アベルが始めに動き、アルバトリオンと戦う。もし設定通りなら、アベルではダメージすら与えられない。しかし、アベルとて馬鹿ではない。彼の攻撃を回避し、身体の構造上急所になり得る場所を狙ってる。
しかし、途中でガンダムらしき人型の姿になったのは予想外だった。私はガンダム観てないから分かんないけどね。
キャンディスやクローヴィス、やみこさんも参戦した。キャンディスは火遁を繰り出し、クローヴィスは宝石をマシンガンのように放ち、やみこさんは素早い動きでアルバトリオンの身体を攻撃する。
しかし、やはり通らない。カインかクソトカゲが来て欲しいと思ったけど、カイン連れて来たらアベルが面倒起こしそうだし、クソトカゲはもっと面倒な事になるから止めよう。
アベルが先に倒され、キャンディスやクローヴィスも吹き飛ばされた。やみこさんも同じく倒される。全員殺してない所を見たり、ガンダムみたいな姿になる辺り、どうやら見た目はアルバトリオンだけど中身は人間だ。
「さて、君も楽しませてくれるのだろう?」
「っ!!」
アルバトリオンが私を向いた。
「・・・アベルが勝手に初めたから私は何もしないつもりだったのに。でも・・・」
私は周りを見る。アニエスお姉さんやクレフ博士、ブライト博士は全員避難しようとしてる。テルお兄さんは陰にやみこさんを抱えて隠れた。格好いいじゃん。
アベルは目が興奮していた。アベル、口から血を吹き出しているが、まだやる気なの?
「ふはっ!!ふはははははは!!此だ!!此こそ正に戦いだ!!」
「アベル。貴男は下がってて」
「小娘!貴様に命令される筋合いは───」
「“カインを呼ぶよ”?」
「ッ!!」
「嫌なら、大人しくしてて」
「・・・・・・ちっ!」
アベルは渋々納得してくれた。
「さて・・・アベルが勝手に喧嘩吹っ掛けただけだからこんな事あんまりやりたくないけど、これ以上暴れるなら・・・」
私は殺気を放つ。アルバトリオンは人型のままだ。彼は後ろへ足を引き摺った。
「私も黙ってないよ?」
「・・・今までで一番強いかもしれんな」
「じゃあ場所だけでも変えさせて」
私は指を鳴らす。そして、私はアルバトリオンの二人のみである世界へ降り立った。其処は、無数の銀河が存在する世界だ。此は、ある者と闘った際に生み出した模造宇宙だ。
「っ!?此は!?しかも此処は・・・貴様は何者だ!?」
アルバトリオンの顔が驚愕に染まる。
私は彼の問いに、答えた。
「私はただの、小さな魔女だよ」
私はアルバトリオンの腹を蹴る。アルバトリオンは背後に吹き飛ばされる。銀河に激突したアルバトリオンは、口から血反吐を吐いた。
「ガハッ!?」
「どしたの?私がこの世界を創造したのは、貴男が本当の姿で戦えるようにしたからなんだよ。さあ、全力で闘って。此処なら大丈夫だから」
「ゲホッ!!ゴホッ・・・・・・どうやらその様だな」
そして、アルバトリオンは本来の竜の姿に戻る。やはり、元の姿の方が強いや。
「自己紹介がまだだったな。俺はアルバトリオン。君の名前は聞いてなかったな」
「名前?名前は『シガーロス=ステファンスドッティル』。シガーから体と名前、そして力を受け継いだ者として、貴男に負けない!」
私はアルバトリオンの頭に回り込む。しかし、アルバトリオンの口から放たれた炎に吹き飛ばされる。
「やるね!いきなりゴメンね。でも・・・“死ね”」
その瞬間、此方に向かって来たアルバトリオンは一瞬だけ白目を向いて体勢を崩しかけたが、すぐに立て直して私に尻尾を振り回してきた。
「マジか。即死チートで死なんのか」
でも、それで良いかもね。
「サンドバッグになってよ」
「なるか!」
アルバトリオンが怒声を上げた。
私はアルバトリオンの攻撃を避けて行くが、アルバトリオンが冷気のブレスを吐いてきた。
「“クロックアップ”」
私は『仮面ライダーカブト』に登場する技である『クロックアップ』を発動する。ブレスが小さな氷の粒々になっている。
私はアルバトリオンの身体に拳で殴っていく。アルバトリオンは設定上、その身体には攻撃を通さない無敵チートだ。確かにそれは常識に対してチートだ。でも、どんなに無敵だろうと、私とシガーの繋がりの方が上だ。上だと、思い知らせてやる。
「私とシガーの方が上だって思い知らせてやる!」
「イキるなよ!」
「誇りだよ!」
私はアルバトリオンのブレスを避けた後、ゾフィーのM87光線をアルバトリオンの頭部に向けて放つ。アルバトリオンは頭を横にずらして直撃を避けるが、胴体に直撃して爆発する。
アルバトリオンが一瞬苦痛の顔を浮かべた。
「『超銀河ブーメラン』!」
私は銀河を掴んで投げ飛ばす。アルバトリオンは銀河を横に跳んで避ける。
私はアルバトリオンに向かってスペシウム光線を放ち、アルバトリオンの胸元に直撃させる。アルバトリオンの胸元は爆発を起こして、逆鱗が粉々に砕けた。
無敵チート?絶対防御?そんなの私には意味が無い。何より、私には
そして、私はアルバトリオンの尻尾に胸元を斬られた。斬られた際に背後へ吹き飛ばされる。銀河をいくつも貫通した後、私は胸元に走る痛みに涙を流しながら、傷を一瞬で治していく。
「やるね!でもまだまだぁ!『天元突破・木遁・木龍の術』!」
両手で印を結び、宇宙を覆いそうな程に長い木龍を呼び出した。アルバトリオンの身体を一瞬で縛るが、突然木龍の全身が焼き尽くされた。
「『天元突破・木遁・真数千手』!!」
私は千本の腕を持つ巨大な千手観音を展開した。
「なら、俺も!!」
アルバトリオンが、身体に全ての属性を纏っていく。エスカントジャッジメントだっけ?でも、全属性纏うなんてやるね。
「行くよ!アルバトリオン!私の力を受けてみろ!『天元突破・頂上化仏』!」
千手観音から繰り出す無数の拳の連打。それに大して、アルバトリオンは全身から全ての属性を纏った一撃を解き放った。名付けるとすれば、『シン・エスカントジャッジメント』だろうか。
無数の拳の連打と最強の攻撃が、此処にぶつかり合った。
しかし、私は千手観音の頭から跳んで、掌をアルバトリオンに向ける。背中から電光を輪の形に変えて掌に集束し、一気に熱線として放つ。
そして、アルバトリオンの頭部に直撃した熱線は、アルバトリオンを巻き込んで大爆発を起こした。
「ぐおおぉぉぉあああああああああっ!!まだまだぁっ!!」
アルバトリオンが全身から黒煙を出し、ボロボロの肉体になりながら飛んできた。翼がボロボロなのに何故飛べるし。
「なら!私だって付き合ってやるよ!」
「「ウオオォォォォォォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオッッ!!!!!!」」
私が生み出して両手に掴んだ『ロンギヌスの槍』と『カシウスの槍』、そして胴体に貫通させて装着した『ガイウスの槍』を、アルバトリオンの振り上げた爪に命中させた。
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「・・・何時戻ってくるかしら」
「・・・分からないわ」
その頃、キャンディスとクローヴィスは、アベルと共にシガー達の帰りを待っていた。研究所は崩壊したが、人員に影響は無い。
すると突然、収容違反を知らせる警告音が鳴り響く。
『緊急事態発生!収容違反が確認されました!SCPー682の脱走を確認!全職員は、直ちに収容違反対処に動いてください!』
「こんな時に!」
「行こう!キャンディス!」
「ええっ!」
キャンディスとクローヴィスがその場を離れる。
すると、異空間の穴が開き、其処から二人の人物が、肉体が説明出来ないレベルまで損傷していた。
「・・・小娘。ドラゴン。待ちわびたぞ」
アベルは瓦礫の上に座りながら、相手に向かって話し掛ける。
「アベル、また何かあったの?」
「どうやら、あの不死身のドラゴンが脱け出したらしい。私も奴と久々に闘いに向かうとしよう」
アベルは走り出して、その場から離れる。
「・・・ふぅ。またあのクソトカゲか」
シガーは全身を一瞬で治して、服装も元の魔女服に戻す。
「アルバトリオン。貴男はやっぱり転生者なんだね。其処まで力を強くなってるのも、転生者だと言うなら納得だよ」
「君もだったな。まさか俺を何度も殺しかけるなんてな」
「まあね。あっ、クソトカゲ収容前に、一つ言っておきたい事があるよ」
シガーはアルバトリオンの耳元で囁く。
「人間を嘗めないで。でないとこの先、君は人間の手で討たれる事になるから」
「っ?」
「今は分からないかもしれないし、君の体は確かに無敵かもしれない。私でなきゃダメージを与えられなかったね。でも、普通の人間が君を倒せない保証は無い」
「なあ、それって・・・」
「ヒントは上げる。“科学は残酷だね。怪獣を模した兵器を抑止力と呼ぶんだもの”。私達SCPや貴男達モンスターなんかより、よっぽど恐ろしいよ」
「・・・駄目だ。やっぱイメージ湧かん」
「その内分かるよ。どんな形で来るのか、ご想像に任せるね。じゃあ、行こう」
シガーはアルバトリオンの全身を治す。一瞬にしてアルバトリオンの体の負傷を治した後、シガーはアルバトリオンの手を引いて彼を連れて行く。
「アルバトリオン。私達SCPや貴男達モンスターは確かに恐ろしい。常識外れだし、世界を崩壊させてしまえる。でも忘れないで。それらは全て、人間無くしては意味を失う。世界を壊せるのはSCPやモンスターだけじゃないんだから。二度も言うけど、人間を嘗めないで。でないと、貴男は後悔する事になるし、貴男が人間に殺される事になる」
「っ?大丈夫だろ?」
「・・・忠告はしたよ」
果たして、アルバトリオンがどう受け取るのか、それは彼に託された。彼はどれを選択するのだろうか。