マシロが目を覚ましてから4日目。窓から心地の良い陽光が射し込む、14時頃の出来事である。その祝福の言葉は、弟の口から唐突に告げられた。
「そういえば、Lv.6になったんだってな。おめでとう」
「………」
慣れない手つきでリンゴの皮を剝いていたアイズは、ハッとした顔で青ざめた。まるで、親に隠し事がバレた子供のような反応だ。想定していたリアクションとの余りの乖離に、マシロは眉を顰める。
「なんだよ。嬉しくないのか?」
「う、嬉しいんだけど………」
アイズは口籠りながら目を逸らす。確かに、それは本来なら喜ばしい事柄の筈だ。ランクアップに胸躍らない冒険者などいない。特に強さに執着する【剣姫】からすればその嬉しさはひとしおだろう。しかし、今回ばかりは器が昇華する程の激戦に身を投じに行った事を、彼女は猛烈に後悔していた。
「その……、私がウダイオスと戦ってた時に、シロは襲われてた訳で……」
「いや、ウダイオスってお前……」
「いつも通りシロの尾行を続けてたら、今回みたいな事にもならなかったのに……」
「…………」
「……怒ってる……よね? お前だけ好き勝手してって……」
不安に濡れた瞳が銀の少年を射抜く。しかし、怒鳴られる事さえ覚悟していた彼女の耳に飛び込んだのは、呆れたようなため息だった。
「……怒らねぇよ。どんだけ俺のこと低く見積もってんだ」
「で、でも……っ」
「冒険者がダンジョンで負う傷なんて全部自己責任だろうが。それを他人に押し付けるほど、俺は落ちぶれてねぇよ」
「それは……そうなんだけど」
一般論ではそうだ。
仮に重傷を負って戻って来たのが他の冒険者だったなら、アイズも同じことを思うだろう。心配こそすれ、ここまで露骨に自分を責めたりはしない筈だ。しかし、弟の事となれば話は別である。実際、ダンジョンで死にかけているマシロを見つけた時、彼女は本当に彼以外のことがどうでも良くなった。
正直な所、アイズは現状『黒竜』への憎悪の陰りを感じている。そんなものより今は、己の最愛を死の淵へと追いやった『誰か』と、彼の指を食いちぎった『異形の冒険者』を八つ裂きにしてやりたい。ボロボロにされたマシロの姿を思い浮かべる度に、腹の底から黒い炎が際限なく燃え盛るのだ。既に1週間以上経過しているというのに、憎悪は一向に収まらない。
が、それも次の指摘により一旦鎮火させられた。
「つーか、お前いま、『いつも通り俺への尾行を続けてたら』とか言わなかったか?」
「え!? あ……、いや、えっと」
「………」
失言に気付いた時にはもう遅い。テンパりつつもどうにか誤魔化そうとしたアイズだったが、弟から注がれるジト目に早々に白旗を献上した。
「ご、ごめんなさい。シロと話すチャンスがあればいいと思って……。あと、……から」
「あ? なんて?」
「そ、その………女の子も……いたから……」
「…………は?」
カァァァアっと、顔が火照る。真っ赤になったアイズは、羞恥心から金目をグルグル回す。が、言うべきことは言わなければと腹を括った。
「あ、あのね、シロ! お姉ちゃん、シロにはまだそういうの早いと思う……!」
「お、おう?」
「シロも男の子だし、その……可愛い女の子に興味があるのは分かるけど……」
ここで、マシロもアイズが何を言いたいのか察したらしい。鳩が豆鉄砲を食ったような表情で、慌てて弁明を始めた。
「いや……待て待て待て待て! なんでそんな認識になってる!? 男女混合のパーティーなんて何処にでもあるだろうが!」
「好きじゃないの? あのサポーターの子……」
「当たり前だ! つーか尾行してたんなら、俺がそんな素振りしてないのも分かってんだろ!?」
「だって、ヘスティア様がそうだって……」
「はぁ!? あの女神、何を根拠にそんな大ホラ吹いてやがる!?」
よほど衝撃的だったのか、マシロは今日一番の大声をあげた。けれど、神が下界の住民の心情をそうそう見誤るとは思えない。加えて、ヘスティアは疑いようもない『善神』だ。面白半分で嘘を吐くとは考えづらい。
けれど、姉としての直感が『弟は本気で否定している』と告げており……。混乱の末、【剣姫】は自分以外の人間には意義を見いだせないであろう質問を投げかけた。
「じゃあ、私とあの子、どっちが好き?」
「………!!?」
「どっち?」
弟は目を丸くして驚倒する。しかし、アイズは彼の気持ちを理解しながらも催促するように回答を求めた。その有無を言わせぬ圧力は、これまでのマシロに対する駄々甘な態度からは想像も出来ない。少なくとも、【リトル・アイズ】を献身的に看病する【剣姫】の姿を見て来た治療院職員には及びもつかないだろう。
「そ、それは……」
「うん」
「その……」
「うん」
「まあ………お前……だけど……」
「もう大好き!」
感無量。
アイズは間髪入れずにマシロの頭を、腕全体でギューッと包み込んだ。無論、力加減は完璧だ。痛がらせるようなヘマはしていない。そして、それが振り払われる事もない。以前なら拒否されていたスキンシップも、今のマシロは受け入れてくれる。
だが、今回に限って言えば振りほどく努力ぐらいはしておくべきだっただろう。結果論にはなるが、それを怠ったばかりに、姉からの抱擁を受け入れる弟の図を、第三者に目撃されてしまう事になるのだから。
突如、勢いよく病室の戸が開け放たれた。
「目が覚めたんだってぇ? お見舞いに来たよぉ、マシロくーん!」
「!!!??」
「あ、ヘスティア様」
快活な挨拶と共に入って来たのは、先程アイズの口からも名前の挙がった炉の女神だった。そして彼女の後ろに遠慮がちに続くのは、白兎を彷彿とさせる少年と、小人族と見紛う
「べ、ベル!? は、離れろバカ姉貴!」
「んー?」
が、姉は片時も離さない。それどころか抱擁を強め、最後に入室した茶髪の少女に対して勝ち誇った視線をぶつける始末である。
「うわ、すっごいドヤ顔」
「というか……なんでそのドヤ顔をリリに向けて来るんですか?」
「あ、あははは……。元気そうで良かったよ、マシロ」
「よくない……なんもよくない……帰れお前ら……」
「まあまあまあまあ」
茹蛸のように赤くなるマシロを、ヘスティアが愉快そうに宥める。そして、こそっとアイズに耳打ちをひとつ。
「仲直りできたみたいで良かったよ」
「……!」
そして、彼女が何かを言うより早く、お見舞いの品と思しき紙袋を手渡した。仄かに漏れ出る臭いから、中身が『ジャガ丸くん』であると見抜いたアイズは反射的にそれを受け取る。必然的にマシロは抱擁を解かれる形となった。
「…………」
ほんの僅かに、彼の顔が不服そうに膨れる。鈍チンな姉はその様子に気付いていない。まあ、気付いているのはヘスティアぐらいのものだったが。
どうでもいい所で妙な目聡さを発揮する女神は、「おばちゃんに頼んでたくさん揚げて貰ったんだ!」と一頻り胸を張り終えた後、表情と態度を改めた。姿勢を正し、真面目な顔でマシロを見詰め始めたかと思うと、次の瞬間、躊躇なく腰を折る。仮にも『神』である彼女がだ。
「マシロ君。ベル君を助けてくれてありがとう」
「……!」
「親バカって思うかもだけど、ボクは
「ぼ、僕も……! マシロのおかげ生きて―――」
「やめろ」
100%他意は無い……
「そこの
「でも、僕がミノタウロスに勝てたのは……」
「自分の功績を他人の手柄みたいに語るな。言われた方は惨めになる」
「………ご、ごめん」
マシロの言い分に、ベル・クラネルは眉をハの字にして押し黙る。流石にアイズも、今のは『余計な一言』だと思った。このままでは、弟が場の空気を悪くした悪者になってしまう。そう危惧した弟狂いの心配を、黒髪ツインテールの女神は一蹴した。ヒョイッと、軽やかにベッドに身を乗り出し……。
「えいっ」
「!?」
デコピンをお見舞いする。額を抑え、『?マーク』を大量に浮かべるマシロに対し、女神は満面の笑みを向けた。そして、アイズが文句を飛ばす前に口を開く。
「相変わらずデレがないねぇ。『キミの素晴らしい功績をボクの手柄になんかできないよ……!』って、素直に言ったらどうだい?」
「………勝手に良いように取るんじゃねぇ。俺は別に―――」
「いーや、絶対こう思ってるね。だって、キミは
「そういうのは、他に褒めるトコが無い奴に使う常套句なんだよ」
彼の捻くれた返答にアイズは心が締め付けられた。薄々気づいてはいたが、マシロは徹底して、己に対する『良い評価』を拒んでいる節がある。誰しもが持つ自己肯定感……それが満足に育っていないのだ。不遜な物言いをするから分かりづらいが、言葉の端端から自信の無さが滲み出ている。自分が周りより価値のない人間だと思っていなければ出せない歪みだ。それもこれも全部、
「そうかい? じゃあ、優しくもなんともないキミが、なんでベル君を助けようと必死になってくれたのかな?」
「……それは」
「ああ、因みに『助けようとしてない』は通用しないぜ? サポーター君……リリルカ・アーデ君からの証言があるからね」
白い長手袋を嵌めた女神の腕が、犬人の少女に向けられる。彼女はおずおずと一歩前に出た。
「リリ……私が【リトル・アイズ】様を見つけた時、貴方は既に満身創痍でした。身体の傷を理由に、ベル様を見捨てても許される状態だったと思います。ですが、貴方はベル様の元へ案内しろと譲らなかった……」
初めて知る事実に、アイズは弟に視線を向ける。見当違いの発言に困惑している様子はない。つまり、自分の命を蔑ろにしてまで、マシロはベル・クラネルを助けようとしたという事だ。その事実に、アイズは明確にモヤつきを感じた。無論、誰かの為に頑張れるというのは素晴らしい事なのだけれど……。
「結果的にベル様がひとりで倒してしまいましたけど、私はあの時の【リトル・アイズ】様の行動は、賞賛されるべきものだと思います」
「…………気色悪い。自然な顔で何言ってやがる」
「自覚はありますよ。でも、おふたりの行動に、リリも思う所はあったんです」
少女は儚い微笑で締めくくり、一歩身を退く。
次に話始めたのはベルだった。真摯な深紅の瞳が銀の少年を見つめる。
「マシロ……、キミが戦い方を教えてくれたから僕はミノタウロスに勝てたんだ。マシロは違うって言うだろうけど、僕が生きているのはキミのおかげなんだよ」
「あれあれ~? 続々とマシロ君の良いエピソードが出て来るね~? これで『優しくない』は無理があるんじゃないのかぁい?」
「………」
「同じファミリアの子達にも聞いてみると良い。短い付き合いのボク等ですら分かるんだ。他にも、キミの良い所を知ってくれている子は沢山いる筈だよ」
ヘスティアの小さな手が、【リトル・アイズ】の小さな頭に伸びた。ワシャワシャと、しかし優しく銀の髪が揉みクシャにされる。上目遣いで女神を睨む弟の姿が愛くるしい。だからアイズも、無理に炉の神の手を振り払ったりはしなかった。彼の為に善意100%でフォローしてくれているという点も大きい。以前アドバイスをくれた恩もあり、【剣姫】の中で女神ヘスティアという存在は、
「ありがとう、マシロ。僕を助けてくれて。生意気かも知れないけど、次は僕がキミを助けたい。だから……良かったらまた、僕らと一緒にダンジョンに潜ってくれないかな……?」
スッと、ベル・クラネルが右手を差し出す。他でもない、マシロの前に。
ドクンと、アイズの心臓が跳ねた。純真な筈の兎の手が、何か良くないモノの様に見えた。それこそ、死神の手招きにさえも。
マシロは一向に手を握り返さない。
『無言の拒絶』。そう取れるだけの時間が経過する。
悲し気な笑みを浮かべた白兎が、手を引っ込めようとする。
良かった……と、アイズが胸を撫で下ろした。
その時。
「勘違いするな。今の俺は、手がまともに使えない」
「え?」
「見ろ、箸すら持てん」
マシロが両手を掲げて見せた。これまでアイズや布団が影になって見えていなかったであろう腕の先の惨状が顕わになる。包帯でガチガチに固められ、動かせない様にされた両の手が。
「………アイズ。代わりに握ってくれ」
「………え?」
「じゃあ……!」
アイズとベルが目を瞬かせたのはほぼ同時だった。
「その……まあ……、わざわざ解消する理由もないし。別に、また潜ってやらん事も……ない」
マシロの回りくどい発言に、兎の顔が明るくなる。そして、何かに気が付いたのか、露骨に緊張し始めた。その証拠に、差し出されていた右手が小刻みに震え出している。まるで、手を握られるのを恐れている様な……そんな感想を抱いたアイズの横では、炉の女神が暢気に身体をくねらせていた。
「くぅ! 可愛いかよ……! ヴァレン何某君、一回でいいからボクにもマシロ君をギュってさせておくれ! でも、ベル君との握手は一瞬だぞ!」
流石にそんな事は認められない。例え、神ヘスティアであっても。
当然の如く戯言として聞き流したアイズは、軽くマシロの身体を自分に寄せつつ、小鹿のように震える兎の手を見つめ続けた。
白状してしまえば、本当は握り返したくはない。この手を取れば、今後もパーティーが継続してしまう。彼らのパーティーの最高戦力はマシロ・ヴァレンシュタインだ。緊急事態に見舞われた際、メンバーを助ける側の立場になるのは必然的にマシロという事になる。そして、彼はその役割を放棄しない。今回の事でそれが身に染みて分かった。もし、また弟の手に余る相手に襲われてしまったら。そうしたら、今後こそ―――。
パァン。
気が付けば、アイズは兎の手を弾いていた。
乾いた音が病室に響く。
まさかこの流れで拒絶されるとは思っていなかったのだろう。マシロとベル・クラネルの見開かれた瞳が酷く印象的だった。
: :
正直この様な反応が返って来る可能性自体は、ヘスティアもある程度予見はしていた。
ただ、身内の欲目というか……惚れた弱みというか、『こんなに可愛いベル君が女の子に嫌われる訳がない』と高を括っていた面は否めない。
無論、ベルが人柄的に嫌われている訳では無いだろう。彼が素直な良い子・というのもあるが、そもそもアイズ・ヴァレンシュタインとは交流が希薄な筈だ。好かれるにも嫌われるにも関わった時間が短すぎる。
だから、手を払われてしまった原因は別にある。そして、その原因を推測した時、ヴァレン何某の高慢とも取れる態度にも一定の理解を示す事ができた。というか、立場を丸ごと入れ替えて想像してみれば、多分自分も同じような対応をしただろう。そんな風に思いながら、女神は艶やかな唇を動かした。
「まあ、何某君からしたら複雑だよね。勿論、ベル君達は悪くないし、なんだったら被害者なんだけど……、弟君が死にかけたのは事実なんだから」
「………っ!」
女神の言葉に、サーっとベルの血の気が引く。
どうしてアイズに拒絶されたのか、その理由に察しが付いたのだろう。そして、察してしまえば、もう引き下がるしかない。彼女が抱いている不安は、姉として当然のものなのだから。しかし、実の弟だけは食い下がる。
「だからそれはベルの所為じゃ」
「うん、分かってるさ。でも、こういうのは理屈じゃないんだよ。しかも、『ベル君達と一緒に強敵に襲われて死にかけた』じゃなくて、『逃げられる余力があったのに、ベル君を助ける為に死にかけた』訳だからね」
「!」
「キミのお姉さんからしたら、『必要ないのに死にかけた』と、そう感じてしまうんじゃないのかい? そして、パーティーを組み続けるなら、また今回みたいな事が起きるかも知れない」
「それは……」
言い淀む【リトル・アイズ】に、ヘスティアは諭すように言葉を続ける。
「『
「………」
マシロは完全に言葉を失う。
そして、チラリと姉の方を見た。その視線を受けて、アイズはポツポツと本音を吐露し始めた。
「その……正直、私はもう、シロにひとりでダンジョンに潜って欲しくない。私と一緒か、フィン達みたいに強い冒険者と一緒じゃないとイヤ」
飛び出したのは随分と無茶な要望である。
ダンジョンに出向く条件が、『第一級冒険者』の随伴など前代未聞だ。そんなのオラリオの9割の冒険者が満たせない。【ロキ・ファミリア】所属のマシロには不可能ではないだろうが、毎回好きな時に気の赴くままに……という訳には行かなくなるだろう。
しかし、それもアイズの心情を考えれば妥当な条件に思えた。大切な人に危険な場所に行って欲しくないというのは正常な真理だ。事実、『死にかけた』という実績を近々で詰んでしまったのだから実姉が敏感になるのは当然だろう。マシロ自身もそれが分かっているのか、珍しく反論の言葉が出ないようだった。
この時点で、半ば済し崩し的にパーティー解消が成立する。否、正確にはマシロ・ヴァレンシュタインの
無論、ヘスティア的には痛手だ。ベルが女の子と2人きりになる事や、単純な安全面を考慮しても決して喜べる状況ではない。しかし、マシロの身を鑑みれば、彼女の言う様に『第一級冒険者』の同伴が望ましいのは間違いないのだ。幸い、彼はそれが不可能ではない環境にいる。
チラリと、女神は隣りで気落ちしているベルに視線を向けた。仕方がない事とは言え『憧憬』に拒絶されたという事実……。そして、自分の不甲斐なさが原因でパーティーが解消してしまった事にダメージを受けているのだろう。そんな眷属を励ます為、ヘスティアは彼の背中を豪快に叩いた。
「ホラホラ、何をそんなにショボくれているんだい? パーティーを解消した所で、個人的な交流まで無くなる訳じゃないだろう?」
「そ、そう……ですね」
力なく微笑むベルに、幼女神は続ける。
「それに、ヴァレン何某君的には、マシロ君を守れるぐらいの強い冒険者なら一緒にダンジョンに行っても良いんだろう?」
「え、あ、はい……」
【剣姫】からの了承。それを耳にし、ベルがパッと顔を上げる。
愚直な反応に、ヘスティアはニッコリと微笑んだ。
「聞いたね、ベル君? 自分がするべき事が分かったんじゃないかい?」
「は、はい……! アイズさんに認めて貰えるぐらい強くなって、またマシロと一緒にダンジョンに潜ります!」
「その息だ! 落ち込んでるヒマなんてないぜ!?」
「はい!」
眷属を勇気づける事に成功した上で、ちゃっかり目標を『憧れのアイズに追いつきたい』から『友人のマシロの隣に立ちたい』に変更させたヘスティアは思いの外したたかだった。
「こっちの意見も聞かないで勝手に盛り上がってんじゃねぇよ」
ここで、今まで黙っていたマシロが口を開く。
その表情は嫌に真剣だ。
そして―――。
「……3人だけで話がしたい。アイズ、ヘスティア………様、席を外してくれ」
リリルカ・アーデに対し、鋭い眼光を向けて言い放った。
お読みいただきありがとうございました!
あと、ちょっと捕捉です。
マシロが自分の代わりにアイズさんにベル君の手を握らせようとした時のヘスティアの反応ですが、原作通りならきっと妨害していたと思います。しかし、この小説ではアイズさんの矢印が相当マシロに向いているのでヘスティアの嫉妬心や敵愾心は原作よりもかなり低くなっていると思って下さい。
あと、マシロがアイズさんに代わりを頼んだのは、場の流れもありますが姉に恋慕の念を抱くベル君に彼なりに気を遣ったからでもあります。
次回もよろしくお願いします。