ガトランティス戦役が終結から1ヶ月後。
軍内部にはまだ少なからず第5艦隊のことをよく思わない人達が多くいるようだった。そのもの達を黙らせるために第5艦隊は合同演習に駆り出されたらしかった。そのことを後々第一~第八分艦隊の指揮官達が司令部に脅迫ギリギリの線で聞き出していたみたいだ笑。
まぁ、今はそんなことをしている場合ではない。第5艦隊上層部は現在、新たに創設される第九分艦隊、そして秘密裏に計画されていた新造艦に対して大忙しだった。
新たに製造される艦艇の名称は、
・アストラーデ
・アストラーデβ
と言う。今のところは2隻だけだが新たにこれから更に増えるだろう。
第九分艦隊は元々、増援艦隊及び補給艦隊と呼ばれていて、それを全部合わせ総称して変えた。ただ名前が第九分艦隊になっただけで役割は今までと余り変わっていない笑。変わるところいえば、増援第1艦隊/補給艦隊で指揮をしていた佐竹准将が少将になり第九分艦隊を指揮するだけだ。
そんな経緯を考えていた時、部屋の外からノックと声が聞こえた。ふと、時計を見たら、約束した時間が来ていて、もうそんな時間かと思いながら扉の方へ返事をした。
「司令、お待たせしました。お飲み物です。今日は小笠原諸島から取り寄せたコーヒーです」
「ありがとう」
そう言って、副長から受け取り口をつけた。
「(んん!これはまた美味しい。副長は料理が上手い。これは多分店を出せるぐらいに!)」
「フフッ」
「どうした副長?」
「いえ、皆、同じ反応をするのが面白くて笑」
"皆"とは、第5艦隊の総旗艦でもあるアンタレス改2のクルーのことだ。クルー人数はおおよそ400人。ただ今は200人ほどしか居ない。つまり副長は200人分のコーヒーを入れたのかと内心驚きながら飲んでる。
ちなみに今なぜ半分の200人しかクルーが居ないかと言うと以前話していた休暇の話しに繋がる。
私は1週間前ぐらいに統合本部に呼ばれた。話の内容は、今回演習や戦役で活躍してくれたことに対して第5艦隊には2週間の休暇を与えるということだった。なぜ2週間かというと初めの週で半数、次の週でもう半数で、だ。そしてなぜ半数なのかは "第1~第4艦隊では心もとないから半数だけでもいい残しておいてくれ、乗員も" と言われたからである。それに、第5艦隊の全員が行くと地球がパンクしそうだからね。
「そいえば、司令。もうまもなく新型艦完成しそうです」
「そうか!!」
さっき言っていた新造艦は現在時間断層工場にて作成している途中で、第5艦隊主力ではアンタレス改2に匹敵する火力/防御を備えている。
「やはり楽しみだな」
「はい」
あぁ、そうそう。言い忘れていたが第5艦隊幹部陣にはほとんど休暇がない...。あってせいぜい3日間だけだった。
作戦参謀長と副長はそれぞれの実家に、艦橋オペレーター達はネズミーランドやU〇Jなどに行くみたいだ。私は余り興味が無いからな...。
ちなみに私は両親と戦友の墓参りに行こうと思っている。
「では私はこれで失礼します」
「おう」
と、副長と食後のティータイムを過ごしたところで時間も遅くなったことに気づき、今日はお開きになった。明日から私たちの少ない休暇のスタートだな。
日が明け、次の日。後半の休暇の人たちは前半の人たちと交代するように休暇に入った。宇宙桟橋で止まっている艦艇から続々と桟橋と地上を行き来する連絡船が東京都にある羽田基地に降下する。ここから各自思い思いのところに行く。作戦参謀長は大分、副長は宮崎に実家があるらしい。私は隣の神奈川に行く。どんなときも一緒にいるクルーがいないのはこんな時以外は殆どない。またすぐ会えるとわかっていても少し寂しい気もしている自分がいる。
私の両親と昔共に戦った戦友の墓は箱根にある。ここに墓がたった理由は5年前に遡る。5年半前地球に、ある異星人が攻めてきた。名前は『星系連合』。星系連合はまず地球の戦力を潰しにかかってきた。約半年かけて防衛軍が保有していた艦隊が6割やられた時、地球軌道上で迎撃をしていた村雨型巡洋艦が機関部に大損害を被り地球に落下。不時着した。位置はだいたい横浜の西神奈川辺りに落ちた。
ゼロに近いが生存者がもしかしたらいるかもしれないということで救助に向かった。その時、墜落現場の付近で不可解な穴があった。墜落の衝撃でできたようだった。まだ上空には星系連合の艦艇がいた。奴らの目を逃れてこの穴に入ると大きな空間がいくつもあった。そこはそれぞれ時間の経ち方が違った。大中小でそれぞれ1つずつ、1番大きい空間は地上より約6倍の時間が経っているということが後々の調査でわかった。他の2つも同じ時間の経ち方かと我々も思っていたが、中ぐらいの大きさは3倍、小は2倍の経ち方だった。
その時期、星系連合がある第2フェーズという我々には分からない宣言をした。
第2フェーズとは世界各地に人口隕石が毎日のように降り注いだのだ。そしてそれはいよいよ日本にも隕石が降り注ぎ始めた。私と両親がいたのは神奈川県の横浜、丁度数ヶ月前に村雨型が墜落した現場の近くだった。緊急避難警報が鳴り響き私たちはシェルターに急いだ。私はその時はまだ陸軍士官で、避難の誘導をしていた。その後避難の誘導を終えシェルターに入ったが、その地域の人口の2/3しかいなかった。
そしてそこに私の両親の姿もなかった。
このとき私は21歳。先程も言ったが、私はもう軍に所属していた。訓練を昼夜共にした戦友の多くの命が消えていった。元々は家族を心配させないために陸軍を志望しようと思っていた。だが星系連合に恨みを持ち私は宇宙軍を選択した。
そこから戦果をどんどん挙げ階級をあげていった。士官学校の恩師であるデニム元帥は
「早すぎる出世だな。お前はまだ若い。もっとやりたいことがあるだろ?死ぬ時は一瞬だぞ?あいつのように...」
と言われた・・・・・。あの人のようにか・・・。
自分の過去を思い出していたらいつの間にか神奈川県戦死者慰霊地に到着した。そこで色々やることをやってこの後の予定である箱根温泉街に来た。前までは全然人がおらず賑わっていなかったが、今となってはもの凄い人だ。もうすぐ今日泊まる旅館に着きそうなところである家族連れに声をかけられた。何故か、
「宇宙軍第5艦隊司令のタビ・ラプター元帥ですか」
やばい... 気づかれた...。なるべく気づかれないように変装していたのに...。でもなぜ?
「あぁ、その。・・・子供が・・・気づいて・・・」
子供恐るべし。そんなことを一瞬考えていたら周りにいた人たちも聞こえていたようですっかり私の周りには人だかりができてしまっていた。今の時代。軍人がいることに驚きはないと思うが何故だ...?
私は困り果てどうしようか少し考えていたら突然私の腕を掴んで人だかりから抜け出した。腕を引っ張った人の顔は見覚えがあった。というかものすごく知ってる顔だった。
「中将?どうしてここに?」
中将とはキュー中将のことだ。
「私達もここで短い休暇を楽しもうかと思いまして・・・そしたら司令がいたものでつい」
「私たち?」
何人かと来ているのか・・・。そいえば。
「あの人です」
とキュー中将が指さした先にはこちらもよく見知った顔がいた。
「お前たちほんとに付き合ってるのか?」
「付き合ってません!!司令まで・・・・何度言ったらわかるのですか...」
とみん中将がボヤいた。
その後、少し談笑しながらあるいていたら、今夜泊まる旅館を聞いてみた。
なんとも同じところだそうだ。こんな偶然があるものなんだなと感心していた・・・。
あちらはあちらでやりたいことがあるらしく、一旦別れることとなった。また後でどうせ集まるが、同じ旅館だし。
私は残りの時間を観光名所を色々回って旅館にチェックインをした。旅館の感想としては"綺麗"の一言だ。
また中将達と集まり一緒に夕食を食べることになった。さっきは2人だったがなんと、第一~第八分艦隊、D級艦隊の司令達が一緒にいた。そいえばこいつら"ネズミーランド"やら"U〇J"とかに行ってたな。なんて考えてたが、
美味しい夕食を終え今日は解散になった。各自各々の部屋に戻り明日のために寝ることになった。これで短い休暇の1日目が終わった。
2日目と3日目も色々なところに回った。
よくたった4年でここまで元通りにに戻ったものだ。あっという間に3日間の休暇が終わった。朝一番の連絡船で自分の船に戻った。どうやら私が一番乗りらしい。
まぁ、前半の人達がいるのだがね、後半の中では1番。
第九分艦隊の書類を早いとこ仕上げようと思い自分の執務室に入ったらもう書類が出来上がっていた。どうやら私がいない間に佐竹少将がほとんど終わらせてくれたようだ。あとは私の了承のサインとチェド元帥のサインだけかと思っていたが、もうそのサインも書いてある。あの人。行動早過ぎないかと思いながら、私待ちで申し訳なく思いサインの欄にの了承のサインをした。これで晴れて第5艦隊に新たに第九分艦隊が創設。新造艦も試験航行をした後第5艦隊の指揮下に配属されることが決定した。
第十分艦隊はまだ計画段階のみで創設されるのはまだもう少し先になりそうだった。
1時間後次の連絡船団が到着。そこに副長と作戦参謀長も乗っていた。
(ちなみにキュー中将とみん中将は最後の便でギリギリ到着した)
その後全員が集合。まだあと4日間あるのだが後半の人の意向を確認して第5艦隊は当初の予定を繰り上げ新たな作戦を元に作戦行動を開始した。
ー次回へ続くー
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