東方呪魂転   作:吉兎

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その山の頂上に立つ友に

 

 

 

能力で上限の壁を元に戻し、いつも通りの力に戻る。

その頃には、洩矢諏訪子は起きて境内に出ていた。

 

「済まないな。戦力とは言えエンジンを掛けすぎた。博麗神社にはこれからハッパをかけないという確信が欲しくて話し合いをしたかったんだけどな……」

「仕方がないさ。こっちも全力でって言ったもんね。にしても、ありゃスゴすぎだね。今は普通みたいだけど、あれは何さ?能力?」

「あぁ、そんなもんだ。能力までは言わんがな。」

「まぁいいさ、博麗霊夢の知り合いにこんな奴が居るならては出さなかったよ。けど、どうなっても、私らは負けてるけどね。」

「それもそうか、後これ、慰謝料って訳じゃないが、お互いがんばりましょうって事で渡そうと思っていたやつだ。」

 

そう言って白い袋を渡す。諏訪子はその袋を受け取り中身を確認する。すると二度こちらを見て再度袋に目を向ける。

 

「いいのか?こんなにもらってあんな神社にはこんなお金出てこないだろ。」

「あ〜それもそうか。まぁ一応博麗関係の俺の実費だ。霊夢と仲良くやってくれ。後この事は黙っておけよ。そうでなければ、もう一撃お見舞する。」

「わかった。わかったからその笑顔やめてくれ!怖いコワイこわい。」

「わかってくれたならよろし。」

 

ウンウン、これだけ釘刺しておけば何も言わんやろそういや夕刃が静かだなと思い、横に目を向けると……

 

「…………?」

 

ダメだこりゃ、思考が追いついてないや。

 

「おーい夕刃。もどってこーーい。」

「おい、兄貴さんよぉ。どういう事だ。博麗ってのは、守矢神社よりも前にある神社の博麗神社の事だよな。それの関係者ってどゆこと、、生まれてから死ぬまで元の世界にいたのにどうやってこの世界の事を知ったんだ?」

 

そういや、なんにも説明してなかったな。

 

「信じられないと思うが、俺、転生者なんだよ。」

「まぁ、それは知ってた。」

「嘘……だろ……」

「だって明らかに人生1周目感ないし、何か隠し事してることぐらいはわかっていたから。後、あの金髪美女とのやり取りで確信した。」

「なーんでいつも察しがいいんですかねぇ。我が弟よ。」

 

知らんと一蹴りされた後、俺は邪神と呪いに触れないように、説明した。あ、呪いで長生きしているって所は、不老だったってことにした。身体全身が老いなければ、外傷や病気以外では死なないからね。

 

「なるほどね。兄貴が化け物じみた人間だったことにも納得が行く。」

「確かに、けどなんで霊力が転生した身体に宿してるんだ?」

「ん〜それは俺もわからん。なにか意味があるかもしれないし、これが博麗の血筋の生まれ変わりだからっていうのもあるかもしれない。それを調べるにはここが適任だった。だから、ここに残ってるって事だな。」

「俺と全然違うやん。変わりたいとか言った俺恥ずかしぃ!」

「別にそれもいいとは思うけど…ここに住み着く?信者1号として。」

「結構です。」

「(´・ω・`)」

 

一言で終了させられた。諏訪子は驚く程に落ち込んでいる。夕刃だからしかながないよね。

 

「さて、目的も果たした事だし天魔の所にでも行くか。夕刃、案内してくれ。」

「了解、連れて来いって話だったしこちらとしては喜んでって感じだな。」

「おう。じゃ、諏訪子。2人によろしく頼むって伝えておいてくれ。」

「はいよー」

 

そして俺たちは、守矢神社を後にした。

 

 

 

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「お前はどうやってこの世界に入ってきたんだ?結界とか色々あるから普通は入れないんだけど、なして?」

「なんで俺もここに来れたかは知らないけど、多分、守矢神社がここに移動する時に一緒に来たって感じかもな。」

「それってたまたまか?」

「いや、おかしな話。夢で誰かに言われてきてみたら、こんな事にって感じ。声も雑音が混じりすぎて分からないし、中性的な声質だったから性別もわからん。姿も見てない。」

「不思議な事もあるもんだな。」

「そうらしい。後着いた。」

 

見慣れない建物の前に立った俺たちそうすると夕刃は一言発する。

 

「夕刃です。侵入者を連れてきました。」

「うむ。」

 

そう言って突如吹いた風に包まれる。そして今まで見ていた、風景が瞬時に変わる。

 

「よう、小僧。文と夕刃が世話になったなぁ。」

「文はともかく、夕刃は俺の弟だからな。世話ぐらいやくさ。」

「ほう、お主がそうか。でも何故この世界にいるのだ?」

「ん〜俺の場合は帰ってきたって事が正解なんだが。覚えてないか?お前と元族長の引き継ぎの見届けをしたのは俺だぞ。後、お前を長に推薦したのも俺だよな。そうだろ、天魔。」

「転生者が来たと風の噂で聞いていたが、お前の事か、博麗霊威。」

「そゆこと、って事で久しぶりぃ」

「その口調相変わらずよのぅ。」

「名前や身体が変わっても結局魂と記憶は俺だからな。そう変わらんさ。」

 

俺がそう言うと高らかに笑う天魔。横を見ると、夕刃は俺を凝視していた。

 

「おい兄貴。博麗霊威ってどういう事だ?霊威ってそういう事か!!」

「そう、俺は昔博麗の血筋というか博麗家の人間だったんだよ。」

「博麗がどうとかは別にいいんだけど、霊威って、この世界の英雄譚というか、御伽噺の主人公の名前だよな。」

 

こいつが驚いていたのはそういう事だったのか、というかあの御伽噺知っているか!?

恥っず身内に知られているとか恥ずすぎる。っていうか、英雄譚とかにもなってるのか?

俺はそんな英雄のような事はしてない。俺のやりたいことをやりたい様にやってきただけなのに!

俺の顔が恥ずかしさのあまりみるみる赤くなるのがわかった。あー暑い顔が暑い!

 

「そうだぞ、夕刃よ。あの英雄譚は何せこいつがやってきた善行と悪行をまとめた1冊の本みたいなものだからな。この世界の大多数の人間や妖怪達からしたら、正しく英雄のような人間だったからのう。」

「本当に化け物のような兄を持ったんだな俺。」

「本当に化け物よ。本当に敵じゃなくて良かったと心から思うとる。」

「おい、褒めたり貶したりどっちかにしろよ天魔。」

「基本褒めとるのだよ。」

 

そう言ってふふっと笑う天魔と、大爆笑する夕刃。そんなに笑うことか?夕刃くん

 

「それで、こっちに帰ってきた目的は何だ?っと言っても、だいたい察しは着いておるが。」

「あぁ、やり残した事。決着をつけるために帰ってきた。それがどういう意味かもわかってる。」

「兄貴、やり残した事ってなんだよ。」

「前世の俺がやり残した事だよ。俺がやらなきゃで、前世の俺が一番後悔した事をこの世界で果たす為かな?」

「やはりそうか。」

「あんな英雄譚を作りあげたのに後悔することなんてあるんだな。」

「アイツにはアイツなりの背負っているものがあるのだ。それ以上は詮索してやるな。」

 

やり残した事なんて無さそうだろといわんばかりな顔をこちらに見せる夕刃。

とりあえず、色々伏せているけど、流石にこのことに関しては弟を巻き込む訳にはいかない。

事の重大さがわかっている天魔は同じく伏せてくれた。凄くありがたい。

 

「わかった。」

 

それ以上夕刃の口から事の詮索をする発言は出なかった。

 

「後、俺の本名はあまり広げないでくれ。知っての通り1部の奴はいい顔しないだろうし、英雄扱いされると困る。」

「わかっておる。確か唯人だったかの?これからもよろしく頼む。」

「あぁ、宜しく頼む天魔。後そこのダブルスポイラー。もし記事にするのであれば、お前らとお前らの新聞社ごと潰すからな。覚悟しろよ。」

 

初めから感じていたふたつの気配が颯爽と消えた。こんだけ釘刺しておけば大丈夫だろう。俺の正体も知った訳だし下手に動けばマジで潰されると思ってくれればこちらとしても不安要素が少しでも減るだろう。

 

「こちらからも、文とはたてにはしっかり言っておく。そんな事よりも今日は宴会でも開くか?積もる話もあるからのう。」

「ありがたい話だけど、今日はパス。ちょいと先約があってな。」

「あぁ、そりゃ邪魔したのう。大妖怪とは上手くいっておるのか?」

「お陰様で。想い人のままだがそれなりに上手くいってる。」

「兄貴、重たくないか。天魔さんが知ってるって事は前世から好きって事だよな。」

「お、重たい、俺、重たいのか?」

 

思わず動揺してしまう。生まれ変わっても一途な恋しているっていうのにこれが重いのか?いや、重いのかも……

俺にはわからん。

 

「ハハッ、そう言ってやるな。相手も相手で結構重いやつよ。本当はこんな英雄譚や、人々の記憶に残らんように言っておったのに。それを無視して、こうやって皆に覚えて欲しくて約束を破るって、英雄譚を制作させたのだからの。あー相思相愛であついあつい。」

「って誰の愛が重いのかしら?」

「うわっ出た!金髪美女!」

「あのね。人をお化け扱いはやめてくれるかしら?これからこの世界にいるのなら、これにもう慣れて貰わないと。」

「出てくるタイミング良過ぎかよ。どうせ盗み聞きしてたんだろ。いつからしてた?」

「貴方が親族に英雄譚の事がバレて顔を真っ赤に染めてるところかしら?ふふっ可愛かったわよ。」

 

嘘だろ、それなりに始めからやんけ。そしてそれを掘り返すんだよ。

 

「そうかい。可愛いのはお互い様だろうが。」

「そ、そう。ありがとう…」

 

礼を言って赤らめた顔を両手で隠す紫

ハハッやっぱりチョロ。ついでに紫の照れた可愛い顔を見れて余は満足です。

 

「で、迎えに来てくれたのか?」

「ふぇ?あ、えぇ。そうね。」

「ありがとう。夕刃も、うちに来るか?」

「いや、拠点はここに置く。鍛錬相手が多いし、まだ天魔さんにお世話になった借りは返せてないからな。十分だと言われるまではここにいるつもりだ。」

「そうか。じゃ今日は飯食いに来い。俺が久々に腕降るってやるから。いいよな、紫」

「私は構わないわ。彼からはあっちでの唯人とこと聞きたいし。」

「金髪美女さんがそういうならお言葉に甘えようかな。天魔さん出払ってもいいですか?」

「あぁ、構わんよ。兄弟で色々話をしたいだろう。」

「んじゃ、夕刃は借りてくぜ天魔。遠くないうちにいい酒持ってくるからまた飲もうや。」

「うむ。楽しみにしておるよ。」

 

それで、妖怪の山を後にする俺ら。

これから、夕刃を加えて楽しい日々が続けばいいものなのだが…

 

そうする為には、早くあの野郎をぶっ殺さないと行けなくなったな。

まだ、この世界の新たな住人にも挨拶をしないといけないのに……決着はいつになることやら。

 

俺の中に焦りと不安がよぎった。

 

 




……今月4話目の投稿です。

本当に来月からはナマケモノ投稿します。

気長にお待ちください。

それではまたお会いしましょう。
バイバイ
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