小さな魔女の財団職員生活   作:ちいさな魔女

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魔女と魔獣創造:最終回

私と小枝の戦い。それは、一瞬の決着であった。私は因果律崩壊を起こす力で、小枝の切り札を打ち破ってみせる。

 

「“天昇せよ、我が守護星──鋼の恒星(ほむら)を掲げるがため。荘厳な太陽(ほのお)を目指し、煌めく翼は天駆けた。火の象徴とは不死なれば、絢爛たる輝きに恐れるものなど何もない。勝利の光で天地を焦がせ。清浄たる王位と共に、新たな希望が訪れる。絶滅せよ。破壊の巨神。赫怒の雷火に焼き尽くされろ。人より生まれた血脈が、英雄の武功と共に汝の覇道を討ち砕く。天霆の轟く地平に、闇はなく。蒼穹を舞え、天駆翔。我が降誕の暁に創世の火を運ぶのだ。ゆえに邪悪なるもの、一切よ。ただ安らかに息絶えろ。是非も無し──さらば蝋翼、我が半身。焔の再生(すべて)を担うのみ。天空を統べるが如く、銀河に羽ばたけ不滅の煌翼(ヘリオス)。果て無き未来(たびじ)をいざ住かん。創世神話は此処にある。『超新星(Metalnova)──森羅超絶、赫奕と煌めけ怒りの救世主(Raging Sphere Saver)』”!!」

 

「『禁手発動!』」

 

瞬間、私と小枝はそれぞれの技をぶつけあった。因果律すらも焼き尽くす業火と、小枝が全身から放つ未知の力が、お互いにぶつかり合った。私の創った模造宇宙が吹き飛んだけど、私達はその時には意識を失ってしまった。

 

──────────────────────

 

「・・・目を覚ますと、私は何故かアベル達がRXと戦ってる所を見てるんだけど」

 

私は目を覚ました。小枝がピンピンとしてる。恐らく私は負けた。

 

「目、覚ました?」

 

「私負けたんだね?」

 

「ううん。引き分け」

 

「そっか」

 

引き分けだったのか。でも、私が眠ってからかなり経ったのかな。私どの位寝てたんだろ?

 

「四時間も寝てた」

 

「そうなんだ。でも、なんか悔しいかも。神様に力を与えられて・・・小枝。貴男、修行とかしてた?」

 

「・・・?ううん。全く」

 

「なら尚更悔しいよ・・・此って私とシガーの敗北って事じゃん。神様に力を与えられてその上トレーニングしてない相手に引き分けなんて、悔しい事この上無いよ。アベルみたいに戦いが好きな訳じゃないけど、此れじゃ俗に言う場外負けみたいなものだよ」

 

「・・・」

 

「だから私、強くなるよ。今度は負けない」

 

「・・・なら、自分も強くなる」

 

そして、アベル達はどうなったのかと言うと、RXを相手に今度は形勢逆転を見せつけた。

 

「『イザナギ』!」

 

キャンディスがイザナギを使い、RXが起こした不思議な事を無かった事にし、その上でRXを構成するキングストーン自体を無かった事にした。その隙にクローヴィスが投影した無数の剣を本体の心臓に突き刺し、アベルが長剣でRXの心臓を突き刺した。

 

「ウオオオオオオオッッ!!」

 

アベルは攻撃の手を止めない。ベルトは軈て粉々に砕けて行った。いくらチートライダーのRXも、変身が解けてしまえばただの人。況してや力の元が無くなればもう恐れる理由も無い。

 

「・・・RX、負けちゃった」

 

「三人ともリベンジ達成かな」

 

いずれにせよ、アベルにとってもキャンディスやクローヴィスにとっても、此れで問題無い筈だ。

 

「キャンディス、確かその術は視力を犠牲にするって・・・」

 

「確かに右目が見えないわ。でも、シガー曰く暫くしたら元に戻るみたいよ。だから安心してクローヴィス」

 

「なら良かったわキャンディス」

 

キャンディスの万華鏡写輪眼は特別だ。さっきのイザナギに加えてイザナミを使ったら視力は失うけど、暫くしたら元に戻るからね。

 

「くはははははははっ!!ふはーはははははははははははははっっ!!遂に、遂に討ち取ったぞ!!私達の勝利だ!!」

 

アベルはRXの本体の首を切断し、それを真上に掲げて勝利を謳う。古代の戦士みたいに敵の首を掲げて勝利を謳う。其処までしなくて良いのに。

 

「まあ此れで、後顧の憂い無し。小枝も元の世界に帰れるでしょ?」

 

「でも、どうやって帰れば・・・」

 

「その点は心配無いよ。小枝の世界に繋がる扉を、今創ったから」

 

私は指を前に翳して、目の前にどこでもドアと同じ形状の扉を創造した。しかし、色は真っ黒だ。

 

「これぞ私の『シン・どこでもドア』。自分の望んだ世界へノーリスクで迎えまーす。勿論、小枝の居た世界に帰る事もね」

 

「・・・狡い」

 

「狡くない!」

 

「・・・でも、ありがと」

 

小枝が笑顔を見せてきた。ぐっ・・・少し揺らぎそうだよ。ホントに男か疑わしくなるよ。

 

小枝は扉を開けて、私達の方を向いて最後の挨拶を行う。

 

「・・・シガーお姉ちゃん。アベルお兄ちゃん。キャンディスお姉さんにクローヴィスお姉さん。ありがとう。さようなら。また会おうね」

 

「うん。また会おう」

 

「戦士よ。また貴様と戦う時を願っているぞ」

 

「さようなら小枝君。また会いましょう」

 

「私も、もっと強くなるわ。その時はまた、相手をして頂戴」

 

そして、小枝が扉を潜った。私達が見守る中、扉は閉まる。そして、私は扉をその場から一瞬で消した。消したと言っても、無くした訳じゃない。異空間に収納したのだ。

 

「・・・バイバイ。小枝君。人の可能性、沢山知りなよ」

 

──────────────────────

 

「シガーちゃああん!!また682が逃げ出して暴れてるのよーー!!」

 

数日が経った頃。アニエスお姉さんが泣きながら収容室にやって来た。またあのクソトカゲが逃げ出したのだ。

 

「やれやれ。まっ、楽しいから丁度良いや。アベル、キャンディス、クローヴィス」

 

「・・・ああっ。またあのトカゲと戦えるか!」

 

「クローヴィス」

 

「ええっ。私達も強くなった所を見せて上げる」

 

そして今日も、私達はSCPオブジェクトを相手にする。

 

シガー、貴女に会えるその時も、私は財団と共に頑張るからね。




これでコラボは終了となります。霧熊さん、ありがとうございました。
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