東方呪魂転   作:吉兎

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月光と不死の煙が交わる方へ

 

 

 

前回のあらすじ…最善の行動をした結果、顔に火傷を負った。

 

という事で、幻想郷にいる凄腕の薬師の所へ行く為に、とりあえず人里へ降りた。

 

人里から歩いて行ったところ、迷いの竹林の入口へとたどり着いた。すると、丁度いい所に白いもんぺに似たような物を来ている少女が、出てきた。

 

「うっす、もこたん。ちょいと永遠亭付近まで送ってくれねーか。」

「あ?誰だ。見かけない顔だね。」

 

そういって、この少女。藤原妹紅に軽く睨まれた。

 

「慧音から聞いてないのかよ。妹紅。」

「そういや、慧音がなんか言っていたわね。誰かが帰ってきたとかなんとか……思い出した。お前博麗霊威か。」

「よっ、久々。」

 

妹紅は俺の全身を見回して、ふーんとなにかに納得したような顔をした。

 

「ほんとに転生したのね。けど、なんで霊力は死ぬ前より増えてるのよ。おかしいじゃない。」

「俺もわからん。能力もそのままだし、転生してから俺もわからん事だらけだ。」

「へーお前にもわからない事ってあるのね。」

 

そりゃ、俺だってわからんこともある。円周率が割り切れるのかどうかとか、宇宙はどれぐらい拡がっているかとか……誰かの言葉を借りるのであれば、“何でもは知らない。知っている事だけ。”って感じだな。

 

「んで、案内は頼めるのか?」

「いいよ。案内するよ。」

 

そう言うと妹紅は歩き始めたので、俺も続いて歩き始めた。

やはり迷いの竹林と言うなだけ、真っ直ぐ進んでいるのに数分で何処にいるか分からなくなってしまうような感覚に陥ってしまう。

昔はそんな事もなかったのだが、十数年も訪れてないと、流石の俺も辿り着くのは困難である。いや、冗談じゃなくてマジで。それこそ、数年空いて訪ねに行った時ガチ迷いしたもん。それも何度も……

そんな昔話を妹紅としながら歩いていた。

 

「霊威でも間違える時あるんだな。」

「俺だって万能じゃないからな。後、名前。今の俺は神先唯人って名前があるんだ。今後はこっちで呼んでいただきたい。」

「また、面倒な事を言ってくるね。」

「仕方がないだろ。博麗霊威って広まったら少々厄介でな。いないとは思いたいが怨まれ事には巻き込まれたくは無いからな。」

「お前がやらかしていた側にいるのに、それに怯えるなんて男らしくないぞ。」

 

そういってバシバシと背中を叩かれる。

俺だって、博麗霊威ここにあり!!と堂々といった方が動きやすいし、邪神討伐へと動き出せるというものだ。だが、俺が何故転生して、能力が戻ったのか分からない以上迂闊に動けないから伏せて欲しいのだ。

 

「まぁ、その顔の火傷を見る限り、唯人も霊威の時みたいに頑丈じゃないみたいだしな。」

「そういうこって。身体はただの人間さっき昔なら、不死身のお前とも思いっきり戦えるが、この身体はそうもいかないんだ。」

「で、永遠亭って事か。お前蓬莱の薬が欲しいとか言うんじゃないだろうな。」

「まさか、流石に蓬莱の薬は要らん。ただ、これから厄介になる医師にでも挨拶がてら、この火傷を見てもらうって事だけ。」

「ふーん、やっぱり人間の身体って不便よね。」

「お前は不老不死になったとは言え人間やろがい。」

 

そうだった。と、いかにも自分は人間じゃないみたいな反応を妹紅はした。不老不死になって1000年以上経つと自分がどんなのかわからなくなるんだろう。実際永遠亭のお姫様と幾度となくヤりやっていたし、今でもそれは続いているのかもしれない。相手も不死、自分も不死となれば感覚が狂ってしまってもおかしくはないのだろう。

 

「まぁ、気にすることも無いわ。ほら、ここらから何も気にせず真っ直ぐ歩くと着くわ。」

「おう、ありがとな。今度御礼させてもらう。」

「いい酒持って来なよ!あんたが飲めるかどうかとかじゃなくて私が全部飲むから。」

「おk、んじゃまたな。」

 

じゃーなーと手を振り来た道を真っ直ぐ戻って行った妹紅。俺もそれを見届けたあと、1歩目を踏み出した。

 

するとどうだろうか……いきなり地面が抜けて、俺は真っ逆さま。訳も分からず地面に落ちた……訳でもなく。すぐさま落ちた直ぐに地面と空中の間に壁を作ってそのまま階段状に作り上げた壁を上がり落ちる前の地面へと到着。

多分あの因幡の兎のせいだろう。よくもまぁ凝りもせずに続けているものだ。

 

「誰か落ちたな!、落ちたヤツも間抜けだなぁ…………あれ?どちら様?」

「ん?あーさっきの落とし穴に落ちた人。」

「え!?嘘だ!3mぐらい穴掘ったのに出れるはずないじゃん!」

「それが出れたんだよ。ほら穴の上たってみ?」

 

そういうと、落とし穴を作った張本人である。うさ耳の付いたピンク色の服をまとった少女は、恐る恐るであるが穴に向かって足を踏み入れた。

 

「フェ!?落ちない……どういうことよこれ!」

「ん?あぁ、こういう事。」

 

完全に俺の能力で塞いである穴に乗っている少女に向かって指を鳴らす。すると幼女は目に見えぬ早さで下に落ちていった。

 

「ギャブン!!」

「そんな擬音漫画でしか聞いた事ないぞ……自業自得という事でじゃあな。」

 

能力で空中と地面の間に道沿いに壁を張り巡らせ、落とし穴対策をする。さっきの言葉に返事がないということは多分気絶したんだろう。あのようなことじゃ死ぬ妖怪じゃないしな。んじゃ、このまま気にせずれっっらごー

 

と思った矢先に朱色の弾丸系の弾幕が俺の横を通過する。

 

「おいおい、今日はなんでこんな災難続きなんかねぇ。うさ耳のおじょーちゃん」

「こちらとしては、今すぐお引き取り願いたいところなんです。」

 

セーラー服を身にまとったうさ耳のじょーちゃんはそう行ってくる。

手を銃を表すポーズをし、こちらに向けている。

 

「んな事知らんけど、永遠亭に用事があるんだ。見ての通り顔の火傷を直して欲しいんだ。そこを通して貰えな……」

 

言いかけると、右から大量の弾幕が降り注いできた。

ギリギリで躱し、撃たれた方向を見る。

そこには赤と青の服を着こなす。綺麗なお姉さんがいるではないか……マジか、永琳まで相手かよ。

 

「おいおい、患者に対して2対1かよ、永琳先生。」

「確かに貴方は負傷者見たいだけど、今日の診察は終わりよ。また来世で診察しに来なさい。」

 

全く聞く耳持たずか……さてどうしたものか。先ずあのうさ耳嬢ちゃんを無力化するかね。じゃないと、危ないと本能が言っている。が何だ……嬢ちゃんを見てると頭がフラフラするわ、何だか暴れたくなるというか、どこか自分の理性を失って来るというか…………

 

「……ッ!」

 

俺は思いっきり舌を噛み何とかこの異様な気分から抜け出した。

 

「イッテェ……やっぱりヤバいのは嬢ちゃんの方か?」

「気づいたかしら、鈴仙アイツから距離を取りなさい。」

「わかりました。」

 

ホント厄介だな。永琳は能力的は戦闘向きでは無いにしろ、弓を持っている辺り本気みたいだし、その矢や弾幕にどんな薬を混ぜているか分からないから当たりたくはない。かと言って、そっちに気を取られていると、嬢ちゃんの能力か何かわからん精神攻撃にやられる。全くどうしてこうなった。どうせ俺が覚えてないだけで、過去大変な事をしでかしたんだろうな……

けど、戦うしかない。

 

「始めてで成功するかどうか知らんけど、とりあえず使ってみるかね!【壁符】トラップハウス」

 

始めて使うスペルカード。能力である壁を使って瞬時に迷路を作り出す、結界方式のスペルカード。中心に俺がいて、あらゆるところに弾幕が出るような仕掛けになっている。

さてここまでたどり着けるかね。もちろん空は飛べないように上には蓋をしてある。

 

「何ですかこれは〜〜」

「結界……だけど違うわね。壁は能力みたい。」

 

流石に永琳には気付かれたが俺の狙いはお前じゃない。

嬢ちゃんの精神攻撃が嬢ちゃんの目によるものだとしたら、先ず彼女を生け捕りにしなくてはならない。

俺は自分の能力を使いまるで不正をするかのごとく一直線で、うさ耳嬢ちゃんの所までつっきった。

 

「うわっ!って何処から出てきてるんですか!!」

 

壁から出てきた俺に対して、お嬢ちゃんは驚いているようだ。

 

「まぁ見ての通りそこからだけど……まぁそんな事はさておき恨みはないけど、ちょっと箱の中で大人しくしておいてくれ。」

「へ?……ひゃっ!」

 

情けない声とあともにお嬢ちゃんを弱体化するぐらいの霊力を帯びた空間に閉じ込めた。

目で見られちゃ困るため、色も黒で目立ち、視線をしっかり遮断できるようにした。

 

「ふぅ、あとは永琳だなってさっきまで俺がいたところに差もう着いたのかよ…本当に末恐ろしいわ。」

 

して、俺は迷路の壁を能力でとっぱらって、ただの箱状の空間にした。

 

「迷路が消えた……」

 

迷路をとっぱらって見えたものは、驚きと冷静が同居している顔をした永琳だった。

 

「よ!数百年ぶり!八意永琳センセ!」

「貴方みたいな人間、私は知らないのだけれど?…いえ、容姿だけは見た事はないわ。」

「まぁ、そうだろうな。転生したなんて言っても大半の人は信じないし。」

「けど、姫に手出しするなら容赦はしないわ。貴方には悪いけど、ここで潰しておかないと。」

「と言っても、うさ耳嬢ちゃんはこの箱の中で到底出られやしないし、永琳もわかってるだろ。俺に1度も勝ったことないことぐらい。別に争いたくないんだよこっちは。」

「そう、じゃこっちはリベンジ戦ということで要があるわ。」

 

そう言って臨戦態勢に入る永琳。流石に覚悟を決めるか?さっきあんな大口(事実)を叩いたが今の俺だと流石にギリギリになるだろう。使いたくないけど使うか?

 

そんな思考をフル回転している一瞬にして俺作った壁達は粉砕した。

 

砕け散った後、元に戻った世界には、黒髪ロングの少女が1人増えていた。

永琳が守りたい人の張本人、月の姫蓬莱山輝夜だ。

 

「あら、今日は死人が客かと思ったけど、随分楽しそうな人間じゃない。」

「そういう輝夜嬢は外出許可は出てるんですかね?」

「遊び相手に困っていないのだけど、貴方のようなぶっ飛んだことをしでかす人間あまりいなくて、退屈なのよ。」

「そりゃ、贅沢なこって。で、俺はどうしたら?」

「生き返った経緯を聞きたいのよ。こんな事滅多にあるわけじゃないもの。永琳良いわよね?」

「まぁ、本当に敵意がある訳では無いみたいですし、わかりましたよ姫。」

 

とりあえず、戦闘は避けられたな。輝夜嬢には感謝せねば……あ、うさ耳の嬢ちゃん解放しないと。

俺は嬢ちゃんを囲っていた壁を全てとっぱらった。

 

「く、苦しかった…って師匠、輝夜様!」

「とりあえず、屋敷に帰るわよ鈴仙。」

 

そんなこんなでやっとこさ、永遠亭にたどり着けた。火傷の治療も終え、塗り薬もらい、とりあえず事なきを得た。

 

「で?なんでまた帰ってきたのよ?」

「邪神が討伐されてないからだな。封印場所は地獄でいいんだよな?」

「ええ、今は旧地獄と呼ばれて観光地になっているわ。さとり妖怪やらが温泉と言う新た

な観光地と一緒に管理しているはずよ。ってあの大妖怪に聞いていないの?」

「いや、聞く機会がなかっただけだ。多分答えてくれるとは思うが、まぁ、あいつはあいつで忙しいからな。」

 

そんな普通の話を輝夜嬢と繰り広げる中、うさ耳の嬢ちゃんは警戒心を解かずピリピリと視線をこちらに向けている。

霊力でそれなりに軽減はしているものの、緊張の糸を解けばひとたび能力に魅入られそうになる。

 

「鈴仙。彼は博麗霊威の生まれ変わり、神先唯人よ。」

「博麗霊威って……あの月に最悪をもたらした人間ですか!?」

「あぁ、自分の不甲斐なさと苛立ちで不満を発散させる為にしたあれか。あの頃はまだ俺も若かった。」

 

そう、遠い日を思い出すかのような目をするが、鈴仙と呼ばれる彼女は警戒心を増す一方であった。

 

「貴方のせいで姫様の捜索が打ち切られたんですよ!そんな理由で月への単独侵略をしないでください!」

「いや、侵略しに行ってわけじゃないんだが……」

「本当にその話はいつ聞いても面白いわね。あの綿月姉妹2人相手に互角の戦いをするほどの人間この世界にはいないもの。あの二人の苦戦する顔を想像しただけで可笑しくなるわ。」

「そんなに笑うことか、輝夜嬢。あと、今後はそんな馬鹿な事もできないからな。永遠亭にも喧嘩は売らない。怪我治してもらいたいし。」

「確かに、霊威は兎も角、唯人は霊力や運動神経がすごくいいだけのタダの能力持ちの人間よ。試しに普通に検査したけど何の変哲もないない人間なのよ。前とは違うわ。」

 

永琳がそういうのであれば、そうなのだろう。S気質はあるが、医者としてはピカイチだからな。

 

「まぁ、永琳の言った通り。能力や霊力がそのままでも昔の身体では無いから無理はできないしそんなに丈夫じゃないんだ。ここで喧嘩を売って、治療出来ないとか致命傷だからな。その為には少しぐらい実験台にでもなってもいいという覚悟できてはいる。」

「そう、それは嬉しい話ね。」

 

やっべ、永琳がニコニコし始めた。こりゃ正直に言い過ぎたな。けど仕方ないか。

 

そういや、なんか忘れてんな?まぁ、思い出せないって事はさほど重要な事ではないって事だな。

 

 

 

 

 

 

「あの野郎!!次は絶対に落とし穴に落としてやるからなぁーーー。」

 




新年度になり仕事が落ち着かなかったので投稿が遅れました。

また月一出来れば頑張ります。

ではまたお会いしましょう
バイバイ
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