アーマードコア4 一羽の鴉   作:メビウス1

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やりすぎた感が半端ない…


メノとローディー

国家解体戦争時、企業は国家と早期決着をつける為、数十機のネクストを同時に投入とコジマ兵器の使用により、地球は殆どコジマに汚染されてしまった。しかし、唯一汚染されていない場所がある。それは空である。

コジマ粒子は空気より重いため、地上に溜まっている。そのため、未だに空は汚染されていなかった。

そんな空にGA社の輸送機が1機飛行していた。

「社長…今回ばかりは許すわけにはいかない」

その輸送機の機内に怒りを表にする男、ローディーがいた。

何故、彼が怒っているのか。それは今から1時間前のことである。

GAE重要生産拠点の襲撃任務に就いたローディーはAMS負荷による強烈な頭痛と目眩に耐えながら、任務をやり、無事に帰還した。問題はそのあとに起きた。

ローディーの帰還と同時にある一報が入ってきた。それは、メノが撃破され、戦死したというものであった。それも、情報ミスによる同士討ちによる戦死だという。

それを聞いたローディーは悲しみよりも怒りのほうが強く、壁を思いっきり殴った。

それを見ていた、周りは無理もないと思っていた。何故なら、メノはローディーの妻であるからであったからである。怒らないほうがおかしい。

ローディーは本社に帰還後、社長に怒りをぶつけることを決意した。

その直後に社長命令でアナトリアに向かうことになり、今に至る。

《間もなく、当機はアナトリアに着陸します。シートベルトの着用をお願いします》

機長からアナトリア着陸の案内も今のローディーには聞こえないのであった。

 

 

ローディーたちを乗せた輸送機がアナトリアに到着したという聞き、黒服の男たちに囲まれながら、オーソンはアナトリア空港の到着ロビーに向かっていた。

「皆、聞いてほしい。恐らく、ローディーはメノを失った悲しみよりも、メノを戦死した原因を作った自分たち幹部たちの怒りのほうが強いだろう。そうなると私を殴り掛かるかもしれない。皆にはそれを止めてほしい」

「そうですね。今のローディーのことを考えるそれくらいのことはやりかねませんね。」

オーソンが言うことを素直に聞き、真剣な顔で頷き、その時に備え、ローディーたちの到着を待つ。

「社長。どうやら到着したみたいです」

「うむ」

社長の前からローディーたちが姿を現した。ローディーは目の前にいる人物がオーソンだと分かった途端に走り出し、オーソンに殴り掛かる。しかし、寸前の所で黒服の男たちがローディーを取り押さえ、それを止める。

「オーソン!今回のメノ戦死の一件!どうゆうことだ!」

「やはりそう来るか。いつもの冷静さどうした?」

オーソンがそう言うが、ローディーはどうにか社長を殴ろうとしようが、黒服の男たちに押さえられているため、一歩も動くこともできない。

「いいから俺の質問に答えろ!何故、こんな事態を起こした!」

「ここでその質問に答えることはできんよ。モーガン、エド。ローディーを押さえながら私と一緒に来てくれ。他の者はアナトリアを自由に回ってくれ。既にアナトリア側から許可はもらっている。以上だ。それでは行くか」

そう言い、オーソンは歩き始め、モーガンとエドと呼ばれた黒服の男二名はローディーを押さえながらオーソンの後を追うのであった。

 

 

空港を出たオーソンたちは車でアナトリアの病院に向かい、隔離病棟に入っていった。

「社長!いい加減話してくれ!それに、何故ここに連れてきた!」

ローディーの何度かの問いを聞き、オーソンは周りを確認し、やっと、口を開く。

「…ここならいいか。今から言うのは幹部クラスしかしらない極秘情報だ。絶対に他には漏らさないようにしてくれ」

そして、オーソンは全てを話し始める。

「そもそも今回の件は情報ミスではない。最初から全て仕組まれていたものだ」

「仕組まれていたものだと!?」

仕組まれたもの。それを聞いたローディーさらに暴れ始めるが、モーガンとエドが必死になって押さえる。

「そうだ。君なら知っていると思うが、アレックスとアマジーグはレイヴン時代に交流があったらしいな」

「それが何の関係g…まさか!」

そこでローディーは気付いた。アマジーグがわざと負けたと疑われているではないかと。

「アマジーグがわざと負けたと言うのか」

まさかと思った。しかし、オーソンは素直に頷く。

「そうだ。少なくても8割の幹部がそう思っている」

イレギュラーネクストや、低いAMS適正でありながら、精神負荷を受け入れることでオリジナルに匹敵する強さを見せたアマジーグ。

そのアマジーグが同じく低いAMS適正でありながら、精神負荷を受け入れていない、アレックスに敗れた。誰もが驚いた。

しかし、ある情報によってそれは疑惑に変わった。

その情報はアレックスとアマジーグがレイヴン時代に交流があったというものである。

その情報一つのせいでアマジーグはアレックスにわざと負けたではないか疑惑が出たのであった。

それを聞いたローディーはさらに怒りを燃やす。レイヴンなった以上、たとえ友であろうが、ミッションの障害になる『敵』として現れたら撃つ。

アレックスとアマジーグはその覚悟をしっかりと持っていた。

それなのり、そんな疑惑が疑われているのだ。幹部の連中にローディーはふざけていると思いながら怒りが頂点に達しようとしていた。

それは、もちろん二人のこともあるが、今回の真相に辿り着いたからでもあった。

「つまり…メノはアレックスの本当の実力を調べるために…!」

「その通りだ。アレックスの真の実力を調べるためにメノを使った」

GA社幹部たちは今回の疑惑が本当なのか、改めてアレックスの実力を測るため、B案を作成。そして、今日のこの事件に繋がったのである。

「そんな為にメノを使ったのか!?彼女を!」

「あいつらにとっては、メノを失う代わりに、アレックスがメノより強力な戦力になることが確定する。今後もアナトリアの支援も継続するかどうかも判断をかねてな」

たとえ、アレックスが勝利してメノを失われても、アレックスをメノの代わりの戦力として使用できる。

また、アレックスが傭兵であるが、彼の活動拠点であるアナトリアを支援しているのはGA社のみ。そのため、支援を続けている内は敵対企業に行ける筈がない。

「それについ最近、メノをAMS適正超える数値をもった少女が発見された。それもあって今回の件が加速した」

さらに、数ヵ月前にメノの数値を超えるAMS適正を持った少女が発見されたこともあり、今回の事件であるB案を加速させる事態にもなった。

「ふざけるな!こんなことのために、メノが死んだのか!?」

「私だって反対だった!…だが、会長を含め、8割が賛成!私だけではどうにもできなかった!」

GA社の最高権利者はオーソンではなく会長である。それを含み、8割が賛成である。とてもではないがオーソンがどうにかできるレベルではなかった。

「…本当に止めることはできなかったのか?」

「できなかった…会長が賛成派に回った時点で私がどうにかできるレベルではない」

オーソンは手を力強く握る。彼もできる限りのことをし、B案を阻止しようとしていた。

しかし、会長が賛成派に回った時点でオーソンだけではどうにもできなかった。

「何故メノが…」

「だが、私だってこのまま見逃す訳にはいかない。だから私は裏の手を使った」

「裏の手?」

「そう裏の手だ。401号室…ここだな」

そう言い、オーソンはある病室の扉の前に止まり、扉を開けた。そして、扉の先にいった人物を見たローディーは目を疑った。

「オーソン社長…それにあなた…」

病室にいた人物。それは戦死したかと思われたメノであった。

「メノ!」

「キャ!…ごめんあなた。心配かけちゃって…」

ローディーがいきなり抱き付いてきたことに。最初こそは驚いたメノであったが、すぐに抱き返し、ローディーの頭を撫でる。

「ローディー。もう到着していたか」

「アレックスたちか」

「ア、アレックス!?」

その直後にアレックス、フィオナー、エミールの3人が病室に入ってきた。ローディーは慌ててメノから離れる。

「まさか、女に余り興味が無かったローディーがここまで行くか…当時を知っている奴らが見たら、どう思うかな」

「なぁ!アレックス!?」

アレックスはローディーを少し弄った後、オーソンの方を向き、オーソンもアレックスに近づく。

「今回の件は本当に助かった。報酬はレイヴン時代と一緒の方法で渡す」

「分かった。後で確認する」

「社長。これは一体?」

目の前で行われている会話についていけず、少し混乱していた。

「B案を止めることはできなかった。ならば、多少強引な手段を使ってでもメノを救出することにした」

「俺も最初聞いた時は驚いた。何せ、GA社の最高戦力を偽装撃破だからな」

B案を正当ルートでは止めることができないと判断したオーソンは、アレックスにメノ偽装撃破をするように依頼をしたのだ。

依頼を聞いたアレックスも当初は驚いたが、オーソンから理由を聞き、納得し、依頼を受けた。

「さらに、情報を漏れないように信用できる人物しかこの偽装撃破のことは話していない。盗聴の危険もあったし、メノには伝えることができなかった。その点は本当に悪かった」

また、オーソンは情報漏えいを可能な限り、防ぐため、信用できる人物しか偽装撃破のこと話しておらず、メノには伝えていなかった。

「そのせいで本当にあの時は死を覚悟する羽目になりました」

メノはそう言い、あの時のことを思い出す。

 

 

目の前から迫るレーザーブレードに死を覚悟したメノは目を閉じた。

しかし、いつまで経ってもその時が来なく、不思議に思ったメノは目を開けると、レイヴンは寸前の所でレーザーブレードを止めていた。さらに、左腕を自機の右肩に乗せ、接触通信を掛けて来た。

《GA社所属、ネクストプリミティ・ブライト。リンクスメノ・ルーだな?》

突然の接触通信に戸惑ったメノであったが、今の状態だと何もできないため、素直に答える。

「…そうです。それでわざわざこんなことまでして、私に何の用ですか?」

わざわざ、接触回線まで掛けて来たレイヴンに何の思惑があるのか?メノはそう考えながら警戒を解かない。

《…君を偽装撃破してくれという依頼を受けた。悪いが大人しくしてくれ》

「偽装撃破!?何処の差し金ですか!」

オリジナルリンクスであるメノ・ルーの偽装撃破。

恐らく、偽装撃破して、本社から救出部隊を出させないようにし、その後は人体実験道行きだろう。未だにAMS適正には謎が多い部分もあり、人体実験で研究したい企業は山ほどある。しかし、適正を持っている人間は少数であり、どの企業もAMS適正者を全てリンクスさせ、ネクスト戦力を少しでも増やそうとしている。

中には人体実験しながらリンクスさせている企業もあるが、流石に身体、精神まで壊さない優しい実験である。

だが、自社のリンクスでは無く、他企業のリンクス。それも【敵対企業】のリンクスを誘拐しれば、実験体を確保すると同時に戦力を落とすことも可能である。

「(人体実験にされるだったら…)」

人体実験にされるなら、死んだほうがマシ。そう考えメノはいつでも自爆システムを起動できるようにする。

《差し金か…お前もよく知っている人物だよ》

「私がよく知っている人物?」

その言葉を聞いたメノは混乱する。まさか、企業内にスパイでもいるのか?

《俺が言うより、本人に聞いたほうが早い》

「本人!?」

すると角からある特殊車両が姿を現す。その特殊車両はメノがよっく知っている物であった。何故なら、その特殊車両はGA社が使用しているものであり、コジマ汚染下でのパイロット救出用として使われている物である。

その特殊車両からワイヤーが射出され、コアに当てられる。恐らく接触通信を使うためであろう。

そして、接触通信から聞こえた声はメノは固まった。

《メノ。聞こえているか?》

「社、社長・・・?」

その声は、社長の声であったからである。

「社長…どうして…どうしてこんな事をしているですか!?」

アナトリアの傭兵が言った通り、メノが良く知っている人物であった。だが、まさか社長とは思っていなかった。いや、思いたくなかった。

《確かにこんなことをしてすまないと思っている。だが、君を救うにはこれしかなかった》

「私を…救う?」

社長が言ったメノを救う。その言葉でますますメノは混乱する。

《理由は移動しながら話す。今からコックピットから安全に出られるように作業をする。じっとしてくれ》

社長がそう言いうと同時に特殊車両から防護服を着た人が何人か出てきて、メノが安全に出られるようにするため、コア部分を隔離する作業を開始する。

そして、作業開始から僅か数分後。コア周辺を隔離し、一人の作業員がハッチを開く。

「メノさん大丈夫ですか?」

「えっ?あなたは…」

ハッチを開けた作業員はメノもよく知っている人物であった。

この作業員はメノの機体である、プリミティ・ブライトの整備員の一人であり、腕の良さや、気が優しい性格もあり、メノが最も信用している整備員の一人である。

「ですがここで話すのは危険です。社長が言った通り、移動しながら話をします。突然のことで混乱しているのはわかります。ですが、今は社長を信じてください」

信用している整備員から言われ、今は社長を信じることに決めた、メノはコックピットから出て、作業員とともに特殊車両に乗り込む。

中には社長や部下の黒服の男が数人いた。

「…社長…どうしてこんなことをしたのか。理由を話してください」

「あぁ…話すよ。その前に…アレックス。仕上げを頼む」

《了解した。オーソン。あまた後で》

特殊車両はハイダ工廠を出るため、移動を開始。それと同時にアレックスは偽装撃破の総仕上げをするため、プリミティ・ブライトのコアにレーザーブレードを突き刺し、R-100も数発撃ちこむ。

これによりコックピットは原型が分らないほど崩れ、パイロットは死亡したと思われるだろう。

「さて、メノ。今から話すよ。私がどうしてこんな手を使ったのかを」

そして、社長は語り始めた。このGAE粛清の裏に行われていたことを。

それを聞いたメノは社長を完全に信じることを決めた。

その後、戦闘で脳にダメージを受けていない確認するため、アナトリアに向かったのである

 

 

「ビックリしたのは私だ。いきなり、信用できる人物を連れて空港に行くようアレックスに言われて、言ったら、オーソン社長と撃破して死亡したはずのメノがいたからな」

「私も何が起きているのかわからなかったわ」

流石にGA社で検査するのは危険であったため、オーソンはアレックスで検査できないか聞き、アレックスはエミールとフィオナ。さらにアレックスが信用しているドクターに信用できる人物を連れ、空港に来てほしいと伝え、そこで、オーソンと共に協力要請を頼んだ。

最初こそは驚いたが、エミールは社長に恩を売ること悪くないと判断したらしく、協力を了解した。

そして、メノを隠しながら病院に搬送し、今に至る。

「それはすまないと思っているよ。何分相手が相手だからね。情報は最低限まで抑えたかったからね。だが、君たちのお蔭でメノを救うことが出来た。感謝するよ」

オーソンは今回の件に協力してくれたアレックスたちに頭を下げる。

「いえ。普段から支援の件で助けってもらっているので。恩返しのつもりですよ」

まさかオーソンが頭を下げるとは思っていなかったエミールは内心驚きつつも、表情に出さないようして、オーソンにそう言う。そして、もう一つのことを考えていた。

エミールが協力したのはGA社の社長に恩を売り、アナトリアの支援類を増やすつもりであった。だが、今の話と行動を見る限り、この一件はGA社の社長としてではなく、オーソンとして行動していたらしい。

そうなると、当初の思惑であるGA社の社長に恩を売って、支援を強化するこが不可能になったと言ってもいい。むしろ、下手に支援を強化した場合、今回の一件が発覚した場合、アナトリアにも疑いの目が来る可能性が高いのだ。

確かに人としてはいいことをした。しかし、この一件でアナトリアの全住民を危険に晒す訳にはいかない。

そう考えると今回の協力は失敗である。

エミールと似たような立ち位置であるオーソンはエミールが今何を考えているのか気付き、あることを言う。

「確か…エミール君だったかね。大丈夫だよ。今回の一件は私が何もしなくても、支援は増えるよ。私が独断でやったのは偽装撃破だけだ。それ以外は全てGA社がやったことだ。近い内に、正式な謝罪と支援強化の通達があるだろう。私も君たちにできる限り飛び火がこないようにする」

今回の一件でオーソンが本社とは違う行動したのはメノの偽装撃破だけであり、戦闘はアレックスの実力を再確認するため、会長を含む、幹部たちが仕組んだことである。この一件でアレックスの実力を再確認した幹部たちはアナトリアの支援及び、報酬金の上げることが既に決定している。

また、オーソンも既に偽装撃破が発覚したことを想定し、すべての罪が自ら来るように仕込んでおり、協力したものはオーソンが脅され、無理やり協力されたことになるようにし、メノはAMS負荷により、死亡。

それが、偽装撃破が発覚した時のオーソンが書いたスジ書きである。

そのオーソンの言葉でエミールが考えている事を理解したフィオナはエミールに冷たい目線を送る。

「エミール…」

「フィオナ。私も君と一緒の思いだ。昔の立ち位置なら喜んで協力しただろう。しかし、今は私の行動によってアナトリアの未来が決まる。今回の一件でアナトリアの立ち位置が悪くなるかもしれない。そのことを考えると、な」

「エミールをあまり責めないでくれ。組織のトップとはそうゆう物だ。私もエミールと同じ立ち位置あれば同じことを考えている」

似たような立ち位置であるオーソンはエミールのフォローに入る。

「そのことを含め、本当に君たちに迷惑を掛けた。だが、お蔭でメノを救えた。謝罪と感謝を込めて私個人からも君たちに資金を渡すよ。もちろん一気に渡すと危険だから別々のルートでそちらに資金を送るよ」

オーソンは今回、危険なことに協力してくれたエミールたちに、アレックスとは別の資金を出すことをしており、既にいつでも渡せるような状態になっていた。

ここまでしてくれるオーソンにエミールは何か裏があるではないか警戒する。

それに気づいたオーソンは再び、エミールの方を向く。

「そこまで警戒しなくてもいいよ。これはあくまでもお礼だよ」

「エミールそこまで警戒しなくてもいい。オーソンはそんな汚い手を使わない奴だ。それは俺が保障する」

「…アレックスがそこまで言うなら信じよう」

エミールは未だに不安はあるが、アレックスの言葉を信じ、オーソンを信じることにした。

「では、後日、複数のルートで資金を送るよ…それともう一つ頼みたいことがある」

資金を送ることを伝えた後、オーソンは何か考え、エミールたちにもう一つの頼みごとしてきた。

「それは?」

「ローディーの機体。フィードバックのAMSをレイヴンと一緒のAMSに変えて欲しい」

「それくらいのことなら、出来るが…一体どうしてだ?」

ローディーのAMSは低い適正だが、アレックスよりも高いことになっており、通常AMS適正でも十分使用できる。なのに、何故、扱えが難しい低負荷AMSに変える必要があるのか。その答えはオーソンの次の言葉でわかった。

「公表されているが…実際はアレックスとそう変わらない適正だ」

「なっ!」

それを聞いたエミール達は驚愕した。アレックスと似たような適正で通常のAMSであればネクストを動かすのがやっとである。

前にアレックスは試しに通常のAMSで接続した所、とてつもない頭痛と目眩が襲い、ネクストが動かすのでやっとであり、とてもではないが戦闘機動をやる余裕はなかった。

そんな状態でローディーは今日まで戦ってきたのだ。

激しい頭痛と目眩が襲う状態でよく今日まで生き残って来た方が不思議である。

「よくそんな状態で今日まで戦ってこられたな」

「あぁ。今は見ての通りピンピンしているが、戦闘後は立っているのがやっとの状態だ。ここまで戦ってこられたが奇跡に近い」

ローディーが今日まで生き残ったのは奇跡に近いと言ってもいいレベルである。

それを含め、レイヴン時代の感の良さと、与えられた任務が比較的に楽なものが与えられていたこともあり、どうにか今日まで生存できていた。

「…わかった。その頼みも受取ろう。だが、あれは」

「その点は大丈夫だ。ローディーの実力であれば、十分マニュアル操作はできる」

低負荷AMSは通常物とは違い、負荷を大幅にカットすることが出来るが、その代償として、一部操作がマニュアル化されてしまう。そのため、レイヴン達のようなACパイロット上がりで無ければ、扱えないものである。

しかし、ローディーはアレックスと同じレイヴン上がりであり、実力もかなりのものであるため、低負荷AMSを扱える条件は揃っている。

「機体は既に空港にある。後はそちらに任せるよ」

「分かった。すぐに作業を開始する。フィオナ。サポートを頼む」

「了解よ。エミール」

「それなら、俺も言った方がいいか?」

「いや、後からでもいい。ここでゆっくりとしてくれ」

「えっ?それだと…」

「いいから。行くぞ、フィオナ」

AMSを変える作業だと聞き、ローディーは調節のため、自分も言った方がいいかと思い立ち上がるが、エミールは別にいいと言う。しかし、フィオナはそれだと作業効率が落ちると言おうとしたが、その前にエミールがフィオナを無理やり連れていき、病室から出ていった。

「エミールも気を使うか…社長。外で別の話がある。いいか?」

「ふむ。わかった。ローディーはしばらくゆっくりとしてくれ」

「しかし…」

「ならば、これは社長命令だ。わかったな?では行こうか」

「はい」

そして、アレックスとオーソンも病室から出ていき、それに続き黒服の男たちも出ていき、病室に残ったのはローディーとメノだけであった。

「あいつら…後でお礼を言っとくか」

ローディーはすぐにエミールたちが自分たちに気を使って出ていったことをすぐに察し、メノの方を向く。そして…

「あなた…」

メノを優しく抱きしめた。メノもすぐにそれを受け入れ、手をローディーの背中に回し、メノもまたローディーを抱きしめた。

「…本当に…本当に生きる気力を無くす所だった」

「ごめんなさい、あなた。でも私は生きているよ。あなたの前で」

ローディーは情報ミスによりFFによってメノが撃破されたと聞いたときローディーは輸送機機内では怒りで暴れまくっていた。しかし、内心は生きる気力を失う寸前であったのだ。そうでもしないと、自分が自分ではなくなるから。

ローディーの心の状態を察したメノは優しい、声をだし、ローディーの頭を優しく撫でる。

「……でも、これでメノが戦わずに済む。これからは俺がメノを守る」

「駄目よ!あなたがそんなに戦ったら私の前からいなくなってしまう!それが嫌だがら私はあなたの分まで戦ってきたのよ!」

ローディーが今日まで生き残れたのは実はもう一つあった。それは、ローディーの分まで戦ったメノのお蔭でもあった。

夫であるローディーの苦しさを常に見て来たメノはオーソンと相談し、本来。ローディーが受ける作戦をメノに変えてもらい、少しでもローディーの負担を減らそうと頑張っていたのだ。

「俺はそれが嫌だ。これ以上お前が戦う必要は無い。それに、男がいつまで女に守られるわけにはいかない」

「でも…」

ローディーはメノから守られえいること知ったとき、悔しかった。

レイヴン時代はアレックスまでとはいかなかったが、ローディーもまた、凄腕レイヴンと言われる実力を持っていた。

しかし、今は愛する女を守れず、逆に守られていた。ローディーにとっては悔しいことであった。

「大丈夫だ。これからのAMSはアレックスと同じ奴になる。それに、お前を置いて逝けるはずがない」

アナトリアの協力を受け、フィードバックのAMSが低負荷AMSに置き換えられる。

アレックスの動きを見た限りだと、相当負荷がないことがわかる。

「…絶対…絶対に私を置いて逝かないことを約束する?」

「あぁ。約束する」

ローディーそう言い、メノ顔に近づき、メノもまたローディーの顔に近づく。そして、二人は自然と唇を合わせるのであった

 

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