だが」
読者の皆様で英霊剣豪七番勝負をクリアした方なら分かるだろう
千子村正が、宝具を使った先に待つもの
それは……
「限界みてぇだ」
そう言ってムラマサは地面に仰向けで倒れる
「ムラマサ!」
僕は彼に急いで近付いてを抱き起こす
「………駄目だ、体に力が入らねぇ」
「ムラマサさん大丈夫!?」
「ムラマサだと!?お前、あの村正か!」
「アザゼル、ムラマサついて何かしってるのか!?」
「確か日本に伝わる伝説の刀鍛冶だったはずだ!」
「ムラマサ!一体はどうしたんだ!体が!?」
「人の身で、神の力を使ったんだ。これは、その代償だ……寝れば平気だ。サーゼクス、悪ィがオレの鍛冶場にオレを運んでく、れ……」
「あぁ!わかったよムラマサ、どうか………ゆっくり休んでくれ」
そう言って彼が目を閉じた
その後、彼を鍛冶場に運んでから時折向かったが起きていることはなかった
彼は僕らの為に力を使ってくれた
彼が守ってくれた世界を僕は守らないとね
後に彼は、三大陣営からは『天剣』と呼び称えられ
悪魔や天使、堕天使の歴史に深くその名を刻んだ
天剣、衛宮 村正………。
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