成り代わりナルトちゃんリターンズ   作:飴の川

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未来の事を考えるには過去を振り返る必要がある

 

 

 

 

・・・はにゃ?

 

 

 

はにゃ!?!?!?!?!?

 

 

『五月蝿いぞナルト』

 

え!?えぇ!?

待って!!!あれ確かサクラちゃんっていのと友達だけど恋敵でライバルだから中忍試験であのようわからん内なるサクラによる相打ちした別の意味でも感動の試合をした仲じゃないの!!??

なんで嫌い!!??アイエー原作崩壊!?原作崩壊ナンデ!?!?!?!?

 

 

 

『おいナルト、どうした?』

 

落ち着け、落ち着くんだ。サクラちゃんの言った台詞を思い出せ。

好きな人は髪の毛を綺麗だと言った人で、いのはその人を貶したから嫌いだと......

 

 

 

うん、私が介入したから崩壊したな!

マルっとスッキリ解決!!天才ナルトちゃんの手にかかればちょチョイのちょいよ!!!

自業自得ですわ、ガハハ!!!

ってことは? 中忍試験のあの女同士の熱い友情バトルは消失ってことよね?

まって、いのってサクラを親友だからこそライバルとしていて綱手様に弟子入りして医療忍術学んでいるの知りそれを会得しようとしたバックボーンをわかっているから同じように医療忍術を学んだんだよネ?

 

 

 

 

あれ、もしかしていのの医療忍術習得フラグ消えた...?

・・・えーと、いのって医療忍術習得していても原作においての回復要員というの役割あったっけ?

アスマの延命ぐらいだったような... ダメだ昔過ぎて思い出せねぇ!!

サクラちゃんがいのと友人であることの重要性なんだ!? 人間的成長以外はあったか!? この世界で原作沿いなんて不可能だけど原作沿い不仲設定の場合の二人の関係性変化による原作難易度上昇や崩壊は無いよね!?

 

 

 

 

無いよね!!!!???

 

 

 

 

 

❁❀✿✾少女混乱中✾✿❀

 

 

 

えー、お昼の時間になりましたがサクラさんのカミングアウトへの対処が難航した為にまだ食事にたどり着いていません。

 

 

「おにぎりうまー」

 

呑気なことを言っているのは隣にいる影分身のナルトちゃんです。ナルトちゃんは時間を無駄にしないスーパー忍者なので例え本人がポンコツになっても影分身で予定を済ませる裏技が使えます。

ところで影分身が食事取った場合の栄養素とかって本体に還元される? フィードバックされる? 教えて卑劣様!!!

 

「二代目もそこまで考えてないでしょ」

そ゛う゛た゛け゛と゛さ゛ぁ゛っ!!!!!(にゃんちゅう)

 

 

 

にしてもナルトちゃんの些細な行動でこうも変わるとは思っていなかった、蝶の羽ばたきが竜巻どころかタバコの灰が山火事状態で竜巻より後始末が悪い。

建物の倒壊による住居や資産の喪失とか色々悲惨な事があるけどあれってビフォーアフターがハッキリ分かるから見た目が元通りってある種の明るい未来があるけど山火事だとビフォーアフターしても名残が存在するからなぁ。

それに云十年単位で自然環境にダメージ与えるし生態系が狂うどころか崩壊or消失の危機もあるし負傷した場合の治療難易度一気に上がるんだよな...

骨折れたとか頭から血を流しているから動かしちゃいかないっていう素人目で見ても分かる負傷じゃなくて深度Ⅲだと痛覚死んでるから死にかけても負傷者自体が気づいていないパターンあるし......

 

 

 

とりあえず思い出せる過去と原作を当てはめて乖離具合と原作通りに行くための修正案とか考えないと。

前世を思い出し自我ったのが三歳で九喇痲とパートナー協定を結んだのが四歳で一人暮らしと同時にアカデミー入学が六歳の四月頃。

一人暮らし前は北東の死の森近くで暗部に監視されながら暮らしていて三代目と多分医療忍者の数人がローテーションを組みながら必要物資を届けてくれてたな。

うーん、原作のナルトって何歳から一人暮らししてたんだ?

アニオリだと入学前から一人暮らししてるから五歳、いや四歳からしている感じだし三代目のことも知らないからなぁ。

だとしたら最初期からズレてる上に上層部ががっつり関わってる。

そういや火影の癖に相談役やダンゾウの方が発言力上なのってナルトに関する何かをやったからなんだよな?

そしたらこの世界は三代目がナルトに関する何か──環境に関する方針を強引に進めなかった世界線と捉えていいのだろうか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・あー、うそ、最悪。完全にやらかした。不味い。

どこまで疑っているんだ。

大人しくしてれば中忍試験で自来也の庇護下に入れるしそこから綱手の火影就任で新しい防波堤が出来るし工作すれば第二部から立ち回りが出来るようになるけど偽装任務の報告書の内容次第で完全原作崩壊ルートにいくな。

 

 

 

頭痛くなってきたけど確認はしないと...

 

入学時点ではもう大人にナルトちゃんの正体がバレてるから一週間後にはもうハブられてたな。卑劣。

でも五月の前期までは平和(ボッチ)だったけど中頃から連続窓ガラス殺害事件が起きだしたから個人情報RTA完走されてると。誰だよ走者。

で六月前からイルカ先生と話し始めて、七月の男女別授業でサクラちゃんと接触し気づいたら友情フラグをへし折ってたと。

それから夏の終わりらへんからイルカ先生に些細だけど実害が出始めたから悪戯をやり始めたね。はい窓ガラス。

 

サスケに関しては入学当初から一方的に見ていたけど完全に純粋無垢ショタサスケ可愛いんじゃ~^^目的だったから顔合わせ自体はクラスが一緒になった三年から。

あんな純粋無垢でイタチ兄さんの背中を追いかけてお父さんに構ってほしかったのが徐々に曇って絶望して暗黒面に堕ちるのいいね。

ハリネズミよろしく周りを威嚇してるサスケほんま可愛かったのに今じゃあんな感じだけどさ。

なんて言うけど話しかけてきたのはサスケだしそれも三年の終わりだしあそこらへん覚えてないんだよなぁ。なんていうか印象無いし、気づいたら親しくなった感じ。

 

これが原作開始数話ぐらいまでの過去。

見事に人間関係が変わっているけど面白いのが複雑になったんじゃなくて簡素になったことだよ。

すげーな、頑張れば原作擬きは出来るけど原作程の人間ドラマは出来ないってのが笑える。

サスケ奪還任務とか集まってきたメンバー全員隊長の命令に従っただけのガチ掟厳守忍隊になるじゃん。

NINJAじゃなくて忍者。楽しそう。

しかもシカマルとか絶対第四次忍界大戦で死ぬじゃん。火影なんてなんねーから皆に見守られながら親父の下へとか戦時中にくそ贅沢な死を迎えられるとかネームドの特権過ぎる。こっちはネームド通り越して主人公なんだから主人公特権くれよ...主に金銭面のさ......

 

 

 

ま、今後の動きとか単体なら予測不能だけど上層部のくくりにすればあちら側も大きな動きは出来ないから大雑把な予測でおおよその対応はとれるし今は普通にナルトちゃんの事は後に回しだから波の国だけ気を付けていれば大丈夫。

イルカ先生に関してはアカデミー卒業以降は碌な絡み無いから平気なんだよね。

中忍試験第二試験突破お知らせ要員に木の葉崩し復興作業の食休み、自来也死亡の慰めに第四次忍界大戦隔離中の足止めの振りした背中押しぐらい。アニオリは知らんがこれぐらいなら軌道修正は必要ない。

 

サクラちゃんに関してもそこまで修正は必要ないな。第七班としての絆を育めば原作通りの能力は得られるしそも脳内恋愛畑じゃないから真面目に修行とかして原作一部と比較したらこっちの方が能力高くなるかもしれん。

チャクラコントロール上手いから幻術使いになったら第一部頭脳派幻術使いから第二部フィジカルパワースタイル医療忍者になるけどそんなメガ進化果たしたらこっちですら手が付けられないNINJAになるわ。後方支援スキルガン積み近接サポート型頭脳派ゴリラとか九尾がバックにいるナルトちゃんですら敵に回したくないわ。

もしかしていのとの友情を生贄に強化ルートを召喚したパターン?

 

サクラちゃんだけ強化入ったけどサスケは修正しないとダメだな。

私が介入したせいでイタチ兄さんに対する憎しみが原作程無いんだよね。そのぶん里に対する疑念を抱いてるから里抜けしてもイタチへの復讐が十じゃなくて六で残りが里への不信感とか疑念への答えを見つける為とか。

これでイタチとの戦闘前にある程度の里とうちはの確執に気づいたらオビトとの答え合わせで即レボリューション決行するかもしれないし爆速全力前進されたら八尾回収時期早まってペインと一緒に木の葉に痛みをお届けデリバリーされるかもしれない。

てか私なら参戦するわ。なんなら輪廻転生による死者蘇生後を狙う。里はボロボロ生者はヘロヘロ死者はナニナニで連携もクソも無いからやりたい放題できるし。

でもそれやられたら困るからサスケは原作通りに行ってもらう為に友情イベントをこなしつつ恋愛フラグも立てる。

恋愛フラグをしっかり育てた後に動物コンビが誘拐しに来た時に抵抗して割と暴行されればイタチへのヘイトにナルトちゃんブーストかかって上手くいけそうだな。

よし上手く行けるように今からスパ紋様に祈りを捧げよう。

 

 

 

 

過去にある程度の接触とそれによる行動変化からくる未来予測は出来るしそれに対する修正方法も大雑把だけど可能な奴は秒で出せたけど。

 

 

 

 

「カカシ先生だけは何一つ予測できねぇわ」

『・・・なぜ、知らない名が出る』

 

 

 

 

 

 

◇◇◇◇

 

 

 

居心地の悪い空気で満ちた教室の中でサスケとサクラは昼食を取っていた。

早速ムードメーカーの地位についたナルトはサクラの自己紹介に満面の笑みを浮かべて「ま~? ナルトちゃんってば大人同士の論理観無しのドロドロした策略恋愛しか見ないからちょっと勉強してくるってばね☆」とだけ残し姿を消した。

ナルトのことを知らない人間なら探しに行くかもしれないが生憎この二人はナルトのことを知っているため探しいかずに教室に残り時間だからと食事をしている。

 

「お前の好きな奴はナルトだろ」

「へぇ、どうしてそう思ったのかしら」

 

黙々と食べていたがサスケが口を開く。

確信のある質問にサクラはこの答えをどう導き出したのかと返すとなんでもなさそうに簡単だと告げる。

 

「山中いのは人を見ている。そんな奴がお前の好きな人を貶すとはそいつが貶されるような事をしたか貶しても許される奴かの二択。前者の場合なら初恋として片付けていてもいいし後者はナルトしかいない」

 

サスケの言う通り、いのは人を見ている。

いつもと少しでも違えば何でもないように話しかけてはその問題を見つけ助けになると声を掛ける。

虐められれば虐めの主犯格に立ち向かい盾にもなる。

誰かの為に戦える強さと寄り添える優しさを持っていて人を思いやれるからこそ、そんな彼女を嫌うにはそれ相応の理由が必要になる。

サスケの言った前者ならサクラは初恋として消化してるかそれを恥にする。

だがそうでなければ必然的にナルトになる。

 

 

「アイツにとって他人なんざ自分が楽しく生きる為の駒だからな」

 

 

里の人々から嫌われ見下されてるくせに掌の上で転がしながら馬鹿にして嘲笑っている。

イルカという教師に心配されているのにそれが無意味だと言わんばかりに笑う。

サスケが自分を見てないと気づいているのにそれに気づかずに誰かを見ている。

そんな事を平然とやっているからいのはサクラの前で貶したのだろう。

 

 

確かにナルトは碌でもない人間だから。

 

 

だがそんな禄でも無い奴を好きになってしまったから許せず嫌い続けている。

たった一度の発言を根に持ち続ける程に。

 

 

 

 

 

サクラは初めて話すんだけどと語り始めた。

 

「小さい頃は人見知りの口下手、そのうえ気弱だったから虐められやすかったのよ。 ま、ナルトがいたから些細な嫌がらせだったけどね」

 

少しどもりながらの自己紹介は一部の女子から忍になれるのと笑われた。

授業では答えれば答えるだけ頭でっかちだの自慢してるのだと一部の女子に言われた。

体育の授業で周りから遅れれば勉強ばかりじゃダメだろと男子にも言われた。

掃除を押し付けられたり、今なら無視できるほどの些細な嫌がらせがあった。

 

当時は辛くて辞めたいと思っていたが同じクラスのナルトの方が酷くてあれに比べればと我慢し続けた。

 

「そもそも忍になるつもりはなかったのよ? 色んな事を学ぶにはアカデミーしかないから入っただけ」

 

誰よりも早く言葉を話せて、誰よりも早く文字も読めて、誰よりも早く色んなことが覚えられた。

知らないことを知るのが楽しくて、もっと知りたくて色んな人に尋ねまわった。

その度に最初に賢いのねと言われ、その次に立派な忍になれると言われた。

幼い頃は忍がどういうものかは分からなかったけど、年上の子を見ると普通の子とアカデミーに通う子では圧倒的に知識差があることだけは分かっていた。

実際、アカデミー以外で学ぶには独学か家庭教師をつけるか奉公先かのどれかでサクラの知識欲を満たすにはアカデミーが一番手っ取り早く確実だった。

 

 

「だからアカデミーに入ったことを後悔して親に泣きついて辞めたいって思った。

 里を愛し平和と繁栄に尽くすと誓った人間がたった一人の子供を虐げたんだから」

 

 

ただ商品を見ていただけなのに問答無用で叩き出して疫病神と罵った。

大人が集まって根も葉もない噂に尾びれをつけて恐ろしい眼で見下した。

子供が大人の真似をして嘲笑って嘘をバラまいた。

ゴミを投げて、石を投げて、ゲラゲラ笑っていた。

誰も止めず、子供の手を引いて逃げた。

関わるなと子供が子供に言った。

嘲笑われて、正論で口を閉ざすしか出来ない大人が拳を振り下ろした。

 

 

信じられなかった。恐ろしかった。怖かった。逃げたくなった。

ただ知りたかっただけなのにアカデミーに入ったら周りにいる優しい人達が子供を忌々しそうに見下して正しきことのように虐げた。

可笑しいはずなのに誰も止めずそれを当然にようにしたから自分が可笑しいのではと思い込んだ。

母親は苦い顔をして父はあからさまに話を変えて、話題にしてはいけない存在だと無言で教えてきた。

今まで見てきた本に載っている事とは正反対のことが現実で起きていてなにが正しくてなにが間違いなのか分からなくなった。

 

 

わからないことが苦しかった。

 

 

 

 

 

『髪を隠すの?もったいないお化けが怒りのヘドバンで首痛めるんだけど』

 

アカデミーに入って最初の夏の授業の時だ。

変装の授業で別人になる為に一部屋使って皆で思い思いに服や小物を選んでいた。

サクラは授業で習ったように貧困層に位置着く人に変装しようと服を決めたはいいが目立つ髪の毛をどうやって隠すかで悩んだ。

薄ピンク色の髪は里内でも春野家ぐらいしかいないぐらい珍しい。

諜報活動は目立たずに情報をつかみ取り、バレても足取りを掴めないように工作しなければならない。

だからサクラはバレても足取りを掴めないようにするには髪の毛一本落とすのが許されてないからどうすればいいか悩み、とりあえずはと大きめの布に手を伸ばした時にナルトが後ろから話しかけてきた。

 

『こんな綺麗な髪をしてるのに、隠すなんて価値をわかってないね』

 

ナルトは何でもないような口ぶりで、だけど鏡に映る碧い瞳は至極どうでもいいと言いながら髪の毛を弄っていた。

黄色味の強い金髪が流れるようにまとまり綺麗なお団子へと変わる。そのお団子に刺さる簪はシンプルながらも華やかで自然と惹きつけられた。

髪に目が行けば自然と顔に行き、幼い顔立ちながらも紅が引かれた瞳は冷たさと人の心を熱くさせる妖しさを持ち合わせ、服は質の高い子供の男子服。

どれも自己主張が激しく統一感は無いがナルトには似合っていて、一目見ただけで忘れる事が出来ないような魅力がありサクラは思わずキレイと呟いた。

 

ナルトはその言葉に子供っぽい笑みを浮かべそうでしょと自慢げに簪を抜いて髪を下ろした。

お団子の髪は簪が抜かれただけでスルリとほどけ、光を反射しキラキラと舞い広がる。

その光景はサクラの見てきた虐げられている子供とは信じられない程の別人で見惚れた。

知っているようで知らない美しさを持っている人が自分の目の前にいると。

 

 

 

『美しさは暴力を上回る武器だよ。名だたる忍も美しさの前では薬中同然』

 

『まーナルトちゃんの場合? 殺伐とした環境で光る美しさだからこぞって厳しい環境にぶち落とそうとしてくるんだけどさ』

 

 

慣れた手つきで髪の毛を結び、なんか違うなと言えばほどいては髪飾りを選ぶ。

周りは自分とは別人になろうと必死で考えながら服を選んでいるのにナルトはまるでお洒落を楽しむように小物を選ぶ。

諜報活動の意味を理解していないのではと思ったが先ほどの発言でナルトには自分なりの確立した諜報方法があり、それをしようとしているしそれが出来る程の自信があるとも。

虐げられた哀れな子だと思っていたサクラが別人だと思えるほどにナルトは魅惑的に変わっているのだから。

 

だがそれでもここはアカデミーでどれだけ姿を変えようと魅力的になろうともナルトだから周りは理不尽に虐げる。

そんなことは無いと誰かが言うかもしれないがただうずまきナルトというだけで虐げられているのだからどれだけナルトが変わろうとも周りは変わらない。

この美しさも虐げるのに都合の良い理由にしかならない。

暴力を上回るほどの美しさも、理不尽な暴力の前ではボロ布のように踏みにじられる。

なのになぜナルトは自信を持てているのだろうか?

なぜあんな恐ろしい大人に平然と立ち向かえるのだろうか?

自分を見下す冷たい人間を嘲笑えるのだろうか?

 

サクラは思わずどうしてそんなに平気なのかと尋ね、ナルトはサクラの持っていた布を手に取りどうでもよさそうに聞き返した。

 

 

 

『雑魚相手に下手にでる必要ある?』

 

 

 

その言葉は傲慢さで満ちていた。

そう言い切れるほどの自信を持っていた。

だが持っていなければ彼女は何故大人に立ち向かえるのか。

 

うずまきナルトにとって自分を害そうとする人間全員が自分よりも劣ると決めつけている。

弱いから徒党を組まないと立ち向かえない。

揚げ足を取らないと戦えない。

どうにもできない環境でようやくマウントが取れる。

強者の慈悲によって生かされていることに気づいていない愚か者だと嘲笑っている。

自分が怖いと思っていた世界をうずまきナルトは手のひらで転がして笑っている。

 

 

 

真綿で首を絞めるような恐怖を無邪気に踏みつぶすナルトに、サクラは答えを得た。

まだ言葉に出来ないそれは間違いなくサクラにとって歩むべき道を知らせる天啓だ。

そしてその天啓がサクラを変えた。

 

 

 

 

『ねえ、わたしと友達になって』

 

 

 

『いや私と友達とかいのがやめとけと言うぞ』

 

 

 

衝動のままに言葉に出来ない気持ちを無理やり言葉にした。

そしたらナルトは引いたような眼でサクラの気持ちを踏みつぶし手にした布を机の上に置いて消えた。

きっと満足する変装の為の旅に出たのだろう。

だがそんな事はサクラには知った事では無い。

ただひたすら、自分でも分からない気持ちを言葉にしたら最悪の返しを投げつけられその理由もサクラとは全く関係無いことで──

 

 

 

サクラは止めどなく流れ落ちる涙を睨みつけながらナルトが身に着けた簪を手にし、髪の毛がぐちゃぐちゃになりながらもつけようとした。

そしていのが現れ、何かを察したいのはサクラにナルトに何か酷い事を言われたのかと、あんな奴の言葉をと言ったところでサクラはいのの頬を引っぱたきアンタのせいでと叫んだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「けど当の本人はムカつくぐらい他人に無関心でそのくせ馬鹿にする」

 

サクラは初恋を踏みにじったナルトに激しい怒りを抱いた。

当てつけのように簪を使った変装をしてもナルトはヘラヘラ笑いながら教師に叱られ周りに馬鹿にされていた。

ナルトの髪を引きちぎってやろうと近づこうとしても先に囲まれて忍に向いていないと髪の毛を掴まれていた。

ナルトに悪口の一つでも言おうとしても、大人達が出鱈目な噂を流していた。

 

「ナルトに恋しなかったら、私は周りの子と同じようにサスケ君に恋してたとおもうし」

 

恋はどうしようもない怒りに変わり憎しみに転じようとした。

だがその先は自分が恐れた世界と同じで、凪のように消え去り。

怒りを抱き続けることも冷静になれば不可能で。

踏みにじられた初恋が腐ることもできずにナルトに恋をし続けている。

意味も分からず踏みにじられたのに、それでもあの笑みに魅かれて。

彼女を害する雑魚と同じ扱いをされたのに、あの傲慢さに救われて。

視界の端にも入らなかったのに、諦められなくて。

 

 

 

「サスケ君はナルトのことなんて気にも留めてなかったんだろうね」

 

その結果がこれだ。

諦めれば解放されると分かっていて、諦めずにもがき苦しむ。

哀れな初恋を初恋で終わらせない為に。

 

 

 

 

 

 

 

 




現在の第7班だぞこれ!

ナルトちゃん 前世も今世も頭おかしい
影分身 癒しを司る実験体
サスケ 冷静に周りをみてるボーイ
サクラ 初恋遂行ガンギマリガール
カカシ先生 姿無き警戒対象

アニオリでは四歳前から一人暮らししていて三代目の事も知らない模様。
なのであのアパートは賃貸ではなく遺産の一つ扱いなのかな?
ということはガチで一人暮らししている感じなのだろう。
まあナルトちゃんはアニオリ通りの年齢で一人暮らしするはずもやらかしたので入学前まで軟禁されまして。
ちなみに軟禁ルートがデフォでタイミングが最悪だと即殺害ルートに入る危険なやらかしをしたけど不可抗力なのでナルトちゃんはハチャメチャに運がいいです。
前世は運を使い過ぎたのです。今生はラックコントロールも頑張りましょう。


私事
前回の投稿で一気にお気に入り登録並び評価者が爆増しめちゃくちゃビビりちらしました。
ありがたい...圧倒的感謝だけど怖い... 天邪鬼のみじんこ魂なんで......
ちまちま頑張って書いていくから気長に待っていてくれ...
とりあえず三話以内で鈴取りの話は終わらせたいというお気持ちだけはお知らせします。
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