「結ってくれないか?余の髷を」
そう言い、神々しいオーラを放ちながら将軍は椅子に身体を預けた。さあ、早くしてくれと言わんばかりのオーラを放ってである。
もし、何かの粗相が有れば…未成年のナルトは兎も角、義務教育の終えたトビオと自来也には当然の如く対人宝具 打首獄門・晒し首 が待ち受けている。それを受ければ即死であり、死後の生首は晒し者にされてカラス等に啄まれ、虫に集られる。
((将軍かよぉおおお!!))
直ぐ様、事態を重く見たトビオと自来也は速やかにスタッフオンリーの裏手に逃げ込む。そこならば、ヒソヒソ話をしてる限り、将軍には聞こえることは無いだろう。
「自来也さん!どうするですか!!将軍が来ましたよ!来ちゃいましたよ!!今は資産家に成っちゃいましたけど、どうするんだよ!!」
今の世の中、征夷大将軍という称号は存在しない。故に将軍は将軍ではなく、資産家だ。だが、本気を出せば間違いなく彼の配下が沢山出てきては間違いなくトビオは倒され、数の暴力に自来也も倒されてしまうだろう。
「大丈夫じゃ!緊張で物凄く吐きそうじゃが…なんとか成る!!
ワシはの…大名の護衛もやった事が有っての。髷も結ぶ事が出きるんじゃ!」
自慢気にサムズアップを行い、笑みを浮かべる自来也。此処で最年長の自来也も狼狽えたら、この場は文字通りの地獄に変わってしまう。それを防ぐためにも、二代目火影の孫を預かる身として彼だけでも確りしないと行けないのだ。
しかし…此処で1つ問題をトビオは思い出す。
「自来也さん…吐き気は本当に大丈夫です?ナルトに促されるように、全マシマシを食べてましたよね」
そう、実は床屋に来る前に自来也、トビオ、ナルトの3人でラーメン屋に行って食べてきたのだ。
そのラーメン屋はラーメン二郎。関東では有名な二郎系と呼ばれる人を選ぶが美味しいラーメン屋なのだ。ラーメン二郎はボリュームが沢山であり、野菜も麺の量も物凄く多い。並みでも普通のラーメン屋の大盛位は有るのだ。
そのラーメン二郎が三咲町に先日オープンし、どうしても行きたかったナルトは自来也とトビオを連れて今日の昼過ぎにやって来たのだ。
だが、ラーメン二郎は人を選ぶ。当初、ナルトは弟のオグナとチームメイトのローラを連れてくる予定だったのだが。
『兄者。すまないが、俺はアレをラーメンだとは思わん。モヤシが多すぎる上に、俺は細麺が好きなのだ!』
『ごめん、ナルト。私…あれは…ちょっと…。うん、次回は行くね』
と見事にオグナとローラに断られたナルトは自来也とトビオにお願いして来店した。
勿論、ナルトは女性でも優しく二郎のラーメンを食べられるやり方も知っており、それを言って説得したがオグナの決意が微塵も変わらなかったのは余談である。
二郎でトビオはラーメン並み野菜少なめを頼み、ナルトはニンニク以外全マシマシ(汁無し麺超盛り)+ニンニク以外全マシマシ(麺超盛り)、そして二郎の事を勉強不足だった自来也はナルトや常連客に流されるように全マシマシを頼んでしまったのだ。
「トビオ…わりぃ…胸焼けがヤバイわ」
「自来也さん!?大丈夫ですか!?此処で吐かないで下さいよ!!二郎全マシマシ…モヤシ背油ニンニクてんこ盛りのラーメンを吐かないで下さいよ!!」
自来也…緊張+二郎全マシマシのお陰で冗談抜きで吐きそうに成ってしまう。
だが、此処で2人はスタッフオンリーの裏手にナルトが居ないことに気付く。まさかと、思い…自来也とトビオは暖簾から店内を見ると、そこには…
「お客さん!今日はどうするってば?ツーブロック?ごりん?ソフモヒ?」
「髷を結ってくれ」
((なにやってんのぉぉおおあおお!!))
なんと言う事でしょう。ナルトは逃げずに、1人で将軍相手に接客を行っていたのだ。当然、ナルトが髷の結い方など知るわけがなく、あろう事かナルトは髷をハサミで切り落とそうとする。
「「アカァァァァァァン!!」」
直ぐ様、自来也とトビオが裏手から飛び出してナルトの行為を止める。チャクラブーストを用いた全力超短距離走。なんとか、ナルトのハサミを止めることに成功した自来也とトビオ。だが、今の一撃で全マシマシの量と背脂に敗北寸前だった自来也の胃袋は決壊してしまった。
「げふ……」
だが、このまま吐き出せばナルトに嘔吐物が直撃してしまう。そうなれば、自来也は扉間とエンマそして青子の3人に殺されてしまうだろう。それだけは防がなくてはいけない。故に、吐き出す寸前に自来也はトビオにナルトを投げ渡し、咄嗟に右を振り向いた。しかし…その方向には
「なにやってんのぉぉおお!!」
トビオの悲痛な叫びが響く。そう、自来也が吐き出した方向には将軍の頭が有ったのだ。将軍にゲロが直撃する。そんな事に成ってしまえば、自来也は間違いなく打首獄門にされて晒し首にされてしまうだろう。
「やっちまったぁぁぁ!!」
自来也、痛恨のミス。
「エロ仙人。吐くなら全マシマシ食べるなってばよ」
「ちょっとナルトは黙ってて!!」
トビオは地面に散らばったニンニクの臭いが凄い嘔吐物を神器を応用し、影の中に封印する。地面に落ちた物はこれで大丈夫であり、後は将軍にゲロがかかってないかのチェックだ。チェックを終えて、トビオは安堵の息を吐き出した。どうやら、打首獄門の危機は一先ず回避は出来たのだ…後は粗相を起こさず、何とか出来れば任務は無事に達成である。
「自来也さん!将軍にゲロはかかって無いですよ!」
「それは良かった!!」
だが、そこでナルトはチラッと見てしまう。
「トビオの兄ちゃん。なんか、付いてるってばよ」
ナルトは将軍の顔を指差していた。何事かと思い、自来也とトビオも将軍の顔を見る。将軍の目の所には、二郎ラーメンのトッピングだったメンマがベッタリとくっついていた。メンマは全マシマシの背脂でギトギトであり、将軍の目蓋にくっついて手では取れない。
「あっ…あれ…可笑しいの…取れん!!」
しかし…ナルトもトビオも流石に自来也の吐き出したメンマなんか触りたくない。メンマを取るのは自来也の仕事である。
「エロ仙人。これ使えば?」
すると、ナルトは床屋の店員や美容師が使うカミソリを取り出して自来也に手渡した。確かに、これで滑らせれば、メンマを難なく取れるだろう。
「ナルト。確かにそうだけど、危ないだろ。もし、顔に怪我なんかさせたら大変ですよ」
とトビオが辞めるように言うが、自来也はカミソリの刃を出した。
「うむ。やるか。日頃から刃物の取り扱いなら慣れとる。ワシは伝説の三忍だからな」
すると、自来也はカミソリを滑らせて1つのメンマを回収する。
「どんなもんじゃ!」
後、1つである。だが……
「あっ!!」
ジョリィィ!!と音が無音だった店内に響き、自来也が声を出してしまった。
ぽとっと将軍の頭から髷が落ちてしまい、自来也は固まってしまう。そう、自来也はメンマを回収しようとしたが勢い余って将軍の髷を剃り落としてしまったのだ。
「エロ仙人」
「じっ…自来也さん…髷…落ちちゃいましたよね?」
自来也はカミソリを机の上に置いて静かに髷を拾う。そして髷を見つめること数秒、いや彼等の体感時間からすれば数十秒程だ。
「ぬぉおおおおりゃぁぁぁぁあ!!」
自来也はあろうことか、渾身の力で髷を投げ捨てる。投げられた髷は160キロを越え、轟音と共に床屋の扉を粉砕して外に飛び出してしまった。
まさかの自来也の行動に唖然としてしまい、言葉が出てこないトビオとナルト。
「あっ…」
――アンタなにやってんのぉぉおおお!!
とトビオが叫ぼうとした刹那、先に自来也が口を開いた。
「バッキャロォォオオオオオオ!!ゴールデンレトリバーのウンコが落ちてるじゃないか!!ちゃんと掃除しとけ!!新人!!」
なんと言う事でしょう。自来也は髷を外に投げ捨て、あろう事かゴールデンレトリバーのウンコという事にして、現実逃避&証拠隠滅を図ったのである。
「なにやっとんじゃぁぁあ!!このおっさん!!今の将軍の髷だよ!?アンタが剃り落とした髷だよ!?」
「ちがーーう!!あれはゴールデンレトリバーのウンコだ!!それ以下でもそれ以上でもない!!」
「良い年して、現実逃避すんな!!」
トビオの拳骨が自来也の脳天にダメージを与え、自来也は頭を抑える。
「ぐほ!?トビオ…本気で殴りおったな!」
「当たり前じゃ!!なにやってんだよ!!未成年のナルトは兎も角、このままじゃ俺達は打首獄門だよ!?どうするんだよ!!」
髷は自来也が剃り落としてしまい、正に絶体絶命。だが、自来也は将軍の毛先を握る。
「仕方無い。この長さで髷をやるしかないな」
自来也は将軍の残った毛で髷を作る為に、思いっきり引っ張る。しかし、この残った毛で髷を作るのは至難の技であり、将軍の頭皮は引っ張られ…将軍の目はほそまり…顔は凄いことに成ってしまう。
「エロ仙人!!辞めてあげて辞めてあげて!!」
「自来也さん!!将軍の顔が凄いことに成ってますよ!!」
将軍の顔が凄いことに成ろうが、自来也は引っ張るのを辞めない。
「やるしか無いんだよ!!ほら、見てみろ。将軍も笑ってるだろ?」
「少なくとも、それは笑ってませんよ!!泣いてるからやめてあげて!!本当に止めて!!」
そして…一応の髷は出来たが、それは短い。その上、将軍の頭皮が引っ張られた為か将軍の顔が凄いことに成ってしまっている。
「ふう…どうでしょう」
「どうでしょうじゃねぇぇよ!!」
だが、そこでトビオに妙案が浮かび上がる。自分達がカツラを被って変装してるように、将軍の頭にもカツラの髷を被せれば良いのでは?と。
「そうだ!カツラだ!髷のカツラ…さっき、自来也さんが投げた髷を被せれば…」
そして、トビオは外を見る。外には未だ髷が有るのだが、その髷をあろうことかゴールデンレトリバーが咥えて走り去ってしまったのだ。
「トビオ兄ちゃん!エロ仙人!」
「ゴールデンレトリバーがゴールデンレトリバーの髷を咥えていった!?」
「いや、だから…将軍の髷だから!!」
髷、まさかの損失。
「仕方無い!ジン!!」
「ワン!!」
トビオの影からジンが飛び出した。しかし、扉間Boot Campを受けた影響か、ジンは子犬から成犬に成長していたのだ。
「ジン!あのゴールデンレトリバーから髷を取り戻してくれ!!」
「ワン!!」
ジンは髷を取り戻す為に走り去った。
「トビオ、ナルト。髷ならワシが作ったぞ?」
自来也に言われ、ナルトとトビオは自来也の手を見る。そこには精巧に作られた髷のカツラが有ったのだ。
「自来也さん!!」
「凄いってばよ…エロ仙人!!」
「ワシは元々、キャスターのサーヴァントじゃよ。道具を作るのは朝飯前だ」
そして…エロ仙人はその出来立てのカツラを将軍の寂しい頭の上に置いた。
これでバッチリ……ではなかった。
将軍の頭皮にポツポツとブツブツが出来てきたのだ。これは間違いなく、普通の毛ではない。
「…自来也さん?この毛、なんすか?」
「となりの茂みに生えとった」
なんという事でしょう。自来也の言う茂みとは、バラキエルのチン○ンであり、そのカツラはバラキエルの陰毛が使われていたのだ。
「アウトォォオオオオオ!!これ以上…犠牲者増やすな!!」
「仕方無いの…それじゃあ…ウェイバーの髪の毛を借りるか」
自来也はハサミを手に取り、ウェイバーの髪の毛を切り…カツラを作ろうとするが、何故か…巧く出来ず…気が付けば…
「もう…ウェイバーさんじゃなくて、ワカメちゃんですよ!!」
ウェイバーの長い髪は気が付けば…サザエさんに出てくるワカメちゃんのような髪型に成っていたのだ。
もう…万事休す。誰もがそう思った。だが…
「ワンワン!!」
ジンが店内に戻ってきた。その口に何かが入ったビニール袋を咥えてである。
「出かしたぞ!!」
自来也はそれを受けとる。だが、妙に袋が生暖かい…それに何か臭う。だが、自来也はそれを将軍の頭の上に置いてビニール袋を取る。
「おい…ちょっと待て……」
「これっ…て」
それは確かに丁髷に似ていたが、モザイクが掛けられており、茶色い。それになんだか臭うのだ。
「ワン!」
「ゴールデンレトリバーのウンコ(マジ)じゃないか!!」
「「逃げるんだよぉおおおお!!」」
トビオ達はその場から逃げ出した。犠牲と成った3人を置いてである。
一方その頃。成田空港。
「はっ?これはどういう事だ?」
アザゼルは困惑した。彼は四凶と神滅具を確保する為に部下を沢山日本に送っていた。しかし、送った部下は全員が連絡が取れず、自分で転移でやって来た。しかし、転移で移動すれば何故か成田空港の税関に来たのだ。
「初めまして。私は成田空港の新人税関職員 ジャネットです」
アザゼルの目の前にはジャネットという、若い白人の職員が居る。だが、アザゼルは気付いた。このジャネットという若い女性は神器を宿してると。
「お前…神器を宿してるな?」
「それが何か?関係無い事です。パスポートの掲示をお願いします。貴方は日本に不法入国しようとしましたね?」
パスポートなんて、アザゼルは持ってきていない。そもそも可笑しい事だ。アザゼル達は過去、扉間が魔法省の大臣に成る前は普通に転移での入国が出来ていた。どうしてダメなのか?とアザゼルは疑問に思う。
「ふざけるな。俺は今まで問題は無かった」
しかし…その刹那、アザゼルの目の前にエンマとイタチが飛雷神で登場した。
「は?アイェェェエエエエ!?」
「不法入国でお前を拘束する」
アザゼルは知らない事だが、日本への転移での入国は2度と出来ない。許可された一部の政府の役員は可能だが、転移での入国を実行しようとすると国際空港の税関に強制転移される仕組みなのだ。
アザゼルはそれを知らず、転移での入国を行おうとした。パスポートやビザは用意しておらず、当然ながら現行犯逮捕である。
2年後。
「此処が冬木だってばよ?それじゃあ…俺の上忍初任務を遂行するってばよ!」
高校1年生に成ったナルト(身長175cm)は冬木に訪れていた。彼は扉間からの指示で、第五次聖杯戦争こと聖杯バラエティーの補佐を行うのである。
それが色んな意味での地獄であり、聖女に振り回されると知らずにである。
第五次聖杯バラエティー及び…エイジ・オブ・ウルトロンに続く。原作開始まであと1年。
次回!聖杯バラエティー再び(笑)
1ヶ月一万円生活(但し、バーサーカーとランサー以外)。勝つのは誰だ!?
なお、原作時空のメインキャラも遊びに来る模様。
ボルト君…このままレギュラーにする?
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ボルト君強化の為にこの世界に留学
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時々で良いので遊びに……
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強化なら原作一誠を最強に!