「総司、僕達に力を貸して欲しい!」
ロキ・ファミリアの本拠の応接室にてベルとヘスティアは総司とロキに頭を下げる。
ある日アポロン・ファミリアの挑発に乗ってしまったベルはアポロンの眷族と乱闘、一週間程前のアポロン主催の宴にてヘスティアは
現在から3日前。
「なぁ、アポロン。これじゃあ勝負にならない。そこでどうだろう、ヘスティア・ファミリアに助っ人をーーー」
「助っ人などダメだ! これはファミリア同士の神聖なる戦いだ! それに眷族が少ないのは主神であるヘスティアの怠慢だろう?」
尤もらしい事を言ってはいるが内心では確実に勝つ為に必死なのだ。何せ勝った方は負けた方に何でも命令できる。アポロンが勝ったらベルを貰いヘスティアは天界へ強制送還させられる。アポロンにとっては是が非でも勝ちたい勝負だった。
「あら、怖いの?」
「美の女神・・・!」
アポロンを煽ったのはフレイヤだった。ヘスティアやヘファイストス、他の神々は意外だったのか驚いた表情をしている。
「助っ人程度でそんなに怯えるなんて・・・余程自分の子どもを信頼していないのね」
「そーだ、そーだ! 認めてやれよ、助っ人くらい!」
「零細ファミリア相手にみっともないぞ、アポロン!」
「そんなんだから裏で変神とかアホロンとか呼ばれるんだぞ!」
「死ねアホロン!」
フレイヤに続きフレイヤを好きな男神は口々にアポロンに対してブーイングを放つ。しかしフレイヤの一言でプライドを傷つけられたのは事実、アポロンは苦渋の決断で助っ人を了承する。
「くっ、よかろう! 但し助っ人はオラリオ外のーーー」
何かを思いついた様に言葉を切り、数秒考え込む。その場にいた神々が不審に思う。
「ーーー助っ人の条件はLv.2以下の冒険者一人のみだ。何処のファミリアでも頼れば良い。但し参戦した冒険者もこのアポロンが貰う! 主神も強制送還だ! 万が一負けた場合はヘスティアと同じく何でも命令して良いぞ!」
ドヤ顔しているアポロンを余所に他の神々は呆れを通り越してドン引きしていた。
(くくく・・・これなら誰もヘスティアなぞに力を貸す事もあるまい。オラリオ外とは言えLv.3以上の冒険者も居ることにはいるからな・・・これでベルきゅんはこのアポロンのものだぁ!!)
アポロンはこの時“確実に勝った“と内心邪悪な笑みを浮かべた。しかし笑みを浮かべた神はもう二柱いた。
(Lv.2以上・・・おいおい、これはもう・・・決まりだな)
(あの子が頼るとしたら・・・うふふ、面白くなって来たわ)
そして現在より数時間前、ヘスティアはミアハ・ファミリアの本拠でアポロンの譲渡で誰を助っ人として呼ぶか悩みに悩んでいたところーーー
「う〜ん・・・誰に頼めば・・・タケのところ? いやヘファイストスか・・・でもヘルメスに頼むのはなぁ・・・むむむぅ、アポロンめぇ〜! 厄介な条件を〜!」
「神様、助っ人に来て欲しい人・・・もう決めてるんです」
「なぬっ!? それは一体!?」
「着いてきて下さい!」
「べ、ベル君!? て、てて、手ぇ〜!!」
ベルはヘスティアの手を引き部屋から飛び出す。ベルに手を引かれてデレデレのヘスティアは何処へ向かっているのか気づいていなかった。
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「総司、僕達に力を貸して欲しい!」
「ロキ、僕からも頼む。勿論それなりの謝礼はする。この通りだ!」
2人とも真剣に頭を下げる。しかしヘスティアは内心では諦めかけていた。ご存知の通りロキとヘスティアは犬猿の仲だ。了承なんてされるとは思っていない。
「あぁ、ええで」
「え・・・い、今なんて・・・?」
「せやからええって言うとるやんか。その耳飾りか?」
ロキの回答は大変意外なものだった。だが嘘を言っている様にも見えない、本来のロキならヘスティアに手を貸すなど有り得ないのだ。だからこそこんなにあっさり協力してくれるなんて信じられない。
「な、何でそんなあっさり・・・はっ! まさかとんでもない額の謝礼目的!?」
「アホ、零細ファミリア相手にそないな事するか!」
「じゃあ何で!
「ウチは総司の力を信じとる。ただそれだけや」
その一言でヘスティアはロキの考えを理解した。アポロンの出した条件、ヘスティアから聞いた2名の改宗、アポロン・ファミリアとヘスティア・ファミリアとの戦力差、それら全て考慮した上で総司は勝つと確信している。
「それにドチビに貸し作るんも悪ないしな〜」
いつもの軽口だ。だがヘスティアはそれに対して腹を立てることはなかった。
(まぁ、パーティメンバーやし無下にすると総司きゅんに嫌われてまうかもしれんからな)
「ロキ、君にヘファイストスやタケミカヅチと同等の感謝をーーー」
「よさんかい、気色悪い」
照れ隠しをするようにロキはそっぽを向く。
「主君の許可は降りました。さぁ、ベルさん! 一緒に敵を皆殺しにしましょう!」
「相変わらず過激だね!? だけど頼もしいよ、総司!」
2人は熱く握手を交わし3日後の