初めは話でしか聞かない現代人だった。
幻想入りした神先唯人の弟で文屋の射命丸文の部下として動いていたらしい。
彼が幻想入りしてまもなく、比那名居天子によって“異変ごっこ”が始まった。
彼も文の手伝いとして同行していたそうで天子や魔理沙と戦ったらしい。
私もこの異変の対処していたのだが、彼とは1度も合うこと異変解決した。
彼に興味が湧いたので、異変の後日、魔理沙が神社に来た際に聞いてみるた。
「別にイケメンって感じじゃなかったぜ。というか、霊夢が人に興味を持つなんて珍しいな。もしかしてお相手探しか?」
「そんなわけないでしょ…そんな面倒臭い」
「まぁそれもそうだろうけど、理由くらい聞いてもいいだろ?」
「大きな理由なんてないけど、まぁ唯人の弟だし、現代人の多くは博麗神社に来るでしょ?死なない限り。」
「それもそうだな。今は守矢もいる訳だし、ここも参拝客少し減ったな。」
「はぁ、頭が痛いわ。全くただでさえ少ないのに全く迷惑極まりないわね。」
そういえば彼も守矢神社が幻想入りした時に神社に迷い込んで一緒にここに来たって唯人が言っていたわね。
なにか、関係があったのかしら?
「それで聞きたいことってなんなんだぜ?」
忘れるところだった。
「えぇ、その夕刃って人間強いの?貴方、手合わせしたんでしょ…と言うか、彼、人間でいいのよね?」
「おう、正真正銘人間だったぜ、しかも、唯人のような霊力もなければ魔力も持ってなかったぜ」
「そうなの?それでよく妖怪の山で生き残れたわね。しかも、文の部下って…」
「そうらしいな、あの犬走椛も倒したって話らしい。まぁ、私には及ばなかったけどな」
「で、感想は?」
「正直、魔力なしでって言われたら私の方が負けるかもな。中に浮いた私を咲夜みたいに数発、石の投擲で当ててきたからな。」
「面白い戦い方するのね。」
「それだけじゃなくて、剣術が本当に凄くて、普通に弾幕切ってたしな。意味がわからなく無いか?多分、純粋な剣術だったらもしかしたら妖夢を超えるかもな。」
そんなに魔理沙が褒める事もないのに、やはり、唯人の存在がでかいのかしら?それ抜きにしてもなかなかやるようね、けど能力がないと…
「けど、能力がないとこの世界で戦うのはキツイだろうぜ。実際戦ってる時キツそうだったしな。」
「やっぱりそうよね。」
「あ、あと人間とか人間っぽい人はダメらしいし、女性には無意識に手加減してるかもな。実際、本気を感じられなかったわけだしな、実力が実力だけに勿体ないぜ。」
魔理沙との会話で彼の実力についてわかった、けど、そんなひ弱なことで手加減してしまうなんて彼も長くはなさそう。
幻想入りした人間は、現代から忘れ去られたものがごく稀に流れ着く場所で勿論、神先兄弟のような例外もあるけど、基本は人から忘れられてその魂が幻想郷に着き肉体も蘇って生きられる。多くは交通事故?だったかしら。
幻想入りした人間の殆どは能力なんて持ってない夕刃みたいな人が多く、ほとんどは人里で過ごし、現代には簡単に帰れはしないので、幻想入りしたものは、残りの人生を謳歌するものもいれば妖怪達の糧になってしまうものもいる。
「なんで、そこまでするのかしら?」
「そりゃ、私にも分からないんだぜ。本人に直接聞きくんだな。」
そう言うと魔理沙は箒にまたがり、身体が浮き始める。
「んじゃ、紅魔館に用事思い出したからまたな。」
「えぇ、たまにはお賽銭入れなさいよ〜。」
「それはそれ、これはこれなんだぜ〜」と言い放って魔理沙は紅魔館の方へ飛び立った。
私も、境内の掃除をしようと、掃除用具入れの方へ歩き出した時、鳥居のある石段から軽快な足音が聞こえてきた。
「参拝客かしら?」
私は振り返る事もなく掃除用具入れに向かい、竹箒を手にして、境内へと戻ると見知らぬ男性がそこに膝に手を当てて荒い息を立てていた。
「おっしゃ、多分2分もかかってないだろ。」
どうやら鍛錬のひとつとして石段を駆け上がっていたらしい。なんというか…うちの神社も純粋な参拝客はいないのかしら…
「にしたって、神社か。兄さんはここに何があるって言うんだ?」
「人の神社の石段で鍛えておいて、何も無いって失礼ね。」
「うぉ!びっくりした…」
「で、兄さんって誰よ。」
「あ、あぁ、神先唯人って言うんだけど…流石に知ってるよな」
「えぇ、うちのお得意様?って言った方が正しいのかしら?いや、そうじゃないかも…」
「ふーんまぁ関係ありって感じか。それで貴方は誰って、ん?紅白の巫女?それに両脇で出る…」
そうだけど…両脇?両脇…ンン…////
「どこ見てんのよ!」
いつもの服装なのに言われた途端何故かしら恥ずかしくなってその男性を思いっきりひっぱたいてしまった。
男性は「ヒデブ!!」の意味のわからない声とともに気絶してしまった。ほんとなんなのよ。
落ち着かせるために一旦深呼吸をしてこの気絶した男性をどうしようか考えているともう1人石段を上がる音が聞こえた。
「よう、霊夢。」
声の主は神先唯人、何故か霊力が桁違いに備わってる化け物で、最近よくうちに来てくれてる。何故かしら彼の霊力からは親近感を感じる。そんな存在自体が不思議な一応人間。
「ようって、貴方ね。ここの石段は鍛えるためのものじゃないんだけど…。後、そこに転がっている奴は何者?言い訳や話だけ聞けば知り合いってのはわかるけど。」
「まぁ、説明するからこいつはここで伸びててもらうとして、一応お参りだけはさせてくれ。」
「えぇ、有難いわ。」
唯人が御参りをした後、縁側で話を聞き、起き上がった彼と成り行きで手合わせをする事になった。
初めは、魔理沙から聞いた通り腑抜けた発言をしていたから、挑発してみたら案外乗ってくれた。
結果、挑発によって彼を怒らせてしまい、私は不意をつかれて実質負けてしまった。
激怒して躊躇いのなかった彼は、冷酷な顔をして私に迫ってきて、容赦なく急所や隙を狙ってい。私もそれを防ぐことしか出来なかった。
挙句の果てには、私の知らない力を使ってリタイア一歩手前まで追い込まれてしまった。冷静に対処出来たら防げたかもしれない。
だけど、あの唯人が本気で手を焼いているほどだったので、彼が敵じゃなくて良かったと傍から見て本気で思った。
それから数日後、唯人がとんでもない事を言ってきた。
内容は、“神先夕刃”の住み込み修行との事だった。
理由はこれから異変解決できるほどの技術と彼が持っていた刀、“黄昏の碧刀”のコントロールらしい。
私は、興味と彼等に対しての謝罪としてその事を受け入れることにした。
-----------------------
「そんなんじゃ当たんないわよ。もっと距離と間合いを考えなさい!」
「るせぇ!そんなすぐできるかっての!」
「あんた、年下に散々言われて悔しくないのかしら?」
「ここでぐうの音も出ないぐらい叩きのめす。」
彼を挑発しながら私は切りかかってくる彼の太刀筋を読み避ける。
これは、彼が平常でも同じように力を出せるようにする為と感情に揺さぶられても、“黄昏の碧刀”の力を暴走させないようにコントロールするための特訓。
日に日に、コントロールは良くなってきてて、あとは、感情の起伏さえ自分のものにして平常時に同じぐらい出せるように持って行ければいいぐらいになって来た。
実際、魔理沙とこの神社で再戦させたら、あと一歩のところまで追い詰めていた。魔理沙曰く
「私の目に狂いはなかったぜ、あの眼光は完全に人を殺められる所まで来ているんだぜ。」
だとか、その後は「けど、まだまだだぜ。」煽り、キれた夕刃にボコボコにされていた。
煽った時に止めようとも思ったけど1度痛い目に会うのも悪くないだろうと放置したら案の定だった。
そして今日何故か私も誇らしく思ったし、嬉しくもなった。
住み込みで修行している為、洗濯以外の家事は分担している。
唯人の言っていた通り、彼は炊事や掃除、あと水回りのことまでこなしている特に料理の腕はかなりのもので私の知らない料理も多くどれも美味しかった。
唯人曰く、「人が生きていく上で自分ができて当然になっていて、それが男仕事とか女仕事だとかは関係ない。」だとか、何故かしら私の中で何かが揺らいだ感覚があった
そんなこんなで彼と修行の毎日を過ごす中、異変が起きた。
私はと夕刃は異変を解決すべく、旧地獄へと向かった。
その中で夕刃は鬼の星熊勇儀と互角の戦いをみせ、悟り妖怪の古明地さとりからの心を読み取られながらの戦闘も上手にこなしていた。
最後、霊烏路空との戦闘も彼は刀の能力を使い見事に空中戦もできるようになっていて、途中、私が参戦しなくてもちゃんと戦えてた。
そんな彼の成長を感じながら戦闘を傍観していた時、私の不注意で攻撃が私に向けられた。
私は負傷覚悟で防御を取れるように立て直していたけが、夕刃が代わりに攻撃を受け止めてくれていた。彼は少し文句を垂れつつもそのお陰かどうか知らないが、霊烏路空を撃退することができた。
-----------------------
異変解決後、博麗神社で宴会が開かれ、夕刃は注目の的で彼の周りは人集りになった。
その輪に入る余地もないし、そんなに興味も湧かなかった…むしろ、多少の苛立ちさへ覚えた。
「なーに一人で飲んでんだ?」
「魔理沙、か。どうかしたの」
「私で悪かったな。もしかしてあちらが良かったか?」
と言って魔理沙の目線は夕刃の方へと向いた、彼女はウキウキしながら話しかけてくるが、私は苛立ちも相まって、無視してお酒を飲んだ。
「そんなツンツンするなよ霊夢。彼氏取られて拗ねてないでさ。」
「べ、べつに彼氏とかそういうのじゃないわよ!!」
「ふーん、霊夢にしては珍しい。なんか乙女チック。」
何が乙女チックよ…と思いながらも、実際嫉妬まがいの気持ちと、寂しさを感じてる。
「もしかしたら、あの中で夕刃に求婚してる奴がいたりしてな…って霊夢?」
そんな事言う魔理沙に対して、無条件に睨みつけてしまった。魔理沙も「おー怖い怖い。あおいねー」なんて言ってきた。
「にしても、霊夢も変わったよな。普通だったら修行なんてことスルーするのに。」
「夕刃のことに関しては、私に否があったし、謝罪の意味を込めて唯人から受けただけで……」
「でも彼から目が離せないと…か〜わかってないぜ。」
図星で黙ってしまった。
少しの間をお酒を飲んで誤魔化すと、魔理沙が口を開いた。
「別にいいだろ。好きとかどうかは置いておいてさ。中がいいやつは気になるだろ、今私が霊夢のこと気にしてこうやって話しかけたのもそうだしさ、中がいいやつと知らない奴が話してたらそれが気になるのも自然だろ。そういう事が霊夢に少なかっただけだぜ。」
そう言われてみると、確かに。今私が好きとかどうとかじゃなくて、私は現に夕刃に“惹かれている”。
いつの間にか目で追ってしまってるし、彼が私以外の誰かと話していると気になってしまう。あと、彼が作るご飯やそれを一緒に食べる事が楽しみになってるのもそうだ。
なんか心の全ての気持ちにちゃんと言葉がつけられそうな気がした。
「ありがとう魔理沙。」
「そう言われると、なんか照れるぜ。」
これからどうなるか分からないけど、私は夕刃との時間を大切にしよう。
この気持ちが好きとか、嫌いとか、そんなちゃちな言葉で片付けられる日が来たとしても。
皆さんが思う原作の霊夢ってどんな感じですか?
あまり興味を示さないとか、クールとか、めんどくさがり屋とか、
そんな博麗霊夢から少しでも今回の霊夢が変わってると思って欲しいと書いたんですが、変わってなければそれはそれで
違和感を感じてくださったのならそれもそれで…
ということでまた次にお会いしましょう
バイバイ