「っうう゛... また愛しのカエルのぴょん吉が痩せるぅ...」
『そればっかりはワシでもどうする事ができんからな』
強制ダイエットが決定してしまったカエルのぴょん吉ことアニマル財布は妙に萎れていた。
可笑しい、ついこの間までは真ん丸で可愛かったのに今じゃ哀愁漂っている... 謎だ。
と泣きながら消費期限間近で安売りされていた八枚切りのパサパサしたパンを食べているナルトちゃんです。
トースター使ってこんがりさせたいけど如何せん今は一円でも削れる所は削らないと窓ガラスで破産しかねないので使えません。
いやまさかアカデミー時代からサバイバルしなきゃいけないとは思ってもいなかったよ。ありがとうマミー、貴方のお陰で死んだ娘は転生先の文明社会で生活しながらも自然の恩恵を得ることが出来ています。
『にしても本当に奇妙だな、前任であるお前の母親の時はこんなことは一度も無かったんだがな』
と同居人兼文字通りの一蓮托生な生物(尾獣科狐種)の九喇痲さんが供述しております。
まあ九喇痲は不思議がっていても人間の私にはその理由が丸っと丸解りなんですがねぇ...
影分身に窓ガラスの掃除をしてもらいながらキッチンでパンをモサモサ食べてる私は九喇痲に母親が窓ガラスを割られずに済んでいたのかを教えてあげた。
「母親、新しい人柱力になる為に外から来た人間。初代火影の妻の保護下。人柱力なった後、四代目火影と婚姻。火影の保護下。人、強イ奴襲ワナイ。人、弱イ奴襲ウ。人間、キタナイ」
『分かったが最後に知性を失うな、お前は人だろう』
「オデ、人間嫌イ。人間何時モ窓ガラス割ル」
『ワシのチャクラをやるから人に戻れ』
おっと、生活費という収入と窓ガラスという出費を考えたらうっかり人外になりかけてしまった。
人外になると片言になるのやめたい。私はジャングルの賢者じゃないんです。ジャングルの蛮族なんです。やっぱり片言でいいや。
まあ今の状態だと絶対に手に入らない九尾チャクラをゲットできたからいいや!
人生はもっと気楽に楽しく生きていくのが一番だからね!!!
「窓ガラスの掃除終わりやしたー」
「ウー、お疲れー」
どうやら影分身が掃除を終えてアカデミーの準備までしてくれたようだ。
ちなみにアカデミーでは原作通り落ちこぼれやってます。何故って? ヒント、原作のナルトの環境。
答え出てしまったな。というわけで悪戯小娘してます。原作と違って落書きでは無くピンポイント強襲ですが。
何をやってるかと聞かれれば答えてあげよう! 嫌いな奴の窓ガラス破壊だ!! お前も窓ガラスで破産するんだよオラァ!!
あ、ちなみに一ヵ月は約三十日で家にある窓は八枚。一日一枚割られるので大体一週間で窓ガラスがお亡くなりになり残りの二十二日は風通しが信じられない程に良い生活を送ります。ぴょん吉の体も風通しがいいよ!
「ッチ、クソが...」
『ワシは慣れてるが外であまり素を出すんじゃないぞ』
「大丈夫、窓ガラス割るから」
そんなんだから窓ガラス割られるのではという九喇痲の心の言葉を無視してアカデミーにれっつらごー!愛しの我が城よー! しばしの別れじゃ!!
そういえば原作と違ってなぜ私が九喇痲と心を通わしているのか謎だと思う人達がいるだろう。
私は優しいから答えてあげよう世の情け。耳の穴かっぽじってよく聞きな。語るも涙、聞くも涙の長編大作。めんどいからダイジェストでいきまーす。
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「ペロ... ッう、これは・・・狸汁!?」
『誰がタヌキだ!? 殺すぞ!!!』
九喇痲とのファーストコンタクトはあまりいいものでは無かった。
でも一尾と仲悪かったらこのジョークはあまりよろしくない、みんなも尾獣の関係性をちゃんと勉強しようね!
「ねーはなそーよーーー」
『・・・・・・・』
「わたしはうずまきナルトちゃん!それなりに可愛い幼女!!」
『・・・・・・・ハァ』
「あなたはデーモンコアっていうのね! 青白い光がとても魅力的だわ!!」
『おまえ、大丈夫か...?』
セカンドコンタクトはまずまず。どうやらアメリカンスタイルがお好みらしい。
ちなみにデーモンコアジョークは通じなかったが心配された。やはり幼女は世界共通で好かれるらしい。
「博士ーーー!! 窓ガラスに起爆札つけたら怒られた!!!」
『・・・・・』
「アイツら親の仇みたいな目で見るしめっちゃ影から悪口いうんだよ!」
『・・・フン』
「ナルトちゃんだって怒るけど仏の生まれ変わりかと疑うほどに優しいから面と向かって罵倒できるようにしたのにさぁ」
『・・・・・?』
「起爆札なんてどこで盗んだ!!って怒るんだよ!? 私が作ったのに!!!!」
『あたまいたくなってきた』
サードコンタクトでは私のしゃべりに興味を持ってくれた。
だけど頭痛がしたらしい。やっぱり生きているから体調不良になるよね。これは世紀の大発見。
・・・え? 私の所為だって??? 賢い君にひ〇しくん人形をプレゼント!!
「だからその時わたしはこう言ってやったのさ、お前サプリメントに頼ってるだろって!」
『・・・おい、小娘』
「そしたらそいつは動揺してたまらずポケットに手を... なに?」
『なぜワシに話しかける』
フォースコンタクト。
水浸しの強大な牢屋の前でべらべら話していたら九喇痲にそう言われた。
まあ確かに尾獣達ならそう思うだろう。
そもそも尾獣というチャクラの塊である生き物が微量しか持たない下等種族に捕縛されてあちら側の勝手な都合で人の体に封印され憎まれ続ける。外と完全に隔離された世界に独りぼっち、唯一会えるであろう宿主は最初から敵意を出して接触。自分の力を奪おうとしてくる。そりゃ嫌うし憎むし殺そうとするし体を乗っ取ろうとするわけよ。
ずーっと人間の身勝手な理由で孤独を強いられるんだから。
確か六道仙人が尾獣に適した住居を見つけ出してたから本当に身勝手な理由で家から引き釣り出されたと思うと私だって斧両手に殺しに行くわ。うん。
それとも散歩途中で奇襲されたか。
まあ人と根本的に違う存在を支配しようとした時点で烏滸がましいことこの上ない。そして自分達と同等の知性を持っている以上は複雑な感情を抱くわけ。どれだけ人を信じようとしても悪意に晒されれば心の中に閉じこもったり、必要以上に敵意を出したり、優しい顔して見下したりとか。
人柱力もそうだ、ナルトや我愛羅のような生まれつき人柱力は人扱いされない。表面上は人扱いでも本人がいなくなれば化け物扱い、はよ死ね扱い。
歪な、異常な愛でも愛を与えれば人は健全に育つ。健全ってのは自分は愛されてるとか素直に感情を出したり自分の考えを言えるっていう意味。
愛を与えれば愛を渡す人になる。逆に愛を与えなければ愛を与えることのない人になる。憎しみで育てば憎しみをばらまく。知性のある生き物はみんなそうだ。だから疎まれて死ねと望まれる人柱力は表面上は普通でも心の中では見下すし殺したくてたまらなくなる。その元凶である尾獣ならなおさら。むしろ好意なんて抱かない。
ある程度育った人間なら手のひらの返しように人間不信になる。前までは友人として接していた奴が避けて憎しみの目で見てくる。知らない人が白い目で指さしてくる。本人になんの落ち度も無い。ただ人柱力というだけで化け物扱い。人の心は脆いから必死で保とうと元凶に刃を突きつける。
尾獣と人柱力は一蓮托生、それでも人と尾獣だから根本的なズレがあり、それ故にお互いに理解できない。
だから尾獣は人を憎み、人柱力は自分以外を信頼できず憎み、人は巨大な力に恐れ憎む。憎しみのスパイラル、抜け出せねー。
ナルトちゃんである私はこの世界の諸々事情を知っているから尾獣と話し合う事や理解する事、和解も友情を築くことが出来ると知っている。
あとは私自身の性質だ。
私は一度死んだ経験をしている。この事を理解できるのは尾獣以外には穢土転生した奴ぐらい。
私はこの世界を知っている。この世界の住民は誰も知っていない。
私の価値観と考えはこの世界で大きくズレている。いわゆるマイノリティーってやーつ。
そしてなにより、これが一番大きい。
「同じだから」
私は好きな人を愛で追いつめた娘だということだ。
「人柱力と尾獣は一蓮托生なのよ。私が死ねば一時的とは言えあなたも死ぬ。私が生きている限りあなたはわたしの中に居続ける。そして私の中にいる限り、あなたが生きていれば私は致命傷を負おうが生き続ける。そしてあなたが私を乗っ取ることに成功したら私はあなたの中で生き続ける。次の人柱力への封印がされない限りは私とあなたは同じ。同化してるのよ」
「人間っていう下等種族の身勝手な理由で封印されて都合良く使われて勝手に憎まれているあなたと、里っていう人間の社会文明の都合で勝手に人柱力にされて都合良く扱われて勝手に憎まれる私。同じじゃない!」
「尾獣は危険だ! 当たり前じゃん、人間と尾獣が同じだと思ってるわけ?」
「尾獣をコントロールできるわけない! 馬鹿じゃね? 人間と同等、それ以上の知性生物を飼いならすなんて普通に無理」
「尾獣は戦争の抑止力であり戦争の武器だ! 矛盾してるー、てか分配後に二回も戦争してる時点で抑止力にもならねーし武器にもなってねーよ」
「人柱力は危険だ! 当たり前じゃん、尾獣と同一視されて憎まれてる人間は憎しみしかばらまかねーよ」
「人柱力をコントロールできるわけない! 馬鹿じゃん、人柱力は人なんだよ。意思の無い奴隷じゃねぇ」
「人柱力は戦争の抑止力であり戦争の武器だ! 矛盾してる、常に平和とは程遠い絶望と虚無感と憎しみと殺意を抱いていながら尾獣を暴走させることしかできない 」
「ずーーーーーーーっと誰かの勝手な理由に振り回されて、不自由を強いられて、ストレス発散の的にされ続ける」
「私は死ぬまで、貴方は人間という種族が滅びるまで」
九喇痲の瞳がじっと私を見つめるのを、私は目を細めて見つめた。
あの瞬間の九喇痲は何を考えたのか、わからないけど私は何かの糸を掴めてそれを手繰り寄せた。
それは心の扉って奴だろうけど。
「あなたは人間が嫌いだけど私という存在は人間ほど嫌っていない。そして私はあなたのことを私の中にいる同居人程度としかみていない。つまり仲良くなれる可能性があるってわけ」
「憎まれて嫌われて蔑まれて利用されて期待されて捨てられて、自分以外の全てを憎んで嫌って見下して殺意を抱くより」
「一緒に人を馬鹿にして見下して殺す方が、短い人生を楽しく生きられるじゃん」
「だから仲良くなろうと話しかけてたわーけ」
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満面の笑みを浮かべて、演説を終えれば九喇痲はしばらく黙った後に急に笑い出してこんな人間は初めてだと言った。そう、人間って。
彼は私を小娘とは言わずに人間という種族を見てそう答えたのだ。これって何気に凄い。
多分六道仙人とも比べての回答だ。歴史的快挙、今日は紙パックのリンゴジュースで優勝していくわ。
まあその後は少しずつ九喇痲と会話のキャッチボール時々鉄球投げして仲良くなって和解しましたとさチャンチャン!!
どうだ!感動しただろ!泣け!!泣いてナイアガラの滝を作れ!!!それを木の葉の新しい名物観光地として金を取るから!!!!
と長々と話しをしていたらアカデミーについたってばよ。
ちなみに回想している間に私に石投げてきたクソガキの家の窓ガラス割ってやりました。
人に石を投げちゃいけないって教えてもらわなかった!?(窓に石を投げながら)
お仕事やったので頑張ってアカデミーで勉強しまーす!!!
あ、ちなみに母親の娘って実感するのは。
人類滅びようが私と好きな人が生きていればハッピーエンドってことと。
自分の幸せの為なら割となんでもできるってことでーす!!!
ちなみに一回会うごとに七時間マシンガントークしていたナルトちゃん。
なので四回×七時間で28時間。そりゃべらべら話し続ければ人類嫌いの九喇痲も興味を持ちますわ。
この転生者、ヤンデレ母親の遺伝子引き継いでるけど家族三人で試される大地インフェルノで過ごしていたから転生する前から論理観とか狂ってた。
まあだから背後から刺されて死んだんですけどね、自業自得っす。
ちなみ母親は試される大地で普通の熊をやべぇ熊に育てる仕事をしてました。
そしてお気に入り登録・評価・感想ありがとうございます!
削除した小説のリメイクだから絶対にエタるだろうけど完結させたいと一応は思ってます!
まあこの小説の終わりが全く思い浮かばないんですけどね!
誰か無限月読で完結させてくれ!