「日本め…弱小国と弱小神話の癖にやるじゃないか」
だらけたような声が部屋に響く。声の主は五大宗家と癒着していた魔王の1人ファルビウム・アスモデウスである。しかし、彼の頭皮には髪の毛が1本も存在しない。言うならば、スキンヘッドである。これには訳が有る…ファルビウムは好きでスキンヘッドに成った訳では無いのだ。
「身の程を知れって言いたいけど、まあ…悪魔と繋がりの有る国は多い。財政を干上がらせて、思い知らせても良いし…力の差を見せ付けて粉砕するのも良いね」
カランとファルビウムは持っているグラスをかき混ぜる。彼が持つグラスには上等な酒が入っており、日本円で言えば何百万とする品物である。
ファルビウムを始め、多くの悪魔は人間よりも悪魔の方が素晴らしく上に立つべきだと認識しており、彼等が真に悪魔と認めるのは純血の貴族悪魔だけである。だから、ファルビウムは気に入らなかった。日本が悪魔を閉め出し、お陰で悪魔の支配下から脱した日本をだ。その上、日本は悪魔が恩恵を与える素晴らしき品物 悪魔の駒の使用を禁止し、悪魔は日本で眷属を作ることが出来なくなったのだ。
「奴隷候補の癖にやるじゃないか」
ピシリ…グラスに罅が入る。当然だ、悪魔の駒で折角仲間に迎え入れて思う存分に才能を活かして死ぬまで働く権利を上げようとしたのに、逆らうのだから。
日本には魔法省の精鋭が展開した結界で覆われており、転移での入国は不可能。転移で入国しようとすれば、強制的に税関に強制転移される仕組みなのだ。今までは無断で転移入国してもお咎めは無し。三大勢力は日頃からこの方法で転移していたが、それは2度と不可能。
だが…ファルビウムは笑みを浮かべた。
「だけどね…盲点が有るね。転移魔法(厳密には魔術)は使えない。だけど、君達が日頃から使う口寄せを巧く使えばどうかな?」
第五次のサーヴァントがバラエティーで頑張っている頃。
何処かの学校の屋上。そこでバイオリンを奏でる音が夕焼けを背景に広がる。屋上には金髪の女顔の少年がバイオリンを奏でていた。その演奏はプロと遜色なく間違いなく、場所が場所ならば生活出来る程の報酬を貰う事が出来るだろう。
金髪の少年は紅ギャスパー。世界的なバイオリニストである紅音也の末の息子であり、世界的に有名なバイオリン職人である紅渡を兄に持つ。色々訳があって家族の誰とも似ていないがそれは事情が有るのである。
ギャスパーは女性の胸に執着した赤龍帝がハーレムを築く世界(正史)と異なり、身長も同年代の平均と同じ位は有り、色々有って身体も正史と比べるとゴツく筋肉が少し発達してるのが学ランの上からでも分かる。
やがて、演奏が終ったのかギャスパーはバイオリンを止めて、魔術を用いて亜空間に仕舞った。
「ギャスパー。そろそろ帰らないと、真夜に怒られるぞ」
何処からともなくその声が聞こえると、ギャスパーの肩に黒いコウモリのようなUMAが降り立った。このコウモリのようなUMAはキバットバット2世、通称キバット2世であり息子と娘が居る。一応、種族はキバット族と言うものだ。
「うん。それじゃあ、帰ろっかキバッチ」
そんなキバット2世の事をギャスパーはキバッチと呼んでいる。と言うのも、今の紅一家でキバットと言えば2世の息子である3世であり、3世の方をギャスパーはキバットと言ってる為にキバッチと2世を呼んでいる。そんなギャスパーに対し、キバット2世は「ありがたく思え」と特別に赦しているのだ。
そして、ギャスパーはあろうことか屋上から飛び降りる。普通ならば間違いなく自殺行為だが、ギャスパーにとっては全然自殺行為ではない。至って普通の事である。
ギャスパーは何事もなく、重力を感じさせない程の動きで着地すると平然と歩きだしてその場を去っていく。
「おら!お前達!もっと腹から声出せよ!!」
「はいファイトー!」
「ボール行ったぞ!」
「任せておけ!!」
ギャスパーは帰宅部だ。軽音部からオファーは何度もかかったが、彼はやんわりと断っている。だから、校庭や体育館から響く声や黄色い歓声とは無縁の生活を彼は送ってるのだ。
校庭には猫耳が生えた少女、狐耳が生えて尻尾が生えた少年も混ざって部活動を行っていた。日本は数少ない、種族の差別が無く様々な種族が共存してる珍しい国だ。そして、人も亜人(人型の妖怪や他種族)も何不自由無く過ごせる唯一の国である。
「良い時代に成ったな…」
ギャスパーはこの日本で育ち、千手の家と紅一家の2つの家族に育てられた。だが、ギャスパーの生まれは日本ではなくルーマニアだ。
ギャスパーは人間の母と最上級の吸血鬼に産まれたのだ。だが、吸血鬼は悪魔と同程度かそれ以上に血統の差別が激しく、ギャスパーの母親は奴隷当然の身分だったのだ。奴隷と一族の当主の間に産まれたギャスパー、しかもギャスパーは突然変異であり吸血鬼であって吸血鬼とも人間でもないナニカとして産まれたのだ。故に、ギャスパーは追放処分を受けて…吸血鬼の血を引いてるだけで人間に殺されそうな所をエンマに拾われた。
そして紅一家に出会い、音也の息子に成って音也とその妻でありファンガイアの真夜からキバット2世を引き継がれてギャスパーは仮面ライダーに成ったのだ。
校門を出て夕日が町に消えて夜がやって来る。
ギャスパーの自宅は豪邸と言える程であり、親が親な為か滅茶苦茶デカイ。この辺りは高級住宅街として有名だが、その中でもかなりデカイ屋敷に家族4人(長男 太牙は都内の高級マンションで1人暮らし)とキバット親子で暮らしてるのだ。
「キバッチ……」
「お前も感じたか…行くぞ」
ギャスパーは闇に紛れ、突如として消えた。
ギャスパーが暮らす高級住宅街。そこを1人の少女が何かから逃げていた。彼女は関東でも有名な元私立、現国立の学校 駒王学園高等部の制服を着ており、そこの学生である。
「ハァ…ハァ…ハァ…」
少女は白い髪をしており、胸はデカク、スタイルは抜群だ。そんな彼女はしきりに後ろを見ては何かから逃げている。
彼女の名前は花戒 桃。駒王学園高等部の1年生であり、財閥の娘である。
「ぐへへ…待てよ!お前なら、ゼファードル様も喜ぶぜ!」
と…桃はチンピラ集団(ファルビウム考案の密入国での入国)こと、不法入国した悪魔の集団である。当然、ファルビウムを始めとした悪魔が格下に見てる日本との決まりを守る事は無く、問答無用に眷属確保を悪魔は行っていたのだ。
桃を追い掛けてる悪魔達はファルビウムの弟 ゼファードル・グラシャラボラスの眷属達だ。魔王の弟が選んだだけは有って、優秀な力を持っている。
逃げる桃だったが、何かに当たってしまう。ふと、前を見ると…そこには半裸で褐色肌の男が立っていた。この男こそが、ファルビウムの弟であり優秀な上級悪魔 ゼファードル・グラシャラボラスである。
「じゅるり…胸もデカイし、上玉じゃないか」
声を出したかったが、出せなかった。口を手で押さえられ…その場に組伏せられてしまう桃。必死に暴れても人間と悪魔の力の差は歴然だ。一部の例外はチャクラブーストや後に縁壱が世に広める全集中の呼吸を使わずとも、人外と互角に戦える(例 音也パパ、一条さん)。しかし、普通の人間はチャクラブーストや全集中を使えばともかく、使わなかったら先ず勝てない。
「ムー!ムー!!」
もう、為す術がない。ゼファードルは悪魔の駒でとっとと眷族に変えて奴隷にしたかったが、その前に桃が人で居る間に楽しみたかったのだろう。
「さてと…堪能するとするか」
桃の口を離し、代わりに動かぬように右手で桃の身体を抑える。そして…左手で大きな胸を堪能しだした。
「俺の子種を受け入れる事を誇りに思いな」
そして…ゼファードルは自分のズボンを脱ごうとしたが……
「ごふぁぁ!?」
何者かに突如として蹴られ、バキバキと脛椎がへしまがり…顎の骨が砕ける。いくら悪魔が人間よりも頑丈だと言え、脛椎を損傷すればマトモに動けない。ゼファードルは蹴られた衝撃で地面を転がり、見事に動かなくなった。
「へ?」
何が起きたのか理解出来なかった桃。しかし、彼女は大きな気配を感じて立ち上がる。そんな彼女を、チンピラ集団ことゼファードルの眷属から守るように立つ金髪の少年 ギャスパーが居たのだ。
「キバッチ」
「絶滅タイムだ……」
ギャスパーはキバット2世を掴み、キバット2世は口を開ける。そして、ギャスパーはキバット2世を自分の左手に噛ませた。
「ガブ!!」
「変身!!」
キバット2世はギャスパーを噛み、ギャスパーに力を送り込む。すると、ギャスパーの身体に変化が起きたのだ。
ギャスパーの頬に紋様が現れ、腰には黒いベルトが出現したのだ。ベルトの中央には何かが停まれるように成っており、ギャスパーはその中央にバックルとしてキバット2世を止まり木のように停まらせた。
次の瞬間…莫大な魔力が解き放たれ、闇のキバが出現した。その闇のキバの名前は仮面ライダーダークキバ。嘗て、音也が真夜を救うために戦い抜いた、仮面ライダーである。黒と赤の戦士はマントを波立たせ、一歩前に歩み出す。
「バカな……仮面ライダーだと!?」
ゼファードルの眷属の1人がそう言い、フェニックスの涙で復活したゼファードルが立ち上がる。
「仮面ライダーだと?へっ…悪魔の敵じゃない!消し飛べよ!!俺の楽しみを奪いやがってよ!!」
ゼファードルは両手から魔力を解き放ち、ダークキバを攻撃する。その威力は大地を抉り、人間を軍単位で消し飛ばす力を持つ。当然、周囲の家々にも損害が出て、ご近所の悲鳴が響き、逃げ出す足音が闇に聞こえる。
「バカな…」
ゼファードルの一撃は最上級の存在にもダメージを与えることが可能だ。しかし、ダークキバに傷は見当たらずギャスパーはダメージを受けていない。
その刹那…ゼファードルの眼前に拳を構えたダークキバが現れる。ゼファードルが反応出来ない程の速度、そして拳は放たれてゼファードルは一撃で粉砕された。
「安心しろ…ダークキバは殺してはいない。貴様達には聞かねばならない事が有るからな。まあ、死んだ方がマシだがな」
ベルトに止まったキバット2世がそう告げ、ギャスパーは地面を蹴って消える。その後、アスファルトには手足をバキバキにへし折られ、封印術で術を封じられた悪魔達が転がっていた。
「キバッチ…コイツらどうしよう?」
「暗部に引き渡せ。間違いなく、条約違反だ。あと、その子は送ってやれ」
その後、ゼファードルと愉快な取り巻きは警察に引き渡され…そこからシェムハザ率いる暗部の拷問&尋問を受けることと成った。
あと、桃はギャスパーとキバット2世の護衛の元で帰宅した。
此処のギャスパーは顔だけ男の娘です(笑)
優勝予想アンケート
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赤い主夫 エミヤさん
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サバイバル王 マダラさん
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戦国山暮らしの知恵 縁壱さん
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皆のアイドル ドラちゃん
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ママタレント綱手姫と聖女ジャンヌちゃん