GATE 魔弾の王と自衛隊。かの地においてかく戦えり。 作:caose
「そんで・・・お前何て言ったの?」
伊丹はティグルに向けてそう聞いた。
何せ事が事だ。
不真面目に答えればどうなるか考えたくないからだ。
そしてティグルはこう言って数分前の事を思い出した。
数分前。
「いや、待って下さいマスハス卿!協力って自衛隊の人達は既に各地で
協力していますし」
「無論それは知っておる!我々も彼らのおかげで飢えに苦しんでおる民たちを
救っている事については各地の貴族たちは礼を言っておるし返せない程の
恩義がある事も重々承知だ!」
「だがそれでも・・・お主等に協力してもらわねばこの国は滅んでしまう!!」
そう言うとマスハス卿は地図を出すと数枚の銀貨と銅貨を出して現状を
説明した。
「我が国の全戦力を100としよ。」
「テナルディエとガヌロンがそれぞれ40・・・いや、30ずつ。」
「そして残った儂らが残りの40なのだが」
「40の内30は騎士団。それも王族や国境を守るためのな。」
「それですとそいつらも敵になるんじゃ?」
ティグルはそう言ってその3枚の銀貨を見た。
そうなれば3枚ずつの2家と合わせれば9割がたが敵になると言う寸法だと言うとマスハス卿はこう答えた。
「いや、この内乱じゃ。何処の国もスパイを使ってこれを知っておろう。」
「他国の戦争中に内部におる自衛隊までは手が回らんであろう。」
「それにそっちに割けば大損じゃ。全員天に召されて戦線は瓦解じゃろう。」
「アハハ・・・」
ティグルはそれを聞いて確かにとそう思った。
あの戦闘を見たんだ。
たった数百にも満たない兵力で3千を超える兵力と竜2頭を相手に無傷で勝利し
ザイアンを捕虜にしたのだから。
然もその本人は腰を強打して骨が折れたことから
今は警察病院にいるようであるがあれこれギャーギャー煩い為拘束具を付けて
大人しくさせているのだと聞いた。
話は戻すがと思いティグルは意識をマスハス卿に戻すとマスハス卿は
こう続けた。
「そして中立がこの銅貨1枚であるがこれにはお主等も入ってじゃ。」
そう言ってマスハス卿は銅貨をアルサスに置くとこう続けた。
「お主は自衛隊と共におる。余り宛てにするとそっぽを向かれるかもしれんが」
「上手くいけば中立の貴族達を纏め上げ、現状に不満を抱く騎士達や仕方なく従っている連中も束ねればこの銅貨は・・・100の金貨以上の価値と
なるだろう。」
そう言うがティグルはどうするべきだと思った。
今の自分は恐らく反逆者として討伐対象とされているであろうが今は内乱。
恐らく自分たちに目を向けるのはあと何か月も掛るであろう。
その間に自衛隊は戦力を展開しテナルディエやガヌロンの領土以外の場所に
展開が完了されている頃だ。
そうなればお互いに疲弊していることから講和に持ち込むしかないであろう。
「『平和は次の戦争に備えての準備期間。』
と前に向こうの世界で読んだ本でそう書かれていた。
講和に持ち込み、自衛隊の戦力を学んでも技術が追い付くのに数世紀以上は
軽く掛る。
その間に自衛隊は別次元の技術を確立しているはずだが・・・現実はそうは
上手くいかない。
向こうが全員死ぬまで突撃するかもしれないし講和に持ち込んで暗殺も
考えられる。
然も考えたらきりがない。
そう思っているとティグルはこう聞いた。
「マスハス卿、国王陛下の容態は?」
そう聞くとマスハス卿はこう答えた。
「ああ・・・皇太子の死が原因で部屋に閉じこもっていると親友から聞いたが
何故だ?」
そう聞くとティグルはこう答えた。
「国王陛下に書簡を出して俺の立ち位置と自衛隊の目的を提示して対話に
持ち込ませよと。」
それを聞いてマスハス卿はこう答えた。
「オイオイ何良いっておるんだお主は?奴らを全て自衛隊の力で倒せば」
「それでは戦後に恐らくはここら一帯の領土を出さなければいけないほどの
莫大な金を提示してきます。」
「!!」
マスハス卿はそれを聞いて目を見開くがティグルはこう続けた。
「そうなったら俺達は向こうの傀儡政権を樹立させられる可能性があります。
そうならないためにも俺達が出来ることをやらなければいけないと
そう思っています。」
「・・・具体的にはどうやるんだ?」
マスハス卿は手を机の上に置くとティグルはこう答えた。
「向こうの要件は2つ。」
①戦争犯罪者(今回の銀座事変を計画した)の引き渡し。
②賠償
「①は絶対で②はまあ、交渉次第で何とかなると思いますがそれでも莫大です。そこに向こうが全面協力をしたともなれば各国がどのように出るか・・・・」
「確かにな、もしかしたら自衛隊を味方に付けさす為に裏工作をするか
総出で自衛隊を殲滅させようと考えるかもしれんな。」
「そして扉の向こうに行っても日本だけではなくそれよりも強い国が
大勢待ち構えています。正に竜の口に飛び込む様な物ですよ。」
「何!自衛隊よりも強い連中がまだいるのか!!」
マスハス卿の言葉を聞いてティグルはこう返した。
「ええ、然もたった1発の兵器で・・・街を消し飛ばす物も。」
「最早お伽噺級じゃな。」
それを聞いてマスハス卿は頭を抱えると同時に良かったと思っている。
若し自衛隊じゃない方であったらどんな仕打ちが待ち構えていたのか
考えたくないからだ。
そして暫くマスハス卿はこう言った。
「分かった、儂らでやれる精一杯を考えよう。
自衛隊は最終手段としてじゃが・・・お主一つ聞くが心当たりあるのか?」
「え?・・・何です??」
ティグルの言葉を聞いてマスハス卿はため息交じりでこう言った。
「書簡じゃよ。誰に出すんじゃ?」
そう聞いて暫く考えると・・・ティグルはこう答えた。
「王国の騎士の一族に『ベルジュラック』と言う一族がいる事を
知っていますか?」
それを聞いてマスハス卿は驚きながらこう答えた。
「はあ!お主その一族が何なのか知っておるのか!?」
そう聞くとティグルはこう返した。
「ええ、王国黎明期から続く名家でテナルディエやガヌロン程大きくない
領地ですが名門で権威も十分引けを取りませんので書簡には彼女経由で国王陛下に届けさせれば良いかと。」
そう言うとマスハス卿は呆れ眼でこう聞いた。
「ティグルよ、一つ聞くが彼女と言ったが・・・何年来の関係なのだ?」
そう聞くとティグルはこう答えた。
「ええと丁度・・・9・・・いや10年来の付き合いでしょうね?
子供の頃から夏になれバよく遊びに来ていましたし。」
まあ正体を知ったのはごく最近なんですけどねとアハハとそう言うが
マスハス卿はため息交じりでこう言った。
「全くお主は誰かが眼を離すといつの間にか交友関係を築いてしまう。
一体何なんだ其方は?」
そう言うとマスハス卿は席を離れてこう言った。
「良し、儂が親友経由で『ベルジュラック』にそう伝えるが・・・
話を滅茶苦茶にせんよにな。」
「分かっています・・・アルサスのためなんですから。」
それを聞いてマスハス卿は分かったと言ってその場から去った。
次回は・・・パラレルワールドの物語から来ます。