GATE 魔弾の王と自衛隊。かの地においてかく戦えり。 作:caose
謁見の間からでたリュドミラは広大な王宮の隅にある噴水が設置されている。
濠から水を引いているため冬場以外は水は流れている。
巨大な魚の形をした噴水とその水の音で姿を隠し、声を消せるので密会には
丁度良いだけではなく一人で何か考える時に使うものだ。
そんな場所でリュドミラは一人で紅茶を飲んでいたが表情はきつかった。
国王からの非干渉を言われ、然も敵が攻めてきた場合の責任まで言われ
意気消沈している中で・・・誰かが来てこう聞いた。
「ここ良いかしら?」
「何の用ヨ・・・ソフィー。」
リュドミラがその女性に向けてそう聞いた。
緩やかに波打つ淡い金色の髪と緑柱石の色の瞳を持つ20歳前後の
長身の女性で足元まである薄緑色のドレスを着てエレン以上の巨乳と
細い腰が際立っていた。
名前は『ソフィーヤ・オベルタス』。
ポリーシャ公国の領主で戦姫でもある。
「いまだに信じられないわ。貴方以上に戦上手な戦姫はエレンぐらいかと
思っていたけど貴方達が束になっても敵わないなんて。」
「そうね、あいつについては戦姫の評価は最低だけど戦については
最高にしてやっても良いくらいだわ。」
あいつの前では言わないけどねとそう呟くとソフィーはこう聞いた。
「相手の数はどれくらいか分かる?」
そう聞くとリュドミラは首を横に振ってこう答えた。
「全くと言った処ね。相手の数も武器も全く分からずじまいで陛下に渡した
あの鏃しか持ってこれなかった・・・ヴィラルトを使っても勝てなかった。」
「!!・・・つまり相手の武器は」
「そうよ、ソフィー。相手の武器はヴィラルトと同じかもしれないわ。」
「何ですって!?」
ソフィーはそれを聞いて驚いたが納得も言った。
何せヴィラルトは何世紀にもわたってジスタートと各公国を守ってきた
最強ともいうべき武器と言えるのに同格かそれ以上の武器を彼らは所持している
可能性があると言っているのだ。
あくまで可能性ともいうべきなのだがそれは国王が聞いたら
リュドミラを問答無用でお家取り潰しは免れない事は
分かり切っているような物だ。
「相手は蛮族だと聞いたけどそんなレベルじゃなかったわ。
あれは魔物・・・それも母様やおばあ様ですらあったこともないと言われる
上位種の魔物が後ろにいると思っているわ。」
「魔物・・・最悪な話ね。もしそれが本当なら敵は何時でも私達を倒せれると言っているような物だけど相手からは?」
「分からないわ。使者を送らないしもしエレンが捕虜になっているとしたら
何かしらの要求があっても良いと思うけど其れも今のところなし。・・・
最悪を想定したら。」
「・・・考えたくないわね。アレクサンドラが聞いたら」
「病状が悪化するだけよ。言わない方が賢明よ。」
リュドミラはここにはいない誰かに向けてそう言うがソフィーはこう答えた。
「そうね、今は伝えない方が良いわ。・・・もし向こうから
取引内容が出たら私が何とかするわ。」
「・・・ゴメンナサイソフィー。こんな事になるなんて。」
「良いのよ、これくらい。それにしても向こうの情報が完全に無いに等しいわ。もっと情報が欲しいけど何か感じたことない?それでこそ小さなことでも。」
ソフィーがそう聞くとリュドミラは思い出すかのようにこう言った。
「そう言えば連中は戦場の前に鉄の縄を配置していて
それに緑色の城を構えていたわね。」
「緑色・・・彼らの好きな色にしては変な感じね。鉄の縄って言うのも
気がかり・・・ブリューヌ王国側からの商人がこの国に来ているはずだから
聞いてみるわ。」
「・・・喋ってくれると思うの?」
リュドミラがそう聞くとソフィーはこう答えた。
「大丈夫よ、こう見えても父様の事もあって交渉は得意分野よ。
それに情報があれば戦する時にも便利だしね。」
「・・・アタシはそれすらなかったから負けたのね。」
リュドミラは頭を下にしてそう呟くがソフィーはこう続けた。
「そうかもしれないけど其れだけじゃないわ。貴方の弱点は
相手を下に見る事よ。」
「え。」
「貴方は劣る人間を見下しているけど其れだといざ闘う時に相手が
どれだけ戦力と武器を持って策を練るのか考えなければならないんだけど
貴方はそれがなかった。相手を知って己を知らなければ痛いしっぺ返しが来るってそういう意味ヨ。」
「相手を・・・。」
「そう、それさえ学べば貴方はより高みに行けるわ。しっかりね」
そう言ってソフィーが立ち上がって去って行くのを見てリュドミラは冷え切った紅茶を見てこう呟いた。
「相手を知って・・・己を」
そう呟いている中で・・・その話を聞いていた人間がそこにいてこう呟いた。
「ウフフフフ・・・面白くなりそうね。」
そう呟いた瞬間に・・・その人間は姿をくらました。
「・・・異世界軍?」
「そう、そう言っているぜ。騎士さん達はよ。」
ソフィーは酒場で葡萄酒を卸している業者と話していた。
「何でもテナルディエの方からそういう話があったって話だぜ?
いざ出陣してみれば皇太子は1万人以上が出陣して戻ってきたのはたった数人。
そんで向こうから敵が来てテナルディエの家は息子さんをあてがったが
帰ってこずで今や王都は血の海だよ。逃げてきた兵士の家族一門が吊るしだよ。」
おお怖い怖いと言って馬車に乗るとソフィーに向けてこう言った。
「悪い事は言わねえよ。今ジスタートに行くのはやめときな。
あそこには竜ですら敵わねえ化け物が多くいるらしいぜ。」
「!!待って!その話詳しく!!」
「じゃあな。」
業者はソフィーに向けてそう言うと馬車を動かした。
ソフィーは他にも聞きたいことがったのにとそう思っていたが
内心冷や汗でたらたらであった。
「(まさか竜ですらってそれが本当なら私達は一体・・・
何と戦っているというの?)」
そう思っているソフィーは持っている錫杖を力強く握っていた。
次回は一体どう出る?