アーマードコア4 一羽の鴉   作:メビウス1

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鴉が墜ちた日

男は何もない荒野を人型凡用兵器『AC(アーマードコア)』を乗って歩いていた。男の名はアレックス・オルフェス。レイヴンと言われる傭兵の一人である。

「伝説のレイヴンと言われた俺も、地に落ちたな。」

アレックスは何もない荒野を見て、つぶやいた。アレックスは何故こんなことになってしまったのか思い出す。

事の初めは一週間前。巨大企業グループが国家に対して宣戦布告。国家はこれに対し巨大企業と全面戦争を決定した。アレックスは全面戦争に入ってすぐに国家に雇われ、ある戦線に参加した。

アレックスが戦線に入ると、国家軍は伝説のレイヴンが来たことを知り、一気に士気が上がり、巨大企業軍を圧倒し、巨大企業軍は撤退を始めた。

国家軍は撤退する巨大企業軍を追撃し、追撃戦に入った。誰もがこの戦いは国家軍が勝ったと思った。だが、そう思った時であった。国家軍の前に、二機の新型ACが現れた。「たかが二機、何が出来る」ある国家軍の隊長がそう言って、十機のACが前進し攻撃を開始した。

だが、次の瞬間、アレックスは目を疑った。二機の新型ACのブースタが火を噴いたかと思えばACの倍以上のスピードで、ACの背後に回り込み、一機の新型ACが背中に付いているグレネードキャノンを撃ち込み、一機のACに直撃しそして、グレネード弾が爆発し、ACは吹き飛ぶ。さらに爆発で三機のACが巻き込まれて、大破。

それを見ていた国家軍所属のAC二機は、仲間の敵を討とうと、グレネードキャノン付きの新型ACに攻撃するが、グレネードキャノン付き新型ACは再びとてつもないスピードで回避し、そのまま、攻撃した。二機のACに突撃し、右腕のライフルを発砲。その弾は正確にACのコクピットに命中戦闘不能になった。

もう一機のACのパイロットは「来るな、来るな、来るな―――!」と叫びながらマシンガンをグレネードキャノン付きの新型ACに向けて発砲するが、それもブースタを勢いよく噴かせ、回避しそのまま背後に周り混んで、左腕の突撃ライフルでACのコアを勢いよく突き刺し、そのままライフルの引き金を引き、刺さったライフルを抜き出し、突き刺されたACは倒れこむ。

一方、もう一機の新型ACは残った四機のACに、ブースタを噴かせ、突撃。そのまま近くにいたACに接近し、右腕に装備した、レーザーブレードで切り捨てる。この時、ブレード付きの新型ACは一瞬隙ができた。その隙を逃さず一機のACが背後にとり、ライフルを構えた。しかし、ブレード付き新型ACは左肩に付いたブースタだけを勢いよく噴かせ、機体を急旋回させ、レーザーブレードを展開。そして、背後にいたACを文字通り、一刀両断し爆発した。

レーザブレード付き新型ACは残りの二機のACに突撃する。二機のACはブレード付き新型ACに向かってバズーカ撃つ。だが、ブレード付き新型ACはバズーカ弾も一刀両断。そして、何事もなかったようにマシンガンを撃ち、一機のACが蜂の巣になり、大破。

最後の一機は武器を捨て逃げるが、ブレード付き新型ACは逃げるACを逃さず、ブースタを噴かせ急接近しそのまま、逃げるACのコアにレーザーブレードを突き刺しACは爆発した。

それを見ていた他の国家軍の兵士は恐怖に怯える。

無理もない。十機のACが一分もかからずに、全滅したからだ。伝説と言われたアレックスも二機で十機のACを全滅させたことがあるがその時は十分もかかった。

いくら新型とはいえ、一分もかからずに、十機のACを全滅させるのはまさに化け物だ。いや、バズーカ弾をレーザーブレードで一刀両断した時点で化け物だ。

国家軍は恐怖に怯えて、その場から動くことも出来ない。そして、新型ACのカメラがこちらに向いた時、ある国家軍の兵士が叫んだ。「敵はたったの二機だ!撃ちまくれ!」と。

それと同時に国家軍は二機の新型ACに一斉攻撃を始めた。だが、二機の新型ACはそれらをたやすく回避し、国家軍の戦力を確実に減らしていく。

アレックスもライフルを撃つがそれも回避される。しかし、伝説のレイヴンと言われるアレックスは諦めなかった。

アレックスはロックオン機能をマニュアル操作に設定し、グレネードキャノン付き新型ACの動きを予測し、ノーロックでミサイルを発射。そして、ライフルをグレネードキャノン付き新型ACの右側に向けて、撃つ。

ノーロックで発射されたミサイルはグレネードキャノン付き新型ACに向かって行くがグレネードキャノン付き新型ACはミサイルがノーロックだと気付き、左のブースタを噴かせ、右へと回避した。だが、回避した場所はアレックスが撃ったライフルの弾丸が待ち受けていた。

その弾丸はグレネードキャノン付き新型ACのコア直撃コースに入っている。しかも、回避不能なまでに接近していた。アレックスは当たったと思った。だが、不思議な現象が起こった。

ライフルの弾丸がグレネードキャノン付き新型ACに当たる寸前に緑色のプラズマのような光が見えたかと思えばライフルの弾丸が弾かれた。それと、同時にコックピット内にロックオン警報が鳴り響きわたる。グレネードキャノン付き新型ACの右腕のライフルがこちらに向けられていることに気付き、すぐさまブースタで左へと回避したが避けきれずにコアの右側のほうに命中し、コックピットが激しく揺れる。アレックスはすぐに物陰に隠れ機体のダメージを確認。

幸い戦闘には支障がないダメージだったのでほっとした。そして、アレックスは先程の現象を思い出した。確かに、あの時ライフルの弾丸は直撃コースだった。だが、緑色のプラズマのような光が見えたかと思えば、すでに弾丸は弾かれていた。一体何が起きたのか。

アレックスはいろいろと考え込んだ。

だが、すぐに考えることをやめた。いや、考えることを忘れてしまうある通信が耳に入ってきたからである。

「我軍の戦力40%まで低下。このままだと全滅する。全軍、撤退しろ!」

この通信を聞いてアレックスはすぐに戦線から離脱を開始した。

新型だといえたった数分で国家軍の戦力が40%まで削られたのはまさに異常であった。

アレックスは勝てないと判断し、戦線を離脱する。幸い新型ACはそのまま国家軍の本隊えと侵攻したため、アレックスはうまく戦線を離脱できいまにいたる。

(非常食もあと二日で尽きるか)

すでにアレックスがあの戦線を離脱してから三日目。コックピット内の非常食も残り二日分しかなく、これからどうするのか考えていた。

「とりあえず、食糧の確保だな」

そう思い近くにコロニーなどがないのか地図を見ようとした時だった。

突然警報が鳴り響く。その警報音は敵機接近警報だった。

アレックスはレーダーを確認し、前方から一機の機影が急速接近していることに気付き、すぐに戦闘態勢に入る。そして、敵機を確認した。その敵機は三日前のあの戦線に現れたブレード付き新型ACだった。

「俺の悪運もここまでか」

あの新型ACは圧倒的な戦闘力を持っていることはあの戦線で見ている。いくら伝説のレイヴンと言われたアレックスも一人では勝てないのはわかっている。

「だが、ただでは終わらん!」

アレックスが言うと同時に左腕のライフルと右背中のミサイルをブレード付き新型ACに向けて発射。しかし、ブレード付き新型ACは左右に回避しつつ、マシンガンでミサイルを撃ち落とし、そのまま接近してくる。

アレックスは空になったミサイルポットをパージし、ブースタで後退しつつ両腕のライフルを撃つが、それも巧みに回避され、さらに向こうのほうがブースタの出力が高くみるみる距離が縮まる。そして、ブレード付き新型ACはレーザブレードを展開し、ブースタを勢いよく噴かせ、一気にアレックスのACに接近する。

ここでアレックスが動いた。右腕のライフルをブレード付き新型ACに向かって投げて。そして、左腕のライフルで投げたライフルを撃つ。撃った弾丸は投げたライフルに命中し、レーザブレード付き新型ACの前で、火薬が入った200発の弾丸が爆発。

ブレード付き新型ACはその爆発に巻き込まれて体制を崩す。

そのスキを逃さずアレックスは格納していたレーザーブレードを右腕に装備し、ブレード付き新型ACのコアを目掛けてレーザブレードを振り下ろす。しかし、ブレード付き新型ACはレーザブレードが当たる直前に体制を直し、右のブースタを噴かせ、左へと回避するが避けきれずレーザーブレードはレーザブレード付き新型ACの右腕を切断する。

「くそ、右腕か!」

アレックスは一旦距離を取ろうと後ろえと下がろうとしたとき。

「なっ!」

突然モニターが眩しい光に包まれて一時的にダウンした。そして、モニターが復旧した時には勝負は決まっていた。ブレード付き新型ACはアレックスのACの前にいた。左腕のマシンガンをアレックスのACのコアに銃口を向けて。

「終わりか。」

そして、マシンガンの発砲音と、ともにコックピット内が激しい衝撃とスパークが起こり、アレックスは激しく揺さぶられて体を全体に強打した上にパネルなどが爆発し、その破片がアレックスの体を引き裂く。

『どちらが勝っても、おかしくなかった。でも、運で戦いは決まらない。』

僅かに生きていた通信機から女の声が聞こえた。おそらく、ブレード付き新型ACのパイロットだろう。

(運で戦いは決まらないか。確かにそうかもしれないな。)

アレックスはそう考えながら、意識が闇の中に落ちた。

 

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