韋駄天が織り成す野球物語   作:銅英雄

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半年以上ぶりに投稿します。プロローグから時系列が飛んで柳大川越との練習試合直前です。


第1話 クールな韋駄天は練習試合直前に野球部へと入部する

私は現在打席に立っている……。こういうのをデジャヴと言うのかしらね?入学式の日にも似たような事があったわ。

 

(やはり用事があるとは言え、あの時急に帰ったのが不味かったわね。あれからも武田さん達が野球部に誘ってくれているのにも関わらず、用事が重なって今まで入部出来ずにいたのが申し訳ないわ……)

 

入学式の日、武田さんが山崎さんに投げ込もうとした時に私の電話に着信が入り、それによって急用が出来てしまい、私はそそくさと帰ってしまった……。いえ、もう気にしないようにしましょう。武田さん達も気にしていないみたいだし。

 

(見られている感覚が凄いわね。人数が少ないのにも関わらず、試合の時のようなプレッシャーを感じる……)

 

ギャラリー……というより新越谷野球部の部員と顧問の先生からの視線もあるけれど、1番気になるのは……。

 

(髪をぴこぴこと動かしている芳乃さんね。あれはどうやって動かしているのかしら……?)

 

「田口さんも左打ちなんだね!」

 

「うちは希以外に左打者がいないから、ありがたいな」

 

状況を整理すると、私は武田さんと1打席勝負をする事になり、勝てば言う事を1つ聞いてほしい……というものみたいね。

 

(9人の野球部員がそれぞれポジションに付いている……。全体の守備練習も兼ねているのかしら?)

 

何にせよ今はこの勝負に集中するだけね……!

 

(凄い気迫……。ガールズの中でもこんな気迫は感じた事がないよ。田口さんって本当に何者?)

 

武田さんが振りかぶり、第1球を投げる。

 

 

ズバンッ!

 

 

『ストラーイク!!』

 

審判は芳乃さんがやっている。そこいらの未熟な審判よりも良い判断をしているわね。

 

(今武田さんが投げたのはストレート……。持ち球を探る必要があるわ)

 

続けて2球目。ボールは反対方向へ。すっぽ抜け……?

 

(いえ、これは……!)

 

ここから落ちてくる!

 

 

ズバンッ!

 

 

『ストライク!!』

 

(いまのが武田さんの決め球かしら?あれ程の球の攻略は簡単ではないわね……)

 

この球とストレートをコースに散らすだけで打者は翻弄されるでしょうね。あの球に加えて逆を突く球種があるだけでこの強豪埼玉の県大会を勝ち抜けそうなレベルにまで武田さんは成長するわ。

 

 

ズバンッ!

 

 

『ボ、ボール!!』

 

(あのコースは私と初めて1打席勝負した時と同じコースのストレートだ……。彼女はそれを平然と見送ってる)

 

(選球眼も凄い……!田口さんが野球部に入ってくれたらうちはもっと強くなるよ~!)

 

カウントは2ー1。セオリー的に次が勝負球になりそうね……。

 

(次の1球で決めるよ。ヨミちゃん!)

 

(うん!)

 

4球目は2球よりもやや低めに投げられる。これがストレートなら右打者の顔面に当たるデッドボールだけれど……!

 

(ここから……落ちる!)

 

 

カキーン!!

 

 

私が打った打球はネットに当たる。これは……ホームランで良いのよね?

 

(実際の球場なら定位置に付いた外野の頭を越える当たり……と言ったところね)

 

勝負はどうなったのかしら?

 

「田口さん!」

 

「さっきのバッティング凄かったよ!」

 

「野球部に入ってください!」

 

ちょっ……!一気に詰め寄り過ぎよ。武田さんに至っては打たれたのに元気ね……。

 

「……ええ。元からそのつもりだったわ。私で良ければ入部します」

 

「やったぁ!」

 

とりあえず自己紹介を改めてした方が良いわよね?入学式で会った4人が私の紹介を軽くしてたみたいだけれど……。

 

顧問の先生の前に立って自己紹介。

 

「田口咲です。中学2年までエクスリーグで野球をやっていました。ポジションは捕手と外野手……。あとは二遊間を守った経験もあります。入部が遅れましたが、これからよろしくお願いします!」

 

「田口さんの守備も見たいのですが、グラブとかは持っていますか?」

 

「はい。いくつか……」

 

「ではこれから田口さんの守備を見ていきましょう」

 

顧問……藤井先生の指示により、まずは二遊間の連携からやっていく事に。

 

「咲って……左利きなの?」

 

セカンドの藤田さんが不思議な顔をして私に質問をした。まぁ左利きの二遊間なんて普通はいないわよね……。

 

「そうよ」

 

「左利きで二遊間の守備って出来るのかよ……」

 

私が左利きである事を応えるとショートを守る川崎さんが引き気味に驚く。そうなるわよね。私が今まで可笑しな特訓をしていたかよくわかるわ……。

 

「……普通はそう思うわよね」

 

「えっ?」

 

「いえ、なんでもないわ」

 

特殊な特訓のお陰でセオリーを逸脱した守備が出来るようになった……だなんて口が割けても言えないわね……。

 

 

カンッ!

 

 

打球は私のいるショート方面に飛んでくる。先生のノック、凄いわね。間違いなく野球経験者だわ。

 

(落ち着いて処理をしに行けば難しい打球ではないわね)

 

「上手っ!」

 

「後ろ回りしながらの送球がかなり早いな……。あれは相当練習してないと出来る芸当じゃないぞ」

 

これでもかなり特殊な特訓をしてきましたから……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それからセカンドの守備と外野の主席を一通りこなした後、最後に捕手の守備に付く。

 

(武田さんの投げたカーブ系統の魔球……初見で捕れるかしら?)

 

「咲ちゃんいくよー!」

 

「ええ。いつでも来なさい」

 

(咲ちゃん……。どんなリードをするか気になるな)

 

 

ズバンッ!

 

 

「ナイスボール!」

 

武田さんに返球して、その次はあの球の捕球を試みる。

 

(コースは右打者の頭から……地面スレスレに落ちる!)

 

 

ズバンッ!

 

 

「と、捕った……。捕ったよ咲ちゃんが!」

 

「うん……。うん!」

 

武田さんが嬉しそうに山崎さんに抱き付いていた。山崎さんも嬉しそうにそれを受け止めている。

 

(恐らく武田さんは中学時代にあの球を捕れる捕手と出会えなかったんでしょうね。自分が投げる球を捕ってくれる相方がいるというのは嬉しい事だもの)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「皆さんお疲れ様です。練習試合まであと5日ですので、それに備えて練習していきましょう」

 

私は藤井先生の発言に疑問を覚えたので、隣にいる山崎さんに尋ねる事にした。

 

「練習試合を組んでいるの?」

 

「うん、一昨日に」

 

私からしたら急な話だけれど、不祥事の件もあって実質部員0からのスタート……。この野球部がどこまで通用するか楽しみね。




選手名鑑

田口咲 イメージCV 中原麻衣


【挿絵表示】


ポジション 捕手 二塁手 遊撃手 外野手

① 1年

② 左投げ左打ち

③ 7月2日

④ 160センチ

⑤ ビクトリーフィンチーズ(エクスリーグチーム)

⑥ 猫

⑦ 散策

⑧ 通学距離





















能力は柳大川越との練習試合の後に載せます。

この小説の主人公の田口咲は今後どうするか……。

  • 代打、代走、守備要因
  • がっつりレギュラー狙い
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