1週間前、面倒な事が起こった。
基本は紫がその面倒事の発端というか協力者になっていて、その協力者を経て新しい神社が妖怪の山に立ったというのも語弊があるな……引越しと言ったらいいかな。
とりあえず、信仰心を求めて妖怪の山に守矢神社が引越してきた。
んで、博麗神社に喧嘩を売ってきたみたいである。結果は博麗神社の敷地内に分社を置くことで和解したと聞いた。
まぁ妥当な判断だろう。
という事で、神様かなんかわからんが俺も昔は博麗の家の人間なので挨拶に行こうという事で妖怪の山に着いた。
「相変わらず色んな種族がいるねぇ。あと監視の目がすごい。もうめっちゃ睨まれてるわ。」
妖怪の山を監視している天狗たちからの視線がすごい。そういや、千里眼持ってた白狼天狗がいたかな?
とりあえず、森を歩くのはリスクがありそうだし、どう足掻いても侵入者扱いされるのなら、能力使って空でも歩くか。
俺は能力を使いそのまままっすぐ妖怪の山頂上付近にある諏訪大社に向かった。
余裕綽々と歩く俺に俺に急接近する飛行物体。それを軽く交わす俺。さて、この速さは誰かわかったものの相手は俺の事をわかってないらしい。
「狡猾な侵入者がいるものですね。」
「俺はお前らの領空はおかしてないと思うが?」
「確かに、私たちは領空を所有してませんが、監視は貴方が森に足を踏み入れた事を見てましたので、って堅苦しいですね。全く私は一新聞記者というのになぜ私なんでしょうかね?」
「それは、お前の上司しか知らないからなんとも言えん。」
「まぁーそうですよね。けどここで引き下がると色々面倒なんですよね。なのでそれなりの相手はしてもらいますよ。」
全く、結局そうなるんだよなぁ。
「んじゃ、お手柔らかに」
そう言って彼女、天狗で記者の射命丸文は弾幕を放ってきた。
俺はやる気もなかった彼女の意志を受け入れ、自分の周りに壁を貼って、俺と一緒に着いて来るように仕掛けた。要するに無効化オーラを身につけたって感じに。
文の弾幕は俺の周りに貼った壁にあたり爆発する。
「あやややや、こりゃダメみたいですね。じゃ、スピード勝負ならどうです?」
文は素早く動き始めそれは目で追えなくなっていく。流石、幻想郷一最速と言われているだけあってそのスピードはさすがの俺でも追い掛けて捉えるのは無理だろう。
だが、俺の感ではちゃんと追えている。よし博麗の感はバッチリ戻ってきてるな。
その感で予測した場所に分厚い壁を置く
ぶつかるまで……3……2……1……
「ふぎゅっ」
そんな情けない声を出して思いっきり壁にぶつかった後、ズルズルと落ちていった。
「まぁこの手は1度も使ったことないからなぁ。にしても情けない声をあげて落ちていったな。」
さて、多分邪魔者もいなくなったし、守矢神社に再出発とするか。
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「到着っと。」
俺は能力である壁にから降りて当たりを見渡す。あまり代わり映えしない神社であるが掃除等は隅々まで整っている。その他も整備もしっかりされて、いい雰囲気も出ている。
確かに博麗神社が無くなれば、それなりの信仰心は集められるだろう。実際そんなに悪くは無い。
とりあえず、お参りでもするか……
二礼二拍手一礼
それからお願いだっけか?
喧嘩売るわけじゃないけど、博麗神社がさらに盛り上がりさらなる進展がありますように。
よし、嫌がらせ完了。そしたら挨拶して帰るか。
そう思った途端、後ろから声をかけられた。
「嫌な予感がしたと思ったら、貴方、霊力持ちですよね。私と同じですね。」
緑髪の少女が話しかけてきた。
「そうみたいだな。で?どうするつもりだ?」
「いえ、危害を加えなければ何もしませんよ。しかし、お願いが博麗神社って言うのが気に入らないものですね。」
「あ?聞こえてた?」
「勿論ですよ。諏訪子様は楽しげみたいですけど、神奈子様は結構お怒りみたいですよ。人間さん。」
「その霊力だと、神子も務まるし私たちの相手に不足は無いわね。」
「神奈子の言う通り、神遊びにはピッタリね。」
おいおい後ろから神様2人が出てきて3対1かよ。
「あのー見逃したりはしてくれないですよね?お祭りもまたいつかって事でどうスっか?」
「ほかの2人はどうか知らないけど、私は前回の博麗の巫女と白黒の魔法使いにやられて少々苛立っているところに追撃を食らったもの逃がしはしないよ。」
「私は、ただ遊んで欲しいだけだよ。だから、早くお祭りを、神遊びをしましょ。全力でね!」
全力ねぇ、確かに神2人と遊ぶならこの状態じゃ半日かかるかもしれない。同時に昔の身体じゃないんだ。だったら、上限解放するしか手はないな。
「おk、全力って相手するが殺しても知らねーからな……先ずは自己紹介だ。俺の名は神先唯人だ、覚えておけよッ!」
そう言って俺は地面を蹴り、緑髪の子に思いっきし蹴りを入れる。無抵抗の彼女はぶっ飛び転がる。
その後能力で、箱を作り彼女を拘束した。
「あの早苗を一撃で沈めたとは、中々やるのね。」
「ちょいと加減できねー事してるからな。これ以上はあの子に傷を負わせるのは死を意味するからな。当分起きないと思うが念の為に守っとかないとな。」
「あんた、結構危ないのね。」
「基本は温厚だぞ。ちょいと戦闘狂ってだけでな。」
俺は能力で自分の限界の壁をひとつ壊した。だからさっきの少女が漫画のようにぶっ飛んだって訳だ。あと壁は2つ。此奴ら相手だったらあとひとつで十分相手にはなるが、俺の身体は多分負荷にはギリギリだろうな。一応鍛えておいてよかったって言うのと、この身体の不自由さが渦巻いた。
「さて、お祭りを再会しようぜ。」
2つ目の壁を壊す。それを確認したあと再び地面を蹴る。
先程の射命丸よりも素早く、そして一撃はさらに重くなる。
2人は一撃を食らったあと、大きくノックバックする。その後、弾幕の雨を俺に向かい降らしてくる。
「鈍い……」
その弾幕もどんなに隙間が狭くても針の穴を通すかの如くスルスルと交わす。
けど、視界や思考はスッキリ、ハッキリしているしアドレナリンが放出しっぱなしである。
「何だあの人間。流石に人の範疇を超えているわ。」
「あーうー、こりゃ負けちゃうかもね。」
「確かに、一撃だけで半分以上持っていかれたのよ。追撃が来たら不味いわ。」
彼女らは、俺から距離を離れ始めた。だが、
「おせーよ。」
俺は思いっきり地面を蹴り空中へと舞う。2人ではなく二柱に向かって飛び、すぐさま彼女らを囲うように壁を作りそのまま箱にして結界を貼る。
咄嗟のことに彼女らはあっけに取られたみたいだ。
「この結界、私たちじゃ壊せないわよ。どうする?諏訪子。」
「こりゃお手上げだよ神奈子。能力使っても無理だ。」
「チェックメイト!!」
ゼロ距離で霊力弾をぶっぱなす。彼女らは気絶し、箱の底面に落ちた。
俺はそのまま箱を地面に降ろし、緑髪の彼女の箱共々能力を解いた。
「やり過ぎたな。だからやりたくないのに。アドレナリンも出るし、脳内麻薬であるドーパミンも分泌するからな。使い過ぎると身体だけじゃなくて、力に飲み込まれる……ってことは全くないのだが、それでも余り良くないからな。」
さらに壊した壁をもう一度意識化で作るのは難しい。何も考えずに集中して30分でようやく1枚って所なのに……
ほんと、永琳との戦闘で使わなくて良かった。
さてとりあえず守矢神社の室内に移動させるか……1時間もあれば彼女らも起きるだろう。
さて、動かすか。
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「ふぅ、これにて完了。」
彼女らを布団に移動し、それを終えて外で伸びをした。
さてこれから集中して壁を張らねばってところで俺の目の前に男性の背中が見えた。
鍵の剣で戦うゲームに出てくる何処ぞの機関のような黒いフード付きのローブを待とう男は口を開く
「侵入者ですよね。一応、天魔さんから言われてるんで、排除します。」
真剣を持った聞き覚えのある声が響く。
「あ〜なんでこんなに俺と敵対したいヤツらが多いんだよ。」
「それは知りませんが、貴方の力のせいじゃないんですかね。まぁ、関係ないですけど……では行きます!!」
速攻で近ずかれ、一閃を放つ。
予備動作はほとんどなく、素早い抜刀。
あまり見た事はないが、太刀筋だけは知っている。これで全てに合点がいったが……
「よっ、ふっ、はっと。」
まだ能力は解放中。考えている事をしながら躱す事は造作もないがさてこれをどうやって止めるか。
考えても拉致があかなそうなので
「ふんっ!」
Z戦士では無いので二本指で止めることはまず無理なので思いっきり、踏ん張って止める。
「なっ!初めて止められましたね。」
「んじゃ人を斬ったことでもあるってのか?」
「いえ、まさか。真剣を人間相手に使う事自体初めてですから。」
「妖怪を殺したことは?」
「ないですね。致命傷を追わせることはあってもトドメは刺しませんし、その程度じゃ死なないこともわかってます。あの生々しい切れ味はあまり経験はしたくないので。」
「それじゃ、その他所他所しい話し方と剣を収めてくれないかなぁ、夕刃くんよ。」
その言葉にやっぱりかという反応をしたあと納刀し、フードを取った。
「よ、兄貴久しぶり!」
「お前なぁ、人に向けて刃を向けてはいけませんって育てたのに……」
「そんな育て方された覚えないし、というか、兄貴が育てた訳ちゃうやろ。」
「まぁ、それもそうだが。何故此処へ?」
威圧を含む声で質問する。この世界は平和とはいえ、人間離れした奴らも大勢いる。
遊び半分で来ていいところではない。夕刃の今までの話し方では流石に甘過ぎる。それなりの覚悟が聞ければいいのだが……
「ん〜あっちの世界がつまらないからがってのが1番の理由だけど、此処で俺は変わりたいんだ。あっちではない経験をここでは出来る。」
そう言って我が弟は真剣な目をして、俺が向けた威圧をはね飛ばすかのような覚悟をその瞳に宿し、さらに言葉を続けた。
「最低限の力はある。射命丸さんや犬走さん、そして、守矢神社の東風谷早苗とも互角に戦える。一応、天魔さんからもこの世界で生きれる力はあるってお墨付きも貰った。だから、兄貴の相手をしてくれって安心して言ってもらったしな。」
天魔のお墨付きか……妖怪の山の長が言うなら一応信じてみてもいい。実際、俺が能力を使って余裕綽々出会ったけど、それなりの力があるのは認める。
「変わりたいんだ!!俺はただ兄貴の後ろにいるだけの人間にはなりたくない!兄貴がいなくなってから、俺は兄貴に依存していたことがわかった!だから!俺は俺でいる為に、その意味を作る為にここに残りたい!」
そうか、昔から俺はあいつを甘やかしていたのか……
それで俺がいなくなった途端、自分の無力さに気づいて俺をすぐさま変わりたいと願いそしてその行動に移した結果が今の夕刃の姿なのか……ほんと、行動力だけは俺を超えるよ。剣道だって俺がやってたわけじゃないのに、進んで初めて世界一の称号まで掴んだってのに。
「わかった。そこまでの覚悟があるのなら、これ以上は何も言わん。記憶処理も紫に頼むか……おーい現場のゆかりさーん。」
「はーい、今私は守矢神社境内にいまーす。って何よこのやり取り。」
「ってかテレビも無いのに完璧に返したのに俺はびっくりしてるわ。」
「で?彼は……あぁ貴方の弟ね。なんでここにいるのか分からないけど。」
「き、金髪美女!?兄貴は知り合いだったのか?じゃあ、俺らの記憶を消したのって…」
「ん?俺が頼んだ。こいつ以外適任は居ないし、いきなりいなくなったら困るだろ。そういや、お前も対象だった筈なのに何故記憶があるんだ?」
「しらねーーよ!全く取り越し苦労かよ!」
「あ〜なんかすまん。」
激怒している夕刃。まぁこれは説明してない俺が悪い。
「まぁとにかく、君の事もあっちの世界から消した方が良いのかな?」
「いえ、消さないでください。あっちの世界で悲しむ人もいると思いますが、僕のことを覚えてくれる人がいる事ってことはそれだけでも嬉しいですから。あと、一つだけ頼んでいいですか?」
「何かしら?」
「月一手紙を実家宛に書くのでそれを届けて欲しいんですけど、それだけでもお願いできないですかね。」
「結構面倒なのよ。あなた一人の為にそこまでしようとはあまり思わないのだけど…」
あまり乗り気じゃない紫。まぁ、わからなくはないが、ここは弟の味方をして置くかな?お詫びってことで紫に頼むか。
「すまん紫。俺からも頼む。勿論こいつの分の対価も俺が払う。一つだけなんでも聞いてやるから。お願いできないか?頼む!」
紫の前で腰を90度曲げて手のひらを合わせ懇願のポーズをとる。
「貴方…今なんでもって言ったわよね。」
その言葉には何か不味い雰囲気が漂ってくる。けど、弟のためだ。頑張れ俺。頑張れ長男。頑張れお兄ちゃん!
「あぁ、俺に二言はない。」
「唯人、貴方冷や汗流れてるわよ。」
「うぐっ、だがもう言ってしまったものはしょうがない。」
「じゃ、約束よ。忘れたりしたら…ふふっ」
そう言って彼女は消えていった。悪魔との契約であるが、弟の新たなる門出の為だ。大丈夫。オレナンデモデキルコワイモノナンテナイ
「兄貴大丈夫か?顔色悪いぞ?」
「し、心配するな。とりあえず、手紙は欠かさず出せよ。」
「あぁ、わかった。ありがとう。」
「謝罪の意を込めてだ。そして、これからは頑張れよ。俺は本当に必要になった時には必ず手助けしてやる。何せ、兄弟だからな。」
「本当にありがとう。それでこれからもよろしく。」
俺らはお互いに巨人軍監督のようなグータッチをして、その場であがる笑い声は、曇りもなく何かモヤモヤが晴れた声が響いた。