SCPー096ことシャイガイが収容されているエリアには、おぞましい叫び声と騒音、そして爆発音が響き渡った。途中から少女の断末魔の叫びが混じっているようにも聞こえた。更にサイト全体も揺れている事から、激しい戦いを繰り広げている事がすぐに解った。
「ど、どうなるのかしら?アベルとシガーちゃん」
アニエスは音波ビデオを凝視していた。クレフ博士は興味深く見ている。他の研究員は緊張した表情で画面を見ていた。
画面はノイズが走っており、部屋の様子を映す事が出来ない。
「クレフ博士・・・これ、かなりヤバイのでは?」
「ははっ。平気だろうとも。239ー1に076ー2は財団が管理する最高のオブジェクトだ。だがまあ、騒音と振動がこの部屋にも伝わるのは予想外だったがな」
「・・・アニエス博士」
「・・・あの子、無事だと良いのだけれど」
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騒音と振動が響いてから五十時間が経過した。その間はシャイガイの叫びと騒音、振動が鳴り止む事は無く、職員は交代で音波ビデオと収容室の監視を行った。
そして、五十時間が経過した頃に漸く騒音と振動が収まり、アニエスとクレフ博士は数名のセキュリティチームと共にシャイガイの収容コンテナへ急いだ。
その後で報告を受けたのだが、音波ビデオの調子が戻って部屋の様子を確認した所、予想外の事態に研究員は全員驚いたそうだ。『SCPー096は、全身に深刻な傷を多数付けており、コンテナの隅で蹲って震えて居たそうだ。頭を抱えている事から、怯えているようにも見えた』との事。
そして、シガーがどうなったかと言えば、彼女はコンテナの中から壁を抜けて姿を現したのだ。但し、アベルの姿は無かった。
シガーは衣類全てが無くなっており、片足がおかしな角度へ曲がっている。片腕は引きちぎれたのか無くなっており、顔の半分が肉と骨が見える程に引き裂かれていた。全身の傷からは血が大量に漏れ出ている。片足を引き摺りながら出てきたシガーは、アニエス達を目の前にすると、安心したのかその場で前のめりに倒れた。
「シガーちゃん!!」
アニエスがシガーに駆け寄る。クレフ博士やセキュリティチームも、同じくシガーに駆け寄った。
「アハハ・・・無茶・・・し過ぎしちゃった。アベルもやられて・・・・・・独りで戦ったよ・・・」
「酷い怪我!早く医者に──」
「大丈夫・・・すぐ・・・治せるから・・・」
シガーは仰向けになった後、自分のお腹に手を置いた。すると、シガーの全身に出来た傷が一瞬にして消えて、片足や顔は元の状態に戻り、片腕が再生した。更に、衣類も元の魔女の服装に戻った。
「・・・ふぅ。ああっ、死ぬかと思ったよ」
「ハァ・・・もう心配したわよ」
「・・・まあ、アベルが死んでからは私が主に戦ってたよ」
「よく生きてたわね」
「まあ、シャイガイは、SCPー096には何とか勝てたし、もう今日は休むよ」
「・・・今日って、貴女とアベルは五十時間も戦い続けたのよ?確かに休んだ方が良いわね」
「うん・・・じゃあ、先に部屋へ行ってるね。お休み~」
シガーはその場から姿を消した。
「・・・それにしても、あの子本当にやるわね。096に勝つなんて」
「見事なものだ」
その後、シャイガイが死んでないという報告を受けたものの、深刻な傷を全身に負ったシャイガイの様子を音波ビデオで確認した。そして、シガーの活躍は再び財団全体に伝わり、彼女は財団の切り札『Thaumiel』として知れ渡る事になるのだった。
シャイガイ戦でのシガーの服は、東方projectの霧雨魔理沙の服装です。