GATE 魔弾の王と自衛隊。かの地においてかく戦えり。 作:caose
あの戦いから暫く経ち・・・ティグルの身の回りは・・・変わり始めた。
街は自衛隊達が交代制で来ていることからPXと呼ばれる売店が出たことから
自分たちも変えるのかと聞かれたところ取敢えずは物々交換から始めて
お金については要相談となった。
更に言えば周りも変わり始めた。
地質調査を行い資源やその土地の土壌を調べてそれに合う野菜や果物の選抜。
井戸については水脈を掘ってそこから湧水が出るように汲み取り式の
ポンプの製造。
周辺の生態調査。(野生の龍がいますよとティグルから伝えられ時に伊丹は
『(流石異世界)』と呟いていたそうだ。
まあ、殆どは鹿とか狼とか猪とかそんな程度である。
陣地については国境線にあるヴォージュ山脈と呼ばれる山の山道や獣道に
監視カメラを設置したり一定の時間であるがドローンを飛ばして様子を見たり
街にある壁には新たに機関銃を設置したり検問所(初めに作った無人の場所で
自動的に写真を撮り、各検問所で通ったか否か、又は山から来たのかを
チェックしたりしていた。
そしてそれは・・・周辺の貴族や領主も然りであった。
街の舗装や交通安全教室、学校の設立(最初は嫌な顔をしていたが
時と場合によっては通わなくてよいと言っている。)、農場や家畜場の整備等
多岐にわたって行われている。
これらは自衛隊が侵略者ではないことと征服しないと言う事を市民に
伝えるためである。
そう言う地道な努力も相まって少しずつであるが自衛隊と仲良くしても
良いではないかと言う者たちが少なからず程いた。
然しそんな中に置いてもティグルの仕事は・・・多かった。
自衛隊の駐屯地となる土地の借用に伴い森の開拓に男衆を出しているために
給料の清算と整備に伴う騒音の被害調査、自衛隊がやる緊急的な医療のやり方の
教授、死んだ兵士たち(全員敵)の埋葬(殆どが肉片になっていたり鎧が
皮膚と癒着しているためそのままにしている)、民たちとの交流やその他諸々を
これまで一人でやって来たのだが伊丹達も加わって・・・
何とかなると言った処である。
そんなティグルは現在ユナヴィールと言う村に着いた。
人口は200人ほどの小さな村であったが直ぐ近くに森がある為に村の人達は
そこに逃げ込んだようであった。
それを聞いてティグルはホッとしている中で伊丹達は外で遊んでいた。
無論今回は『UCR-10』は使わないのでバイクや車などで来ているのだが
村の子供たちは興味津々で突いていたり中に入って寝転がっていたり
バイクに跨ってキャッキャッと笑っていた。
「ティグル様、今回は儂らに避難するように伝えてくれて
ありがとうございます。」
「いや、そちらもお元気でなによりだったけど・・・被害については?」
ティグルは少し重い口調でそう聞くと村長はこう返した。
「被害ですか・・・何も何もないと言えば嘘に聞こえますが保存用に作っていた干し肉や貯蔵していた作物を幾つか連中に奪われました。」
「・・・もしかしてそれって・・・あれか?」
そう言ってティグルは窓から見えるトラック一杯に積まれている・・・
食料を見てそう聞くと村長はこう答えた。
「ええ、そうです!ありがとうございますティグル様!!」
「いや、俺よりも自衛隊の方々に礼を言ってください。」
「畏まりました。これで村も何とか飢えずに済みましょう。」
そう言うと村長はこう続けた。
「自衛隊の方々が来てから村は良いほうに変わりそうです。」
「新しい物産を作ればここも活気が湧きましょう。」
それからティグル達はセレスタに戻ろうとすると・・・通信が聞こえた。
通信の相手は・・・ティッタであった。
如何やら通信部にいるのであろう、何があったんだと聞くとティッタは
こう答えた。
『ティグル様ーーーーー!!』
『ウワ!?』
全員いきなりの大声に驚いていた。
恐らくは大声を出さなければ聞こえないとそう思っているのであろうが
暫くして・・・普通の声に戻った。
『スミマセンティグル様。大声を出してしまった』
「いや、普通に考えればこれは当然だろうな。それで・・・何があったんだ?」
ティグルがそう聞くとティッタはこう答えた。
『あ、はい。マスハス様がお目見えになっております。』
「マスハス卿が?」
何だろうと思って一同は戻って行った。
「マスハス卿、どうなされたのですか?」
そう聞くとマスハスはこう答えた。
「うむ、少しだが・・・厄介な事になってしまった。」
「?」
何だとティグルはそう思っているとマスハス卿は・・・こう答えた。
「現在国内は内乱状態だ。『テナルディエ』と『ガヌロン』と言う二大勢力が
互いにしのぎを削るために兵力を蓄え、更に言えばこの状況を監視している国家も少なからずおる。貴様の後ろにもな」
「・・・ジスタートですね?」
ティグルがそう言うとマスハスはこくりと頷いた。
「もしこの戦乱が長引けば間違いなく他国によって侵略され、領土は
狭まるであろう。」
「そうなれば苦しむのは民だ。どのような扱いされるのか容易に想像できる。」
そう言うとマスハスはティグルの目を見て・・・こう言った。
「ティグルよ!」
「!!」
突如マスハスから名指しされたティグルは思わず姿勢を正すと・・・マスハスはこう言った。
「自衛隊の方々に我々中立派の貴族と行動を共にしこの戦乱を収めて欲しい!」
「え・・・え・・・・・エ・・・・・ェエエエエエエエエエエエエ!!」
次回は・・・又もや説明です。