雄英高校入試
実技試験・模擬市街地演習終了から数時間
巨大仮想敵破壊のあと気絶して、目覚めたら雄英の保健室のベットの上だった
そこで出会った雄英看護教諭“リカバリーガール”から極度の緊張と疲労による気絶と“手の平の負傷”について説明された
その後は無茶は控える様にとお叱りも貰った
家には当然連絡を入れられており、スマホで母さんに電話してみたらかなり心配された
それだけで無く父さんが雄英まで迎えに行っていると告げられしんどみが増して来た
とりま父さんが来るまで学園入口辺りで買って来たジュースでも飲んで待とうとしたら見慣れた緑髪の女性とばったり会った
「あ、実技試験に居た…」
「良かった起きたのね。最後にもう一度様子を見に行ったら帰ろうかと思ってたわ」
「……もしかして実技試験終わってからずっと?」
「向かって行ったのは貴方の意思だったけど、さすがに倒れた時は心配したわ」
「あぁ、なんかすまんな。えーと…」
「蛙吹梅雨よ」
「ん、蛙吹さn「梅雨ちゃんと呼んで」……んー」
いきなりのちゃん付け呼びの要求に腕を組んで唸りながら悩んだ
「君のペースでいいのよ?」
「いや、そうじゃねぇーんだ」
「ケロ?」
「別にちゃん付け呼び自体に抵抗は無いんだが、俺さ女子とまともに会話した事ないからよ。いくら本人の許可ありとはいえ、なんかそう呼ぶの悪ぃ気がしちまって……蛙吹さんの様な可愛いらしい子だと尚更」
「ッ…ケロありがとう」
少し顔を下に向けてお礼を言った蛙吹さん
なんかお礼言われる様な事言ったっけ?
「じゃあ無事も確認出来たし私はそろそろ行くわ」
そう言って俺の横を通り過ぎながら校門へと向かう蛙吹さんに大声で話しかけた
「おーい!」
「?」
「俺、月欠 光ってんだ!もしお互い合格して雄英に通えたら………そうじゃなくてもまた会えたらよろしくな!“梅雨ちゃん”!」
「……」ニコッ
俺の言葉に応える様に笑顔で手を軽く振る梅雨ちゃんに俺も手を振った
姿が見えなくなったと同時にスーツ姿で帽子を深々とかぶった男性が校門をくぐってやって来た
「やぁ光、母さんから動揺した様子で電話きたから何事かと思ったよ。入試試験だいぶ凄かったろ?」
「あぁ…油断してた訳じゃないけど甘く見てたわ“父さん”」
「ははは、僕も当時は必死だったよここの試験は…懐かしい、見る事はあっても校門を通るのは久方ぶりだ。雄英から超速達経由でパスポートが届いた時は何かと思ったよ」
「あ〜マジごめん」
「いいさ、ヒーローを目指すなら多少の危険も知らないとね。まぁ母さんはどうかは知らないけど、さっ用事を済ませて家に帰ろう」
「…帰りたくねぇ」
父さんと一緒にリカバリーガールの元に向かい、話を済ませてようやく帰る事が出来た
正直言ってあまり帰りたくない。要因はもちろん母さんなのだが別に怒ったらめちゃ怖いとか説教が長いとかではない
一番の問題なのが…
「お"が え"り"み"づ る"〜!!お"が あ"ざ ん"じ
ん"ば い"じ だ ん"だ よ"う"〜〜〜!!!」
「…た、ただいま」
帰ってきて玄関から即泣きじゃくった母さんがやってきて抱き締めてきた
母さんは昔から泣き虫というか涙脆いというか、何かしらあるとめっさ泣く癖がある
大変なのはこの状態の母さんを泣き止ませるのはすごく至難の技なのだ。父さんですら泣き止ませるのに結構苦労するらしい
あともう1つしんどいのは…
「そういえば校門に着く時緑髪の女の子とすれちがったけど、光の知り合い?」
「ちょ父さn」
「女の子!お友達なの?!それとも付き合ってる子!?」ムフー!
「ち、違うよ。実技試験で知り合ったんだよ、友達…になるのか?」
母さん色恋事の話はすごく大好きで少しでも女子との接点があると根掘り葉掘り聞いてくる
実際女子との関わりが少ない、いやもはや皆無にも等しい俺故にそういう話になると勢いが凄まじくなる
▼▼▼
入試試験から数日が経った
いつもの鍛錬メニューを終わらせて自室でスマホで調べ物をしていたら不意にドアを叩く音が耳に入り、焦った様子の母さんが入って来た
「光!届いたわ!雄英から通知書が!!」
遂に来たかと内心思いながら母さんから通知書を受け取り、「結果が分かったら教えてね!」と下にすぐ戻って行った
早速その封筒を開けて、中身を机の上に出した。入っていたのは書類と、小型のプロジェクターのようだった。
そのプロジェクターに付いていたボタンを押すと、空中に映像が映し出された。
『私が投映された!!!』
「オールマイト…?ーー特別出演的な奴か?」
その映像に映し出されたのは、他の人間とは明らかに画風が違うアメリカンなNo.1ヒーロー
平和の象徴と謳われる圧倒的な存在の大英雄、オールマイトであった
『HAHAHAHA!――最初に言っておくけど、この為だけの特別出演とかじゃないよ!! 実は私は今度から雄英の教師として勤めることになってね! まぁそういうそういう事なんだ!!』
「なんだよそれ、胸熱じゃねぇか…」
あのオールマイトが雄英の教師に
当然ながら受験生には知らされておらず、もし知らされていれば倍率は更に上がっていただろう
『さて! ではこっからは諸事情で巻きで行くよ!――月欠 光! 実技試験での獲得した敵Pは30! 残念だがこれだけでは合格ラインには届かない』
「…つまり不合格って事か」
まさかの結果に内心そうじゃないかという心情と同時にやはりショックを受けていた
だがオールマイトの話はここでは終わらなかった
『だがッ!試験官達が見ていたのはそれだけであらず!!――どんな状況でも助けてこそのヒーローさ!! 偽善上等! 我々が見ていたもう一つのPこそ救助活動Pだ!!』
「救助活動P?」
『救助活動P!己の危険を省みず他を救う事こそヒーローの本分!君はライバルであるはずの他の受験生たちを思い逃げずに0P仮想敵に単身挑み、そして勝利を納めた君の救助活動Pは46!――合計76P――入試2位!文句無しの“合格”さ!!』
「入試2位…ご、合格」
その言葉に声を失うばかりだった
『さあ道は拓かれた!来いよ月欠少年!雄英ここが、君のヒーローアカデミアだ!!』
オールマイトのその言葉を最後に、プロジェクターからの映像は消えた
映像が消えてから数秒、俺は一度深呼吸しながらゆっくりと立ち上がり
『ッッッィィィィイイイイヨッシャアアアアアアアァ!!!!』
力いっぱい叫んだ
友達二人目は次回(特に関わるという訳でA組とは基本ダチの様に接します)