GATE 魔弾の王と自衛隊。かの地においてかく戦えり。 作:caose
『それにしても医療院がここ迄大きいなんてまるで要塞ね。』
『アア、確かにな。ここ迄あれば数百人を立てこませるのも容易に出来るな。』
『おいやめとけよ。それやったら間違いなく狙撃されるか集中砲火
喰らうかもだぞ。』
ティグルはソフィー達に向かってそう言っているとバスから車いすで降りてきたサーシャが病院を見てこう言った。
『これが異世界の・・・本当に大きいね。』
そう言っているとティグルは車いすを押してこう言った。
『それじゃあ・・・皆行くぞ。』
そう言うとソフィー達はティグルに着いて行った。
「やあ、待っていたよ。」
黒瀬がそう言ってティグル達に向けて挨拶するとティグルがこう言った。
「彼女なんですけど・・・どうでしょうか?」
そう聞いて黒瀬がサーシャを観察すると黒瀬はこう答えた。
「うむ・・・体力的に見れば今すぐ手術しなければこれ以上は待てなさそうだ。手術の日程はこっちで勝手に決めるが良いか?」
「構いません、ですけどその前に・・・」
「MRIと血液検査と遺伝子検査だろ?そっちの方は何時でも出来るように
準備できてる。先ずは検査カラダ。」
そう言うとティグルがサーシャに向けてこう説明した。
『これから血を少しとって爪とか皮膚の一部を取って調べるけど良いか?』
『・・・分かった。』
サーシャはそれを聞いてそう答えると黒瀬はナースに向けて準備するように
言った。
「それじゃあこれから先ずは爪と髪の毛と皮膚片を調べるよ。
こっちは痛くないけど血を取る時は痛いから痛かったら左手を上げてね。」
黒瀬の言葉をティグルがサーシャに向けてそう説明して肯定した後に始めた。
爪は爪切りで、髪は鋏で、皮膚片は指の皮膚を少し切った後に注射で血液を
採取した。
最初何だと思って何時でも襲う準備をしているエレオノーラを見て
ティグルが抑えながら血を抜き取るのを見た。
『最初はちょっと痛かったけどどちらかと言えば血が別の方向に
向かって行くって言う感覚に戸惑ったね。』
サーシャはエレンに向かってそう言うとMRIに向かった。
「それじゃあそこに仰向けで寝るような感じで待機していてね。
直ぐに終わるから。」
黒瀬の言葉をそっくりそのままティグルが通訳した後にサーシャが寝転がるとベッドの様な物がサーシャと共に中に入っていった。
そして黒瀬達はサーシャの体内の様子を3Dで見ていた。
『人の体とは皆この様なものなのか?』
『まあ、人それぞれだけど大体はこれらしいぞ。』
『ここ迄中が分かるって逆に怖いわね。』
ティグル達は互いにそう言った。
「それじゃあ検査結果は今精査中で1週間以内に分かるからその間は病院の中で過ごすか外出したいときには病院のスタッフを呼んでね。」
『はい・・・ありがとうございます。』
黒瀬のティグルの同時通訳を聞いてサーシャはベッドにて
そう言って部屋から離れると・・・ティグルがこう聞いた。
「それで・・・病状は?」
「正直な話未だ分からないが検査結果次第では早急に手術の可能性が出てきた。彼女達を僕の部屋に。」
「・・・はい。」
そして黒瀬の部屋。
「イヤあ済まないすまない。何せ学会とかで使う資料整理中で汚くって。」
黒瀬はそう言いながら簡単であるが部屋を片付けていた。
周りには研究資料や人体と機械の境についての本が所狭しと置かれていた。
そしてソフィー達を座らせると黒瀬はティグル経由でこう告げた。
「はっきり言おう、彼女を治すすべは確かにあるが代償に彼女は・・・
戦姫と言う立場ではなくなる可能性が高い。」
『『!!』』
それを聞いてエレオノーラは立ち上がろうとするがソフィーが止めて
こう聞いた。
『黒瀬様、先ほどの戦姫としていられなくなるといっておられましたが
どういう意味で?』
そう聞くと黒瀬はこう答えた。
「MRIで見たんだが彼女の心臓は通常よりも動悸が遅くなっていたんだ。
私はこの心臓を彼女の細胞から作る計画をする過程である事をしている。」
『?』
「細胞・・・遺伝子の書き換えだ。」
『『??』』
ソフィー達は何ソレと思っていると黒瀬がこう説明した。
「遺伝子と言うのは我々生命体、人間や動物、植物全てが持つ
その生物の設計図とも言っても良いもので誰もかれもが違う。」
『『・・・・』』
「遺伝子情報の中には病気関連も含まれており一族単位での病気も
記載されているが私はこれを書き換えて心臓の病その物を無くすことが
出来るんだ。」
『それならば何故サーシャは戦姫でいられなくなると言うのだ!‼』
エレオノーラが聞くと黒瀬はこう答えた。
「この心臓は確かに彼女の情報から作られているがそれでも人工物だ。
何かしらのエラーを出す可能性が高い。だからこそ彼女には・・・
残りの一生をこの世界で過ごさなくてはいけなくなるし
それはリムアーシャ君も同じだ。同じ人工物で体の中に直接であるから
定期健診をしなければならないがそれが出来るのはここだけだ。・・・すまないが彼女たちが今後とも何不自由なく生きていけるにはここしかない事を伝えた上で
手術を受けるかどうかを決めておいてくれないか?」
『・・・そんな。』
エレオノーラはそれを聞いて顔を俯かせた。
これまで一緒にいたリムや自分に戦姫としての在り方を教えてくれた恩人を
生かすためには・・・別れる事しか出来ないと言う悲しみがエレオノーラに
襲い掛かったのだ。
そしてそれをティグル達は黙ってみる事しか出来なかった。
決断は時に残酷である。