今日はいよいよ練習試合当日……。そういえばまだオーダーがまだ決まってないわね。
「練習試合の相手は柳川大附属川越高校……通称柳大川越!以前は弱小だったけど、去年は1年生エースの朝倉さんを中心に1、2年のメンバーを中心に県ベスト16!秋はベスト8の今年の夏一押しのチームだよ!」
総合的に見ると、シードクラスはあるチーム……という事ね。
「しょ、初心者の相手じゃないわよ……」
「よく試合を引き受けてくれたわね……」
恐らくは藤井先生の人脈でしょうね。調べてみると先生は新越谷のOG……それも4強時代を築いていた内の1人みたいだし、相手の監督と何かしらの交流があっても可笑しくはないわ。
ズバンッ!
「ナイスボール!」
今投球練習をしているのがエースかしら?左のサイドスローね……。
「あの今投げてる人が朝倉さん?」
「違うよ。あの人は大野さんだよ」
大野さん……。柳大川越の3年生ね。
「朝倉さんは怪我でもしてるのか、最近見ないね……。代わりに春大で投げてるのは大野さんだよ。28イニングを投げて5失点!春はベスト8……。今のエースは大野さんだよ!サインくれるかなぁ……?」
つまり朝倉さんと合わせてWエース……。見た感じ球持ちは良さそうだし、リード次第で大きく化ける投手ね。あとは芳乃がミーハーだという事もわかったわ……。
「1番か……。ユニフォームは芳乃ちゃんが発注してくれたんだよね?」
「そうだよ。これは練習試合用だけどね。気分一新という事で、『新』の字を僅かに大きくしてみた!」
「本当だ……。気付かなかった」
「細かい仕様ね……」
こんなの中々気付かないわよ……。
「けどベースは全国に出た時と同じデザインだよ!」
「これは情けない試合は出来ないな……」
下手なプレーをすると、全国に出たOG達の顔に泥を塗る事になるのかしら?そう聞くとプレッシャーを感じるわね……。
「さあ!お待ちかねの打順発表だよ!」
「待ってました!」
ようやくオーダー発表ね。目に見えて楽しみにしているのはヨミと稜かしら?
「1番はライトで咲ちゃん!」
…………。えっ?
「わ、私が1番で良いのかしら?私はこの中では1番の新参者よ?況してやベンチスタートも視野に入れていたのに……」
「この5、6日で咲ちゃんの練習を見る限りは文句なしだと思ってるよ!」
「足も速いし、ミートも抜群に上手く、一発も狙える……。私から見て適任だと思ってるぞ」
芳乃だけでなく、主将も私の事を認めているみたいね。他の皆も反対していないみたいだし……。
「……わかったわ。新越谷高校野球部の初打席、お受けするわ」
「うん!頼んだよっ!」
ますますプレッシャーね。私にとっては試合自体が1年以上ぶりなのに……。
「オーダーの続きを発表するね!2番セカンド菫ちゃん、3番ファースト希ちゃん、4番センターキャプテン、5番キャッチャー珠姫ちゃん!」
上位の打順は妥当ね。菫の打撃は安定しているし、希は福岡の強豪中学で成績を残しているし、主将と珠姫もガールズで活躍している……。
「6番ショート稜ちゃん、7番サード理沙先輩、8番ピッチャーヨミちゃん、9番レフト息吹ちゃん!」
ベンチスタートは白菊ね。とっておきの代打……という意味では息吹よりも向いていると思うわ。あの長打力は魅力的だもの。その代わり現状のミート力は絶望的だけれど……。
「練習した事は全部出せるようにして、声を出して楽しくやっていこうね!」
「キャプテン、何か掛け声を!」
「そうだな。……新越、絶対勝つぞ!!」
『おーっ!!』
主将の掛け声に私達は応え、いよいよプレイボールね。
『1番 ライト 田口さん』
「お願いします」
左打席に立ち、ベンチを見る。サイン確認ね。ボールを見ていくべきかどうか……。
(サインは……)
(なし!自由に打って良いよ!)
どうやらサイン出しは芳乃がやっているようね。先生は芳乃に任せているのかしら?それとも芳乃を試している……?
(何にせよ自由にやって良いのなら、好球必打でいきましょうか)
大野さんの1球目……。内に来るクロスファイヤーね。
(投球練習で大野さんから投げられるクロスファイヤーのイメージはある程度出来ている……)
このコースなら初球打ちね!
カキーン!!
「なにーっ!?」
「やった!長打コース!」
打球はライトオーバー。外野は前進していたのか、打球を必死に追っているわね。なら……。
(ランニングホームラン、もらうわよ!)
加速……!
「三塁を蹴った!?」
「まさかのランニングホームラン狙い!?」
「くっ……!行かせるかっ!!」
大野さんが中継に回り、バックホーム。良い送球ね。でも……。
「その程度なら、スライディングもいらないわね」
『セ、セーフ!』
スライディングなしでホームまで帰還。これで1点先制ね。
(高校初打席はランニングホームラン……。中々に良い箔が付いたわね)
敵どころか味方も驚いているみたいだけれど、これくらいならエクスリーグでも散々やってきたのよ?ちなみに私が過去に打ったホームランの9割以上がランニングホームランね。
この小説の主人公の田口咲は今後どうするか……。
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代打、代走、守備要因
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がっつりレギュラー狙い