アーマードコア4 一羽の鴉   作:メビウス1

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要人護衛

ゼクステクス世界空港。

 

GAグループが所有する空港の中で最も設備が整っている空港であり、GA要人の多くがこの空港を利用している。

 

その空港のターミナルに旧アメリカ空軍が開発したB-2爆撃機のようにステルスの為に全体が平べったく、水平尾翼と垂直尾翼が無い全翼機が機体とそれの挟むように前進翼機の2機のF-02。

 

そして、そこから少し離れた所にGA社所属のノーマル部隊と一緒にネクスト、レイヴンの姿があった。

そのレイヴンのコックピット内ではアレックスが通信でオーソンと会話していた。

 

《すまないな、アレックス。まさか、連中に嗅ぎ付かれるとは思っていなかったよ》

 

「別に問題は無い。その為の護衛だ」

 

今回アレックスが受けている依頼は前からオーソンに頼まれていた、オーソン護衛である。

 

今回オーソンは有澤重工との会談のため、旧日本領に向かうことになっている。

 

もちろん、それは一部の人間しか知らない極秘会談であり、アレックス以外の護衛部隊も自分が何を守っているのかは知らされていない。

ここまで徹底した情報管理したため、敵の襲来は無いと考えられていた。しかし。

 

《しかし、どこからこの日の事がイクバールに漏れたものか…》

 

がっ、オーソン達の読みは外れ、ここから100㎞に離れた海域にAC空母2隻を含む、イクバール社機動艦隊が展開している。

 

しかも、オーソンが空港に到着と同時に姿を現したのだ。

まるで、オーソンが来るのを待っていたかのように。

 

「少なくても、上にスパイがいるのは間違いない。帰ったら忙しくなるぞ。オーソン」

 

《そうなるな。私がこの日、飛び立つのを知っているのは一部の上層部の人間だけだかな。これは面倒なことになった物だ》

 

この日、オーソンが旧日本に行くことが知っているのは幹部たちとそれに近い者たちである。

もし、情報が漏れているなら間違いなくそこにスパイがいることになる。

 

オーソンは帰ったら、スパイを炙り出し関係で忙しくなると思い、ため息を吐く。

 

「兎も角、今はこの危機を乗り越えるのが先だ…どうやら来たみたいだ」

 

空港に警報が鳴り響き、各方面に展開していたノーマル部隊が戦闘準備に入る。

アレックスもまた、状況を確認するためフィオナに通信を入れる。

 

「フィオナ。状況は?」

 

《展開していたイクバール機動艦隊から多数のノーマルを搭載したヘリの発艦を確認しました。接敵まで約10分です》

 

「10分か…社長。離陸までどのくらい掛かりそうですか?」

 

《燃料の注入に時間が掛かってしまってね…後、20分ぐらいは掛かるかな?》

 

「10分か。それまで一機たりとも通しませんよ」

 

《それは心強いな。後は頼んだぞ、アレックス》

 

「了解」

 

オーソンとの会話を済ませ、アレックスはレイヴンのシステムを戦闘モードに切り替えるが、PAは展開しない。

 

汚染を最低限に抑えるためでは無く、今回はオーソン達の安全のために展開不能にされていた。

だが、ノーマル相手にPAが無くても、ネクストの機動力なら問題なく戦える。

 

「フィオナ。敵の動きは?」

 

《イクバール部隊は三方向に別れて進行中です。まもなく、第一派が第二滑走方面から作戦エリアに入ります》

 

「了解。迎撃に向かう」

 

第一派を迎撃するため、ブースターを噴かし、第二滑走路に向かう。

 

PAが展開不能のため、周りのコジマ粒子を吸い込み、加速するOBも使用できない。

 

だが、ネクストのブースター出力はQBが無くても軽くノーマルを超える。

またして、アレックスが駆るレイヴンは軽量機。

 

次々とGAノーマル機を追い越し、第二滑走路の先端に到着する。

 

《第一派作戦エリアに侵入。きます!》

 

「迎撃開始」

 

到着と同時に多数のAH-64アパッチ改に囲まれ、ノーマルACを搭載した輸送ヘリ五機が作戦エリアに侵入。

 

アレックスは直ぐにOGOTOを展開し、撃つ。

 

グレネードは真中にいた輸送ヘリに直撃し、ノーマルごと吹き飛ばされ、さらに、近くにいたもう一機の輸送ヘリも爆風でバランスを崩し、ノーマルを搭載したまま海面に墜落する。

 

《レイヴンだと!クソ!ノーマルを降下しろ!》

 

《ネクストがいるとはな!》

 

攻撃を受けた輸送ヘリ部隊はノーマルの降下を開始。

降下を完了した輸送ヘリ部隊は速やかに離脱。

 

降下したノーマル部隊はブースターを噴かし、移動を開始。

 

AH-64と共にオーソンが搭乗している機に向かおうとする。

 

「行かせん」

 

アレックスはそれを止めるため、QBをしながら接近。

 

AZANとR-100を撃ち、ノーマル1機を撃破する。

 

味方がやられたのを見た、イクバールノーマル部隊は散開。

 

その内1機はブースターを出力限界まで上げ、レイヴンの真正面から。

他の4機は左右に2機ずつ別れ、回り込むように動く。

 

「やらせん」

 

まず、正面からパイルバンガーを構えて突っ込んで来るノーマルをQBで回避し、そのまま後ろに回り込み、レーザーブレードでコックピットを付き刺す。

 

パイロットは文字通り消滅し、乗り手を失ったノーマルは力なく倒れる。

 

《墜ちろ!》

 

《GAに手を貸す者には死を!》

 

左右に別れたノーマルが挟み込むようにライフルとIBLISを連射しながら接近してくる。

 

アレックスは直ぐにバックQBで後ろに下がり、回避。

弾は無力化されたノーマルだけに命中し、ノーマルは爆発する。

 

「もらった!」

 

バックQB後、直ぐに右のノーマルに目掛けR-100を数発撃ち込み、その弾全てがコックピットに直撃。無力化。

 

そして、左のノーマルに連続QBで一気に接近する。

 

《来るな!来るなァァァ!》

 

ノーマルは接近してくるレイヴンに向かってIBLISを乱射するが、ギリアムは冷静にQBで回避。

 

さらに勢いをつけ、ノーマルの脚部とコアの間をレーザーブレードで両断。

コアと脚部は綺麗に切れ、爆発する。

 

《全機レイヴンに構うな!目標に叩くことだけを考えろ!》

 

最後の1機はレイヴンを無視してAH-64と共に輸送機を狙いに行こうとするが、

 

《レイヴンだけではない!我々もいるぞ!》

 

GAノーマル部隊4機がライフルとマシンガン。

そして、ミサイルを撃ちまくり、イクバールノーマル機に直撃。

 

機体は穴だらけになり、爆発する。

 

AH-64もまた、ミサイルの直撃を受け、何機からバラバラになり、残りヘリは勇敢にもGAノーマル部隊に反撃するも、直ぐにライフルとマシンガンで撃ち落とされる。

 

《第二派接近。格納庫方面です!》

 

《レイヴン。ここは俺たちがやる。格納庫方面に向かってくれ》

 

「了解。後は任せた」

 

第一滑走路をCAノーマル部隊に任せ、急ぎ格納庫方面に向かう。

 

だが、第一滑走路から格納庫方面まではそれなりの距離があり、OBも使用不能ため、レイヴンが到着する前にイクバールノーマル部隊が降下を開始。

 

《第二派降下開始。GA部隊と交戦を開始しました》

 

「降下する前に2、3機はやりたかったが…しかたない」

 

そう言いながらイクバールノーマル部隊とGAノーマル部隊を目視で確認。

 

既にGA側は1機やられており、2機も中破していた。

 

それに対し、イクバール部隊は1機やられているがそれ以外は無傷であり、圧倒的にGA側が不利な状況であった。

 

「GA部隊一旦下がれ。体勢を立て直せ」

 

交戦中のGA部隊にそう言った「アレックスは味方の後ろに回り込んだイクバールノーマルをAZANで狙い撃ち撃破。

 

そのままこちらに気付き、突っ込んで来るノーマルの攻撃を回避し、二段QBで一気に接近。

 

レーザーブレードでコックピットを切り捨てる。

 

《アナトリアの傭兵か!助かった!援護感謝する!全機一旦下がるぞ!体制を立て直す!》

 

アレックスの援護を受けたGAノーマル部隊は撃ちながら後方へ下がる。

 

イクバールノーマル部隊はそれを追撃しようとするが、OGOTO撃ち込み、ノーマル1機に直撃し、爆発。ノーマルは文字通り吹き飛び、バラバラになる。

 

残り3機はGA部隊の追撃を諦め、レイヴンに向かって行く。

 

《イクバール社万歳!》

 

《うぉぉぉ!》

 

2機のノーマルはライフルとマシンガを撃ちながら接近する。

 

それを、アレックスはQBによる高速移動で攻撃を開始しつつ、片方のノーマルに目掛けワイヤーを射出。

 

ワイヤーはノーマルのライフルに突き刺さり、そこからワイヤーを巻き上げることによってノーマルからライフルを引き離し、飛び道具を無くす。

 

続いて、アレックスは右側に回り込もうとしたノーマルに右腕とカメラを向け、R-100を撃ち込む。

 

ノーマルは咄嗟に左腕を盾代わりにするも、PAをある程度貫通する弾が軽量型ノーマルに防ぐことは出来ることなく、弾は左腕を貫通しコアに命中。

 

コックピットに当たらなかったが、ジェネレータに直撃したらしく爆散する。

 

《死ね!》

 

ライフルを落としたノーマルはパイルバンガーを構え、ブースターを最大出力でレイヴンの後ろから襲い掛かる。

 

そして、ノーマルはパイルバンガーを突き出すが、アレックスはQBで回避。

そのままブースターを巧みに使い、ノーマルの背後の一瞬にして回り込み、AZANの銃口をコアに突き当てる。

 

「墜ちろ」

 

ゼロ距離から撃ち抜き、ノーマルのコアは風穴が開き、そのまま、倒れる。

 

《やってくれたな!》

 

最後の1機もレイヴンの後ろからパイルバンガーで襲い掛かるが、アレックスはレーザーブレードを展開し、QT。

 

ノーマルはパイルを撃ち込む前に、レイヴンによって両断され、第二派は全滅した。

 

「残りは?」

 

《第一滑走路から第三派進入…!?これは…》

 

第二派を全滅させたアレックスは残りを確認すると直後にフィオナから第三派の進入を知らせる通信が入る。

 

しかも、この第三派はただのノーマル部隊ではなかった。

 

《バーラット部隊です!イクバール社の精鋭ノーマル部隊です!十分注意してください!》

 

バーラット部隊。IBLIS、ハンドロケット。またはIBLIS、パイルバンガー装備した軽量ノーマルで構成されたイクバール社精鋭部隊。

 

国家解体戦争時、ネクストにも負けない数多くの戦果を出し、ネクスト相手でもある程度戦えるほどである。

 

「ノーマル部隊では分が悪いか…急がないとな」

 

バーラット部隊相手ではGAノーマル部隊は長くは持たないと考え、アレックスは二段QBもたまに使いながら、第一滑走路に向かう。

 

だが、間に合わず輸送ヘリからバーラット部隊が降下を開始した。

 

《バーラット部隊降下を開始。…!?味方ノーマル2機やられました!早い…》

 

「間に合ってくれ」

 

降下から僅か数秒後にフィオナから味方が2機やられたと聞き、アレックスはブースター出力を限界まで上げ、急ぐ。

 

しかし、到着したと同時に最後のGAノーマル機がパイルバンガーで大きな風穴が開き、爆散するのであった。

 

「流石精鋭部隊か。だが」

 

そう言い、アレックスは直ぐにノーマルを1機ロックし、AZANとR-100を撃ち込み、命中。撃破する。

 

その勢いで、OGOTOを展開。

左腕の火器管制システムをマニュアルに変更し、OGOTOは大きな轟音を出し、グレネードを発射。

 

そして、AZANで発射されたグネレードを撃ち抜き、空中で起爆させる。

 

高速で移動していたノーマル2機が爆風をモロに受け、転倒。

1機は滑走路外まで滑り、海へと没し、もう1機は転がりながら建物に思いっきりぶつかり爆発する。

 

《レイヴンか!くそ!各機フォーメーションCで行くぞ》

 

《《《了解》》》

 

残りのバーラット部隊は散開。

 

2機が左腕に装着されているハンドロケットを連射する。

 

アレックスはそれを回避しようとする。

 

「ちっ!時限式か!」

 

がっ、ロケットは時限式起爆であり、次々とレイヴンの周辺で起爆する。

幸い、レイヴンには直撃弾は無かったが、起爆の黒煙で視界が塞がれる。

 

ならば、レーダーで確認しようとするアレックスであったが。

 

「レーダーは…チャフ入りか。やってくれる」

 

どうやら、レーダーによる索敵も考え、ロケットはチャフ入りだったようで、レーダーがダウンしていた。

 

これでは、完全に敵の位置がわからなくなる。

 

こうなれば、音が一番の頼りである。

アレックスは目を閉じ、音を聞き逃がさないように神経を集中する。

 

「…(4方向から!)くっ!」

 

 

4方向からブースター音を聞き取り、急いで上昇。

 

その直後にノーマルが四方向から黒煙の中から現れパイルバンガーを外す。

だが、攻撃はこれだけではなかった。

 

「これで…上!」

 

《まだまだ!》

 

OGOTOでパイルバンガーを外したノーマルを仕留めようとしたアレックスであったが、回避を読んでいた1機のノーマルがIBLISを構え待ち構えていた。

 

「流石は精鋭部隊か」

 

アレックスはQBで回避しようとするが、間に合わず数発、左腕に命中。

 

AMSを通し、アレックスの左腕に痛みが走るが、それを気にせずに追撃を入れようとするノーマルをロックし、AZANを撃ち込み、頭部、コアに命中し、地上へと墜ちる。

 

「次」

 

アレックスはそのまま降下しながら下にいるノーマル1機に頭上からR-100とAZANの頭をありったけ浴びさせ、ノーマルは爆散する。

 

そのまま着地。目の前にいたライフルを構えているノーマルにワイヤーを突き刺す。

その直後に、真横からIBLISの散弾が飛んでくるが、バックQBで回避。

 

その際、目の前にいたノーマルはワイヤーに引っ張られ、転倒。

 

アレックスはワイヤーをパージし、そのノーマルにR-100を撃ち込みトドメを刺す。

 

《このぉぉぉ!》

 

《墜ちろ!》

 

レイヴンの右からIBLISを乱射してくるノーマルに二段QBを含み連続QBで一気に接近し、そして、アレックスはレーザーブレードでコックピットに突き刺す。

 

最後の1機はレイヴンの真上からライフルを連射し、パイルパンガーを打ち込もうとするが、アレックスは機体のバランスを巧み操作し、回転しながら横に移動。

 

ライフルを回避すると同時に、R-100とAZANでノーマルを蜂の巣にし、落下と同時にノーマルは爆散した。

 

「バーラット部隊全機撃破」

 

《こちらでも確認しました。作戦エリアに敵影ありません》

 

《こちらマーザーベース1。離陸の準備が整った。これより離陸する。レイヴンの護衛に感謝する》

 

バーラット部隊が全滅と同時にマーザーベース1の離陸準備が完了。

 

搭乗口を閉じ、第一滑走路に移動開始。その後を追い、護衛機のF-02も滑走路に向かう。

 

これで終わり。誰もがそう思った時であった。

 

《えっ!レーダーに新たな反応!?これは…ネクストです!早い!OBです!迎撃、準備してください!》

 

「ここでネクストを!?」

 

ここに来てのネクストの出現。

 

アレックスは直ぐに対ネクスト戦に備え、マーザーベース1に離陸を急ぐように叫ぶ。

 

「離陸急げ!」

 

《わかっている!》

 

マーザーベース1とF-02滑走路に入り、直ぐに加速し、離陸を開始する。

 

しかし、敵ネクストは既に作戦エリアに侵入。

右背中にあるMP-O200のハッチは開いており、ミサイルを発射する寸前であった。

 

「やらせん」

 

アレックスはそれを止めるため、敵ネクストにありったけの弾を撃ち込む。

 

レイヴンの攻撃に気付いた敵ネクストはマーザーベース1攻撃を諦め、OBを止め、QBで攻撃を回避する。

 

「飛べ!」

 

《言われなくても!》

 

マーザーベース1はさらに加速し、大空へと舞い上がる。

それに続き、護衛機のF-02も空へと舞い上がり、両機共に作戦エリアを離脱する。

 

敵ネクストはそれを追撃しようとするが、レイヴンの攻撃でそれを止められる。

そして、敵ネクストは追撃を諦め、レイヴンの方を向く。

 

《アナトリアの傭兵か。面白い素材だと聞いている。期待させてもらおう》

 

敵ネクストは散弾ミサイルをこちらに向け、発射。

 

多数の小型ミサイルがレイヴンに向かってゆく。

 

「ちっ!」

 

向かって来る多数の小型ミサイルを可能の限り、R-100とAZANで迎撃しつつ、連続QBで回避する。

 

しかし、敵ネクストは軽量逆関節特有の高いジャンプ力を使い、上からAZANとIBLISで追撃する。

 

《敵ネクスト判明しました。イクバールの魔術師No2、リンクスサーダナ。ネクスト、アートマンです!相手はオリジナルです!十分注意してください!》

 

「また、十分と大物が現れたな」

 

どれだけイクバールはオーソンを亡き者にしたいのか思いながら、アレックスは上空にいるアートマンに対しAZANとR-100撃ち込むが、QBで攻撃を回避し、再び散弾ミサイルを発射。

上から雨のようにミサイルが降ってくる。

 

アレックスは先程と同じようにミサイルを迎撃し、バックQBで回避するが、その際にミサイルの爆発によって黒煙で視界が遮られる。

 

しかし、先程のとは違いチャフなどは無いため、レーダーは使用可能であった。

 

「正面か…くっ!」

 

レーダーを見ると高度を落としながら正面から突っ込んで来るのを確認したアレックスは直ぐにAZANを構えようとするが、その前にIBLISと突き向けるアートマンが黒煙から飛び出してくる。

 

《もらったぞ。アナトリアの傭兵》

 

「舐めるな!」

 

アレックスはレイヴンの左腕を思いっきりアートマンのIBLISを押し上げるように思いっきりぶつけ、その衝撃でIBLISの銃口が上に向けられ、真上に発砲する。

 

そして、レーザーブレードを展開し、アートマンを切り裂こうとする。

 

《低いAMS適性でここまで動くか。面白い》

だが、サーダナはアートマンの右足でレイヴンにキックを繰り出す。

 

「ッ!さすが最高クラスのオリジナルか」

 

アレックスはそのキックを躱すことが出来ず、キックが直撃。機体が後ろに倒れるが、追撃を入れさせないためにもR-100を撃ち込む。

 

それと同時にブースターを噴かし、無理やり飛ぶことによって地面に倒れるのを回避する。

また、AMSをブースターと姿勢制御以外はすべてカット。この二つの制御に集中し、空中で機体の体制を立て直す。

 

《何!?》

 

ジャンプし、空中にいるレイヴンに追撃を入れようとしたが、既に体制を立て直したレイヴンの姿を見たサーダナ驚く。

 

低いAMS適性でこんなにも早く姿勢制御するとは思っていなく、一瞬唖然としたが直ぐにIBLISなどをレイヴンに向かって撃ちこむ。

 

「ちっ!」

 

《アレックスさん護衛対処の従い、PAの展開許可が下りました!展開してください!》

 

「これで条件は互角…」

 

アレックスはアートマンの攻撃を回避、反撃しつつ、PAを起動する。

 

しかし、PA展開するまで時間がまだ時間が掛かる。さらに、アレックスにとって悪い事態が起きていた。

 

「左腕の反応が鈍い…先の被弾とアレのせいか」

 

先程から左腕の反応が鈍くなっていた。バーラット部隊から受けた被弾とアートマンのIBLISを思いっきりぶつけたダメージが今になって出て来たのだ。

 

そのため、AZANの照準がワンテンポ遅れ、思うように使えなかった。

 

そして、それはサーダナに気付かれる。

 

《左腕の反応が鈍いぞ》

 

アートマンはレイヴンの左側を攻撃してくる動きを増やしてくる。

幸いなのは左腕の反応が鈍いだけであって、ブースターは何も問題なく、正常に稼働しているため、回避機動はいつも通りできる。

 

二段QBを時折入れ、回避機動しながらアートマンに反撃するも、左側を中心的に攻めて来るアートマンに苦戦を強いられる。

 

《私でも出来ない二段QBも扱えるのか…ますます面白い素材だぞ、アナトリアの傭兵!》

 

「PA展開完了」

 

そんな厳しい状況下であったが、レイヴンの周りに緑色の雷が入り、PAが展開される。

これで、少しの被弾なら大丈夫になり、OBも使用可能になる。

 

《PAを展開したくらいで勝てると思うな》

 

サーダナは連続QBで一気にレイヴンに接近。

左側に回り込み、そして、IBLISとAZANを撃ち込む。

 

しかし、その直後にサーダナの視界から一瞬にしてレイヴンが消えた。

 

「レイヴンを甘く見るな」

 

ブースターを全てカットし、急降下することによって回避したアレックスはR-100とAZANを撃つ。

放たれた弾は、数発はPAによって防ぐものの、一部がPAを貫き、コアに命中する。

 

しかし、PAによって威力が低下。結果、致命弾を与えることは出来なかった。

 

《そう来るか…新しい…惹かれるな》

 

被弾したサーダナであったが、冷静にレイヴンの予測進路上にAZANを撃ち込む。

 

「ちっ!」

 

再びブースターに火を入れ、QBで回避機動を回避するが、何発か被弾。一部がPAを貫通し、機体にダメージが入る。

 

しかし、それを気にせず、すぐにアレックスは撃ち返す。

 

両機はお互い撃ちながら、連続QBで攻撃を回避していく。だが、回避機動はサーダナの方が上だった。

 

軽量逆関節特有の高いジャンプ力をフルに使い、アレックスの攻撃が真面に命中したのは先程の急降下時だけだった。

 

「(そろそろか?)」

 

だが、アレックスは何も考えずに撃っている訳ではなかった。

サーダナに気付かれないようにある場所へ誘導させていた。

 

「掛かった」

 

そして、サーダナ―がある場所に誘導したことを確認したアレックスは攻撃の手を強める。

 

《攻撃の手を強めた?…しまった!?》

 

攻撃の手を強めたレイヴンに疑問に思ったサーダナ―であったが、メインブースタをカットし、降下しながら連続QBで回避しつつ、着地と同時に再びジャンプしようとした。

しかし、ジャンプはできなかった。

 

《海上に誘い出されたのか!?》

 

アートマンが着地した場所は地表ではなく、海上であった。

 

これでは、ジャンプはできない。

 

「一気に行く」

 

ジャンプを封じたこと確認したアレックスはOBを起動。

アートマンに撃ちながら、一気に接近する。

 

それに対し、サーダナは接近してくるレイヴンにIBLIS、AZANで向かい撃とうとする。

AZANはともかく、IBLISが近距離から直撃させれば、いくらPAがあってもタダではすまない。

 

「させない」

 

《なっ!》

 

だが、アレックスはレーザーブレードで海面を切り裂く。

高エネルギーの塊であるレーザーブレードによって、海水は蒸発し、水蒸気が発生。

 

これにより、視界が塞がれる。

 

《どこに…ッ!》

 

水蒸気によって視界が塞がれたサーダナはレイヴンが何処から来るかレーダーで確認するが、進路変わらず、正面から来ていること気付き、IBLISを撃とうとするが、その前に水蒸気からワイヤーが飛び出し、左腕とコアの間に深く突き刺さる。

 

「これで決める!」

 

ワイヤーが命中したのを確認したアレックスは、アートマンを中心に円を描くように動き、ワイヤーでアートマンを拘束。

 

そして、ワイヤーをパージ。

レーザーブレードを構え、コア目掛けて突っ込む。

 

《くっ!》

 

だが、サーダナは左腕を強制パージすることによって、拘束を解き、寸前の所でコックピット直撃は避けるが、完全には回避できず、コアの右側がえぐられる。

 

「パージして拘束を解いた…しまった!」

 

《もらったぞ!アナトリアの傭兵!》

 

コアの左側をえぐられたサーダナであったが、直ぐに右腕のIBLISをレイヴンに向け、撃つ。

 

ショットガンであるIBLISでこの距離であれば、確実にやれる。

サーダナはそう思った。

 

だが、サーダナの期待を裏切り、アレックスは左腕を盾替りにすることによって、コアの直撃を避ける。

しかし、その代償として左腕は完全に動かなくなる。

 

「今度こそ!」

 

左腕がやられたが、まだ右腕のR-100は使える。

アレックスはR-100の全弾をサーダナ撃ち込む。

サーダナはそれを回避しようとするが、ジャンプも出来ないうえに、左腕丸ごとパージしたことにより、左のサイドブースター丸ごと無くなっている。

そのため、回避機動は単純なものになっていた。

 

アートマン最初こそ回避していたが、やがて、被弾。

その被弾から次々と当たり始め、そして、アレックスがR-100の弾を全て使い切った時にはアートマンはあちらこちらから煙を出し、装甲も穴だらけになり、内部が見えていた。

 

《ハァ、ハァ、ハァ…道半ば、か…》

 

アートマンの頭部カメラから光が消え、機能停止。

ブースターも停止し、海へと沈んでいく。

《敵ネクストアートマンの撃破を確認!アレックスさん!大丈夫ですか!》

 

《大丈夫だ。だが…派手にやられた》

 

サーダナを撃破したアレックスであったが、レイヴンも大きなダメージを受けていた。

 

左腕は駆動不能。コアの装甲も3割が損傷しており、アマジーグ戦以来の大きな損傷であった。

 

「とにかく帰還する。応急修理の用意を頼む」

 

《わかりました。帰還後ゆっくりと休んでね》

 

アレックスはPAを解除。空港を後にし、輸送機に向かうのであった。

 




今回出て来たF-02戦闘機はエースコンバットシリーズのX-02だと思ってください。
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