小さな魔女の財団職員生活   作:ちいさな魔女

10 / 32
クソトカゲとオールドマンの相手とは、財団が滅んでもおかしくない収容違反ですね~。


九話

私達は今、精神と時の部屋で修行をしていた。主な修行内容は基本的な筋トレや走り込み、そして忍術と魔術を極める修行であった。精神と時の部屋では、五年もの時間が経過している。外では五時間位経ってるだろうね。キャンディスはどうやら炎への適性がとても強く、忍術においても火遁が一番上手く扱えていた。だから、私が教えた火遁の術も扱えるようになった。勿論他の忍術も上達が速いのだが、その中でも火遁が一番だった。クローヴィスは忍術、魔術の力は元から人間よりも遥かに上であり、鍛えたら更に化けた。流石はキャンディスと契約しただけあるよ。

 

そして私達がやっているのは、私が呼び出した『仮面ライダーOOO』に登場する雑魚敵『屑ヤミー』を使った、実戦訓練だった。ある程度肉弾戦でも攻撃をある程度ダメージを与えれば消えるのだが、それでもしぶとさはあるから時間稼ぎにはなる、ある意味噛ませ犬のポジションだ。しかし、私達には苦にもならない相手だ。なのでこれは、実質的当てゲームみたいなものだ。数は五千体。しかし、私達なら殲滅可能だ。

 

「『火遁・豪火球の術』!」

 

片手だけで印を結び、すぼめた口から火炎を吐き出すキャンディス。狙っている屑ヤミー二十体は火炎に包まれると、炎に全身を焼かれて消滅していった。しかし全員ではなく、一体だけ残ってしまった。

 

「下がってキャンディス!ガンド!」

 

クローヴィスが指先から赤黒い魔弾を放ち、屑ヤミーに直撃させた。その瞬間、屑ヤミーの全身が消滅した。本当ならガンドは相手を指差す事で体調を悪くして病気にするという、一種の呪術だ。最上級の物なら『フィンの一撃』と呼ばれて、物理的な破壊力をもたらす。物理的な効果が無くても、心臓麻痺で即死させる事も出来る。しかし、クローヴィスの場合は屑ヤミーを跡形も残らず消滅させた。威力高過ぎである。

 

「ありがとうクローヴィス!ハァァァッ!!」

 

キャンディスが青いオーラに包まれる。青く半透明な肋骨が具現化したかと思いきや、今度はがしゃどくろのような姿へと変わった。更に、骨格を覆うように白いオーラが出現し、完全な人型へと変わった。

 

「おっ、『須佐能乎』を出せるようになったか。それも頭と両腕も実体化してるし」

 

「流石だわ。キャンディス」

 

本当な、瞳力の増大によって頭と両腕を具現化させられるんだけど、キャンディスの才能の強さが関係してるのかな。両眼に万華鏡写輪眼の持たないと発現しない、写輪眼最強の術だ。流石はキャンディスだね。

 

キャンディスの須佐能乎、第二形態は妖艶な女悪魔の姿をしている。山羊の角を頭に生やし、翼を生やしたスタイリッシュな姿だ。両手には大きな二対三つの爪が生えていたが、あれがキャンディスの須佐能乎の武器か。

 

キャンディスの須佐能乎が拳を振り下ろす。握り締めた拳を振り下ろして、屑ヤミー達の群れを叩き潰した。叩き潰された屑ヤミーの群れが消えた後には、深さ五メートル半径十メートルもの大きなクレーターが地面に出来ていた。

 

「やったわ!」

 

「やるわねキャンディス!私も負けられない!」

 

クローヴィスは駆け出した。全身に青白い無数の線が走った後、地面が爆発する勢いで駆け出したのだ。そして、二体の屑ヤミーを手刀で上半身と下半身を真っ二つに切断した。更に、いつの間にか両手の指に挟まっていた宝石を屑ヤミー達に投げ付けた。そして、宝石が爆発を起こして屑ヤミー達を消滅させる。更に、「トレース・オン」と唱えた後にクローヴィスの右手に一本の鉈のような武器が出現した。左手には銃が出現。正に、ブラッドボーンの狩人みたいだね。

 

宝石魔術に身体強化魔術も難なくこなしてるね。投影魔術も上手く行ったみたい。

 

「じゃあ、私もやるかな」

 

新しく得た技を試す事にした。屑ヤミー軍団に向かって、私は印を結んで術を唱える。

 

「『木遁・樹界降誕』!」

 

そして、屑ヤミー達が地面から生えた木々によって蹂躙されていく。その大きさは木というかもう怪獣レベルの奴で、もう三百メートルはありそうだよ。そんな木々の蹂躙によって、屑ヤミー達は全滅した。全部倒したから、もう出てこないだろう。

 

「凄い木ね・・・私もシガーから木遁を教わったけど、此処までデカイのは無理だわ」

 

「流石はシガーね」

 

私はキャンディスとクローヴィスの元を向いて、訓練の終わりを告げた。

 

「今日は此処までだね。此処での五年は外じゃ五時間だし、そろそろ部屋から出よう」

 

「そうね。っていうか、もう五年位も修行したのね」

 

「実感が無いわ・・・」

 

まあ無理も無いよね。外と中では時間がずれてるなんて、聞いてもあまり信じられないよね。

 

すると、私の上着ポケットに入れたスマホが突然鳴り出した。私はスマホを取り出して、そのまま通話に出る。

 

「もしもし?」

 

『シガーちゃん!?丁度良かったわ!貴女に頼みたい事があるのよ!』

 

相手はアニエスお姉さんだった。言葉の慌てようから、何かとんでもない事が起きた事が理解出来た。

 

『SCPー682と、SCPー106が同時に収容違反を起こしたのよ!』

 

嘘だろ?よりによってこんな時にか。682と106。いずれ出会う筈の化け物SCPなのだが、片方は不死身でもう片方は異次元空間を生成して固体の中へ消えて、別の場所から現れる。倒せない爬虫類と神出鬼没の化け物じいさん。

 

だが、私達も強くなった。あの二体を相手ならば、実戦相手としては充分だ。

 

「解ったよ!すぐにそっちへ向かうから!」

 

『頼むわ!』

 

こうして私は通話を切って、キャンディスとクローヴィスに伝える。

 

「二人とも。かなり厄介なSCPが二体脱走したみたいだよ。私は此から収容しに行くけど、二人も行く?」

 

「ええっ。手伝わせて頂戴」

 

「私も行くわ」

 

「なら、早く行かないとね」

 

私達はこうして、精神と時の部屋を後にした。SCP界古参の二体が相手だ。決して油断は出来ないよね。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。