オラリオに剣客がいるのは間違っているだろうか   作:銀の巨人

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怪しいサポーター?

ロキ・ファミリアの誰よりも早く起きて総司はダンジョンに向かう。

夜とは裏腹に早朝の街は静まり返っており、店の開店準備をする様子や総司と同じくダンジョンに向かう冒険者がちらほら見える。

 

「おや、貴方は確か・・・クラネルさんのお連れの方。沖田総司さん・・・でしたね」

 

総司に声をかけたのは薄緑色の髪をしたエルフの女性。この女性は以前総司がベルに連れて行って貰った【豊饒の女主人】の従業員である。荷物を持っていることから何処かへ買い出しに行っていたようだ。

 

「その服装は・・・あの店の方ですか?」

 

「はい、リュー・リオンと申します。先日はウチの同僚が失礼な事をして申し訳ありませんでした」

 

「い、いえ・・・大丈夫、ではありませんけど・・・大丈夫です」

 

クロエの異常行為を思い出した総司は青ざめて鳥肌を立てる。

 

「尖った耳・・・と言う事は、リヴェリアさんと同じエルフですよね?」

 

「確かに私はエルフですが、あの御方は王族(ハイエルフ)です。私のような穢れたエルフと一緒にするのはあの御方に対して失礼です」

 

「少し卑屈になり過ぎじゃないですか?」

 

「いえ、妥当な評価です」

 

きっぱりと言うリューに苦笑いをしながらレフィーヤや他のエルフ達はリヴェリアの事を様付けしていたのを思い出した。

 

「こんな早朝からダンジョンへ行かれるんですか?」

 

「ええ、最近ベルさんとパーティ組んでるんですよ」

 

「クラネルさんと・・・それは、良き仲間を持ちましたね」

 

その時微かにリューの頬が一瞬緩んだ気がしたが、それを認識する間もなく一礼し、総司の横を通り過ぎる。

 

「沖田さん・・・クラネルさんは私の同僚の伴侶となるヒューマンです。彼の事を頼みます」

 

そう言ってリューは再び歩き始めた。その背中を見送り、この街には自分より強い者が多すぎるとつくづく思うのであった。

 

 

 

 

ーーーーーーーーー

 

 

 

 

バベルの塔前には早朝でも多くの冒険者がダンジョンへ向かっていた。辺りを見渡すと冒険者の殆どが数人でパーティを組んでいてソロで潜る者は少ないように見えた。

 

「やっぱりフィンさんの言う通り、皆パーティを組んでるんだなぁ」

 

総司は誰かと連携して戦うより個人の力で戦う事に長けている。

しかしソロでは以前のように殺されかけてしまうかもしれない。その失敗があるので正式にベルとパーティを組む事にした。

 

「あ、おはようございます、ベルさん」

 

噴水の前で誰かと話しているベルを発見して駆け寄る。

 

「おはよう。今日もよろしくね」

 

「あの・・・ベル様、その方は?」

 

ベルの隣りに居た薄汚れたローブに低身長の割には大き過ぎるバックパックを背負った犬人(シアンスロープ)の少女が尋ねる。

 

「あぁ、紹介するよ。彼は沖田総司。新しいパーティメンバーだよ」

 

「沖田総司・・・? 今、沖田総司と言いました!?」

 

過剰なまでに反応する少女にベルは驚く。

 

「リリ、どうしたの?」

 

「ベル様知らないんですか!? 沖田総司と言えば、最近ロキ・ファミリアに入団した冒険者ですよ! しかもあの勇者(ブレイバー)の推薦で!」

 

「えぇぇ!? 総司ってロキ・ファミリアだったの!?」

 

驚きのあまり数歩下がるベルに総司は首を傾げる。

ロキ・ファミリアはオラリオでも最大派閥と言われるほど強大なファミリアだ。そのファミリアに憧れて入団を希望する者は多いが、実際入団出来るのはほんのひと握りだけだ。

そんな中、総司は推薦されて入団している。その凄さはこの世界に来たばかりの総司には知る由もなかった。

 

「あっ! てことは総司・・・アイズ・ヴァレンシュタインさんとも知り合いなの?」

 

「そりゃあ、同じファミリアですから」

 

「じ、じゃあ、その・・・アイズ・ヴァレンシュタインさんと・・・つ、つつつ、つつ・・・」

 

顔を赤くしてもじもじと俯くベルに疑問を抱くと、何かを察したリリは溜息をつきながら総司に顔を向ける。

 

「総司様、アイズ・ヴァレンシュタイン様には恋人、もしくは伴侶となる男性はいますか?」

 

「リ、リリ、リリリリ、リリ!?」

 

「うーん・・・」

 

総司が考え込んでいる最中ベルの緊張は最高潮まで上がり、鼓動が高鳴る。

 

「見た感じ居なさそうでしたよ」

 

その瞬間ベルは花が咲いた様に満面の笑顔で喜んでいた。その様子を見た総司とリリは分かりやすいと同時に思った。

 

「ベルさんってアイズさんの事が好きなんですね」

 

「い、いやぁ〜」

 

ニヤニヤしながらベルは頬を赤く染める。

 

「アイズさんはファミリア内でも人気が高いらしいから、口説くのなら早くした方がいいですよ」

 

「く、口説くだなんてそんな・・・僕には無理だよ・・・それに僕なんてきっと相手にしてもらえないよ」

 

「感情の浮き沈みが激しい人ですね・・・」

 

いきなり暗くなるベルを見て総司は苦笑いする。

 

「ベル様、そろそろ・・・」

 

「あ、紹介が遅れたね。この子が前に話したサポーターのリリだよ」

 

「リリルカ・アーデと申します。今後ともよろしくお願いしますね。総司様」

 

「こちらこそよろしくお願いします。リリルカさん」

 

笑顔で一礼するリリを見て、総司も笑顔で返す。ベルには仲良くなってくれそうだと思って安心したが、それは上辺だけで、リリは明らかに総司を警戒していた。それに気づいた総司もリリに対して不信感を抱く。

 

 

 

沖田総司に魔法を授けるか迷っています。戦闘の幅を広める為にも欲しい所ですが、侍として刀一筋で成り上がって行くのもありだと思うんですよね。そこでアンケートを取る事にします。

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