韋駄天が織り成す野球物語   作:銅英雄

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球詠の2作品目の作品です。


プロローグ

埼玉県新越谷高校。今日は入学式で、私も新入生の1人。今日のところはバッティングセンターにでもいこうと思ったのだけれど……。

 

「グラウンドには誰もいないみたいだね」

 

「野球部の停部期間は終わってる筈なんだけど……」

 

「タマちゃんって捕手だったんだ?」

 

「そういうヨミちゃんは投手なんだね」

 

「やっぱり経験者のプレーはキャッチボールだけでも格好良いね!」

 

「そうね」

 

同級生4人のキャッチボールを眺めていた。

 

(あれ?何故私はここにいるのかしら……?)

 

あれは少し前の出来事……。

 

 

(野球部はそろそろ停部明けの筈だけれど……。誰もいないわね。帰ろうかしら?)

 

入学式が終わって野球部の見学をしようと思いグラウンドを覗くと誰もいなかったので、日を改めようとした瞬間……。

 

「野球女子の再会の儀式と言ったらキャッチボールしかないでしょ!」

 

声が聞こえたので、その方向を見ると4人の少女がグラウンドに入ろうとしていた。

 

(勝手に入っても良いのかしら?しかもその内の1人は同じクラスの山崎さんだったわね。真面目そうな人なのに、無人のグラウンドに入ろうとするとは……)

 

この時まじまじと見ていたのがいけなかったのか、4人に見付かってしまう。

 

「あなたも一緒にキャッチボールする?」

 

「えっ……?」

 

「興味深そうにグラウンドを見てたから、そうなのかなって……」

 

そ、そんなに興味深く見ていたかしら……?

 

「あっ、確か同じクラスだったよね?」

 

「……ええ、あなたは山崎さんだったわよね」

 

「あっ、あの!」

 

4人の内の1人が私に話し掛ける。

 

「何かしら?」

 

「おてて見ても良い?」

 

おてて……?私の手を見るのね?何の意味があるのかしら?

 

「構わないわよ」

 

断る理由もないので、許可を出すとその子は私の手を揉みながら見ている。擽ったいのだけれど……。

 

「タマちゃんのクラスの子?」

 

「うん、私と同じクラスの……」

 

「田口咲よ。よろしくね」

 

私が名乗り終えると私の手を見ていた子が手を握りながら私の前にズイッと出てくる。

 

「た、田口さんって野球やってるの!?」

 

この子……。手を見ただけで野球経験者かわかるのかしら?良い眼をしているわ。

 

「一応ね。あなたは……」

 

「自己紹介がまだだったね!私は川口芳乃だよ!」

 

川口芳乃さんが名乗るとあとの2人も続けざまに自己紹介を始める。

 

「川口息吹よ。妹の芳乃が突然ごめんね……」

 

「気にしてないわ」

 

似ていると思っていたけれど、双子だったのね。最後に山崎さんとスキンシップを取っている子……。

 

「武田詠深だよ。よろしく!」

 

「じゃあ早速キャッチボールをしよう!!」

 

え……。良いのかしら?

 

 

……といった感じで武田さんと山崎さんが、芳乃さんと息吹さんがキャッチボールをしていて、私はそれを眺めている。

 

「どうタマちゃん?私のストレートは?」

 

「普通かな?」

 

確かに平凡なものだけれど、中々良い球ね。鍛えればもっと速くなるわ。

 

「あはは……。厳しいねタマちゃんは」

 

「投球練習してみる?」

 

「うん!」

 

どうやら武田さんが投球練習をするみたいね。

 

「田口さん、折角だから打席でヨミちゃんの球を見てみない?」

 

ふと芳乃さんがそう提案してきた。

 

「そうね……。止めておくわ。息吹さん入ってみたら?」

 

「じゃあそうしようかしら」

 

「良いけど、ヘルメット被ってね」

 

息吹さんに打者役を譲ると芳乃さん話し掛ける残念そうにしていた。私の実力を見たかったのかしら?

 

「その代わり審判に入るわ」

 

「じゃあ私も!」

 

私と芳乃さんは審判役。

 

「あと後ろ危ないよ」

 

「その心配はないでしょう。ガールズ公式戦での捕逸0だった山崎選手がそう簡単に後ろへ逸らすとは思えないもの」

 

「うんうん、信頼してるよ!」

 

(芳乃ちゃんに田口さん……。何者なんだろう?)

 

この時武田さんが魔球に近い球を投げる事を私達は知らなかった……。




こちらは不定期の投稿となります。『最強のスラッガーを目指して!』の投稿が滞ったらこちらが優先して投稿されるかもです。

この小説の主人公の田口咲は今後どうするか……。

  • 代打、代走、守備要因
  • がっつりレギュラー狙い
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