さて、俺は今この緑髪の美人に傘を向けられ絶体絶命なんだが、何故俺もこうなっているのか全く分からないんだ……
事の発端は10秒前に遡る。
そう、10秒前……俺は誤って向日葵畑にポツン咲いていた小さい花を踏んでしまった。
以上
「で、貴方の言い訳を聞いたのだけれども、その他遺言はないのかしら?」
「遺言はねーよ。俺、死なないから。」
「威勢のいい人間は嫌いじゃないけど、貴方、どうやってここを凌ぐの?」
確かにそれは彼女の言う通りである。ここで彼女の弾幕を交わしたとしよう。そうしてしまえば、周りの向日葵まで被害が及び更なる危険が俺に迫り来るだろう。
能力である壁もそうだ、反射した弾幕で周りがどうなるか分からない。
さて、どうしたものか……
「その顔、何も無い顔ね。」
「!?」
やっべぇ、バレてんのか。
「終わりね。」
そう言われ、構えている傘の先端から、極太ビームが発射された。
しかしその光線は俺に当たることなく上に上に向かっていった。
あの思考中に傘の先端と俺の間に壁を作りそれを曲げて、光線でも弾幕でも上にあげれるようにした。咄嗟に作ったので曲げ具合が曖昧で完璧に上にあがるかどうかは賭けみたいなものだったが成功した。
薄く壁を作っても壊れないのが俺の能力だ。本当にこの能力でよかったと痛感した。
「顔に出てた割には、貴方やるじゃないの」
「ありゃブラフって奴だ。」
「いや、そういう顔じゃ無さそうだったけど?」
「ありゃ、誤魔化せなかった。」
女性は、俺に向けていた傘を指した。どうやら、落ち着いたようだ。
「で、私に用が会ってきたのよね。何用かしら?」
「話が早くて助かる。花の種とか球根とか、苗とか色々と、欲しくてな。」
「花屋に行けばいいじゃないの?」
「出来れば、普通の花じゃなくて、それなりの力があるような物がいい。それを媒介にして結界を作りたくてね。」
「それは妖力でもいいのかしら?」
「十分だね。」
「じゃこっちに来て。」
多分くれるのだろう。俺は彼女後を追った。
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「美味っ」
球根等を貰った後、向日葵畑内にあるテーブルでハーブティーを頂いていた。
「口に合って良かった。」
「そういや名乗ってなかった。神先唯人だ。」
「そう、風見幽香よ。」
不思議そうにこちらを見つめ、幽香は名乗った。
「どうした?そんなに見つめても惚れんぞ。」
「何を馬鹿なこと言っているのか分からないけど、あなたに惚れることなんて絶望的にないわ。」
「まぁ、そうだろうな。」
「貴方に似た口調と能力に似た化け物に心当たりがあってね。」
「化け物呼ばわりとは、そいつ何仕出かしたんだ?」
多分俺のことだろうけど、黙っていた方が面白そうだ。顔には出さないようにしておかないと……
「えぇ、私を退治するために、あたりの花畑を周りの妖精ごと消し炭にしたり、その後に私をボコボコにして、その後済まないと謝ってきたわ。虐めるのは好きなのに、いじめられたのはあれが2度目よ。しかも屈辱的と考えたら、彼がいちばん酷いかしら。」
全てに心当たりがあった。
やっべぇ、俺。そんなDV男みたいなことしてたのか……そう思うと自分の行動を悔い改めなければな。
「そりゃ、災難だったな。」
「えぇ、そうね。結局何一つ彼には敵わなかったわ。私アイツを半殺しにするまでは死んでやるものかと思っていたのに、先に死んでしまうんだから。面白みも全くないわね。」
ふっと冷ややかな目をする幽香。多分、遊び相手が減ったのが少し残念そうみたいだ。
いや、俺遊び相手だと思われてたのか、てっきり友人と思っていたのにそれ以下だったとは……
「そういや、アイツも花を媒介に結界を張っていたわね。もしかして、貴方あいつの生まれ変わりだったりするの?」
ホント、前々から本当に感の鋭い妖怪だよちくしょうめ。
「そうだと言ったら、ボコボコにでもするか?」
「いいえ。例えそうだとしても、アナタ今、弱いじゃない。弱いものいじめは大好きなのだけれど、弱い彼には興味が無いの。」
「そりゃ、素直で結構だ。」
「で、本当のところはどうなのかしら?」
おっと、誤魔化しきれませんか………
まぁ、さっきの言葉が本心で言っているかどうか分からないが、正直に話すのが吉だと俺の博麗の感がそういっているようだ。
「正真正銘、博麗霊威の転生者だぞ。」
「そう、じゃ死んでもらっていいかしら。」
再び、俺の眉間には傘の先端が突き付けられた。やはりこうなるか……
「それとこれとは別って事かよ。」
「えぇ、勿論。体の丈夫さからしたら貴方は本当に弱くなったわ。いじめても楽しくない程に……けど、霊力は寧ろ前世以上。不思議ね。どうしたらそうなるのかしら?」
「それは俺も知りたいところなんだっての。で?絶体絶命なのは俺の方なんだが、ここからどうするんだ?」
「ただ、甚振るだけよ。先ずはそのド頭にマスタースパークをぶち込むかしら。そのあとは、貴方の行動次第ね。」
不敵な笑みを浮かべて突き付けられた先端を更に俺の眉間にグッと押し付ける。
能力が知られている分こっちが不利なのは確かである。眉間と傘の先端に隙間はない。
そう、隙間は無いのだ。
「一撃で沈んだら困るけど、サヨナラね。」
そういって、俺はマスタースパークを直撃
せずに、不発に終わった。
寧ろ、魔力暴発が起こり傘が爆発し、木っ端微塵になった。
ちなみに俺の顔もそれなりに火傷したが、まぁ、死んでないだけ儲けもんだ。確実に紫に怒られるだろうが、事の顛末を話せば納得来てしてくれるだろう。
「何をしたの」
「簡単な事だの前に氷と水貰うからな。」
そういって、俺はまるでありかを知っているかのように氷と水を取りに行った。
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「簡単な事だ。俺の能力で、お前の銃口に壁を貼った。行き場のない力は暴発してあの様になる。それだけの事だ。」
「貴方、今はタダの人間の癖にあんな無茶苦茶な方法を取れるなんて、ホント変わりないのね。」
「俺だって、本当はこの手段は取りたくなかったさ、幽香が俺の額にガッツリ銃口突き刺すからこうするしかなかった。それがいちばん平穏に終わる解決策と自信もあったからな。」
顔を冷やしながら俺は口だけ動かした。顔面がヒリヒリする。自業自得とはまさにこの事であろう。全く、やれやれだ。
「本当に面白くない人間ね。けど、おかえりなさい、霊威。また遊び相手が増えて嬉しいわ。」
「俺は友達だと思っていたんだけどなぁ、幽香。」
ふふっと笑いかけたがそれが心の底から笑っていないのは長年の付き合いでわかる。
「えぇ、友達よ。たまに殺し合いをするほど仲の良い友達ね。けど、さっきも言った通り、弱い貴方には興味が無いの。さっきの傘暴発のあれで確信したわ。確かに貴方は霊威だけど、その怪我、前のようにすぐには治らないし、致命傷もかすり傷程度だったものが、本当に致命傷になってしまう。だったら、張合いが無いわ。」
「まぁ、体は本当にただの人間だから、前みたいに大胆には動けないのは、すごく大変だな。」
本当にこの体は不便だ。前世のように頑丈ではないし、諸刃の剣のような戦い方はできない。し、無理をすることだって出来ない。
無茶ならさっきやって見せたが、それもどれぐらいだったら自分へのダメージがないかを全て計算しないといけない。
前は死にかけでも生きていればどうにかなったが、今回、死にかけにでもなれば、近いのは生よりも死であることをしっかり自覚しなければならない。
「貴方本当に霊威ね。何かを考える時の顔が前世にそっくりよ。」
「あぁ、嘘は言わんさ。んで、今後ともよろしく頼むぜ。」
「何をよろしくされるかは、知らないけど、退屈しのぎぐらいさせて欲しいものね。」
そういって幽香はハーブティーを口にした。
完全に敵視されていたらと思うとゾッとするが、どうやらそうでも無いことがわかったことだけでも儲けものだな。
時期になったら貰ったものを埋めてその花を媒介に結界を張る作業だな。
もしもの時に、里の人達が児童館を避難所にできるようにしておかねば。
その後、幽香と昔話に花を咲かせ、いい具合の時間で俺は児童館に球根等を1度置いて、迷家へ帰った。
案の定、帰ってきて俺の顔を見られたあとこっぴどく叱られた。
紫はわかるが藍ちゃんまでにも……
明日、永遠亭に行ってきます。
UA1000人越えました!!
いつも読んでくれている方、この話数から読んでいる方、ありがとうございます。
これからもゆっくりですが、投稿していきますのでよろしくお願いします。
という事でまた次話、お会いしましょう
バイバイ