成り代わりナルトちゃんリターンズ   作:飴の川

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前回のあらすじ。
温度差でグッピーが風邪をひく。


結局あの巻物に書かれてる禁術ってなに?

 

息を吸い、深く吐く。

体の中を駆け巡るチャクラに意識を向け、ほんの少しだけそれをお腹の中心に集める。

 

「分身の──」

 

ゆっくりと印を結ぶ。

不安ではなく、練り上げるチャクラに集中する為。

ほんの少しのチャクラから、微量のチャクラを引き出し。

練り上げる。

 

「──術!」

 

音を立てて煙が舞い、その中から白い自分が現れる。

白い自分は間抜けな面を晒し、陸の上で力尽きた魚のように伸びている。

だから私は素敵な笑みを浮かべ。

 

 

 

「影分身の術っ!」

「うずまきナルト、合格」

「それでいいんですか!?」

 

速攻で白い自分を蹴り倒し影分身の術で二人の自分を作りました。

やったぜ、超絶天才うずまきナルトちゃん無事に卒業試験に合格しましたー!!

なんか相方というか雑用係の胡散臭い教師がなんかわめいてるけど合格したんだから合格なんだよ!

それに影分身は分身の完全上位互換なんだから合格は当ったり前だろー!?

という訳でイルカ先生から額当てゲットしました。いやぁ合格できるならするに決まっているだろコレェ。

 

「確かに影分身は高等忍術の一つで分身の術の完全上位互換ですが彼女は'それしか'まともな術が使えていないじゃないですか!」

「確かにそうですが前年に卒業したロック・リーという子もギリギリ合格したが今は立派な下忍として活動しています。忍術で言えばナルトの方がマシですし、何より忍に必要なのは戦闘能力だけではありません。その点で言えば彼女は十分に忍をやっていけますが?」

 

わりぃな、原作主人公に罪をなすりつけた裏の教師。お前の恩恵は必要無いから頑張って盗んでろ。

それにしてもまさか原作では合格推奨していた奴が不合格にしろなんて面白いね。

でも学年主任も務めているイルカ先生の言葉には勝てないからめっちゃグヌヌしてる。うけるグヌヌって。

イヤそうに私を見る教師とは違って嬉しそうに笑うイルカ先生の手から新品の'模造品'を受け取る。

 

「卒業おめでとう、ちゃんと頑張るんだぞ」

「イルカ先生ってば誰にそんなこと言ってるの?」

「アカデミー創設以来の問題児に」

 

そう言い切れるほどに酷い問題児だったのかと首を傾げながら額当てを振り回して試験部屋から出ていく。

すると廊下で待機していた他の奴らが一斉に私を見つめてくる。ニヤニヤした嫌な面、落ちこぼれというレッテルで現実を直視出来ない哀れなガキ共に見下されている視線に私は手に持っている額当てを振り回して笑ってやった。

 

 

「合格しったてばよ!」

 

そう言えば名も無きモブ達は安心したような顔で雑談し始める。そらそうだ、なんたってあの落ちこぼれすら合格できたんだ。落ちこぼれより優秀な自分達が合格できない筈が無い。

卒業した先の事を見てもいない、自分の都合の良い事しか考えていない馬鹿に笑われて見下される生活もおさらばだ。なんて気分がいいだろう、やっぱり原作通りにやるのはバカらしいね。

次の受験者であるサスケが試験部屋、まあ空き教室に入っていくのを盗み見しながら渡された模造品を振り回しながら外に向かう。

一応は廊下で待機しているように言われているが、居なくても別にいいんだ。あそこに居たら試験終わりに合格者向けの説明会の日時が発表されるだけ、忍者登録書の提出日に聞けば問題は無い。から外に出てても問題は何一つ無い。

無いから、外で終わるのを待つ。原作でナルトが座っていたように広場の隅にあるブランコに座り足で軽く揺らす。

前に後ろに揺れ動く、頑張れば1/Fの揺らぎになるのでは? まあリラックスする意味無いけど。

 

 

 

『あんなに騒いでいたのが嘘のようだな』

背後から、耳の後ろから、頭の中から、腹の中から低い声が聞こえる。

九喇痲の声だ、どうせ私の独り言を聞いていたんだろう。という事はコイツは常時ナルトちゃんの実況を聞いているのか? やだぁ妙に恥ずかしい! 嘘だけど。

 

(高ぶる興奮も処理すれば冷静になるでしょ? 本能的な欲が出来て知的な理性が出来ない訳が無いでしょう)

『つまりは意図的に演じてたって訳か』

(騒いでいるのも私、冷静になっているのも私だよ)

 

まあ、九喇痲の言う通り意図的に演じているんだけどね。

 

 

『それで、お主は何を持ってそれを模造品と言うんだ』

 

膝の上に置いた額当てを何かが指さしたように見えた。

幻覚と言えばそうだろうが、私にはしっかりと九喇痲の指が見えた。可笑しいな、封印は厳重なのに。

だけど見えたとしてそれが何かの問題になるのだろうか、まだ封印が厳重な今は深く考える必要は無い。

親指と人差し指の爪先で布の先を持ちながら銀のプレートに刻まれた木の葉マークを見つめて教えてあげた。

 

 

(忍の階級ってのは基本的に四つ、上忍・特別上忍・中忍・下忍。忍になる方法は幾つかあって基本的にはアカデミーを卒業する事だけどただ卒業するだけじゃない)

(卒業した後に班員が組まれ担当上忍から試験を受ける、それに合格してアカデミー卒業並びに下忍になる資格を得れるって訳よ。合格者向けの説明会では下忍と言われるけどあれはやる気を維持するため。だってあそこで君たちは次の試験に合格して下忍ですって言われたらブーイングものだからね)

(確か試験の脱落率って約70%前後、つまり半分は確実。しかも例年の傾向から算出されている訳で前年は半分合格したけど今年は全滅って線もあるわけ、気の強い奴ならやる気をだすけど一般家庭出身の奴なら萎える)

(忍者登録書の提出は誰が正式な忍になるかわからないから取り敢えず全員提出させておいた方が楽っていう業務の都合上。合格したらそのまま、不合格なら処理すればいいし)

(でぇ、下忍昇進試験で不合格者になった者はどうなる~? 正解は二つ! 来年の下忍昇進を目指して頑張るか諦めるかでーす)

(まあ不合格者になったとして、卒業しても忍じゃないからアカデミー生と区別する方法として額当てが使われる。この模造品は言わば卒業証明書であり、下忍昇進試験の受験資格なのだ)

 

『なるほどな。して、それを模造品と言う理由はなんだ。合格すればそのまま身に着けるだろ』

 

(まあ私が勝手に模造品って言ってるだけなんだけど額当てのプレートって一応はクナイや手裏剣から守ることは出来るんだよ。防御部品を忍になるかわからない奴に卒業したからって上げてたら肝心の時に材料不足で大変な事になりましたなんてなったら最悪じゃん。後はプレートの光沢と反射具合に布の質感がイルカ先生と違うぐらい)

(多分合格したら担当上忍師が早業で変えてくれるかじゃね? 知らんけど)

 

 

まあ私は額に当てたりしないけど。そうだなぁ、下忍になるんだからイメチェンしよう。

目立つオレンジ色のジャージじゃなくて、デニムショートパンツにクロスホルタネックーインナー、それにオーバーサイズで迷彩柄のMA-1がいいな。それにフーデッド・ヒール! うんうん、次の給付金で買おう。痴女とか露出狂とか言われそうな格好だけど知らねぇ!これからストレス社会で働くんだからいいだろ~~!!

あ、クロスホルタネックーインナーって何って思ったそこの君。二部のJOJOの服を見ればわかるよ!!時代の最先端行ってるな、流石だぜ。

楽しいなぁ~、監視の目は無くなるし見下すクソ共の視線から解放されるし強くても問題視されなくなる!今までの開発だってこれからは出しても没収される危険性も無いしケチ付けてきても実力で黙らせられる。いいねいいねぇ、楽しくなるねぇ。

 

 

 

「ヤダ、あの子も合格したの」

「最悪ね、あんなのとウチの子が一緒だなんて」

 

いつの間にか試験が終わり額当てをするガキ共に紛れる大人。

一人前だと喜び、ご馳走を作ると騒ぐ。

そして数人の大人は嫌悪を隠すことなく堂々と私を見下す。

九尾と自分を同一視し、怒りと憎しみに満ちた瞳で見下す一般市民。

人柱力が里にとってどれだけ重要なのかも把握せずに暴力の捌け口にする忍。

一つの意思ある命と見ずに強力な武器としてしか見ない上層部。

環境を盲目的に受け入れ自分で考える事をしない弱者。

哀れみと同情心しか与えない無能な長。

私を落ちこぼれの無能で無力で何も知らないガキだと思い込んで笑う奴ら全員。

そんな奴らの──

『恐怖と絶望に満ちた顔が見れると思うと』

「あーあ、お腹空いたから帰るか」

 

緩く動くブランコから立ち上がり周りの少しだけ耳を澄ませている奴らに聞こえるぐらいの声量で宣言する。

うっかり変な事を言いそうになったからそれをかき消すには変な事を言わないといけない。万が一聞かれたら大変なんだよね。下忍になって師を得てから強くなったり賢くなったりするよりも、アカデミー生の頃からその強さと賢さを隠していたと思われる方が向けられる恐怖の質は段違いだ。

あくまでナルトちゃんは周りから落ちこぼれから最強になった過程を見てもらわないといけないのだ。いつだって圧倒的強さとは憧れと恐怖を抱かせるのだ。憎んでるやつが最強なのは凄く怖いのだ、まだ弱いうちに殺したくなるのだ。

こっちは集団による殺害を防ぐ手立ては無いから回避する為に過程という演技を見せないといけないのだ!へけ!!

 

とりあえず一楽でご飯たーべよ。

 

 

 

 

─────

 

 

「一楽のラーメンってなんであんなに美味しいんだろう、もう一杯百両でもいいぐらいってば」

 

卒業したよと言ったらアヤメちゃんからおめでとうって拍手してくれたしテウチのおじさんはチャーシューをサービスしてくれた。塩ラーメン美味しい、次は味噌ラーメン食べる。クラウドファンティングするなら教えてね、窓ガラス代を突っ込んであげるからさ。

 

気分よく家に帰っている最中、ふと項に静電気のような何かが走り瞬身の術で路地裏に移動し変化の術で青年に姿を変えた。

足元に転がっているビール瓶を傾けわずかに残っていた液体を首元に擦り付け手を押さえうめき声をあげる。こうしていれば酔っ払いだと誰もが思い込んでくれる。

案の定、妙に殺気立った忍がおいと声を掛けては何だ酔っ払いかと勝手に決めつけてくる。

顔を赤く、それでいてどこか青ざめさせて振り返る。

 

 

「ゥお、どうしたんですか... あぁ、ちゃんと掃除しますんで、罰金は...」

「警備の仕事じゃない、化け狐のガキを見かけなかったか?」

「あぁ... あのガキっすかぁ... いやぁ、見てないっすね。 あのガキがまぁた何かしたんす、っう」

「・・・ああ、やらかして俺らが駆り出されたんだ。お前もあのガキを見かけたら報告しろよ!」

 

吐くのを我慢する振りをしながらわかりました答えればその忍は屋根の上に飛んで行った。

・・・最悪だな、強制原作ルート突入とか聞いてねぇよ。

原作は確か不合格したナルトがあの教師に言われて火影邸に忍び込み、初代火影が封印した危険な巻物を盗み出した。

 

(だけど第一話だから作りが甘いんだよねぇ)

 

まず火影邸の警備の杜撰っぷり、暗部常在しているだろ。なに気配のけの字も消せないガキに入り込まれてるんだ。

それにお色気の術で気絶するな。どんだけ色に耐性無いんだよハニトラされ放題じゃねぇか。

そして初代火影が直々にしたとされる封印の巻物の管理が酷い。厳重に管理しろ、なに鍵の無い部屋に置いているんだ。

まあ巻物は多分この現実では禁術だ。

だって最初の多重影分身が必要になるあれ、絶対にダミーだ。まず柱間様ならノーマルタイプの影分身よりも木遁の方を使う。それに影分身は扉間様が開発した術でそれを使うって事は木の葉の里が創設された後に封印した事になるけど、何故そんな秘匿情報を一介の中忍並びに他里の忍が知っているかっていう問題になる。てなれば木の葉由来の禁術が妥当だ。

現にナルトは巻物を幾つかチェックして見つけたからあの教師から指定された巻物を盗んだ。つまりはあの教師は事前に目当ての巻物を確認していたってこと。ってあれ? そしたらあの教師が有能なのか火影達が無能のどっちか。

・・・まあいいや、それよりも私に罪をなすりつけるウザい奴を倒す方が先だ。

 

『どうやるつもりだ』

(影分身にヘイトを集めさせる、その間にあのクソ教師を見つけ出して殴る)

『あきれ返るほどに単純な作戦だな』

 

楽しそうな九喇痲に舌打ちをしそうになる、本当に趣味悪いってばね。まあ私も他人事なら大いに喜ぶけどさ。

作戦はあきれ返るほど単純、だけど原作でもろくに見つけられない無能を引きつけるにはうってつけだ。

それに原作同様にイルカ先生が来たら面倒な事になるんだから。

 

 

 

 

 

「さて、一番近い森まで散歩でもしに行きますか」

 

 

 

◇◇◇◇◇

 

 

ミズキは森の中を飛び、厭らしい笑みを隠すことなく浮かべていた。

全てが上手くいった。禁術の巻物を盗み出した事も、その盗みをあの化け狐のメスガキに所為にする事も、監視の目が全てそちらに行っている事も、何もかもミズキにとって良い方にいっていた。

 

「ククっ、まさかここまで上手くいくとはな」

 

嫌われ者のナルトが巻物を持って何処かへ行った。たったその一言で蜂の巣を突いたように騒ぎ誰もがナルトが巻物を盗んだと信じた。その盗んだ巻物が何かを知った瞬間に殺意を隠す事なくばら撒き他者に感染していった。

火影の前では流石に過激な事を言わなかったが火影がいなければ見つけ次第に殺すと口を揃えて言う。

何も知らないガキが有無を言わさず殺される。そして真犯人が別にいると気づいた時にはオレはとっくに隠れアジトに身を潜めているだろう。

長年里を守り続けた火影や自分では到底敵わない上忍達の慌てふためく顔を想像すると腹がねじれそうなほどの笑いが込み上げてくる。まだ木の葉の里内だから笑わないように我慢するがアジトに逃げ込めたら声を上げて笑ってやろう。

 

 

そう思っていたら何故か足が宙を蹴っていた。

 

 

 

「っグ!? ガッ、ァ゛あ゛」

 

訳が分からなかった。何故木の枝では無く空を蹴っているのかを。

そして息が出来ない事に、首が絞まっているいる事に。

 

咄嗟に首に手を持っていき気道と頸動脈の隙間を確保しようと掻きむしる。

だが幾ら掻きむしろうと本来ならあるはずの縄が存在しない。

ただひたすらに自身の皮膚を削り血を流すだけだ。

なぜ、いつ、だれが、なにを。そんな考えが頭の中を駆け巡るが何一つ答えに繋がる物が浮かばない。

 

 

 

「チャクラ糸は単純な罠にはピッタリなんだよ。え? ・・・あー、まあ、単純だからじゃね」

 

声がした。

子供の声だ。今日聞いた声だ。あのガキの声だ。自分を見下していた化け物の声だ。

まるで誰かと話しているように、それでいて声はアイツ一人。

ミズキは必死で声のした上を見る。狭まる視界の中でミズキはソイツを見た。

 

 

ソイツは相変わらず誰かと話しながら自分を見下ろしていた。

木の枝に座り、まるで釣りでもしているようなリラックスしたような態度で右手を下に垂らし握っていた。

その握られた手の隙間から月の光に反射した何かが見えたが何もわからない。

ただ暗い青の、酷く人を馬鹿にした、それでいて怒りに満ちた瞳が自分を見下していることしか見えなかった。

 

 

 

「殺せればいいんだけどそれじゃナルトちゃんの冤罪が晴れないじゃん。ただでさえイイヤの殺害未遂で疑われてるんだからさ。 ・・・適当に私と戦って自決用の薬飲んで廃人になった感じでいいよ、ほら九喇痲が作り方教えてくれた薬を試す絶好のチャンスじゃん」

 

視界が暗くなっていく。音が遠のいていく。顔に熱がこもり、末端が冷めていく。

死が少しずつ近づいているのにミズキは気づいている。それから逃れようと必死でもがいている。

なのにもがけばもがくほど死が近づいてくる。さながら蜘蛛の巣に引っかかった蝶のように。

だがもがかなければならない。そうしなければ逃げる事は出来ない。

逃げなければ、あの化け物から逃げなければ。

なのに青い瞳はミズキを逃がさず、嘲笑いながら無表情にその手を離して。

 

 

「原作通りにナルトちゃんを利用した自分を恨めよ、せんせ」

 

 

 

 

 

 

 

 

──────

 

 

 

「痛いってばよイルカせんせ~」

 

軽い口調で言う教え子のナルトをイルカはバカ野郎と叱りながら簡単な治療を施す。

切り傷は打撲による内出血で紫色に変色した肌、土や血で汚れたナルトを見つけた時は心臓が止まるのではと思ってしまうほどに焦った。しかし自身を見つけたナルトは変わらない生意気笑みを浮かべイルカ先生だラッキーとヘラヘラとしいて心の底から安心した。

 

「お前なあ、大勢の上忍達から逃げられるなら俺の所に来ることなんて容易いだろ」

「だって匿ってもらったらアイツらイルカ先生のこと悪く言うでしょ」

 

今だって睨んでいるしという言葉通り、真犯人であるミズキを囲っている忍の大半はナルトを睨んでいる。火影がいるからそれだけで済ませているが居なかったら遠慮なく殺意でもぶつけていただろう。

本当なら違うと言いたいのにその言葉が間違っていると分かっているせいで口を閉ざすしか出来ない。イルカは切れた唇の端に絆創膏を張るしか出来ない。

 

「イルカ先生が気に病む必要無いってばよ、12歳の美少女に劣情抱いてる大人に問題あるからさ」

 

 

劣情などと言うがナルト本人もその言葉で濁している。本当はそんな感情では無い。もっと悍ましい感情だ。それでも言葉にしないのは何故だろうか。その言葉を知らないのか、言ったところで何も変わらないからか。

 

 

見つけたぞ。その言葉に誰よりも反応したのはイルカだった。

ナルトが禁術の巻物を盗み出したと聞いた時、真っ先にそんなはずが無いと声を上げた。

待ってください、彼女がそんな事をする意味がわかりません。彼女はそんなバカなことはしません。

そう言っても誰も取り合わずに殺せ殺せと言うばかりで誰もイルカの言葉に耳を傾けない。

だからイルカは誰よりも先にナルトを保護しなければと里の中を飛び回り、その言葉を聞いたときに真っ先にナルトを保護しようと走った。

 

ナルトと叫んだ。

しかしナルトはイルカの顔を見る事も無ければ立ち止まる事も無くひたすらに逃げ続けた。

住宅地を飛び回り、商店街の路地裏に入り込み、多くの忍に追われているというのに一度も捕まりかけることも無くまるで時間でも稼ぐように逃げ続けた。

一般人が多くいる場所で逃げ回っていた為に直接的な攻撃はされず、誰も彼もが我先にナルトを捕まえる為に手を伸ばした。イルカもそう、どれだけ必死に手を伸ばしてもナルトは捕まらずに必死で追い続けた。

そして気付いた頃には皆が森の中に居て、ボロボロのナルトと口から泡を吐く巻物を背負ったミズキの間に立つ影分身が回収お願いしますと笑って消えたのだった。

そして今にいたる。

 

 

「顔まで怪我とか最悪、明日撮影なのに」

「そこは安心しろ、化粧で誤魔化せるぐらいだから」

「まさかの化粧可能にビックリ」

 

ぽかんと口を開けて驚くその顔は12歳の子供らしい表情で笑みがこぼれる。

そう、うずまきナルトという少女はまだ子供なのだ。

なのにその少女に対して里の殆どの人間が寄ってたかったって彼女を化け物と罵り怒り憎み恐れる。

それは彼女個人に対する感情では無い。彼女の中にいる九尾の化け狐に向ける感情なのにまるで九尾とナルトが同一個体だと誰もが信じていて、守るべき子供なのに平然と拳を振りかざそうとする。

だからナルトは人を見下し嘲笑い、信用しない。

例えどれだけイルカがナルトを一人の人間として尊重しても、ナルトにとってイルカはまだ信用に値する人物では無いのだ。

 

 

 

 

「そういや合格者向けの説明会って何時集合なの?」

 

何故ならナルトはイルカに助けを求めなかったのだから。

 

 

 




手が動いて七千文字以上やったぜ。

今回は原作第一話の話ですが原作通りになってしまった哀れなナルトちゃんの話です。
膨大過ぎるチャクラ量の所為で分身の術ができないナルトは光の速さで影分身で合格しました。なんたって完全上位互換なので。
イルカ先生って学年主任とかしてそう、というか卒業試験の担当してると思ってる。教育者として凄い優秀だから。
あとリーって忍術の才能が無いって言われてるけど成績どうだったんだろう気になる。
額当てを模造品扱いなのは卒業しても下忍になれる奴が少ないのに忍の証を持つのはどうかって思ったから。だって中忍試験ですら中々昇進出来ないしねぇ。

ナルトちゃんの服はアカデミー時代はオレンジ色の黒いラインが入ったお洒落なジャージにサンダルです。
そして下忍になるとハイパー露出します。
クロスホルターネックインナー、背中はもちろん開いてる。
デニムショートパンツ、股下3センチ。くそ短い。
オーバーサイズの迷彩柄のMA-1、切れば下履いているかわかんねぇ。
フーデッド・ヒール、まあ綱手様と同じ履物。ヒールの裏地が赤い。
一見すればわからせおじさんにわからせられるメスガキコーデ。
実際は無表情で見下してくるし周りに誰もいないのに誰かと話してる素振りを見せる怖い奴。そんなナルトちゃんを目指したい。
それにウエストポーチとホルスター×二つがナルトちゃんの基本コーデになります。

そして一楽でご飯食べたら強制原作ルート。ちなみに根の人間はナルトちゃんが大人しく飯食ったので帰りました。使えねぇなぁ、まあサスケと接触している時限定の監視だからね、しゃーない悪くねぇな!(熱い手のひら返し)
ナルトちゃんがやった事は影分身で時間稼ぎしている間に本体がミズキの逃走ルートを先回りしてチャクラ糸による首縄作ってミズキの首を釣ってボコボコにして薬飲ませただけです。
本人の傷はミズキとの戦闘を考えて影分身で殴り合ってただけです。自作自演。
それを信じる卑の国の忍とイルカ先生です。火影様は、まあ多分勘付いてるけど見ない振りしてるんじゃね?

イルカ先生視点だとナルトちゃんは誰も信用してない孤独な子供になってなす。
気付いてイルカ先生、ソイツはヤバイ奴だから。

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