GATE 魔弾の王と自衛隊。かの地においてかく戦えり。   作:caose

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 お互い暗躍する。
 国の為に・・・己の為に。


暗躍と・・・あんやく

 『ふむ、それほどなのか?その・・・。』

 『《日本》だ。彼らの技術力と戦力は最早大貴族でも太刀打ちできまいが彼らは

その力を占領には使わず平和の為に使っているのだ。』

 マスハス公は現在自身が知っている中で羽振りの良い知り合いの貴族で彼らの事を話していた。

 『(もし再び戦乱になればこの国は最悪の未来になるやもしれぬ・・・それだけは何としてでも!!)』

 阻止したいと願い彼らとは戦わないで欲しい事と協力の要請に来ていたのだ。

 『・・・分かりました。他ならぬマスハス公の頼みだ。彼らの調査協力と

同時に知り合いにも伝えておいて戦闘を避けるように頼んでおこう。』

 『!!・・・助かる』

 マスハス公はそう言って頭を下げるとその貴族はこうも聞いた。

 『それはさておいて既に聞いておると思うが・・・』

 『ああ、貴公で5回目だよその話は。』

 『・・・ガヌロン公とテナルディエの内乱』

 そう言うとマスハス公はこう続けた。

 『先の大戦で皇子が行方不明・・・いや、あの戦闘なら最早遺体すら。』

 肉塊に成り果ててるなとマスハス公はそう思っていると貴族はこう続けた。

 『そのせいで国王はショックのあまりに心を閉ざして

部屋に閉じこもってしまったがために遠縁でもある両家と大貴族が王宮を

欲しいがままにしている。』

 『人の我欲とは恐ろしい物だ。この空の雲の様に黒くそして・・・悲しい物だ。』

 そう言いながら・・・雨が降り始めた。

 『・・・今日は泊っていくか?雨も降りだしたし』

 『いや、良いさ。今日はこの事を伝えたくてな。』

 ではと言って去って行くのを見届けた貴族はこう思っていた。

 『(もし、《日本》が我々の後ろ盾に立ってこの国の再建に協力してくれるならばどれだけいい事か。)』

 そう思って仕方がなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「って言う感じだそうです。」

 ティグルはマスハス公からの便りを伊丹達にも報告した。

 「成程ね、然し内乱とはちょっとやばいな。」

 「然も4通とも同じですよ。もう完全に噂レベルじゃすみませんね。」

 ティグルはそう言って手紙を何枚も見せた。

 「・・・万が一に備えて戦闘準備しておくか。」

 「そうですね、《備えあれば患いなし》って言う諺があるほどですし。」

 そう言いながら準備しておこうとするがそれは意外にも・・・正解であった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 ところ変わってブリューヌ王国首都では・・・。

 『お呼びでしょうか、父上』

 そう言って出てきたのはそばかすの男性『ザイアン=テナルディエ』でありあの『銀座事件』の際にも出撃していた男性である。

 そして目の前にいる人間がザイアンの父親にしてテナルディエ家の当主。

 『フェリックス=アーロン=テナルディエ』その人である。

 今年42歳で見事な黒ひげを生やし豪奢な絹服に包まれた大柄な鍛えられた体躯をした男性である。

 『ザイアンよ、お前に一つやって欲しいことがある。』

 『は!』

 そしてテナルディエ公爵はこう命令した。

 『1か月後に裏切り者《ティグルヴルムド=ヴォルン》が納めていたアルサスを

3千の兵で焼き尽くせ』

 そう言うとザイアンはこう聞いた。

 『!!あの裏切り者の領土をですか!?それでしたら是非私めに

お願いいたします!!奴の村の住人全員を残虐に殺して女どもを凌辱せしめて

ご覧にいれましょう!!』

 そう言ってウキウキしながらザイアンは部屋を後にして廊下を歩いていると・・

 『ザイアン様。』

 フードを目深に被った小柄な老人がそこにいた。

 『何の用だ、《ドレカヴァク》』

 ドレカヴァクと呼ばれたその老人は腰を屈めて深々とお辞儀してこう言った。

 『ザイアン様が御出征されると聞いたので一つ贈り物をと思いまして』

 そう言うがザイアンは渋面して疑っていた。

 彼は占い師としてテナルディエ家に仕えており門の事も彼が予言したのだ。

 正直彼はこの老人が殺すほど嫌いであるのだが父親に重用されているため

手出しできない。

 なるべく視界に入らない様にしていたのだがドレカヴァクはザイアンに

向けてこう言った。

 『どうぞ、こちらへ』

 そう言いながらドレカヴァクは歩き出してザイアンはついて行った。

 ドレカヴァクは厩舎の裏手に入って暫くすると皺だらけの手あるものを

手に向けた。

 『これでございます。』

 『!!・・・これはまさか・・・・』

 ザイアンはそれを見て驚いていた。

 それは・・・大きさだけで8mはある二匹の・・・

 『ハイ、竜でございます。』

 竜であった。

 片方は『コモドドラゴン』みたいな竜でその鱗は剣や槍ですら敵わず、

その突進力は城壁を軽く破壊出来る程である。

 そしてもう1頭は小柄だが巨大な翼を持った竜で人を載せたまま空を飛ぶことが出来る。

 するとドレカヴァクはザイアンに向けてこう言った。

 『調教はほぼ終えていますので何時でも戦場に投入出来ましょう。』

 『だ・・・大丈夫なの・・・だろうな?』

 ザイアンはそう聞くとドレカヴァクはこう答えた。

 『もちろんです。触れて頂ければ分かるかと』

 そう言うとザイアンは少しためらったが意地と好奇心が勝ったため翼を持つ竜『飛竜』の喉を触った。

 すると飛竜は喉を鳴らしてザイアンにされるがままであった。

 ザイアンは感動の溜息を上げるとこう言った。

 『でかしたぞドレカヴァク!この飛竜は俺が駆るとしよう!!』

 そう言うとドレカヴァクはこう注意した。

 『ただ一つだけお約束を』

 『何だ?』

 『竜共は未だ街の匂いになれておりませぬ故、街の中に留める事だけは

おやめくださるように。』

 そう言うが今のザイアンは聞いていなかった。

 これでアルサスに向かった時に見る領民の顔を想像しながら・・・

黒く笑っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 後のブリューヌ王国側の歴史家はこう書き綴っていた。

 

 

 

 

 

 

 〈あの時に竜を使わなければあれ程の地獄を見ずに済んだものを》

 と・・・書かれていた。




 竜の立ち位置が・・・哀れになるかも。
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