オラリオに剣客がいるのは間違っているだろうか   作:銀の巨人

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分かりやすくする為にサブタイトルつけることにしました。


エルフ大乱心

集団で居る時は問題無く話せるのにいざ2人きりになると話す話題が無く気まずくなる現象、それは誰しも経験するものでオラリオ最大派閥であるロキ・ファミリアも例外では無い。

 

(き、気まずい・・・)

 

遠征を近くに迎えた昼間。総司とレフィーヤはそれぞれ回復ポーションや携帯食料等のアイテムを補充している所偶然出会い一緒に帰っている最中だ。

 

レフィーヤは内心空気の重さで押し潰されそうだった。皆と居れば早く過ぎ去る時間も今は一秒一秒をしっかり認識する程長い。因みに総司は特に何とも思っていなかった。

 

「た、確か総司君は他のファミリアの冒険者とパーティを組んでいるんですよね?」

 

「はい!とっても良い人なんですよ〜!」

 

「へ、へぇ〜・・・」

 

会話が続かない。今日は晴れてて心地好い天気なのだがこの空間は雨模様。周りとの温度差が激しい。

 

(私の方が先輩なんだから、しっかりしないと・・・!)

 

「そう言えば最近、アイズさんの様子がおかしくないですか?今日も朝早くから出掛けてたみたいですしーーー」

 

「そうなんですよ!!!」

 

「!?」

 

日常会話程度のつもりで話したのだが、レフィーヤにとってその話しは地雷そのものだった。急に怒鳴るとは思わなかったので総司は身体がビクッとなる。

 

「実はアイズさんはとあるヒューマンに毎朝毎朝訓練(無償奉仕)に付き合わされてるんですよ!!アイズさんは自分から提案したと行ってますが・・・天然のアイズさんを言葉巧みに騙して無理矢理約束させたに決まってます!!本当に図々しいヒューマン、他所のファミリアの癖にアイズさんと2人きりだなんて〜〜〜!!!」

 

若干引き気味の総司を他所に怒気を容赦なくぶちまける。怒りで地団駄を踏む足下の石畳には罅が入っていた。

 

「お、落ち着いて下さい!」

 

人目を引く行為に慌てたのか総司は急いでレフィーヤを宥めようとするがその怒りは収まる様子は無い。

 

「えぇと・・・ん?あれは・・・」

 

あたふたとしていると遠くの方から歩いて来る2人組、あれはベルとアイズだ。何やら楽しそうに談笑しているが今の総司にとっては都合が良い。アイズに押し付け・・・頼めばレフィーヤも落ち着く筈。

 

「アイーー「ベル・クラネルゥゥゥゥゥ!!!!!」ーー!!?」

 

そう睨んでアイズに声を掛けようとした時レフィーヤもその光景を見て更に大炎上、怒りのメーターは臨界点を超えた。全力で地面を蹴り2人(ベル)に向かって急接近する。その衝撃で石畳の地面は抉れ、総司はぶっ飛ばされた。

 

「あの時の・・・って、え、えぇぇ!!?」

 

「レ、レフィーヤ!?」

 

ベルとレフィーヤは何やら既に因縁があるようだ。咄嗟にベルは全速力で逃げる。そのスピードは正に疾風迅雷、それを物凄い形相で追いかけるレフィーヤも電光石火の如くスピードだった。完全に置いてけぼりのアイズはポカンとしていた。

 

「ベ、ベルさん・・・一体何をしたらそれ程まで・・・」

 

ぶっ飛ばされた総司は積まれてあった廃材に突っ込み、埃と木材に包まれながら総司は呟いた。

そしてレフィーヤの言っていた”あのヒューマン”とはベルの事だと静かに悟る。

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

「ふぅ〜。いい湯だな〜」

 

買い物を終えて《黄昏の館》へ帰宅した総司は入浴していた。流石オラリオ最大派閥の本拠(ホーム)、浴場も広く風情がある。しかも今は誰も居らず貸し切り状態だ。

 

「皆と入るお風呂も楽しいけど、偶には一人で静かに入るのもいいな〜」

 

昔はよく近藤や新撰組も隊士達と裸の付き合いをしていたが、それは今もあまり変わらない。ロキ・ファミリアの男性団員達とよく一緒に風呂で談笑している。

 

総司は無意識のうちに愛嬌を振り撒いている事から団員達から可愛がられており、すっかりロキ・ファミリアの一員となっていた。でもやはり年齢に関する扱いは変わらない。

 

「〜♪︎〜♪︎〜〜♪︎」

 

鼻歌を歌い上機嫌な総司。この浴場には大満足しているようだ。そんな時カラカラと浴場の扉が開く。

 

「あら、先客がいましたのねーーーー」

 

「あ、アリシアさんもお風呂ーー「キャーーーー!!!!」」

 

鋭い悲鳴が浴室で木霊し総司は耳を塞いだ。叫び声を上げたエルフの女性はアリシア・フォレストライト。年長者だけあって包容力が高くロキ・ファミリアの姉的存在だ。フィンやリヴェリア等の一軍を支える二軍メンバーの一人でLv.4の第二級冒険者。二つ名は【純潔の園(エルリーフ)

 

「な、何故総司が!?ここは”女湯”ですのよ!?」

 

エルフの名に恥じぬ端麗な顔に加え大きい所も大きく出る所も出ているスタイルは容易に男を虜にする事が出来るだろう。そんな彼女が顔を赤く染めて身体をタオルで隠す様は男心をくすぐるものがあった。

 

「落ち着いて下さいよ。それよりも早く湯船に浸かったらどうですか?そのままだと風邪引きますよ?」

 

「この状況下でも冷静な事言わないで下さい!!と言うか何故ここに!?」

 

「今男湯は満員、でも女湯には一人も居なかった。なら空いている女湯に行くのは当然ですよね」

 

総司は知った上で女湯に入って来たのだ。それも何の躊躇も無く堂々と当然の如く。

 

「なわけありませんわ!!そもそも男性が女湯に入る事自体非常識ですわ!!!」

 

「えぇ〜でも昔は姉上と入っていたんだけどなぁ〜」

 

物心がついて間も無く近藤に拾われ己の強さと剣の事しか考えて来なかった少年時代。試衛館時代の頃もずっと稽古ばかりで銭湯に行く事なんて滅多にない。純粋無垢で見た目も中身も児童と変わらない総司には女湯に入っては行けない理由が分からなかった。

 

「と、とと兎に角早く出て行って下さい!!」

 

「はーい」

 

十分満喫した総司は湯船から上がり出口へ歩く。

 

「キャッ!!ち、ちょっ、前くらい隠して下さい!!」

 

「注文の多い人ですね〜」

 

「私が悪いのですか!?」

 

恥じらうアリシアに対してブーブーと文句を言う総司は脱衣場に入り寝巻きに着替えてから女湯を出ると、男湯から上がった男性団員達とばったり遭遇した。

 

「あ、皆さんも上がったんですか?」

 

「総司!?」

 

女湯から出て来た総司に驚いて全員顔を見合わせる。そして全てを察して総司を睨みつけ怖い顔で襲いかかる。

 

「てめぇ総司!何で女湯から出て来てんだぁぁぁ!!!」

 

「まさかお前!中であんな事やこんな事を!?」

 

「ふざけんな、てめぇ!なんて羨ま・・・けしからん奴だ!!」

 

「そのポジション俺に寄越せぇぇぇ!!!」

 

「え? え? 何ですか? ちょっ、危なッ! お、落ち着いて下さい!」

 

「「「「やかましい!!!大人しくボコらせろォォォォォ!!!!!」」」」

 

暫くの間追いかけ回され最終的にはリヴェリアに見つかり鉄拳制裁で騒ぎは収まった。その後リヴェリアは総司に軽く性教育を施したが終始頭にクエスチョンマークを浮かべていたので流石のリヴェリアもお手上げ状態。程なくして解放された総司が男性団員達に女湯の感想を求められたのは言うまでもない。

 




ヒロインが定まらん。何人か候補は頭の中で出来てるんですけどねぇ・・・丁度良い感じのキャラ居ないもんですね笑

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