「ギャスパー…あの子大丈夫か?」
「さあ、どうでしょうね」
ギャスパーと戦兎は一誠と堕天使を尾行し、端から見ればカップルを尾行する野次馬である。
「あの堕天使…しきりに周囲を警戒してますね。まあ、僕の事を知ってたから当然か」
ギャスパーの言うとおり、堕天使は自棄に周囲を警戒して少し落ち着きが無い。それは一誠は勿論のこと、周囲を歩く他の民間人もチラリチラリと堕天使が気になって見ていた。
「なんか…小さな声でギャスパーの事をファンガイアの王とか言ってたしな」
「元々、キバッチ達キバット族はファンガイアの王夫妻に仕える一族ですからね。闇のキバも王の証しだったので…」
と尾行しながら話すギャスパーと戦兎。だが、堕天使はギャスパーが着いてきて無いか心配に成り、中々店に入ろうともしない。
「そういや…ギャスパー。1つ聞きたかったんだけど、天界協定ってなんだ?俺と万丈はこの世界に来てから未だ半年も経っていない。それなのに、良くニュースで聞くんだ」
「ざっくりと言えばアホ天使の自業自得ですよ、自業自得。お陰様で欧州はショッカーやヒドラの残党に財団Xが大喜び。助けに行きたくても行けないので、どうする事も出来ません」
はぁとギャスパーは溜め息を吐き出した。
「自業自得?俺も調べられる範囲は調べたけど、あくまでもネットに乗ってる情報だったりニュースで見れる範囲だけだ。
ヒーロー活動を行う外国人による無許可なヒーロー活動を制限する事は知ってるけど」
「仮面ライダーとアベンジャーズを閉め出し、自分達で欧州を守ろうとした結果がアレですよ、アレ」
(ファンガイアの王…まだ付いてくるのか!!てか、ファンガイアの王は自爆技で1000年前にレジェンドルガを滅ぼす為に死んだ筈でしょ!なんで生きてるのよ!!)
後ろを振り向き、堕天使の女 レイナーレはギリギリと歯軋りを行う。彼女は堕天使だ、天使だった過去も有り最低でも数百年は生きている。
天使はご存知、神様が死んでから増える事は不可能。だが、堕天使は堕天使同士の婚姻で増える事が可能だ。事実、出生数は少ないが毎年堕天使の子供は産まれている。レイナーレの部下も普通に婚姻で結ばれた堕天使同士の間に産まれた子供も居るのだ。
だが、彼女は違う。レイナーレは堕天して天使から堕天使と成った古き時から生きてる堕天使。その分プライドも高いが、彼女はいかんせん…アザゼルやミカエルと違い個体値に恵まれず上級クラスの実力は無く、有っても中級。言わば経験豊富だが落ちこぼれであり、更には努力して底上げする事もしなかった女である。
しかし…経験と人生を長く生きた知恵、そしてアザゼルに惚れた故の恋心は絶大だ。
「いや…落ち着くのよ、レイナーレ。あのファンガイアの王は人間の匂いもする。それに初代王は死んで二代目が数百年も生きてたじゃない。
初代王は人間との間に子供が居たし…まさか末裔!?考えすぎよ、レイナーレ。二代目王が初代の娘を迫害し追い出したからそれは無いわ。闇のキバを受け継いだそっくりさんよ…そっくりさん」
「アイツ…レイナーレって名前なんだな」
「てか、隠すつもり無いでしょ!!」
尾行されてるにも関わらず、レイナーレは自分で独り言で正体をばらしたのだった。
「てか…あの堕天使、自爆で世界を救った初代ファンガイアの王様とギャスパーがそっくりな事を言ってるな」
「相当な長生きみたいですね。戦兎、アレがロリババアですね」
――おい待てぇぇ!!そんな事言ってる場合じゃないだろ!!尾行してるんだろ!?
突如、nascitaのツッコミ筋肉 万丈の声が聞こえた気がしたが尾行を続ける天才物理学者とバイオリニスト。
やがて夕日が出てきた頃。一誠とレイナーレは公園にやって来た。
(さてと…此処で赤龍帝を手筈通りに殺すわ)
レイナーレは笑みを浮かべる。事前にこの公園には人払いの結界を張っており、愚かな人間達は無意識に近付いてこない。
「戦兎、アイツ…此処で事を起こしますよ」
「みたいだな」
しかし…レイナーレは油断していた。この結界のお陰で野次馬がやってこないと思ってる彼女は、知らない。近くの草むらでは既に戦兎とギャスパーが隠れており、戦兎の腰には回すレバーが付いたドライバーことビルドドライバーが巻かれている事を。既に変身出来る準備は出来ており、レイナーレが事を起こした瞬間に変身して取り押さえるつもりである。
「一誠君、死んでくれないかな?」
レイナーレは突如として何かを取り出した。それは小さな刀のような物が着いたバックルだ。それを腰に巻こうとしたが…
「トリコさーーーーん!!今です!!」
一誠が叫ぶ。その刹那、青い魔力やチャクラ等のエネルギーで構成されたナイフが高速で飛来し、レイナーレが持っていたバックルが弾かれた。
「チッ!!」
地面を転がるバックル。レイナーレはそれを拾おうとする。レイナーレ単独の実力は低い、だがそのバックルを使えば仮面ライダーに匹敵する力を得れる。いや、それ以上の力を引き出せる可能性が有る。何故なら堕天使と人間のスペックは最低でも数倍の差が有る…その堕天使であるレイナーレが変身するのだ、人間よりも強くなっても当然である。
だが…
「はっ!?」
レイナーレの目の前に青い髪をしたmuscleが突如として降臨した。そう、トリコである。
「釘パンチ!!」
「ぐぅぅぁぁぁあ!!」
そのパンチは釘パンチ。連続で同じ箇所に拳を打ち込み、釘を打ち込むようにパンチを放つ事で衝撃をより奥に打ち込む事が出来るトリコの代名詞である。
釘パンチを受けたレイナーレは一撃で戦闘不能になり、呆気なく御用と成ってしまった。
「悪いな。お前が堕天使だってのは分かってたよ…勿論、俺の命を狙ってる事も。だから、俺が囮に成ってトリコさんに捕まえてもらう事にしたんだ」
そう、一誠は最初から知っていたのだ。レイナーレが自分の命を狙って近付いてきた事を知っていた。と言うのもトリコと出会い、レイナーレが告白してきた後にトリコから教えてもらったのだ。レイナーレが不法入国した堕天使であり、自分の命を狙ってる可能性が高いことを。
だから一誠は知らない振りをして、レイナーレを誘きだし事が起きればトリコに捕まえてもらう手筈で動いていたのだ。
「まあ、俺が出てこなかったら。お前は仮面ライダーに倒されていたけどな。出てこいよ、ギャスパーに青年。隠れてるのは匂いで分かるぜ」
と、トリコがそう言うと…草むらからギャスパーと戦兎が出てきた。トリコの嗅覚は警察犬以上であり、匂いでギャスパーと戦兎が居ることを分かってたのだ。
「トリコさん。居たんなら連絡くださいよ」
「悪いな。所で、ギャスパー…これ、分かるか?俺はライダーの装備なんて知らないしな」
トリコはレイナーレの手から弾き飛ばし、地面に落ちたバックルをギャスパーに手渡す。トリコもこの世界に呼び出されてから1年以上経つが、仮面ライダーの装備の種類に関しては実際に仮面ライダーとして活躍するギャスパーの方が詳しい筈だ。
「これは戦極ドライバー。量産モデルですけどなんで、この堕天使が?」
そのドライバーは戦極ドライバー。小さい刀に見えるパーツはカッティングブレードと呼ばれており、ドライバーにセットしたロックシードと呼ばれる錠前をカッティングブレードで開いて力を引き出すライダーのベルトである。
「キバッチ。やっぱり財団Xが?」
「可能性は有るな」
レイナーレは逮捕され、暗部に引き渡された。この後、尋問等が待ち受けているだろう。
そして、その日の夜。
「レイナーレ様は逮捕された……」
「くそう!!己!!日本め!!」
駒王に不法侵入した堕天使の皆様は廃墟街に潜伏してたのだが…
『クロックアップ』
気が付けば全員、手錠を施されて駒王交番に居たのだ。
「「へ?」」
「全員、不法入国で逮捕。あと殺人未遂な」
逮捕を実行した警察官は駒王交番勤務の仮面ライダー。加賀美新巡査長である。
彼は仮面ライダーガタック……マスクドライダー ガタックに変身するのだ。
「巡査長、お帰りなさい。例の変態コンビはどうでした?他府県まで捕まえに行きましたけど」
「神器で俺の時を停めて何度も逃げやがった。視界に入らなかったら停められないから、クロックアップを使って背後に回って逮捕した」
加賀美が帰還し、駒王の仮面ライダーは5人に戻った。
次回!一誠…下忍になる。
そして一誠のツッコミが目覚める。
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