魔獣創造
――君の子供が魔獣創造を宿した?すまないが、関係も此処までだ
――日ノ本の神に見放された子供。死んだ方がマシだろうに。
――ならば、君達夫妻が穢らわしい魔獣創造を殺したまえ。ああ、私達ならそうするさ。私達は日本を守護する五大宗家、その程度なら平気でやる。君達がその子供を殺せば、宮大工として雇ってやろう…前と変わらずににな。
魔獣創造を宿して産まれた幼子は宮大工の長男として産まれた。父と祖父は代々、宮大工をしており日本の由緒正しき神社からも信頼される程の家であり、非常に家も大きく使用人も多かった。
だが、ある時から運命の歯車が狂い始める。幼子が3歳の誕生日を迎えた頃、幼子が神器を宿して事が明らかに成ったのだ。幼子が宿していた神器は魔獣創造、神滅具の1つであり、世界最悪の神器と称された代物だ。それを宿した人物は確認され次第、殺される事が陰ながら決まっていたも同然であり、多くの歴代保有者が子供の頃に殺された。
しかし…それでも、それでも。幼子の両親と祖父、幼子の姉は幼子が生きる道を選んだ。それは即ち、日本を裏切るも同然の行為だったが…親ならば誰もが思う。自分の生活を捨ててでも、何としても守り抜きたい者が子供なのだから。
幼子が5歳の誕生日を迎えた頃。事件は起きた。
――我等、五大宗家は今回は見過ごそう。殺したければ殺せば良いさ
日本を守護する五大宗家という家々が有る。彼等は日ノ本の神話に遣え、厄災から日本を護るのが役目だ。しかし、噂のテロ組織?ショッカー相手に善戦出来ず苦戦続きだったのは内緒である。
その五大宗家から見過ごそうと言われたグリゴリの軍勢は、幼子が暮らす屋敷を襲撃。当然、襲撃前にグリゴリは警告を行っている。
――魔獣創造を宿した子供を手渡せ。そうすれば、お前達は見逃してやる。
だが、両親の回答は断固拒否。当然だが、渡せば人体実験の始まりだ。人体実験でドロドロに成って解剖されて神経一本に至るまで調べ尽くされる。その後は神器を抜かれて殺されて、下水道に流されるのがオチだ。
「そうかよ…子供は手放さないか。野郎共!!この屋敷の人間を皆殺しにしろ!!若い女は好きにしても構わん!!
魔獣創造を宿した子供は絶対に殺せ!!良いな!!」
堕天使の軍勢の数は300。あの五大宗家に見逃すと言われたのだ、300人程の軍勢を引き連れても問題は無い。たかが幼子1人殺すためとは言え、遣り過ぎな気はするが遣り過ぎではない。むしろ、此処までしないといけない程に魔獣創造は危険な神器なのだ。
「「「ウォオオオオオ!!」」」
軍勢は雄叫びを上げて、屋敷に攻め混む。人間と堕天使の産まれ持った戦力差は歴然だ。魔術を行使する為の神経回路 魔術回路を持っていようが、堕天使には勝てない。堕天使に勝つ為には、何らかの方法で身体能力にブーストをかけるか、神器の力しか無いのだ。
血潮が吹き出し、次々と人が殺されていく。幼子の祖父と父親も既に殺された。使用人も希望者と女性には全員、事前に辞めてもらっている。当然だが、堕天使が殺戮を繰り広げた後は悪魔に変える為に悪魔がやって来る恐れが有った為だ。
「良い?カンナ。私が居なくなっても、エンマを支えてあげてね。貴女はお姉ちゃんだから出来るわね」
母親と思われる女性が、屋敷の一番奥で幼子と同じく幼い幼子の姉に向けて最期の遺言を遺そうとしていた。
「エンマ…貴方には誰にも理解出来ない程の苦難が待ち受けてるわ。でもね、産まれて来たからは絶対に幸せに成りなさい」
母親は既に悟っている。もう、自分は絶対に助からない。この場から逃げても堕天使の情報網では絶対に見付かるし、魔獣創造を宿した息子は絶対に差し出さない。だから、彼女は賭けに出る。母親は元々、降霊術を司る魔術師の出だ。
母親は子供を護るためなら自分の命も、魂さえも犠牲に出来る。魂を失えば、輪廻転生さえも出来ないだろう。だが、それがどうした?子供が助かるならば、自分の存在など要らない。覚悟は…息子が産まれてから出来ている。
――ごめんね…こんなお母さんで
涙を流し、未だ幼い子供達に告げて…母親は脇差しで自分の手首を切る。切り裂いた所から血が吹き出し…血は地面に垂れて魔方陣の形を取り始める。
――イタコのアンナの名に於いて告げる。冥土の座に在りし英霊よ、我が祈りが聞こえるならば汝の正義に従い口寄せに応じよ
唯の霊ならば堕天使には勝てない。強い存在…座に記された英霊を召喚する為には代償が必要だ。生贄となる魂は勿論、術者である母親の魂。
――イタコ式降霊術 口寄せ。来たれ…
「此処に居たか!!魔獣創造のガキ!!」
だが、詠唱がまもなく終る時に堕天使が親子の所に辿り着く。堕天使が光を形態変化させて光の槍を作り出す。
「しねぇぇ!!」
――人理の守り手よ!!
放たれた光の槍。だが、魔方陣から眩い光が放たれ、キン!!と固い音と共に槍は弾かれる。
「はっ?何が」
その刹那、銀髪の男が堕天使の前に現れた。男は若く…二十代前半位だ。忍者が着るような鎧を纏い、右手にはクナイが握られている。
そして男はクナイで堕天使の首を切り落とした。辺りに血潮が飛び散り、首から上を失った堕天使はビクビクと震えて動かなくなって後ろに倒れてしまった。
「きて……くれたの…ね…英雄さん」
英雄と呼ばれた男は母親を見る。だが、英雄を呼ぶのに魂を代償に捧げた母親の身体は徐々に灰に変わっていき、既に右半身の殆どが崩れている。徐々に灰に変わる母親に泣きすがる娘と息子。
「貴様がワシを呼んだマスターか?禁術の類いのようだな…ワシを受肉させその上で呼び出すとは」
英雄は自分の手をグー、パー、グー、パーと開いたりは閉じたりして身体を確かめる。そう、母親が使った降霊術は英霊を呼び出すだけではない。あろうことか、受肉させるのだ。
「マスター、貴様には時間がないな。要件を手短に話せ」
「娘…カンナを…息子…エンマを…頼みます。英雄…様」
「ワシの真名は千手扉間だ、マスター。任せておけ、二代目火影の名に誓い…子供達はワシが面倒を見る」
英雄…千手 扉間はそう告げ、母親の未だ残ってる左手を優しく握る。
母親は笑みを浮かべ…完全に灰に成ってしまった。
「ああ、任せておけ」
千手扉間。彼はグランド・アサシン うちはマダラと同じくNARUTOの登場人物であり、作中最強クラスの強さを誇る男だ。
忍としての戦闘能力は勿論、様々な術を開発した発明家として、里を運営する為政者や教育者としても優れた手腕を発揮した。彼が居なければNARUTOという物語は誕生していないと言っても過言では無いだろう。
五大元素、陰陽全ての性質変化を扱え、その中でも水遁を好んで使う。使う水遁でも殺傷能力等の効率を重視した水遁を好んで使い、的確に相手を殺す。
「お前達2人はワシが必ず守る。安心しろ」
母親を失い、慟哭の雨を目から流す幼子2人の頭を扉間は撫でる。扉間も子供の頃から家族を失ってきた。2人の気持ちは痛いほど分かるのだ。
「だが、その前に…掃除だな」
扉間はそう告げ、消える。その数秒後…屋敷の中庭から数多の断末魔が響き渡り、やがて断末魔は聞こえなくなった。何が起きたのか理解出来なかった姉と弟だったが、恐る恐る中庭に出る。
そこには数多の堕天使の死体、なんとかギリギリ生きてる堕天使1人、そして数多の堕天使をたった1人で壊滅に追い込んだ扉間であった。しかも扉間は無傷である。たった一度も被弾する事はなく、屋敷にやって来た堕天使を壊滅させたのだ。
「貴様達…カンナとエンマだったな。中に居て荷物を纏めろ。ワシがコイツ等から情報を聞き出したら、此処から直ぐに出るぞ」
――おっちゃんも言ってるし、いこ
姉に手を引かれ、屋敷の奥に消える弟。
それを確認した扉間はゆっくりとした足取りで、まだ辛うじて生きている堕天使に近付いていく。
「くっ…来るな…化物!ふざけるな…ふざけるな!!神器も伝説の武器も持ってないくせに、俺達を倒すなんてマジでふざけるなよ!!この化物がぁぁ!!
予備動作無しの瞬間移動、障壁すらも切り裂く水、一瞬で増えて爆発する手裏剣…お前は何なんだ!!」
堕天使は恐怖に怯え。叫ぶ。
「口寄せ、穢土転生」
しかし、扉間の術が発動し…堕天使に塵芥が集まっていき、堕天使は生贄にされて死亡した。塵芥はどんどん集まっていき、やがて別の堕天使に成ってしまった。この堕天使は先程、扉間に瞬殺された堕天使部隊の隊長である。
口寄せ、穢土転生。それは扉間が開発したとんでもない禁術であり、それは生きた人を生贄にして死者を甦らせる最悪の忍術である。
扉間はわざと、精度を下げて穢土転生を行い…完全に支配下に置く。そして相手の持ってる情報を全て自白させ、トドメに相手に拠点に送って爆弾にするのである。正に卑劣!!
「貴様達は何者だ?それと、どうしてこの屋敷を襲った?」
『我々は三大勢力の一角 堕天使中枢組織グリゴリの堕天使。この屋敷には神器 魔獣創造を宿した子供を殺すためだ』
「神器とはなんだ?」
『聖書の神が作り出した人に宿る力。その中でも13種類の強力な神器は神滅具と呼ばれる』
「その神は何者だ?」
『分からない…もう遥か昔に死んでいる』
と次々に情報を得ていく扉間。
(エンマは魔獣創造という神器を宿した為に、姉以外の家族を殺されたのか。聖書の神が作り出した神器、宿しただけで聖書とやらの三大勢力に殺される。完全に三大勢力とやらの偽善だな)
と…結論付けた扉間は…
「そのグリゴリ本部に帰り、互乗起爆札で自爆せよ」
穢土転生堕天使をグリゴリ本部に送り返した。翼を広げ、去っていく穢土転生堕天使を見送り、扉間はエンマとカンナを連れて屋敷を去った。
2時間後。たった1人の子供を殺すには遅すぎると判断したアザゼルは、右腕のシェムハザを現場と成った屋敷に派遣した。
「こっ…これは…」
そこでシェムハザは殺された堕天使の軍勢を確認する。庭は血潮と不自然に水に濡れていた。同胞が殺された為か、シェムハザは涙を流す。
「ありがとう…誰かは知りませんが。あの仮面ライダー達でしょうか?」
その涙は別の理由だった。
「神器に運命を狂わされた子供を助けて…頂き、ありがとう!!」
屋敷には子供の遺体は無い。だとすれば、誰かが魔獣創造を宿した子供を救い、連れ去ったという事だ。
子供が助かった。命令には叛くが、シェムハザは幼い命が救われた事に涙を流したのだ。
「ふん…堕天使とやらの中にも居たのだな」
その様子を互乗起爆札を手に持った、扉間の影分身が眺めていた。
「貴様。堕天使だな?」
影分身の扉間はシェムハザに近付き、話し掛ける。
「はい。私はシェムハザ、グリゴリの副総督です」
「貴様達が殺したかった子供は居ない。今頃はワシの本体が連れている」
「ええ。それで良いです…此処で貴方に殺されても文句は無いです。貴方があの子供を助けて下さったのですね」
シェムハザに命は惜しくない。もう、彼は万年も生きた。救える命をアザゼルの指示で殺してきた、見捨てた彼に命は惜しくないのだ。
「そうか。なら、貴様は少し遅れて本部とやらに帰るが良い。そしてアザゼルにはこう伝えろ…屋敷は跡形もなく破壊され、子供の遺体は判別出来ぬ程に灰に成ってたとな」
要するに生きろ…此処では殺さん、という事である。
「ええ。そうします」
シェムハザは飛び立ち、シェムハザがある程度の高度に到達すると…扉間の影分身は互乗起爆札を発動させ、屋敷を跡形も無く消し去った。
「ホンゲェェェ!?帰ってきた奴が大爆発した!?」
グリゴリ本部…穢土転生堕天使の自爆で大損害を受ける。それを遅れて帰還したシェムハザが知るのは、大爆発が起きてから1時間後であった。
次回!高校生に成長した幼子のお話。
エンマの息子の先生、誰にする?期限は次章のアベンジャーズ編が終るまで
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オビト先生
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最盛期の肉体、技術老年期のエロ仙人