「「「ありがとうございました。」」」
「おう、また遊びに来いよー」
俺が幻想郷に戻ってきて1週間がたった。
今俺は人里に児童館を作った。何を言っているか分からない奴には、今から俺が説明しよう。
あの宴会の次の日、俺は人里に降りて良さそうな土地を探しに行った。今は幕府とかそういう奴らは土地を支配しているわけじゃないし、賃貸がある訳でもない。かと言っても、そりゃ自分使う土地になるのだから、周りの人達にも一応許可取りや、顔合わせ。そして紫の許可等をもらった。これに2日費やした。残りの3日で建物を立て、設備を整え、諸々して昨日のお昼頃から、この児童館を使えるようにした。
児童館って言ってもそんなの仰々しいものじゃなくて、子供が安全に遊べる場所を確保した所って感じだな。今は様子見をして、これから武術や剣道とかそういう習い事などの場所提供ができるもいいなぁと考えている。俺が教えることもできるし、道場も設備としてもう立てている。ほんと、後は人々に受け入れてくれるかどうかって所やな。
紫が俺の現代にあった物をこっちに持ってきてくれたし、俺との記憶も現代から消してくれたみたいだ。これからも迷家で暮らしてもいいって言われたから後は俺がいる分の食費とか生活費を一応稼いで置いとかないとな。前世で働いた金をまた俺が使うわけも行かんし、それはちゃんと博麗神社に還元されてるわけだから。今の生活は今の仕事をしてちゃんと貰っとかないと。とか言いつつ、これを立てるためのお金は前世の働きから出した訳だけどな。ありがとう、前世の俺。
「何にせよ。先ずは情報集めだな。子供達もお邪神のお話は知らないけど、俺の活躍はおとぎ話みたいになってるし一体全体どーなってんだ。」
とりあえず、日も暮れてきた事だし、今日は閉館して家にでも帰りますか。
そう思い、館内に入ろうとした時話しかけられた。
「立派な一夜城だな。歴史上のどの中でこんなに早くできた建物もないだろう。」
「一夜城って言ってもな、野戦のために建てた訳じゃないし、というか城じゃないし。」
「と言っても、これから君の拠点になる訳だろう?異端児君。」
そう言われて、俺は後ろを振りかった。後ろには、腰まで長さのある、青のメッシュの入った白い髪に、青い帽子を被り青い上下一体となっている服を来た女性が立っていた。
「どうして異端児だと?ワーハクタク。」
「その言い方は失礼と思わないのか?霊威君?」
「昔から俺の事を異端児と言う奴は基本酷い呼び方で返していたと思うけどな、慧音さん?」
彼女は確かにと言いその後笑った。全く人に教鞭を執っている奴の茶化し方じゃねーよ。
「にしても久々にだな。今でも寺子屋で子供たちに読み書き教えてるって聞いたぜ、慧音先生。」
「私も今日、教え子達から良い遊び場ができたって喜びながら教えてくれたぞ、霊威。」
「んま、昔より楽しい遊びを覚えてきたからな。これを活かすならこういった場所で子供たちに教えて遊び場を提供するのが1番だろ?と言っても俺の趣味全開だけどな。」
「君はいつの間にロリコン?と言うやつになったんだ?」
は?どういう事?と言うかこの世界にロリコンと言う言葉が浸透しているのか…まぁ、他の幻想入りした人間とかが言っているんだろうな。
「違う違う、そうじゃない。俺が好きなのは将棋だ。将棋に近い物や考えるゲームとかが好きなのは知っているだろ?そっちだよ。」
「あぁ、そっちか。見た目の割には渋い趣味だよな。将棋ってさ。」
「まぁ、今考えると古いかもなぁ。けど、この施設に置いているのは将棋もそうだけど画期的な奴も多いぜ。立ち話もなんだから、建てた施設見学でもするかい?お前の生徒達が遊ぶ場所なんだし色々確認したい事も有るだろう?」
「えぇ、私もそのつもりで来たんだ。それじゃ失礼するよ。」
そう言って俺は慧音を案内した。
「なかなかいいものだな。」
「だろ?結構な自信作だ。あとはちょっと暇が出来たら武術教室でも開こうかなとな。」
「いいじゃないか、子供も鍛えられて遊べる場所の提供。実に君らしい。」
「何処がだよ。」
「昔から自分の利益より、他人の為にと動く精神がさ。しかも子供のこととなると半分我を忘れるぐらいに。」
「まぁ、散々見てきたからな……今でも俺が生きている事を皆呪ってるんじゃないかと考えるよ。だから今生きている子達には安全に元気よく過ごして欲しい。それだけの事。」
「その発言を聞けるだけで、君が博麗霊威だと確信が持てってもんだ。」
「そりゃ、良かったな。」
そういった後、俺たちはお茶を啜った。
昔から考えたら、今の幻想郷はとても平和なのかもしれない。人間も妖怪もその他種族も手を取り合ってちゃんと生きている。
多分昔よりは、流行病とかも少ないし、子供たちの寿命も伸びているだろう。けど安全に安全を越したことはない。そう思ってしまうのは自分の運命のせいだろう。
「そういや、俺の活躍とかが昔話になっているんだが、ありゃ一体どう言うとこだ?」
「大妖怪から聞いていないのか?」
「大事な事はなーにも話してくれないんですよ。あの子。」
「大妖怪をあの子って言い方できるのはほんと君ぐらいだよな。」
「そうか?まぁ、そんな事より、どうしてこうも今の幻想郷は落ち着いているんだ。少しは警戒があってもいいと思うが…」
「あぁ、そりゃ妖怪達は警戒してるさ、現閻魔や、花の妖怪、元月ノ姫に、不死身の少女までもがそれなりにあの邪神には警戒している。」
「どれも聞き覚えのある奴らばかりだな。」
「えぇ、ここに長く滞在している長生きの者ばかりね。」
「なるほど、お前が能力で歴史を食らったと。」
「そういう事ね。で、稗田一家があなたの活躍をおとぎ話として書き残したわけ。」
なるほど、この説明だと全ての合点がいく。
慧音の能力である歴史を食べる程度の能力で、誰かが書き記した俺や邪神の事を片っ端から消して、その後当時の稗田家当主がおとぎ話として全て書き換えたみたいだ。
こうすることで、言い伝えさえなければ記憶を引き継げない種族は俺の事を忘れて、おとぎ話しか知らない事になるのか。
確かに、俺に関する全てのものを消してくれと紫には言ったが、おとぎ話を作れとは言ってないし、妖怪の様な長生きな種族は俺の事覚えてるんだよなぁ。
「けど、一体なんでこんなことしたんだ?あいつ」
「私も本心までは分からないが、大妖怪曰く、自分の為だとよ。君の昔話を肴に1人で呑んでも面白くないだと。まぁ皆、君の事は覚えてていたいみたいだよ。」
「そうかい…そりゃ前世は長生きしててよかったって話だな。」
「君は本当に自分に対して興味が無いんだな。全くもっと大事にしたまえ。」
「今回はな。」
その返答に、慧音はやれやれと言わんばかりの顔をこっちに向けた。
「なんだよ。」
「呆れてる他ないだろこの顔は……じゃ、今日は邪魔したな。」
「おう、後、今の俺の名前、神先唯人だからそう呼んでくれ。」
「あぁ、ではまた。」
そう言って慧音は帰って行った。
有益な情報も聴けたし、今後の行動の仕方も大体わかった。
「俺も今日は帰るか。」
そう言って背伸びをした時。横の空間からスキマが開いた。
「調子はどう?」
「手応えはあるかね。後、慧音に速攻でバレた。」
「こんな物を“1人で”“短期間で”建てれるのどの世界にも歴史にも貴方しかいないもの。そりゃ目立つし怪しまれるものよ。」
確かに、そりゃ俺が迂闊だったな。今後は少し気をつけよう。
「早く帰りましょ。今日は貴方が料理するんだから。」
「おう、先帰って待ってろ。」
「えぇ、わかった。」
「あっと、ちょい待ち。」
そう言ってスキマを閉じようとした紫を呼び止めた。
「どうしたの?」
「そのーー。ありがとな。」
「何がよ。」
「お前の勝手な我儘かもしれないが、俺の知り合い達から俺の記憶を消さないでくれて、ありがとな。」
「なのよ。貴方らしく無いじゃない。」
「そうかもな。まぁ、そういう時もあるってことで……紫、本当にありがとな。」
「……変なものでも食べたかしら?」
そんなにらしくないか?素直に礼を言っているだけなんだけどなぁ。まぁ、伝わらないなら、感謝した時には素直に言いまくってやろう。きっと恥ずかしがるだろうが、これは感謝を受け取らないアイツが悪い。
「それじゃ、先に帰ってるわね。」
「おう。俺も直ぐに帰るわ。」
「まってるわ〜」と言いながら、スキマから手をヒラヒラとだし、その数秒後スキマは閉じられた。
「美味い飯作るか……」
お久しぶりです。僕です。
これからまた月一ぐらいで投稿出来ればなんて考えています。
それでは次話お会いしましょう。
バイバイ