嗚呼、「黄泉の艦隊」が往く   作:影鴉

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今回も戦闘描写が酷い……
竜王強いし仕方ないね


 進化

 ハ級が仲間になってから2週間程が過ぎ、智明はハ級を引き連れ資材集めと深海棲艦狩りをひたすら繰り返していた。

 資材を扶養する艦が増えた訳であるが、2隻となった事で資源収集や戦闘の効率は良くなり、資材置き場の貯蓄も少しずつながらも順調に貯まっていく。今日も大した被害は無く智明達は基地の港へ帰還してきた。

 

 

「今日も順調だったね、お疲れ様」

「ハ!」

 

 

 中身がいっぱいになったコンテナボックスを2つ引き上げながら、ハ級や妖精達へ労をねぎらう智明にハ級は元気良く返事し、妖精達も笑顔で答えた。

 港の倉庫にあるエレベーターへ自分が持って来た分とハ級が引っ張って来たコンテナの合計3つを載せ、基地内へ入っていく。

 

 何時も通りにシャワーを浴びて妖精達と夕食を囲み、ハ級と戯れた後、智明は資材置き場に貯蓄してある資材の量をチェックしながら今後の計画を立てていた。

 現在の智明の目標は資材を貯めながら4隻程度の艦隊を編成出来るようにし、周辺海域を攻略していく事だ。艦娘が加わってくれれば言う事無いが大破状態まで追い込んだ深海棲艦を懐かせた方が早いだろう。資材の状況からそろそろもう1隻増やしても問題無い。

 

 

(次の仲間も深海棲艦かな?)

 

 

 深海棲艦について新たに分かった事がある。

 深海棲艦は同族の残骸も食べるのだ。ハ級がダメージを受けた際、倒した深海棲艦を食べさせる事でその場で修復させることが出来るのだ。これは鋼材や燃料でも可能であり、基地に帰って専用の施設を利用しない限り修復が出来ない自分や艦娘よりも効率的ではある。

 

 

「どうしたものかな……?」

 

 

 現状況では深海棲艦狩りをしながら適切な艦を懐かせるのが適切であろう。

 

 

「ま、頑張るか…」

 

 

::::::::

:::::

::

 

 

数日後

 

精油所地帯沿岸

 

 

「喰らえ!!」

 

 

 真下からの急襲による魚雷攻撃に為す術もなく深海棲艦達は撃破されていく。

 

 

「今回も上手くいったね、危なく無かったかい?」

「ハハ!」

 

 

 智明の問いに対し、強気な声で答えるハ級。「大丈夫です!」と言っているのだろうか?

ハ級が仲間になってから智明はハ級を囮にし、自分が真下に潜んでいる位置へ敵艦隊を誘導させた上で急襲する作戦を多く取るようになった。敵の攻撃を1隻で受けることになるハ級であるが、駆逐艦の機動性の高さから敵の攻撃を回避しており、これまで小破より大きな損傷に至る事は無かった。

 

 

「ロ! ロロロ!」

 

 

 智明がハ級を撫でていると、「自分も誉めて!」と言わんばかりに銃口部分が口になった拳銃の様な姿である、駆逐艦ロ級が高い声を上げた。

 このロ級、つい先日に壊滅させた敵前衛艦隊の生き残りである。ハ級の5inch連装砲によって虫の息となった所を丁度良かったので連れ帰ったのだ。

 

 

「あぁ、ご免ご免。ロ級も頑張ったね」

「ロロ~♪」

 

 

 智明がロ級の船体も撫でると嬉しそうな声を上げる。ハ級の様に基地へ連れ帰って修復した後に様子を確認したのだが結局、このロ級も智明に懐いてしまった。今はハ級が戦闘指導しつつ、ロ級に戦闘経験を積ませる為、深海棲艦狩りを繰り返しているのである。

 因みに智明に懐いた駆逐艦ハ級とロ級、ハ級の方がロ級よりも2回り程大きい。何故かというと、ロ級を仲間にする前に智明がハ級を改造及び武装を強化していたからだ。戦艦クラスとまではいかないが装甲を、そして航行速度を強化し、武装として後方への魚雷発射口とUSM発射口を改造で追加した。虎の子であり出費の高いUSMは滅多な事では使わないように言い聞かせてはいるが、これで先手を取れる限り重巡洋艦クラスとも幾らか渡り合う事が可能であろう。勿論、ロ級の方もある程度経験を積ませたら同じ様に改造・強化をしていくつもりだ。

 

 

「さて、撃破した連中の残骸を集め………、新手か…」

 

 

 智明のレーダーに新たに接近している敵艦対の姿が映る。智明自身も艤装を強化しており、火力や装甲、索敵範囲の性能を向上させていた。

 索敵データから敵艦隊の規模は最近メインに襲撃している軽巡洋艦1隻と駆逐艦2隻の3隻編成の様だ。自惚れている訳では無いが、負ける気は無い。

 

 

「これを撃破すればコンテナもいっぱいになるかな?」

「ハ!」

「ロ!」

「遣る気満々だね、良し往くよ!!」

 

 

 智明達は資材の元となる獲物に向かって進撃していった。

 

 

:::::

 

島基地

 

 

「クレーンは来た? 極力揺らさない様に運んで!」

 

 

 夕日が沈み星が瞬き始める頃、智明達は基地へ帰還したのであったが何時もと様子が違った。

 駆逐艦達の活躍もあり、損害無く敵艦隊を撃破した智明達だったが戦闘終了後、駆逐艦ハ級に異変が生じた。智明が呼び掛けても何時もの様に返事する事無く無言のまま、まったく動かなくなったのだ。置いていくぞと言っても身動き一つしないので、ハ級にワイヤーを固定してロ級に引っ張って貰い、自分はコンテナを全て引き受け帰還した。

 

 

「ゆっくり降ろして……、良し」

 

 

 隔離ドッグのプールへ降ろしたハ級であったが、金縛りに遭ったかの様に自分から動く事は無い。

 

 

「一体どうしたんだ…?」

 

 

 ハ級を撫でながら智明は不安の声を漏らす。新しい事が判明したと言っても深海棲艦について、まだ解っていない事の方が多いのだ。

 

 

「ロ! ロ!」

「? どうしたんだい?」

 

 

 ロ級が智明に何か言いたそうに声を上げだした。ロ級の方を向くと口をカチカチさせて何かを食べる動作をしだした。

 

 

「お腹が減ったのかい?」

「ロロッ!」

 

 

 智明の問いにロ級は船体を横に振って否定し、同じ行動を続けた。

 

 

「……もしかして…、ハ級がお腹を減らしている?」

「ロッ!」

 

 

 船体を縦に振り、肯定した。

 どうやら資材を与えれば良さそうだ。

 智明は傍で様子を見ていた妖精に指示を出す。

 

 

「コンテナボックスを此処に持ってきて!」

 

 

 指示を受けた妖精は隔離ドッグから出ていき、数分後、コンテナが運ばれて来た。

 コンテナ1つをハ級の前に降ろし、智明はハ級を抱えて残骸が詰まったコンテナの中へ運ぶ。するとハ級は一心不乱に残骸を食べ始めた。漸く動き出したハ級に智明は安堵しつつ、ハ級の様子を眺める。駆逐艦クラスが30隻入るコンテナの中身は瞬く間に無くなっているのだが、どう見てもその船体の内容を越える量を食べている。

 

 

「…燃料も持ってきて貰うかな?」

 

 

 結局、ハ級はコンテナの中身を全て食べ尽くし、燃料もドラム缶3本分を飲み干した。

 食事を終えたハ級はまた動くこと無く、プールの水面に浮いていたが変化が起きる。

 ハ級の船体全体が何倍にも膨れあがっていく。口の上顎と下顎が離れていき、一つ目があった部位はポロポロと崩れていった。船体の側面と上部に砲塔が、下顎からは青白い人体の上半身が生えた後、ハ級の変化は終わった。

 

 

「これって……、軽巡洋艦ホ級?」

「ホ~」

 

 

 駆逐艦ハ級であった存在はコクリと頷きながら答える。現状を見るに経験を多く積み、大量の資材を摂取した事によって駆逐艦から軽巡洋艦に進化したようだ。

 

 

「進化か……」

「ホ、ホ」

「ロロ~」

 

 

 互いにじゃれ合いだしたホ級とロ級を眺めながら、智明は深海棲艦の新たな事実に驚きながらも進化によって資材を大量消費する問題に頭を抱えるのであった。

 

 

:::::

 

 

1週間後

 

南西諸島沖

 

 

 今日も今日とてホ級、ロ級を連れて深海棲艦狩りに出ている智明、軽巡洋艦が率いる艦隊を蹴散らしながら途中で沈没した輸送船から資材等を確保しつつ、特に被害を受ける事無く快進撃を続ける智明達、持って来たコンテナボックスが後僅かでいっぱいになるであろう状況になる頃、進行先に新たな敵艦隊が待ち受けていた。

 

 

(あれは恐らく、この海域を制圧している深海棲艦の主力艦隊の筈……、まさかホ級、ロ級との3隻だけで辿り着くとはね…)

 

 

 ホ級が飛ばした偵察機の情報から敵は軽巡洋艦ヘ級、雷巡洋艦チ級、駆逐艦ロ級、ハ級2隻の5隻、3対5で武装に魚雷有りが3隻の状況であり本来なら多勢に無勢であろう。本来なら……

 

 

「奴等を撃破出来ればこの海域は開放されるし上手くいけば捕らえられている艦娘も解放出来る…。なら出し惜しみは無しだな…」

「ホ~?」

 

 

 不適な笑みを浮べる智明にホ級が不思議そうに尋ねてくる、智明は笑いながらホ級の頬を撫でる。

 

 

「なぁに、この戦いは全力でやってやろうと思ってね…」

「ロ、ロロ?」

「僕達は貧乏だからね、強力な武器は出し惜しみしないとあっという間に火の車だから…」

 

 

 「今迄適当に戦っていたの?」と言われている様な気がして、智明は苦笑しながらロ級に答える。USMを使い切る訳にはいかないが、現状況の資材量なら10発位は余裕で使う事が出来るだろう、常に資材消費を考えて戦ってきたので、強力な武装も使って思いっきり戦ってみたいと考えていた智明は丁度良い機会だと思った。

 これ迄にロ級も強化・改造されており、本来のロ級より2回り大きくなっていた。進化したホ級も更に改造しハ級の頃に装備していたUSM射出口の他に爆雷投射機と水中探信儀を装備している。

 

 

「さて…この戦い、思いっきり戦うよ」

「ホッ!!」

「ロロ!!」

「この戦いが終わったら資材集めばかりになるだろうけどね…」

「ロ?」

「ま、その時はその時だよ。作戦はプランCでいこう、ロ級は回避重視で敵の誘導、ホ級はロ級のサポートを頼む」

「ホホ!」

「ロー!」

 

 

 鬨の声を上げるホ級達から赤色のオーラが発せられる。深海棲艦が強化されることにより至るエリート化、智明がいつぞや遭遇した駆逐艦にもいた。

 先制攻撃兼牽制に魚雷を放った後、潜行を開始した智明。水上に残されたホ級達は敵艦隊に接近しながら砲撃を開始する、ヘ級艦隊も魚雷を発射しながらホ級達を迎え撃つ。発射した魚雷の内、3発が敵の魚雷にぶつかり水柱を上げる。残り2本も避けられたが想定内だ。

 

 

「ロッ!」

 

 

 ロ級の背後からUSMが2発、発射される。2隻のハ級へ喰らい付こうと飛んでいくミサイルを撃ち落とすべくヘ級艦隊が対空砲撃を開始しようとするが、突如チ級が爆炎を上げて木っ端微塵になる。雷巡洋艦を危険視した智明が海中から魚雷を撃ち込んだのだ。轟沈するチ級に混乱する敵艦隊に容赦なく襲い掛かる対艦ミサイルにハ級は2隻共爆散する。

 

 

「ホーッ!!」

 

 

 ホ級の放つ5inch単装高射砲の砲弾が、広がる黒い煙を切り裂きヘ級を撃ち抜く。船体に大きな穴を空けながら蹌踉めくヘ級にロ級が止めとばかりに21inch魚雷後期型を放ち、ヘ級は撃沈した。仲間の爆発や煙に紛れて生き残っていた敵ロ級であったが、水上へ勢いよく浮かび上がった智明から66cm近接水中ミサイルを叩き込まれ、仲間の後を追う事になった。

 

 

「敵艦隊全滅、この海域の開放成功か…」

「ホッホ!!」

「ロローッ!!」

 

 

 生き残り及び他に敵影が無いか確認する智明を余所に、ホ級とロ級は勝ち鬨の声を上げていた。確認後、無事南西諸島沖を解放できた事に安堵しつつ、ホ級達を撫でながら感謝の言葉を告げた。

 

 

「君達の御陰で無事解放できたよ、有難う」

「ホ~♪」

「ロロ♪」

 

 

 ホ級達は嬉しそうな声を上げながら智明の回りを旋回する。その姿に彼はクスリと笑いながら深海棲艦にも憎悪以外の感情があるのだなと実感した。

 

 

「さ、コンテナボックスに残骸を集めるよ」

「ホ」

「ロッ」

 

 

 智明は海中へホ級達は海面に浮かんだ残骸を集めていく。軽巡洋艦になった事で運べるコンテナの数も1つ増えており、合計5つのコンテナボックスは残骸でいっぱいになった。

 

 

「後は艦娘が捕らえられているかどうか……いた!」

 

 

 ソナー及びレーダーを使い周囲に艦娘がいないか探索していた智明だったが、反応を確認しその現場に向かう。

 理由は未だ不明であるが、深海棲艦の艦隊の中には時折、艦娘を捕らえている艦隊がおり、捕虜として連れ回していたり近くの無人島等に監禁していたりする。

 これまで多くの艦隊と戦ってきた智明であったが、今迄1度も捕らえられた艦娘に出会った事は無かった。従って今回が初めての解放であり、艦娘との対面となる。

 反応した場所に向かうと大きめの岩礁があり、中央に穴がポッカリと空いていた。

 

 

「此処か、何と言うか…いかにもって感じだね……」

「ホホ?」

「君達は新手の敵が現れないか警戒しながら待っていてね」

 

 

 ホ級達を外に待機させ、智明は岩礁の穴へと入って行った。

 果たして捕らわれている艦娘は誰なのか……?




現状報告
・駆逐艦ハ級は進化して軽巡洋艦ホ級になった!
・駆逐艦ロ級が仲間になった!
・深海棲艦に関する新たな情報を得た!
・南西諸島沖を開放した!
・??を救出して仲間にした!


活動報告にて次回登場する艦娘についてのアンケートを設けました。
是非とも回答御願い致します。

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