アーマードコア4 一羽の鴉   作:メビウス1

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崩れる経済戦争

《くそ!まだ来るぞ!》

 

《どこから来ているだこいつらは!周辺には機動艦隊はいないだぞ!》

 

《口を動かしている暇があれば迎撃しろ!スピア2、3は俺に付いてこい!2時の敵機をやる!》

 

「ネクストさえ出撃できれば…」

 

護衛機から苦戦している通信を聞いたアレックスは輸送機の操縦桿を握りながら、そうつぶやいた。

 

ヒクステクス国際空港の一戦から輸送機に帰還したアレックスは先に特殊輸送機で飛び立ったオーソンたちと合流し、引き続き護衛をしていた。

 

飛行は順調に進み、GA領旧ハワイからの護衛機も合流し、あと2時間足らずで有澤領である成田国際空港へと到着する筈であった。

 

しかし、ここで来てレーダーに所属不明の機影を捉えたのだ。

 

アレックスは直ぐに出撃しようとしたが、輸送機に同乗している整備長に出撃を止められた。

レイヴンは先の戦闘の左腕損傷の際にAMSにシステム面にダメージ受け、エラーが発生しているため出撃は不能だと言われたのだ。

そのため、アレックスは輸送機の操縦に付き、回避行動を必死取っていたのだ。

 

「アルファー2。方位210に新たな敵機。数2.迎撃お願いします。アルファー1は引き続き直援を」

 

《アルファー2了解!》

 

《アルファー1了解。くそ!次々と来やがって!手が足りないぞ!》

 

この輸送機には単位的なAWACS機能もある為、フィオナは護衛機に情報、迎撃指示を出して、対応しているが、敵機の数が多く、限界が来るのも時間の問題であった。

 

「っ!?本機の前方に新たな機影!数は16機!」

 

フィオナから新たに16機の機影がありとの報告を受け、護衛機のパイロットたち一気に士気が低下。

アレックスは無理でもネクストで出撃するため操縦を福機長に任せ、レイヴンに向かおうとする。

 

だが、フィオナから次の言葉で状況が一気に変わる。

 

「いえ…待ってください!IFFは有澤重工!味方です!」

 

《こちら空母「あかぎ」所属、第211飛行隊。これより、貴機らを援護する!》

 

《こちらスピア4。目視で確認。有澤のF-0零戦とF-3震電Ⅱが8機ずつが編隊組んで接近中》

 

前方から接近して来る機影。F-0零戦とF-3震電Ⅱは編隊を解き、イクバール社のF/A-27フェニックスに襲い掛かる。

 

《チッ!敵の増援だ!》

 

《こいつら有澤の一航戦だ!俺たちが戦える相手で―――…》

 

F-0、F-3は凄まじいマニューバでF/A-27の後ろを取り、ミサイル、バルカン砲で次々と撃破して行く。

また、あるF-3は後ろを取られていたが、オーバーシュートを決める。

そのまま、後ろを取り、AAMでF/A-27を撃墜する。

 

「凄い…」

 

「何回か見たが…いつ見ても綺麗なマニューバだ」

 

《有澤に遅れを取るな!行くぞ!!》

 

イクバール社のF/A-27を次々と撃破していく、有澤航空隊。

その圧倒的な強さに、フィオナはオペレーターとしての役割を忘れ、ただそれを見るだけになっていた。

一方、本来の護衛機であるGA航空隊も息を吹き返し、反撃を開始。

 

一気に戦局はこちら側に傾いた。

 

《隊長!母艦から有澤艦隊が接近していると言う通信が!》

 

《潮時か…全機撤退!帰還ポイントに向かう!敵機に構うな!全力で撤退しろ!》

 

「敵機が離脱を開始しました」

 

戦局が一気に不利になったイクバール飛行隊は全機交戦をやめ、撤退を開始した。

 

《敵機が引いて行きます。追撃しますか?》

 

《いや、我々の任務はGA要人の護衛だ。追撃はいい》

 

《こちらGAハワイ基地所属第24飛行隊スピアだ。貴機らの援護に感謝する》

 

《いえ、我々は任務を全うしただけです。これより、貴機らを空港までエスコートします》

 

有澤機は2機輸送機を囲むように展開し、GA機共に輸送機の護衛に付き、空港までエスコートを開始した。

 

 

 

 

有澤機のエスコートの下にオーソンたちは中部国際空港に着陸した。

 

本来であれば、羽田国際空港が目的地であったが、イクバール社の動きから情報が漏れているのは確実。

そのため、オーソンの安全を考えた有澤側から目的地を中部国際空港に変更するように指示があったのだ。

GA側はその指示を従い、目的地を中部国際空港に変更し、着陸したのだ。

 

「急な変更であったが、よくここまで集めたな」

 

オーソンよりも先に着陸した、アレックスはつい先程着陸したオーソンが搭乗している機の前にいたが、その周りには万が一のために配備されている多数の有澤兵士とタンク型MT、ノーマルACが周辺警戒のため配置されている。

 

また、その上空には此処までエスコートしてくれた一航戦の所属の飛行隊が上空で待機しており、海上にも艦隊を展開していた。

 

急な変更にも関わらず、よくこれ程までの戦力を集めた物であった。

 

そんな中で機体の搭乗口が開き、周辺警戒している部隊の緊張がピークに達する。

そして、機から護衛の黒服の男たちに囲まれながらオーソンの姿を現し、日本の土を踏む。

 

それを確認した有澤社員たちから歓迎の声が上がる。

その歓声の中から4名の兵士に囲まれた一人のスーツ姿の男性がオーソンの近づく。

その人物の正体に気付いたオーソンはその人物に近付き、握手をする。

 

「お久しぶりです。有澤社長。それと、救援を感謝します」

 

「いやいや、とにかく無事で何よりですオーソン社長」

 

オーソンが握手した人物こそ、今回の会談相手である有澤重工第42代目社長。有澤武蔵であった。

 

「まぁ、ここで話すのもあれです。会談会場まで案内します」

 

「うむ。そうしましょうか」

 

オーソンと有澤は同じ車に乗り込み、ギリアム達は護衛の人達と一緒に別の車に乗り込み、空港を後にしたのであった。

 

 

 

 

 

「有澤も用心深い。ここまでやるとはな」

 

「えぇ、車で移動すると見せかけて電車で移動ですからね」

 

旧名古屋市内にある有澤重工支社。オーソンと有沢が会談している部屋の前でアレックスとフィオナは此処まで来るまでのことを思い出していた。

 

空港を後にして数分の場所で再度車を乗り替え、空港を引き返し、一般客に紛れて鉄道にて名古屋まで移動したのだ。

 

「それにしても電車から外の景色見ましたけど、綺麗でしたね」

 

「日本政府か宣戦布告同時に降伏だ。旧日本領では戦闘は一切ないから、国家解体戦争以前から街並みが余り変わっていないな」

 

国家解体戦争時、日本、台湾、ドイツなどの一部の国はアメリカ、EU、中国、ロシアなどの大国から批判を受ける中で早々に降伏。

 

日本政府、及び自衛隊は有沢重工に吸収され、吸収された自衛隊の戦力は引き続き本土防衛戦力として、配備されている。

 

「それに、街の人たち活気があるわね。この時代にここまで活気がある街が少数だし」

 

「解体されたとはいえ、当時の政府今だに有沢内に健在。有沢も領土内の保安はそっちに丸投だ。だから、法とかも余り変わっていない。それだけで、市民たちの不安は他と比べてかなり低い」

 

日本政府が有沢に吸収されたと言え、当時の与党、野党は有沢重工内で活動しており、今現在も選挙などが行われており、有沢重工側もできる限り国家解体戦争以前の生活を出来るように努力している。

 

そのお陰もあり、有沢領土内はテロ、内戦などが起きていない。

 

ただ、日本のように早々に降伏された国は政府も解体。軍は解体された後に企業内で再建され、自分の戦力として使われている。

 

そのため、日本は元々有沢だった。戦争が開戦する前から交渉していたなど、様々な噂話が出ているが、結果的に言えば日本と言う国は解体されているため、他企業はそのことについては一切触れていない。

 

「それにしても会談いつまで続くのかしら?」

 

「もう暫くは時間は掛かりそうだな。ここ最近レイネナード社の動きがどうもきな臭いこともあるからな」

 

既に階段が開始してから1時間がたっているが会談はまだ続いている。ここ最近のレイレナードの動きも不審なこともあることから、そのことに付いても話し合いもしているだろう。

 

「どの道、俺は戦うしかない。アナトリアを救うためのただ一つの道だ」

 

レイレナードがどう動くか、アレックスにとっては関係ないことであった。

ただひたすらに戦い、それで得た金こそがアナトリアを救うための道であり、自分の命を救ってくれたアナトリアの恩返しだから。

 

「(アレックスさん…)」

 

そんな彼の姿を見たフィオナは複雑な気持ちになるのであった。

 

その時であった。一人の男性がこちら向かって走って来たのだ。

勿論、警備兵がそれを止めようとするが、その男性は身分証明書を見せる。

警備員はその身分証明書確認し、その男性を通し、男性はそののまま会談が行われている扉を思いっ切り開ける。

 

「有澤社長!オーソン様!会談中に失礼します!」

 

「何事かね」

 

「先程、GA本社から緊急入電がありました!レイレナードがネクストを含む、大部隊の攻撃を受け、最後の撤退作業中の国境線防衛部隊は全滅!レイレナード次の防衛線に進行中!また、BFF、アクアビット、インテリオル・ユニオングループも大部隊を展開!現在敵対企業に向かって進行しております!」

 

「なに!?」

 

その報告を受けた有澤とオーソンは思わず立ち上がる。

 

「これはもう経済戦闘じゃないね…戦争だよ」

 

この日、後にリンクス戦争と呼ばれる戦いが表面化した瞬間であった

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