GATE 魔弾の王と自衛隊。かの地においてかく戦えり。 作:caose
ギィイイイイイイインと金属と金属がぶつかり合う音が聞こえた。
銃撃鳴りやまぬ戦場の中でティグルはエレオノーラと対峙していた。
本来ならば接近戦はティグルにとって分の悪いものであったが元々弓意外に
よく使うのはナイフと狩猟用の槍であった。
その為桑原はその武器をベースにして棒術とナイフ剣術、
柔術や合気道などと言った日本独自のやり方でティグルに叩き込んだのだ。
「ウワっと!」
「何か分からぬがダンスするならばもう少し上手くなったらどうなんだ?!」
「そんな予定ねえよ!!」
ティグルはエレオノーラに向けてそう毒づきながら躱し続けているが
これが何時まで続くかだ。
確実にエレオノーラはティグルの急所でもある人体の箇所
目掛けて斬る構えであったがティグルはそれを本能で裁いていた。
更に言えば拳銃の持ち手の下部分を使って剣の軌道を逸らしていた。
そんな中で伊丹は全員に向けてこう命令した。
「全員銃剣装備、万が一に備えて構えておけ。」
『了解』
リュディ以外がそう答えて準備を始めた。
そんな中でリュディはティグルの戦い方を見ていた。
初めて見るその闘いに感覚を研ぎ澄まして観察していた。
「ほう・・・ここ迄耐えた人間は戦姫以外では初めてかもな。」
「お褒め預かりどうも。」
あれから3分近く進んだ。
よく聞いたら銃声の音が小さくなっていくのが分かる。
すると他にいた隊員がティグルとエレオノーラを取り囲んでいた。
何時でも攻撃態勢が整っているような感じであった。
するとティグルがエレオノーラに向けてこう聞いた。
「降伏しろ、そうしたら捕虜として丁重に扱える。」
死体は御免だろうとそう言いながらティグルは拳銃を構えたがこれは脅しだ。
さっきまでの攻撃で拳銃が歪み始めており撃つことが
出来なくなっているかもしれないと感じているのだ。
するとエレオノーラはこの状況を見て冷や汗を一滴垂らすと・・・浮いて
こう言った。
「悪いが如何やら戦いはここ迄のようだからな。失礼させてもらうぞ!」
「待て!」
ティグルは逃走を図ろうとするエレオノーラを見て土嚢と壁を駆使して
よじ登ってエレオノーラにぶつかった。
「!!」
エレオノーラはバランスを崩してそのまま落ちるがお互いに落ちた場所で
エレオノーラはティグル目掛けて剣を横向きに振りかざした。
「殺った!」
エレオノーラは確信するように剣を振るがティグルは座ったままの状態で
上半身の力だけでエレオノーラの・・・剣を持っている方の腕を掴んで・・・
回転させて転ばせた。
「!!」
エレオノーラは初めて見る技に驚愕するがティグルは更に其の儘エレオノーラを関節技で抑え込んだ。
「ぐう!!」
エレオノーラは其の儘地面に叩きつけられると同時に
剣が飛ばされてしまったのだ。
そしてティグルがエレオノーラに向けてこう言った。
「降伏しろ、これは通告だ。」
そう言うとエレオノーラは目を閉じて・・・こう言った。
「・・・分かった・・・!!」
その声と同時に戦闘が終わった。
ライトメリッツ公国死者200人、負傷者100人(半分以上が手足の欠損有)
オルミュッツ公国死者1040人、負傷者800人
(こちらも半分以上が手足の欠損有)
ライトメリッツ公国領主エレオノーラ=ヴィルターリア・・・行方不明
そんでその当人はと言うと・・・。
「ほう、中はこんな感じってあれは何だ?」
「あれは戦闘機で多分次で使うかもって何で聞くんだ?」
「聞きたいからだ・・・あの大きな馬車みたいなのは?
あの大きな逸物を持った緑の塊は??あの巨人は何を食べるんだ!!?」
「女の子が逸物とか言うなってお前本当に捕虜の自覚あるの?!」
ティグルはエレオノーラに向けてそう聞くが当の本人はあれやこれやら
色々と見ているので聞いていない様子であった。
すると伊丹がティグルに向けて慰めるかのようにこう言った。
「ご苦労さん。」
「伊丹さんってあの人何とかしてくださいよ~~。」
「そんなこと言ってもあの子捕まえたのお前だしあの子が如何やって
浮いていたり飛んだりしたのかを検査しなきゃあいけないって言われてるしそれにお前ならこの子の言葉分かるしそれに・・・面倒くさいからお前に任すって
言うのが本音だし。」
「聞きたくなかった台詞ですよそれ!!?って言うか変わって下さい」
「ああ、ごめん。それムリ。」
「早!拒否早!!」
最早漫才の様な感じであるが今度はリュディがこう聞いた。
「ティグル、一つ宜しいです?」
「?」
「先ほど彼女を投げ飛ばした時のあれって一体?」
「ああ、あれは『合気道』だよ。」
「『アイキドウ』?」
「そ、武器を持っている相手に素手で制圧するって技。」
「それって危険なんじゃ」
「危険なんだけど俺って昔から殺気とか感じやすいからな。そういう意味じゃあこの技は弓以外で俺が誇れるものだろうなって思ってるんだ。」
他にもあるけどなとそう言うがリュディはティグルのその顔を見て
こう思っていた。
「(ここ迄誇っているティグルを見るのは初めてです。)」
ブリューヌ王国にとって弓とは卑怯者や臆病者が使う武器だと
言われているが果たして本当なのかと今にして思えば疑いが多い。
弓があるからこそ敵の牽制や遠距離から討ち取り敵の気勢を削いだり
混乱させることが出来るのではないかと先ほどの戦闘を見てそう思っていた。
確実に敵を倒しそれが国を守る事に繋がると言う思い。
彼らにとって褒美ではなく誇りと命を重んじているのではないかと考えているリュディであった。
次回は場所を移って。